国家・地理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 09:07 UTC 版)
「ヘヴィーオブジェクト」の記事における「国家・地理」の解説
安全国 世界的勢力を構成する無数の国家のうち、オブジェクトの戦闘が禁じられた非戦闘地域の国家。上層部や特権階級、戦争と無縁な一般市民などが住んでいる。作中の世界では安全国と戦争国を明確に区分しその範囲で戦うのがセオリーであり、その暗黙の了解を破るのはタブーとされる。ロストエンゼルス 『信心組織』に所属する、コロマンデル方面の最南端の街。人口約200万人。南端にはオブジェクトの建造・整備を行う大規模施設があり、莫大な助成金が街へ流れている。そのため、各世界的勢力がギャングに扮して諜報活動を行っている(『正統王国』はアズールハイヴ、『情報同盟』はクリムゾンパーティ、『資本企業』はマスタードカウボーイ、『信心組織』はビリジアンエッジ)。 「信仰を失ったら人々はどうなるか」を名目に設定された実験場であり、犯罪が横行していて治安は最悪。元々は大規模なシャトル発射場として開発されていた。山岳部の変電施設はボロいため頻繁に停電が起こる。夜になると、山間部から流れる風によって街に深い霧が立ち込める。 オセアニア軍事国 オーストラリア大陸に位置する軍事独裁国家。どの世界的勢力にも属していない。強引な人工緑地化開発を推し進める過程で先住部族を弾圧し、多国籍軍の介入を受けつつも、砂漠の全域を縦横断する廃棄されたパイプライン網を利用し軍の検問や衛星の監視をすり抜けて活動していた。MIBによって与えられた『〇・五世代』を軍事国が運用したが、多国籍軍に破壊されたことで体制が崩壊する。それに乗じて多国籍軍の支配権の取り分争いによる小競り合いも起きた。 崩壊後は「空白地帯」として介入を受けつつ、再興に向けて暫定政府が活動している。再興を機に、治安維持は軍隊ではなく警察系の特殊部隊が担当している。再興への資金援助も散発的でオセアニア・ドルも乱高下しており、旧軍政派残党が開く闇市が否応無しに根付いている。 ロワイヨーテ方面、ソロモン方面なども該当する。 南極 国連崩壊前から領有権を巡って複数の国家が鎬を削ってきた激戦区。現在で領有権を主張しているのは、オセアニア軍事国、『資本企業』の西米セントラルヴァレー方面、『情報同盟』のチョノス諸島方面、『正統王国』の南グレートブリテン方面。 空白地帯 どの世界的勢力にも属しておらず、国家も存在しない無政府状態の地域。犯罪組織の中継地点として利用されることが多い。イグアス方面、ソベラニア方面などが該当する。グレーターキャニオン かつてのアメリカ合衆国を東西に切り分けた絶対非武装線。世界最大の空白地帯。『国連の崩壊』の最たる爪痕とされる。東西の幅が150km以上ある上、その先にも『情報同盟』も『資本企業』も互いに200kmもの砂漠を敷いた立入禁止区域を設定している。両勢力とも第二世代オブジェクトを20機単位で配備して牽制し合っている。旧時代の地下ミサイルサイロが丸ごとジオフロント都市(サイロシティ)に化けている。 ロックキャッスル 月面に建設された特権階級用の別荘の一つ。国境は定まっておらず様々な勢力の人間が滞在している。月には宇宙空間に『ブラインドネット』と呼ばれる可変フォトニック結晶でできた網状の半透明ワイヤーが半球を重ねるように張られており、月面への太陽光の照射量を調節する光化学的な第二大気圏が整備されている。これは放射線を偏光させる役割もになっており、これによってロックキャッスルの建物が、放射線をカットする大気が無い真空中でも維持されている。 アマゾンシティ かつて『正統王国』がアマゾンに建設した100万人規模の工業都市。20年前に新型ウイルスの蔓延で放棄され、世界最大規模のゴーストタウンと化している。都市計画により、別の街へと地下鉄が整備されている。 移民居住都市 ヴィクトリア島東端に位置する『正統王国』の都市。その名の通り海外からの移民を受け入れる都市である。 『島国』 かつて世界で初めてオブジェクトを開発した極東の島国。兵器開発関連の技術がズバ抜けているが、逆にそれによってガラパゴス化している(新兵器開発よりもバージョンアップの方が得意)。現在でもオブジェクト開発の最先端に立つが、少子高齢化で移民を大量に受け入れたため、オブジェクトの技術情報は世界的に広まることになった。少子高齢化に伴い子供は成長資源として大切に扱われており、早い内から会社直属の名門校に通わせ英才教育を施している。完全PMC制の『資本企業』の軍隊では戦力不足が否めず、問題解決へ向けて半公共化の自防PMCを設立し海上警備を強化したが、この自防PMC自体が暴走したことで領海が内戦状態に陥っている。太平洋の海底資源を得る以前は、海の補給路を確保するために『幽霊船団計画』などが進められていた。 所属は『資本企業』だが、列島西部を掌握した朝廷制度復活を掲げる勢力が『正統王国』と『信心組織』のどちらに属するかで内部対立したり、東部も徐々に『情報同盟』的な体制に移行しつつあるなど、曖昧な政治情勢となっている。 北欧禁猟区 アースガルドの消滅を機に、オブジェクトの運用が禁止された地域。時代に逆らい反オブジェクトを掲げても巨大メディアに封殺されない唯一の場所。また、意図的なガラパゴス化を促す事で通常のオブジェクト開発では得られない新技術の偶発的発生を誘発させるための巨大な実験戦場としての経時的意義がある。民間人も生活しているが戦闘機や生身の兵による戦闘が続き、四大勢力が入り乱れているため実効支配がどの勢力であろうと他の勢力が潜んでいるような泥沼な戦況になっている。そのため国境も頻繁に変化している 爆撃や略奪の恐怖などの戦争病変に長時間曝された子供たちの精神はエリートの素体として優れており、エリートの自然発生率が高い。アースガルド かつては、球体状の本体を大きく広げて街の形に作り替えていったオブジェクトのような街であり、500万人が住まう巨大な金融街だった。JPlevelMHD動力炉を巨大金融街の中心に据えてエネルギーインフラを賄うと同時に、大都市の周辺を取り囲むように12の主砲を主軸とした総数100門以上の強固な対空対地砲撃陣地を設置していた。極太の地下送電ケーブルを使い、遠く離れた場所で強化コンクリートの地盤に固定した首振り式のレーザービーム砲やレールガンに莫大な電力を供給していた。 敵の襲撃により動力炉が爆破され、街そのものが消滅し、現在は『崩壊首都』と呼ばれゴーストタウンと化している。クリーンな戦争における負の歴史の転換点とされており、北欧全域がオブジェクト無用な禁猟区とされる原因となっている。 ヴァルハラ 北欧禁猟区南端に位置する100万都市。北欧禁猟区と東欧を繋ぐ玄関口となるため、盛り土で山脈を作り陸路の要衝として交易と金融により栄えている。アースガルドの消滅に伴う多くの民の流入により大きく拡張していった。領有権の問題で海側の『資本企業』と山側の『情報同盟』が一つの街を管理しており、街の中心を南北に縦断するフェンスが敷かれ、分断商都とも呼ばれている。街の中央には直径2kmの『不可侵の森』が存在し、北欧神話が巨大宗教に駆逐される前からあった文化的支柱となっている。 地下道や抜け道などが数多く存在し、マネーロンダリングの温床と化している。 人工浮揚島 巨大なフロートを使って構成された陸地。独立権を与えられている場合は1か所に留まる必要はなく、7つの海の公海上をゆっくりと移動している。地球温暖化と海面上昇に後押しされる形で一時期は建造ラッシュが進み、衛星台湾、新制琉球諸島などが作れた。しかし、維持コストがかさむ、資源の供給の不便さから生じる外交的な脆さ、非常事態に陥った際の都市機能の復旧速度に難がある等の問題点が建設後に明らかになり、現在では流行に陰りが出てきている。オリンピアドーム 大西洋のほぼ中央に浮かぶ巨大人工浮揚島。スポーツ競技会『テクノピック』の会場。四大勢力に属さない完全中立を謳っているものの、実際は『信心組織』の毛色が強く、大西洋全域を回遊する巨大な電波盗聴器と化している。 直径約20kmの競技ドームを中心に、周囲10kmへ各種施設を配置した構造(目玉焼き、とも揶揄される)。選手村として、競技ドームの外側に高層リゾートホテルが建設されている。遊泳エリアの海底には可動式の防波堤として強化ウレタン製の直方体ブロックが敷き詰められ、それが上下することで海流をコントロールしている。オリンピアドーム自体は、およそ2年の周期で大西洋を周回している。テクノピック出場選手への襲撃事件に対処するため5000機以上の無人兵器を導入しているが、ドームそのものに軍事的価値が無いことを示すため、それらの供給電力はオーシャンサブステーションと呼ばれる外部の大型変電船舶3隻で作り出している(軌道上の発電衛星群からマイクロウェーブで船舶へ送電、続いてその電力をレーザーに変換してオリンピアドームにエネルギーを供給)。こういった回りくどい間接的なシステムは、マイクロウェーブの人体への影響を懸念した上での風評被害対策も兼ねている。ビフレストビーチと呼ばれる観光名所があり、内陸に引き込まれた巨大な運河へ並行的に架かる200m以上の7本のアーチ状鉄橋がある。夜にはライトアップされ、一本につき一色、合計七色の光を放つ。「ここへ立ち寄るカップルは仲が進展しない」というデータも週刊情報誌に掲載されていたりする。テクノピック オリンピックの流れを汲んだ、4年に一度の国際的なスポーツの祭典。大会中は各世界的勢力が第二世代のオブジェクトを一機ずつ派遣して警護している。 表向きは『平和の祭典』だが、現在はスポーツ衣類の向上や人間工学の発達により、技術力の誇示を兼ねた代理戦争と化している。さらに裏では選手暗殺を始めとする妨害行為が半ば暗黙の了解としてまかり通っているため、『死の祭典』『殺戮パレード』という異名がついている。その他、選手に負担のかかるドーピングや、成績の芳しくなかった選手がオリンピアドーム公式発行の賭博チケット絡みの逆恨みで帰国後に襲撃されるなどの問題も発生している。出場選手の平均寿命は、ドーピングの『底上げ』や暗殺のせいで低くなっているのが現状。 あめのだりん 『島国』南洋にある海底資源採掘用の人工浮揚島。直径はおよそ20km強、形は『舵輪』のようなシルエットであり、十二角形の各頂点から木の枝のように港湾ドックが伸びている。元々は『島国』の軍用備蓄基地として機能していた。 ガーデンゲート ソベラニア方面、パナマ湾に隣接するメガフロート式橋頭堡。一辺2kmの正方形。 セカンドウェニス 地中海を移動する20km四方のメガフロートであり、世界的勢力のセレブ達が垣根を越えて来訪する世界最大のリゾート地。戦争を忘れて他勢力の人間が集まる故にスパイ天国とも呼ばれる。所属は『情報同盟』。人口は13万人弱で地価はロンドンの20倍。街並みは懐古主義が現れており、メガフロートの表面に溝を掘ってわざわざ海水を流し水路だらけにしている。見た目は南国風な木々が並ぶが、金属の地面に養分はないため寒天を土に撒いている。この仕組みを利用し、『安全国』に住まう人々の雑菌耐性を強化するために『スプリンクラー001』という雑菌パックを使用するプロジェクトもあった。実際には生命倫理を担当する『信心組織』軍の特殊部隊『ケリュケイオン』により、殺人カビをキャリアにして『アルゲイフォンテス』を撒く軍事計画が進められていた。 スーパーノヴァおよびアスペタイザー小惑星の墜落を受けて街並みが半壊した。 シャトー・ド・ルージュ(赤ワインのブドウ園) 『正統王国』ニューカレドレア方面にある、特別政治犯収容施設の人工島。海底油田のような基部がいくつかと、鋼鉄で組み上げられたジャングルジムの構造体。全景は一辺3km、高さ40mほどの六角形であり、コンテナは12の階層に分かれて吊られている。 コンテナの全てがモジュール化された独房であり、1500人もの囚人達を収容している。囚人達は皆、内部告発や貧民へのボランティアなどで『貴族』の反感を買ってしまった無実の『平民』であり、収容施設は国が認めた公的な「リンチ場」となっている。 施設の構造体とコンテナ式の独房がブドウの棚に見えることや、無実の人間を閉じ込め、苦しめ、真っ赤な血を搾り取る、という意味も含めて名付けられた。 マダガスカル島 アンツィラナナ方面にある実験戦場。キツネザル、ベローシファカ、ジブッポウソウなど独自の生態系が確立されており、生物資源ビジネスの金脈として各世界的勢力が占有を巡ってしのぎを削っている。 マザーレディ アフリカのトゥルカナ方面にエレベーター連盟により建造された総延長10万km超えのワイヤー式宇宙エレベーター。世界全土を覆うネット通販網の確立のため、という建前で建造された。 地上基地・グランドベースへカーボンナノチューブの塔を垂らす形で建造されており、静止軌道上に直径20kmの宇宙ステーションが広がっている。ステーションに搭載されたレザービーム砲やデブリを利用した人工流星雨、地上基地の防衛用コイルガンを搭載しており地上部隊・オブジェクト共に寄せ付けない防衛能力を有する。雷による被害を避けるために、気圧操作の天候兵器も有しており、副次効果としてオブジェクトによるレーザー砲撃を歪曲させることも可能。
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