こん‐だて【献立】
メニュー (料理)
(献立 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/10 23:51 UTC 版)
メニュー(英語: Menu)は、料理の品目を示した表であり、客が選択可能な料理の一覧的な小冊子、またはボード(張り紙)などのこと。日本語では献立表、献立書、品書きともいう。[1]
概要
フランス料理の「menu ムニュ」は、あらかじめ組み合わされた一連の料理の流れ(table d'hôte ターブル・ドット。英語風に言うと「コース料理」)を指す。 フランス料理でmenuムニュ(コース料理一覧)とcarteカルト(一品料理の一覧)が対比されて理解されており、アラカルトは、客が料理を一品一品自分の好みで選んで注文すること。
フランス料理では、一度にテーブルに出さず、アペリティフ、前菜がまず出て、前菜を食べ終わってからメイン料理が出され、メインを食べ終わってからデセールというように、あくまでひとつが終わって次を出し、舞台芸術のようにシナリオが決まっていて時間とともに情景が変化してゆく、ということを強く意識している。
日本の「定食」は、懐石や会席料理のように一品ずつ食べていく「喰い切り」のものと、本膳料理やラーメンライスのように同時に複数の料理を配膳するものと、2種類の傾向がある。
メニューを日本語にすれば「献立」表および「定食」が近い。
フランスでの歴史


それぞれ4または5種類のサラダ・スープ・主菜から1品ずつを選ぶことができ、一番下には共通の付け合わせが書かれている
メニューは、多くの料理用語同様に、フランス語が語源である。ラテン語で「小さい」「微小な」を意味する「minutus ミヌトゥス」に由来し、フランス語「menu ムニュ」で詳細なリストや履歴書を意味するようになった。客に選択を提供した最初のメニューは、小さい「carte カルト、キャルト」(=フランス語で黒板の意)に書かれた。こうしたことから、客が選ぶ料理は「à la carte アラカルト」(「黒板に従って」という意味)と呼ばれている。
初期のレストランは現在のようなメニューを持たなかった。ターブル・ドート(定食)店ではシェフまたは経営者が、その日その日にあらかじめ選んで決めた料理が提供され、客の側は料理を選べず、あくまで店舗側がその日に提供している料理を食べるものであった。料理の内容を決定するのはあくまで店の側であったのであり、いわば現在の宴会のような関係であったわけである。現在のメニューは18世の後半に最初に現れた。ここでは、皆に提供される同じ料理ではなく、料理の一覧が表示され、その一覧から客が自分の好みで選択し注文し、レストランの側は注文されたものを作る。定食店は定価(一価)であったが、メニュー(方式)では選択した分に応じた価格を払うことになる。[2]。こうした歴史的経緯も経て、フランス料理では、ターブル・ドート(コース料理)の一覧表をmenu ムニュと呼び、一品料理の一覧表には「carte カルト」や「à la carte アラカルト」と表記するようになった。
中国での歴史

中国の宋(960年-1279年)の時代、商人層に主に提供される初期のレストランの発展に伴い、献立の起源が見つかっている[3]。
日本での歴史
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室町時代に確立したとされる有職料理では、初箸とよばれる前菜や、初献・二献・三献あるいは一の膳・二の膳・三の膳と配列するように、食べる順序がある。州浜をかたどった
懐石では、初めに折敷に飯、汁物、
会席料理になると、懐石のように順番に食べる形式と、膳などに多くの料理を乗せて提供する宴会形式と、2つに大別される[5]。
江戸時代からの普茶料理や卓袱料理は、中国の影響が濃く、大きなテーブルやちゃぶ台に多数の料理を乗せて提供する形式になる[4]。
現在の一般家庭においては、飯と汁物と惣菜をすべてまとめて提供したり、御節料理を重箱にまとめて盛り付け雑煮と屠蘇と一緒に提供したりすることが多い[6]。
裏メニュー・裏オーダー
外食産業などでは正規のメニューに存在しない料理や品目のことを、
出典
- ^ 広辞苑第5版
- ^ Rebecca L. Spang, The Invention of the Restaurant: Paris and Modern Gastronomic Culture (Harvard, 2000: ISBN 0-6740-0685-2)(英語)
- ^ Gernet, Jacques (1962). Daily Life in China on the Eve of the Mongol Invasion, 1250-1276. Translated by H. M. Wright. Stanford: Stanford University Press. ISBN 0-8047-0720-0. Page 133.(英語)
- ^ a b 『四季日本の料理 秋』講談社 ISBN 4-06-267453-X
- ^ a b c 『四季日本の料理 春』講談社 ISBN 4-06-267451-3
- ^ 『四季日本の料理 冬』講談社 ISBN 4-06-267454-8
- ^ 裏メニュー(うらメニュー)の意味 - goo国語辞書
- ^ ハヤシライスが一番人気、デミグラスソースに深み「グリルエフ」(東京・五反田) - 朝日新聞デジタル&M
- ^ 筋トレ界から芸能界まで流行中!“食べるダイエットジム”「いきなり! ステーキ」を10倍楽しむコツ | ダ・ヴィンチニュース
- ^ “餃子の王将の裏メニュー・裏オーダー完全まとめ! しかも激ウマ | ガジェット通信 GetNews”. ガジェット通信 GetNews (2023年4月20日). 2023年8月26日閲覧。
関連項目
献立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 10:07 UTC 版)
時代によって食文化が変容すると共に給食のメニューもまた様変わりしている。 1980年代からは食育という「食事の教育的側面」が注目されるようになっている。行事との関連を図ったり、食を通した郷土や異文化を理解したりさせたりすることが狙いとして挙げられる。 行事食 季節感や年中行事などを考慮して特別な献立が設定されることがある。 郷土料理(郷土理解)、B級グルメ 郷土理解を図る場合には、地場産業を子供達に知って貰う趣旨で地元の食材を使う事が多い。地域によってはこのとき、イセエビやアワビなどの高級食材が出る場合もある(例として山口県下関市の給食ではフグ雑炊や鯨の竜田揚げなどが出ている)。また、交流都市などの郷土料理、豪華な料理など、通常のメニューとは大きく変わったものが出される場合がある。 郷土料理の取り込みや「地産地消」といって地域産品の活用も見られる。地域独特のメニューをアレンジして使われた献立として、雑煮、ういろう、ほうとう、たこ焼き、けの汁、すいとんなどがある。が、その一方で余剰地域産品の重要な消費先ともなっており、地域農林水産業の影響も見て取れる。 異文化交流 近年では食の多様化を反映し、色々な国の食事が学校給食で採用されるようになった。日本国内に限らず外国の料理も、友好都市、姉妹都市のメニューを中心に多く見られる。冷凍食品や各種レトルト食品を利用することにより、手の込んだ献立が供されることが増えた。それらの料理を組み合わせて20日間、異なる国の料理の給食を供した例もある。 異文化交流の例として、FIFAワールドカップの出場国の民族料理などが出された例がある。 収穫作物の利用 学校農園の収穫祭では、児童生徒が栽培した米や野菜などを給食の献立に使用されることがある。 リクエストメニュー 児童生徒に献立の希望をアンケートなどで募り、それを提供するものである。多くはこれまでの給食の中で人気の高かったメニューが選ばれる。 学校給食は学校内で全て同一の分量が出るわけではなく、いくつかの種類に分けられている。一例としては小学校低学年、中学年、高学年、中学校・教職員と4段階に分け、分量をそれぞれ設定するなどがある。ただし、これらの規定は「同学年=同年齢」という年齢主義に基づいているため、想定年齢より高年齢の在学者に対しても、その学年用の給食が支給されることになる。 なお、以下では学校給食において特に特筆される食品についてのみ述べる(給食と献立の構成も参照)。 パン(食パン・コッペパンなど) 食パンやコッペパンのほか、黒砂糖パン(黒コッペパン)、揚げパン、レーズンパン、クロワッサン、ソフトフランスパン(一般的な棒状の硬いフランスパンとは形も粉も製法も違い、白くて丸いパン)、豆パン、ケーキパン(クリームを挟んだパン)、胚芽パン、米粉パン、フォカッチャ、ナン、チャパティなど。 パンにはバターやマーガリン、ジャム、ピーナッツクリーム、チョコレートクリームといった調味品が付く場合もある。 京都市では低学年と高学年では食パンのサイズが異なっており(低学年クラスの担任でも教師は高学年サイズとなるため混在しないよう別袋に入れられていた)、費用の違いから年度末に給食費の調整が行われた。 ご飯(米飯給食) 給食制度が始まった当初は、米がそもそもパンに比べて価格が高い、炊飯に手間がかかる、運搬と保存、配膳、食器洗いと後処理に手間がかかる等の理由から、ご飯が給食に出されることはなかった。学校給食の主食は、当初はパンだけであったが、社会的に豊かになり、食糧も潤沢になり、食生活の西欧化から、米余りの問題が指摘されはじめ、その結果、消費促進も狙って、1976年(昭和51年)に『文部省令第5号学校給食法施行規則等の一部を改正する省令』で、米飯給食が制度上位置づけられた。但し全国的に広まったのは1980年代であり、現在では、条例で定める地方自治体も現れるなど学校給食の主流である。食育とあいまってご飯を中心とした日本型食生活の促進が期待されるようになっている。国会でも、まだまだご飯食を増やしたいと意向が示された。当初は月に数回程度であったが、近年では週に3回程度、ご飯が出るようになっており、さらに週4回まで増やすことが検討されている。 ソフトスパゲッティ式めん(ソフトめん) 1960年代にパン主体の給食に対して製麺業界が開発した。袋に入っている柔らかい麺をカレー、ミートソース等に入れ食べる。全国的に見れば、普及地域に偏りがある。東京都では2015年に学校給食会において「規格外」とされ、定番メニューからは既に外れている。 麺類 ソフトめんとは別に、うどん、焼きそばなど一般的な麺類が提供されている。なお、調理から給食時間までの時間や、こぼれた時の安全性を考慮し、汁物の麺類ではなく、片栗粉を入れて半ジェル状になったものに麺を入れたものが多い。 魚類 サワラやサケなどが焼き物にされる。白身魚の中では安価なメルルーサも焼き物やフライ などにされる。 鯨の竜田揚げ 1970年代までクジラ料理は給食をはじめ日本人にとって重要なたんぱく質源であった。捕鯨規制の結果、給食からはほぼ姿を消したが、調査捕鯨により極僅かだが流通しているため、年に1回から2回程度出ることがある。 脱脂粉乳 深刻な栄養失調の解消を目的に導入された。当初の給食は脱脂粉乳とパンという質素なもので、団塊の世代など当時を知る者の間では脱脂粉乳のまずさが、しばしば話題になる。お湯で溶かしバケツに入れて配膳されていた。時間の経過とともに表面に膜が張り、とても飲める代物ではなくなるため、最初に一気に飲むのが定石であった。昭和32年度より、国策として国産牛乳が利用される事となったが十分な供給・流通体制が整う1960年代半ば頃までは学校給食の定番で、遅いところでは1970年代前半まで給食で出されていた。 第二次世界大戦後、アメリカが膨大な余剰物資であった脱脂粉乳を小麦粉同様に食料支援政策という名目で日本へ売却し利益を得たことを日本人が知るのは後々の世であった。 牛乳 容器は当初、瓶入りであったが、1970年代から徐々に紙パックか牛乳瓶が主流になった。紙パックはいくつか種類がある。 牛乳にはミルメークと呼ばれる粉末または液体の調味品が付くことがある。 主食が米飯の日でも牛乳が出されるというのは、食べにくいという面で否定的な意見も多い。京都市ではおかずが汁物(味噌汁、粕汁)である日には牛乳が付かないことになっていた。米飯給食開始後はそういう献立の日が充てられた。また、ミルメークを使わずに年数回コーヒー牛乳そのものを出す学校もある。 新潟県三条市では「米飯との相性が良くなく、和食の文化を壊す」という理由で試験的に2014年12月から2015年3月末まで牛乳を廃止することを決めた。 牛乳では2004年度の給食消費量は385,543キロリットル(前年度比-2.7%)となっており、これは加工用乳含めた全牛乳生産量の9.8%であるが、この学校給食消費量の微減傾向は2005年に前後する牛乳供給過剰問題の一因にも挙げられている(畜産情報ネットワーク推進協議会調べ)。 北九州市はプラスチックゴミ削減を目的に、市立学校給食の牛乳用のプラスチック製ストローの使用を2022年度から廃止すると発表した。市によると、学校給食でプラスチックストローの使用廃止を打ち出すのは、政令指定都市では初めて。 お茶 茶どころでは牛乳に加えてお茶も付く(ただ、飲み物が牛乳と重複し、コップを持参しなければならないため、実際に飲んでいるのは牛乳嫌いの児童・生徒などに限られている場合もある)。近年では食の見直しの観点から、ご飯中心の和食のメニューの際には、牛乳の代わりに茶を出す学校もある。 ジュース ウンシュウミカンやリンゴが多く穫れる地域ではジュースが出されることがある。他の地域でも乳酸菌飲料、コーヒー牛乳等が出される所もある。これらは普段からではなく、年に数回程度特別に出される場合が多い。また、佐賀県では休み時間にみかんジュースが配られている。 菓子類 献立の中で行事食を表す意味で取り入れられることがあり、卒業式や終業式、クリスマスなどにケーキが出されることがある。また、5月には柏餅、2月には節分の豆、3月にはひなあられなどが献立に取り入れられることがある。 給食に、国産食材を使った和食を増やすことを求めて活動している団体(和食給食応援団)もある。
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献立
「献立」の例文・使い方・用例・文例
- メニュー,献立表
- 今日の献立を考えています。
- 毎日、野菜をたくさん使う献立を考えます。
- 毎日、野菜をたくさん使った献立を考えます。
- 今晩の献立は何ですか?
- 今日の夕飯の献立は、野菜炒めです。
- 私の献立は、カレーと白米とサラダです
- それほど多くの人々のための料理の献立を考えるのはむずかしい。
- 今夜の献立は何ですか
- 食事の献立
- 献立て書き
- 献立通りの食事をする
- 献立表
- (劇のプログラムまたは献立表のような)個々の事項のリスト
- 和食の献立において,小椀に入れて2番目に出す汁
- 料理の献立を書き記したもの
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