宮本武蔵 宮本武蔵の概要

宮本武蔵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/29 17:25 UTC 版)

 
宮本 武蔵
宮本武蔵肖像
島田美術館蔵。熊本県指定文化財)[1]
時代 江戸時代
生誕 天正12年(1584年)?
死没 正保2年5月19日1645年6月13日
改名 幼名:辨助(または弁助・弁之助)
別名 藤原玄信、新免武蔵守、新免玄信、新免武蔵、宮本二天、宮本武蔵
戒名 二天道楽居士
墓所 武蔵塚(熊本県熊本市北区
主君 黒田如水水野勝成
父母 新免無二
養子:三木之助伊織
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後世には、演劇小説漫画映画やアニメなど様々な映像作品の題材になり、現代では「剣豪」または「剣聖」と称されている[2]。特に吉川英治小説『宮本武蔵』が有名であるが、史実と異なった創作が多い。 外国語にも翻訳され出版されている自著『五輪書』には十三歳から二十九歳までの六十余度の勝負に無敗と記載[注釈 1]がある。

絵画や武具・馬具制作も頻繁にしていた過去があり、国の重要文化財に指定された『鵜図』『枯木鳴鵙図』『紅梅鳩図』をはじめ『正面達磨図』『盧葉達磨図』『盧雁図屏風』『野馬図』といった水墨画木刀などの工芸品が各地の美術館に収蔵されている。

島田美術館が所蔵する有名な肖像画は作者不詳[1]だが、身体を緩めている様は『五輪書』が説く極意に一致しており、自画像とする説もある[2]

名前

神棚。兵法二天一流メモリアル。[3]

本姓藤原氏[注釈 2]名字宮本、または新免幼名辨助[注釈 3](べんのすけ)、通称百官名)は武蔵玄信(はるのぶ)である。二天、また二天道楽。著書『五輪書』の中では新免武蔵守・藤原玄信と名乗っている。

熊本市弓削墓碑は「新免武蔵居士」、養子宮本伊織が武蔵の死後9年目の承応3年(1654年)に建てた「新免武蔵玄信二天居士碑」(以下、小倉碑文)には「播州赤松末流新免武蔵玄信二天居士」とある。

武蔵死後71年目の『本朝武芸小伝』(1716年)で政名なる名が紹介された。これを引用した系図伝記、武蔵供養塔が広く紹介されたことから諱を「政名」とする武蔵の小説や紹介書が多数あるが、二天一流門弟や小倉宮本家の史料にこの「政名」は用いられていない。逆に史的信頼性が完全に否定された武蔵系図等で積極的に用いられている。

出生

宮本武蔵寺(岡山県大原町)

生年

『五輪書』の冒頭にある記述「歳つもりて六十」に従えば、寛永20年(1643年)に数え年60歳となり、生年は天正12年(1584年)となる。

江戸後期にまとめられた『小倉宮本家系図』[注釈 4]、並びに武蔵を宮本氏歴代年譜の筆頭に置く『宮本氏正統記』には天正10年(1582年)に生まれ、正保2年(1645年)享年64で没したと記されている。

出生地

『五輪書』に「生国播磨」の記載があり、養子・伊織が建立した『小倉碑文』、江戸中期の地誌播磨鑑』や泊神社棟札兵庫県加古川市木村)等の記載による播磨生誕説(現在の兵庫県高砂市米田町)と、江戸時代後期の地誌『東作誌』の美作国岡山県東部)宮本村で生まれたという記載による美作生誕説がある。

美作生誕説は、吉川英治の小説『宮本武蔵』などに採用されたため広く知られ、岡山県および美作市(旧大原町)などは宮本武蔵生誕地として観光開発を行っている。

出自

[注釈 5]赤松氏の支流・新免氏の一族・新免無二とされているが異説もある。

『小倉宮本系図』には武蔵の養子・伊織の祖父で別所氏の家臣・田原家貞を実父とし、武蔵はその次男であるとされているが、伊織自身による『泊神社棟札』や『小倉碑文』にはそのことは記されていない。また、武蔵や伊織に関する多くの記事を載せている江戸中期に平野庸脩が作成した地誌『播磨鑑』にも武蔵が田原家の出であるとはまったく触れられていない[注釈 6]


注釈

  1. ^ ただし60余戦全ての詳細な経緯・戦績は記録に残っておらず2戦の簡易な記載に留まる。
  2. ^ 新免氏には藤原実孝を祖とする説(『徳大寺家系図』)、赤松氏家臣の衣笠氏、平田氏の支流の説(『中興系図』)もある。
  3. ^ 弁助、弁之助とも。
  4. ^ 弘化3年(1846年)以前に養子伊織の子孫作成。
  5. ^ 実父説と養父説がある。
  6. ^ 『東作誌』等で、武蔵の父親を「平田武仁」とする説があるが武蔵の誕生(天正8年(1580年))以前に死んでいる。また、それらの史料では、他の武蔵関係の記述も他史料との整合性が全く無く、武蔵に関しての史料価値はほとんど否定されている。
  7. ^ 如水の息子の長政に従い関ヶ原の本戦場で黒田勢の一員として戦っていたとする説もある。
  8. ^ 新免氏が宇喜多秀家配下であったことから、それに従って西軍に参加したとの説があった。
  9. ^ 黒田家臣・立花峯均執筆の『兵法大祖武州玄信公伝来』(『丹治峯均筆記』『武州伝来記』とも呼ばれる)では、黒田如水の軍に属して豊後国の石垣原(現在の大分県別府市)で西軍の大友義統軍との合戦に出陣し、出陣前の逸話や冨来城攻めでの奮戦振りの物語が語られている。
  10. ^ a b 天正12年(1584年)に武蔵が生まれたと考えると慶長9年(1604年)のことになる。
  11. ^ a b 岩流には俗に佐々木小次郎の呼称があるが後年の芝居で名づけられ定着したもので根拠がない。また巖流は岩流の異字表現で、史料によっては他に岸流・岸柳・岩龍という呼称がある。
  12. ^ 従来、豊臣方として参戦したと通説の如く語られるが、根拠のない俗説である。
  13. ^ この試合は『海上物語』では明石で、『二天記』では江戸で行われたと伝えられる。ただし『二天記』の原史料である『武公伝』にはこの内容は記載されていない。
  14. ^ 伊織は寛永8年(1631年)20歳で小笠原家の家老となっている。
  15. ^ 当時は日本橋人形町近辺、元吉原とも。
  16. ^ 新町の置屋にいる遊女・雲井と馴染みで島原の乱の直前に雲居に指物の袋を依頼しこれを受け取り騎馬で出陣したとある。
  17. ^ 一般には家老以上の身分でなければ許可されなかった。
  18. ^ 染物業者となった吉岡一族は商業的に成功し、現代にもその名を継ぐ染色業者が残る。直綱が広めたと伝えられる憲法染は江戸時代を通じて著名となり「憲法染の掻取」が公家の正装としても扱われるようになった。
  19. ^ a b c 正確には吉岡亦七郎のほか、武装した門人数百名も加わっていたことになっている。
  20. ^ 宝暦元年(1751年)日出藩家老・菅沼政常が記録した平姓杉原氏御系図附言の木下延俊の項にも「剣術は宮本無二斎の流派を伝たまふ」と記載されている。
  21. ^ 細川家家老だった沼田延元の記録を編集。
  22. ^ 現物は巖流島の決闘の後に紛失した。
  23. ^ 二天一流で二刀を使う理由について、武蔵は『五輪書』の地の巻で、「太刀を片手で振ることを覚えさせるため」と記している。
  24. ^ 実名は渡辺茂。通称は久三郎。天正10年(1582年摂津国(現在の大阪府北中部等)生まれ。天竺巡礼したと称し、宝永8年(1711年)に130歳で死去したという。
  25. ^ 武蔵の円明流の弟子・竹村与右衛門との姓を混同したという説と、一時、竹村姓を名乗り、与右衛門は養子であったという説がある。
  26. ^ 沐浴は宗教的行為である。また、「入浴」項にあるとおり、庶民が風呂に入るようになるのは江戸時代になってからである。
  27. ^ 敵役である荒神(加藤雅也)が宮本武蔵を名乗る。

出典

  1. ^ a b いま鑑賞できる宮本武蔵 島田美術館(2021年4月21日閲覧)
  2. ^ a b 読売新聞』よみほっと(日曜別刷り)2021年4月18日1面【ニッポン絵ものがたり】「宮本武蔵肖像」剣聖の脱力とゆる体操
  3. ^ https://www.memorial-heiho-niten-ichi-ryu.com”. 平法新天一流記念館 - 平和と愛の記念碑。閲覧。
  4. ^ 慶長7年・同9年『黒田藩分限帖』
  5. ^ a b c d e 内田吐夢監督・中村錦之助(萬屋錦之介)主演の全五部作。
  6. ^ a b c d 同枠では1980年に同じ原作の中村錦之助(萬屋錦之介)主演映画五部作品も放送している。
  7. ^ 歌舞伎座テレビ映画部・関西テレビ製作
  8. ^ 『日本放送協会編『放送の五十年 昭和とともに』』日本放送出版協会、1977、pp.99-100「暗転する戦局」、p.330「年表 昭和18年(1943)」頁。 






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