岬とは? わかりやすく解説

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読み方:みさき

「岬」とは、海や湖に向かって突出した地形とりわけそのような地形先端部にあたる陸地のことである。読み方は「みさき」もしくは「さき」である。古く山の尾根が平地突き出た地形を指すこともあったが、近代以降もっぱら海に突き出た地形を指す語として用いられる

「岬」の語源・由来

「岬(みさき)」の「み」は接頭辞であり、「さき」は「先」と同源とされる。つまり先端のことである。「崎」や「埼」も同様である。

山崎やまざき)」と対比するなら「岬」は「水先(みさき)」の意味とも解釈できそうに思われるが、そのような語源解釈民間語源類いである。

「岬」と「崎」と「半島」の違い

「岬」と「崎」と「半島」は区別して用いられている。

「岬」と「半島」は、どちらも海や湖などに突き出ている(大部分水際面している)陸地のことであるが、陸地規模大きさ)によって使い分けられる。ある程度上の面積を持つ陸地を「半島」といい、ごく小さな陸地は「岬」と呼ばれる

「崎」は「山すそが突き出た先端」を意味する字である。海に突き出ていれば「岬」と同義であるが、「崎」は必ずしも海に突き出た地形意味するとは限らない

日本の有名な「岬」

日本には有名無名の「岬」が無数にあるが、北海道稚内市にある「宗谷岬」はとりわけ知名度の高い岬といえる宗谷岬は、一般人訪れることのできる日本最北端の場所である。気象条件によっては宗谷岬からサハリン島影見える。

四国の最西端にあり長さ40キロメートル半島先端にあるため「日本一長い岬」とも呼ばれる佐田岬さだみさき)」や、九州本島最南端に位置する佐多岬さたみさき)」、日本一早い初日の出拝める場所として知られる犬吠埼いぬぼうさき)」などもよく知られている。

こう【岬】

読み方:こう

常用漢字] [音]コウカフ)(漢) [訓]みさき

みさき。「岬角(こうかく)」


み‐さき【岬/崎】

読み方:みさき

海や湖などに細長く突き出ている陸地。「—の灯台

[補説] 書名別項。→岬


みさき【岬】

読み方:みさき

中上健次中編小説紀州田舎町に暮らす青年孤独閉塞感を描く。昭和50年1975発表同年第74回芥川賞受賞


さき【崎/岬/埼/×碕】

読み方:さき

《「先」と同語源》

海に向かって突き出ている陸の先端。みさき。「御前(おまえ)—」

「妹と来し敏馬(みぬめ)の—を」〈四四九〉

山や丘が平地突き出た先端山の鼻

玉桙(たまほこ)の道に出で立ち岡の—い廻(た)むるごとに」〈四四〇八〉


作者中上健次

収載図書昭和文学全集 29
出版社小学館
刊行年月1988.2

収載図書中上健次全集 3
出版社集英社
刊行年月1995.5

収載図書岬・化粧他―中上健次選集 12
出版社小学館
刊行年月2000.7
シリーズ名小学館文庫


作者上田三四二

収載図書昭和文学全集 30
出版社小学館
刊行年月1988.5

収載図書花衣
出版社講談社
刊行年月2004.7
シリーズ名講談社文芸文庫


作者阿刀田高

収載図書ミステリー大全集 2 ミステリー日本地図
出版社新潮社
刊行年月1989.1
シリーズ名新潮文庫

収載図書他人同士
出版社新潮社
刊行年月1989.8

収載図書他人同士
出版社新潮社
刊行年月1993.1
シリーズ名新潮文庫


作者チャールズ・ダンブロジオ

収載図書
出版社早川書房
刊行年月1998.6
シリーズ名Hayakawa Novels


作者曽根一章

収載図書
出版社審美
刊行年月2001.4


作者黒島傳治

収載図書定本黒島傳治全集 第3巻 小説 3
出版社勉誠出版
刊行年月2001.7


作者志水辰夫

収載図書男坂
出版社文藝春秋
刊行年月2003.12

収載図書男坂
出版社文藝春秋
刊行年月2006.12
シリーズ名文春文庫


作者伊集院静

収載図書宙ぶらん
出版社集英社
刊行年月2006.2


作者深田

収載図書隣人たち
出版社新風舎
刊行年月2006.4



地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/21 13:12 UTC 版)

喜望峰

(みさき、さき)は、へ突き出した陸地の先端部の地形を示す名称[1]などでも用いる。が海に臨む場合もあれば、平坦な地形の場合もある。半島の最先端部に多く現れる。

概念

日本語で岬を表す表現には、崎、埼、碕、角、鼻がある[2][3]。ただし、同じ場所でも地図海図で表記が異なることがある(野島崎と野島埼など)[4]。「崎」は山脚が海に突出した地形という意味であり、地図では野島崎などの地名に陸軍陸地測量部が「崎」を使用していた経緯から国土地理院も引き続き使用している[4]。一方、山岸博によると明治18年刊行の『海軍水路誌』 において集落と自然地形を区別するため、海図では岬の先端は「埼」、集落名や岬名は「崎」と区別したという[2]。海上保安庁海洋情報部でも埼、崎、岬を区別し、航海者が地形を判断できるようにするため、海図では野島埼などに「埼」の表記を用いている[4]

「岬」の原義は山に挟まれた谷の意味で「峡」と同義だったが、日本では明治時代に海図が製作されるようになり海側へ突出した陸地を指すようになった[2]
「崎」の原義は極度に傾斜した山や山道のことで、海中にいびつに突き出した陸地を意味している(学研『新版漢字源』)[2]
埼・碕
菜切祥生によると「埼」や「碕」は突端部の地質に応じて区別されたという[2]
菜切祥生によると「鼻」は「埼」や「碕」と同じく、「岬」よりも小規模な地形に付けられている[2]

水面などに突き出た地形を指す「岬」は日本での用法であるが、中国語ではこの意味は、「角」([[富貴角、好望角]])など)の字で表す事が多い。他に、「咀」・「嘴」(尖沙咀など)、「鼻」(鵝鑾鼻など)の字が当てられることもある。中国語にも「岬 jiă」という字があるが、日本語でいう「谷」の場所に使われた。現在も福建省の地名にわずかに用例がある。日本と同じ意味では山東省の「成山岬」(成山頭)などの用例があった。また、解剖学で身体の突起部分(「骶岬」、「鼓室岬」など)にも使うが、日本語の「岬部」などの言い方を取り入れた用法と考えられる。

日本固有の用法である「岬」のことを、朝鮮語ではこの意味を「串」の字で表す。長山串(チャンサンゴッ(チャンサン岬)、北朝鮮黄海南道長淵郡)や長鬐串(チャンギゴッ(チャンギ岬)、韓国慶尚北道浦項市)が代表的な「串」(日本でいう「岬」)として知られている。「岬」の本来の意味は、峡谷で、古代日本語の「カヒ(カイ)」に対応し、高句麗語や景徳王の地名ではこの意味で用いられる。

海へ突き出した陸地の比較的大きなものは半島と呼び分けられるが、具体的定義はない。

岬の地理学

岬の主な成因には、山地沈水し海岸線が山脚に達してできるもの、波の侵食に強い硬い岩石の部分が残ってできるもの、堆積した砂が砂嘴をつくるものが挙げられる[1][3]。日本の例では、山地の沈水として瀬戸内海若狭湾の多くの岬、岩石の侵食として犬吠埼伊良湖岬、砂嘴として富津岬や野付埼(野付半島)が挙げられる[1][3]

海岸の岬は夜間・悪天候時の船舶の航行の障害となるため、灯台が設置されることが多い。

漁民船乗りの間では岬はよく場所の目印とされ、日本では各地の岬にを祀る信仰もあった[5]

海は抵抗となる粗度が小さいため海岸沿いの陸地はが強くなりやすいが、外洋に面した岬ではそれが顕著に現れて強い風が吹きやすい[6]

世界の主な岬

北米

中南米

オセアニア

アジア

アフリカ

ヨーロッパ

ロシア

日本の主な岬

北海道

東北

関東

中部

近畿

中国

四国

九州

沖縄

出典

  1. ^ a b c 地形学辞典 1981「岬」
  2. ^ a b c d e f 今村 遼平. “海と地図のアンソロジー 6 「岬」への想い<1>”. 水路第150号(日本水路協会). 2019年12月8日閲覧。
  3. ^ a b c 豊島.
  4. ^ a b c 「埼」と「崎」はどうなってるの?”. 海上保安庁海洋情報部. 2019年12月8日閲覧。
  5. ^ 高桑.
  6. ^ 日本気候百科 2018, pp. 463–464 (著者: 吉門洋)

参考文献

外部リンク


岬(みさき)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 09:51 UTC 版)

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出典:『Wiktionary』 (2018/07/05 16:32 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. みさき陸地で海に突き出前方左右に海を望むことのできる地点

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