smallpox
「smallpox」の意味・「smallpox」とは
「smallpox」とは、天然痘を指す英語の単語である。天然痘は、ウイルスによって引き起こされる感染症で、高熱や発疹が特徴的な症状である。過去には世界中で流行し、多くの死者を出したが、現在ではワクチンの普及により、世界中で根絶されている。「smallpox」の発音・読み方
「smallpox」の発音は、IPA表記では /ˈsmɔːlpɒks/ となる。カタカナに直すと「スモールポックス」が近い。日本人が発音する際のカタカナ英語の読み方も「スモールポックス」である。「smallpox」の定義を英語で解説
「smallpox」は、"an acute contagious viral disease, with fever and pustules usually leaving permanent scars"と定義される。これは、「急性の感染性ウイルス病で、通常は熱と膿疱が出現し、永続的な瘢痕を残す」という意味である。「smallpox」の類語
「smallpox」の類語としては、「variola」がある。これはラテン語由来の医学用語で、天然痘を指す。また、「pox」も「smallpox」の一部であり、一般的には様々な種類の疱疹症を指す。「smallpox」に関連する用語・表現
「smallpox」に関連する用語としては、「vaccine」(ワクチン)、「eradication」(根絶)、「variola virus」(天然痘ウイルス)などがある。これらは天然痘の予防や治療、または原因ウイルスに関連する表現である。「smallpox」の例文
1. Smallpox was a deadly disease that killed millions of people worldwide.(天然痘は世界中で何百万人もの人々を死に至らせた致命的な病気であった。)2. The smallpox vaccine has successfully eradicated the disease.(天然痘のワクチンは、病気を成功裏に根絶した。)
3. Variola virus is the cause of smallpox.(天然痘ウイルスが天然痘の原因である。)
4. Smallpox left permanent scars on the skin.(天然痘は皮膚に永続的な瘢痕を残した。)
5. The World Health Organization declared smallpox eradicated in 1980.(世界保健機関は1980年に天然痘の根絶を宣言した。)
6. Smallpox was highly contagious and spread rapidly.(天然痘は非常に感染力が強く、急速に広がった。)
7. Smallpox has been one of the world's most devastating diseases.(天然痘は世界で最も壊滅的な病気の一つであった。)
8. The last known natural case of smallpox occurred in Somalia in 1977.(最後の自然発生した天然痘の症例は1977年のソマリアで発生した。)
9. Smallpox is the only disease that has been eradicated by human effort.(天然痘は人間の努力によって根絶された唯一の病気である。)
10. The eradication of smallpox is considered a major achievement in medical history.(天然痘の根絶は医学史上の大きな成果と考えられている。)
smallpox
【天然痘】(てんねんとう)
Small pox.
天然痘ウィルスによって引き起こされる病。痘瘡(とうそう)とも。
極めて伝染力が強く、致死率も高く、人類に対して最も脅威を与えた病原体の一つである。
感染経路は主に飛沫と接触。潜伏期間は1~2週間。
発症初期の2~3日ほどは40℃前後の高熱、咳、頭痛など風邪に近い自覚症状を発する。
その後症状は一時改善するが、顔や全身に醜い水疱が出現。この時の痕は完治しない。
7日~9日目に再び高熱を発し、また水疱が内臓にも生じる。
致死率は30~50%。死に至る事例の多くは肺の損傷による呼吸不全が直接の死因となる。
発症後に有効な治療法は存在しないが、発症後2~3週間生存すれば免疫抗体により完治する。
免疫抗体は生涯に渡って維持され、一生の間に二度以上罹患する事はまずない。
1798年、イギリスのエドワード・ジェンナーが天然痘ワクチンを開発している。
現代では対症療法も確立しており、感染後4日以内に適切な治療を受けられれば確実に助かる。
1958年からは国連の世界保健機関(WHO)が「世界天然痘根絶計画」を実施。
1980年、1977年以降に新たな患者が世界で一例も確認されなかった事実を根拠として完遂が宣言された。
現在、天然痘ウィルスは自然界から根絶され、どこにも存在しないものと推定されている。
ただし、研究所・医療機関では今も天然痘ウィルスが培養保存されている。
旧ソ連で生物兵器用に培養された天然痘ウィルスが流出したという真偽不明の報告もある。
また、生物兵器として秘密裏に天然痘ウィルスを保有している疑いのある軍隊・研究機関も数多い。
天然痘がほぼ根絶された1976年以降、天然痘の予防接種は行われていない。
予防接種による免疫は5~10年で消失するため、天然痘の免疫を持つ人間は今では皆無に近い。
そのため、生物兵器としてテロに使用された場合には甚大な被害が予想される。
現代でも軍隊が海外派遣される際には将兵に天然痘ワクチンが投与される事がある。
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生物兵器としての使用例
歴史上では、大航海時代にアメリカ大陸で発生した大疫禍が特に有名。
当時、「新大陸」を求めて探検・入植してきた西洋人の多くは天然痘ウィルスの保菌者であった。
そしてアメリカ大陸に当時まだ天然痘は存在せず、現地人は天然痘に対して一切の免疫を持たなかった。
結果、現地で天然痘が大流行。アステカやインカなど中南米諸国民の過半数が死亡するまでに至った。
その大混乱に乗じてスペイン人らが征服・掠奪・虐殺を繰り返し、当時の中南米諸国家は消滅の憂き目を見た。
これは当初、純然たる事故であった。しかし、やがて天然痘は「民族浄化」に活用されるようになる。
当時の入植者の多くは天然痘からの生還者か、種痘を受けた人々であり、天然痘に免疫を持っていた。
しかし一方で南北アメリカ先住民は天然痘に免疫がなく、感染を避ける衛生観念さえなかった。
結果、「天然痘患者が使った毛布などの日用品」は生物兵器として人類史上最も劇的な戦果を挙げている。
天然痘
痘瘡ウイルスを病原体とする感染症で、感染後高熱と全身の皮膚や粘膜に水痘様の発疹が多数あらわれる。天然痘は世界各地で約3000年前から、人類の歴史を変えるほどの大流行を繰り返してきた。特に乳幼児にとっては最大の病気で、これから回復しても瘢痕を残すことから、世界中で不治、悪魔の病気と恐れられていた。
痘瘡ウイルスはヒトにのみ感染するという疫学的特性と終生免疫が成立する種痘ワクチンを武器として、WHOが1958年から撲滅作戦を展開した結果、天然痘は1977年、ソマリアの青年の患者を最後に報告されておらず、1980年世界保健総会において根絶宣言が出された。(その後、実験室感染が数件報告されている)。天然痘は、撲滅宣言が出された唯一の感染症である。
WHOの作戦とは、天然痘患者が発生すると、その発病1ヶ月前から患者に接触した人々を対象として種痘を行い、ウイルスの伝播・拡散を防いで孤立させる事で天然痘の感染拡大を防ぐことであった。これはモッピングと言われる戦略で、ポリオ根絶対策でも現在用いられている。
痘瘡ウイルスは現在、米国とロシアのレベル4施設で厳重に管理されているが、近年、これを用いたバイオテロの危険性が叫ばれ、新たな局面を迎えている。(玉城英彦)
参考URL:WHO天然痘ホームページ http://www.who.int/topics/smallpox/en/
天然痘
【英】:smallpox,variola
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