松平春嶽 官位履歴

松平春嶽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 10:23 UTC 版)

官位履歴

福井市立郷土歴史博物館前の松平春嶽像

※ 日付は明治5年までは旧暦

参考文献

  • 『増補 幕末明治重職補任』日本史籍協会叢書・マツノ書店、2014年

栄典

人物・逸話

  • 幕末期に鋳造発行された貨幣「文久永宝」の文字は、当時幕府上位閣僚のうち能筆とされた3人の手による。この一部は、春嶽の筆である[要出典]。「文久永寳」の寳の字が「宝」と略されている硬貨が春嶽の筆である[要出典]
  • 『続再夢紀事』、『孝明天皇紀』さらに『逸事史補』には「元治」への改元の際、朝廷が幕府に示した元号案の中で「令徳」を天皇が推していると主張した。「令徳」という言葉に「徳川に命令する」という意味を読み取った幕閣や一橋慶喜らはこれを嫌い、春嶽に相談を持ち掛けるが、春嶽は「もとより天下で最高位にあるのは朝廷である」という趣旨の発言をしたが続いて「『令』という文字を年号に使った先例はない(2019年に令和に改元したのが初の事例)」として元号案の一つにあった「元治」(「元に治まる」の意で「王政復古」の意味合いが強い)を妥協点とすることと提案。慶喜らに懇願され春嶽が説得した朝廷側の中川宮朝彦親王や関白・二条斉敬もこれに同意。無事、新元号は「元治」に決定したという[8][9][10]
  • 『明治天皇紀』や『岩倉公実記』、『逸事史補』といった資料によると「明治」への改元にあたり、菅原家等の学者が複数の元号案を提出、それらを岩倉具視の意を受けた春嶽が「佳号」と判断した2〜3号に絞り込み、最終的には籤引きによって決定されたという[11]
  • 西洋のリンゴを初めて日本に導入したとされる。文久2年(1862年)、春嶽はアメリカ産のりんごの苗木を入手し、それを江戸郊外巣鴨の福井藩下屋敷に植えたのが最初とされる[12](ただし遡ること数年前、巣鴨近隣の板橋にあった加賀藩下屋敷にて先行の栽培記録がある[13])。

注釈

  1. ^ 一般には福井藩第3代と数える松平忠昌以降を別系統(別藩)と捉えると第14代となる。

出典

  1. ^ 「官次第」1838年(天保9)4月19日、「松平錦之丞」の署名(松平文庫)
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『福井県史』通史編4 近世二 第六章
  3. ^ 福井藩記録『続再夢紀事』
  4. ^ 服部敏良『事典有名人の死亡診断 近代編』付録「近代有名人の死因一覧」(吉川弘文館、2010年)26頁
  5. ^ 『官報』第1562号「叙任及辞令」1888年9月11日。
  6. ^ 『官報』第1777号「叙任及辞令」1889年6月4日。
  7. ^ 『官報』第1928号「叙任及辞令」1889年11月30日。
  8. ^ 所功『日本年号史大事典』雄山閣、2014年、P616〜P617
  9. ^ 久保貴子『近世の朝廷運営 朝幕関係の展開』岩田書院、1998年、第六章「改元に見る朝幕関係」
  10. ^ 村田氏寿、佐々木千尋『続再夢紀事 第二』日本史籍協会叢書、1921〜22、P400〜404
  11. ^ 所、2014年、前注5、P54〜P56
  12. ^ 『越前松平試農場史』
  13. ^ 幕末期における西洋リンゴ苗木の渡来、およびその弘前藩 浪岡村への移植説をめぐる検証”. 2022年1月19日閲覧。
  14. ^ 『早稲田清話』P90
  15. ^ 『早稲田清話』P330
  16. ^ 角鹿尚計「松平春嶽をめぐる女性たち 3―華族夫人として生涯を全うした春嶽の愛娘―」福井市立郷土歴史博物館『DAYORI』22、2009年10月。福井県文書館資料叢書4-8『越前松平家家譜 慶永』1-5、2007-2011年


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