ディンガル帝国
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バイアシオン大陸の戦乱の中心となる絶対王制国家。能力があれば身分や種族、年齢や性別も問わず重要ポストに雇用抜擢されている。大陸最大の都市である首都エンシャントは東西南北の人や物資が集まる要所として栄え、天空神ノトゥーンを祭る「ノトゥーン神殿」と愛の女神ライラネートを称える「ライラネート神殿」を擁する。かつての魔王バロルの居城は現在でも魔獣やアンデッドが徘徊し、大陸でも有数の危険地帯である。国土の北方にはノトゥーン教の聖地である霊峰トールがそびえ、南方には賢者の森が広がる。また、更に南方のロストール王国とは分断の山脈によって隔たれている。 ネメア・ランガスター・ディンガル★ 魔王バロルを倒したバイアシオン大陸の英雄。バロルの娘であるディンガル皇女エスリンと魔人バルザーとの間に生まれた、言わば「半魔」であるが、生まれる直前にエスリンがバロルに殺され、賢者の森に遺棄された所をオルファウスに胎内から救い出されて育てられる。この為、オルファウスのことを「父」と呼ぶ。ゾフォルにより「破壊神はネメアに降臨する」と予言されており、その運命に抗うべく行動している。物語中盤で闇に憑りつかれていた皇帝エリュマルクを殺害し、ディンガル帝国皇帝に即位。四人の将軍を抜擢し、各国に宣戦布告。大陸に戦乱の渦を巻き起こし、自らは「闇の神器」を求めて旅に出る。プレイヤーキャラクターである「主人公」がゲームの主役であるなら、ネメアは物語の主役と言える。 ストーリー終盤、ゼグナ鉱山にてジュサブプロスの攻撃から主人公かノエルを庇い、次元のはざまへと落とされ、ウルグが降臨する依り代に利用されかける。更にこのネメアの失踪でディンガル軍の統率は瓦解し、結果的に終戦を迎える事となった。主人公達がウルグを退けた事で次元のはざまを脱出し、最終決戦にて主人公の加勢に駆け付ける。戦いの後は、運命に抗う(闇の勢力から世界を救う)為とは言え、戦争で多くの血を流した責任から皇位を退き、外の大陸へと去って行った。 ゲーム中では基本的に一時加入のみであり、最終ダンジョンで5人目の仲間として固定メンバーになる(ソウル、スキル配分も可能)。漆黒の鎧を纏い、槍を携えて金色の長髪をなびかせる姿には王者の風格が漂う。ヘラクレスをモチーフとしているような節があり、典型的英雄として描かれている。名前の由来はネメアの獅子から。 エリュマルク・ディンガル ディンガル皇帝。ネメアの叔父にあたり、魔王バロルを倒した後にネメアらの推薦で帝位に就いた。ネメアが「我が友」と呼ぶほどの人物であったが、数年前から心に変調をきたしており、ネメアやアンギルダンといった功臣に無理難題を吹っかけたり、自分に意見したアンギルダンを処刑しようとしたほどの短気な性格もあって帝室から民心が離れる原因を作ってしまった。後に心を闇に蝕まれていたことが発覚し、ネメアに討ち取られる。 イズ エリュマルク帝の皇后。エルファスの姉で、元は施文院の大神官であった絶世の美女。かつては施文院を率いて世界を滅ぼすべく悪事を重ねていたが、施文院に攻め込んできたネメアに好意を持ち、後にエリュマルクの命を受けたネメアに略奪される。その後もエリュマルクに心を開くことは無く彼女の関心はネメアに向けられたため、エリュマルクの怒りを買いネメアと密通したという名目の元処刑された。ネメアはこの事件をきっかけにディンガル帝国を出奔する羽目になり、弟のエルファスも全てに虚無を覚え、復讐を目論むようになる。 ベルゼーヴァ・ベルライン・ディンガル★ ディンガル帝国の宰相で政権を統括している。沈着冷静な物腰と個性的な髪型が特徴(カルラ曰く「ドリル頭」)。人類の革新という命題に邁進しており、ネメアこそがそれに相応しいとして心酔している。没落貴族の出で、順位は低いものの帝位継承権を持つ。ザギヴら四将軍の能力を認める一方で「所詮は凡人」と発言したり、自分を基準にして部下にも過多な仕事量を要求するなど、有能な一方で配慮に欠ける人物でもある。実は闇の宰相ゾフォルとの取引により、シャロームに体を明け渡した両親から生まれた「シャロームの子」である。両親はその反動で間もなく死亡し、ゾフォルによって育てられた。その為、彼には実の父ウリア、シャローム、ゾフォルという三人の父親が居る。戦闘スタイルは二刀流で、魔法の造詣も深い。インフィニット以降ではソウルリープ発生時に共に脱出し、その後、聖の禁呪取得イベントの際に合流すると仲間になる。また、プラスでは「闇に閉ざされた塔」スタートの場合のキーパーソンとなり、エンディングも同地点のスタートでなければ到達出来なくなっている。親密度が強制的に下がるイベントが存在する上、彼の元に通っても親密度が上がらないため、親密度が上げにくいキャラである。その分、エンディングの条件となる親密度は低めだが、竜王を倒してはいけない(主人公がレベル50に達してはいけない)という条件もある為、レベルアップによる親密度上昇も計画的に行う必要がある。 なお、一部では漫画『パタリロ!』に準えて「タマネギ」とも呼ばれている[要出典]。誕生日は8月26日。 ザギヴ・ケルク・ディンガル★ ディンガル帝国の玄武将軍。帝国の内務統括として内政を司る。魔道アカデミー首席卒業者。その有能さから上官であるベルゼーヴァの信頼も厚い。「ディンガル」の姓が示すとおりディンガル帝室の一員であり、ネメアに次ぐ帝位継承権を持っている。最初は非常に厳しい態度で主人公に接するが、関わっていけば少しずつ打ち解けてくる。かつて「ザギヴが帝国を支配する」というゾフォルの予言を恐れた魔王バロルによって家族をバロルが繰り出した魔人に惨殺され、自身もあわやという所をネメアに救われた。しかしその際に身体の中に魔人が巣食っており、物語終盤で闇にとらわれてしまうことになるが、親密度を上げて様々なイベントを経験し、プレイヤーがバトルで負けると自我を取り戻し存命させることが可能。個別エンディングではネメアが去った事で新たな皇帝(ベストエンドでは皇帝代理)に即位しており、「ザギヴが帝国を支配する」という予言が別の形で成就する結果となる。趣味はチェスで、国内王者になるほどの腕前。装備は魔炎弾(拳武器扱い)と黒のビスチェで、どちらも固定装備。 インフィニット以降ではイベントが大幅に強化され(救済及び仲間への加入の流れもPS版とは大きく異なっている)、エンディングも男女別で用意された。 ガラーナ・イガヴィル ディンガル帝国玄武軍第11守備軍副官。ザギヴ失踪後に玄武軍の指揮を任される。エンシャントでの最終決戦時にカルラ、ザギヴ、ベルゼーヴァの全員がパーティ内に居るなどで指揮の場に立てない場合は彼がディンガル軍の指揮を執っており、主人公に未来を託して自軍は街にモンスターを封じ込めるべく防衛に徹する。特定のエンディングにも登場する。 ジラーク ディンガル帝国の白虎将軍。希少種族であるコーンス族(有角種族)出身で西方攻略軍総司令として任命される。軍律に厳しく、理知的で生真面目な性格。作中では相性が合わないアンギルダン(とその副将だった主人公)に冷たく当たったことから狭量な面のある人物として描かれている。軍司令官としては一軍を率いての正面決戦こそ歴戦のアンギルダンや天才であるカルラと比べると見劣りするものの、鉄壁の防御を誇る水精ミズチをそれ以上の魔力を誇るシャリの協力を受けて無力化し、離間策を用いてアキュリースをほぼ無傷で攻略するといった知略に優れる一面を見せた。また、アキュリース占領時にシャリへの報酬として水の巫女の身柄を差し出させ、アルノートゥンでは聖光石の廃鉱山の接収を行ったものの、それ以外では占領地域での破壊や略奪を行わせないことにより占領下にある住民がディンガルの支配を受け入れる下地を作る等、占領統治でも見事な手腕を発揮した。魔導アカデミー出身者であり、魔法や遺跡に関する知識も豊富。異種族間の共存の夢をネメアに託していたが、ストーリー進行により種族第一主義を掲げ反乱を起こす。主人公の行動で展開は変化するものの、何れにせよ最後は討たれる。誕生日は12月27日。 アンギルダン・ゼイエン★ ディンガル帝国の朱雀将軍。南方の大国ロストールの攻略を命じられる老将。ネメアとは年の差を超えた信頼で結ばれている。ネメアが即位するまでは傭兵上がりの冒険者として活動しており、ゼネテスからは「とっつぁん」と呼ばれ慕われている。バロルの配下になった時からディンガルに仕えてはいるが、言いたい事はハッキリ物申す直情的な性格が災いして、過去二度に渡りバロルとエリュマルク、二人の皇帝の怒りを買って処刑されそうになった為に出奔し、しかしその度に復帰している。酒好きで、真っ赤な鎧を着て斧を振り回す豪放磊落な性格の御老体。イークレムンの実の父であるが、互いにそのことは知らない(ストーリーの進め方によってはわかる)。ロストール一次征伐の時に朱雀軍副将またはエンシャントの傭兵として戦い、アンギルタンの話通りにイベントを進めるとアキュリュースのイベントで仲間にする事が可能。しかし少しでも手順を間違えると死亡するほど工程が複雑であり、無印版公式サイトに攻略情報が記載されたほど。個別エンディングの為にはアンギルダンのみならず、イークレムンの生存&親密度が必要。誕生日は4月11日。 カルラ・コルキス★ ディンガル帝国の青竜将軍。元は一兵卒に過ぎなかったが、ネメアの即位後、天性の軍略を買われ、16歳にして将軍に大抜擢され、東方諸国の侵攻を命じられる。栗色のポニーテールをした少女で、砕けた口調で明るく強気で飄々とした性格だが、ロセン国の侵略と略奪によって家族や近しい人を惨殺されるという暗い過去を背負い、その所為かどこか壊れた面を持ち、心から笑ったことがない。敵対勢力および怨敵・ロセン王家に対しては一切の情けを掛けず、リベルダム侵攻時にも街を徹底的に破壊するなど冷酷非情なところから「死神」と呼ばれ恐れられ、発言も口調に反してシビア且つシニカルで我が強い。一方で敵対しない相手や庶民には寛容で、少女を助けるために母の形見の宝石を渡すなどの優しさを覗かせることもある。 終盤、アンギルダンに続いてロストール二次征伐に乗り出すも、ゼネテスの奇策に敗れてロセンへと敗走。直後にネメアが失踪した為に以後はジラーク討伐を除いて軍を動かす事は無い(ベルゼーヴァには反乱を警戒されていたが、本人は自分はネメアのような英雄の器ではないと考えていた)。 ゲームの進め方によっては部下になる、敵対する等様々な展開が用意されているが、いずれの場合でも仲間にする事は可能で、死亡することがない。エンディングは部下になった場合のみ(その為、クリュセイスのエンディングとは二者択一)。 巨大な鎌「デスサイズ」(槍扱い)と、魔術加工を施された胸当て鎧「青の魔鎧」は固定装備。腹部と太股部分を大きく露出したビキニアーマー風の衣装となっている。 アイリーン・エルメス★ 騎士になることを目標とする少女。騎士であった父に憧れ、自身も騎士を目指すがロストールでは女性は騎士になれないため、ゴブゴブ団に「禁断の聖杯」を盗まれたことをきっかけに冒険者として旅に出る。後にカルラを慕い、身分性別を問わずに能力を重視するディンガル帝国の騎士となり、カルラ率いる青竜軍の副将となる。強気な物言いをするが心優しく正義感の強い性格であり先述したカルラに対しても将軍になる前から敬意を抱いていた。ロストールの平民街に母親がおり父親は既に亡くなっている。片手剣と胴鎧を装備。男主人公限定スタート「王城のある大都市」では初期メンバー兼主人公の幼馴染となる。その他のスタートでは序盤から登場するものの、パーティ加入は終盤である。ストーリー終盤では場合によっては主人公と対峙し、行動次第では死亡してしまう。戦後はその優しさと正義感故に剣を振るう理由を見失い、ヴァシュタールに答えを求めてしまう。その時の対応を間違えなければカルラ共々仲間になる。 禁断の聖杯を求めて旅立つものの中盤でカルラの部下となる為、聖杯探しからは外れてしまう(無印版公式サイトの攻略情報でも指摘されている)。彼女自身も聖杯入手には必須ではなく、聖杯の奪還もその時にパーティにいれば台詞があるだけでエンディング条件ではない。尚、エンディングは「王城のある大都市」でのスタート以外では見られない。 オイフェ★ 妹を冒険者に惨殺(実はエルファスが一枚噛んでいたが本人も予想しなかった事故である。但し、元々生贄目的)された怒りと悲しみから闇におちたダークエルフの女性。復讐のために冒険者狩りを行っていたが、ネメアとの戦いに敗れ、後にネメア親衛隊の一員となり、彼につき従う。生真面目な性格だが激しい気性の持ち主で、この事から「鉄火姫」という異名を持つ。主人公と敵対していたがネメア失踪後にオルファウスの邪龍の断層でのイベントで仲間にすることが出来る。前半と後半で口調が異なる。ゲーム中では珍しいピンクの髪を持つ。装備している弓矢は妹・エメルの形見。無印ではネメア同伴でのエンディングしか用意されていなかったが、インフィニット以降ではイベントもある程度追加され(フェティが仲間になっている事が必要)、エンディングも単独のものが新規に追加されている(同時にネメア同伴のエンディングは無くなった)。 ゼリグ ボルダン族(2メートル超の巨躯を誇る、身体能力に恵まれた種族)の拳闘士。「強さ」を求道し、街道などで冒険者に勝負を仕掛けていたが、ネメアに敗北。その強さに敬服し、オイフェ、ドルドラムとともにネメアの旅に付き従う。無口で朴訥とした性格。力を追い求める姿勢は誰よりもひたむきで純粋だが、それ故に危うい一面もあり、後にそこをシスティーナの伝道師たちに付け込まれてしまう。ジュサブプロスの操り人形と化し、ドルドラムを殺害し、アズラゴーザ復活に加担してしまうも、正気を取り戻した後はその命を引き換えに祭壇を破壊し、アズラゴーザの復活を阻止した。 ドルドラム ドワーフ族には珍しく戦神ソリアスを信仰する神官。ディンガル帝室の事情についてやたらと詳しい。後にネメアに仕え、オイフェ、ゼリグと共に「闇の神器」を探索・回収する任に就く。ドワーフ族の中でもかなりの実力者で見識も深く、主君ネメアを除いた三人のまとめ役。趣味は墓場を散歩することで主人公に歴史や物事を語る。最期はジュサブプロスに操られたゼリグの一撃を受け、主人公にオイフェの事を託して息を引き取る。 バロル・ランガスター・ディンガル かつてバイアシオン大陸を恐怖に陥れた魔王。若かりし頃は当時の皇帝であったヌアドの下で天才的な政治手腕と統率力で内乱状態にあったディンガルを平定するが、その才能に嫉妬したヌアドに暗殺されかける。しかし、配下の協力もあって、逆にヌアドを退位させて自ら皇帝に即位。その際、配下の一人であり自分を慕い協力してくれた女性・キャスリオンを皇后に迎えた。そして帝国の内政改革に着手するも、そのあまりに先進的な改革に激怒した貴族たちが復讐と復権を目論むヌアドと結託。彼らが組織した反対勢力の強い抵抗に遭って遅々として進まず、遂には唯一の心の支えであった愛妻キャスリオンを反対勢力の謀略で失ったところをゾフォルにつけ込まれて闇に落ちた。魔王となってからは、闇の円卓の騎士など闇の勢力を召喚して反抗勢力ごと貴族を一掃して改革を断行した(この時、ヌアドの弟だけは最後まで兄を諫め続けた事をバロルに認められていた為、唯一人赦されて生き残った)。魔王になった影響で猜疑心の塊と化し、危険因子と見ればたとえ肉親であっても容赦無く排除していった。事実、後にネメアの母となる娘・エスリンやザギヴの家族まで手にかけている。そしてその力と恐怖を以って大陸制覇に乗り出すも、ゾフォルの「バロルは娘の子に討たれる」という予言通り実の孫であるネメアとその仲間達によって斃された。プラスではエルファスを仲間にした場合のみ復活し、ラストダンジョンの最深部で戦う事となる。
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