ディンギル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:57 UTC 版)
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ディンギル(楔形文字: 𒀭, ラテン翻字: DIĜIR[1], シュメール語発音: [tiŋiɾ])は、シュメール語で神を表す単語。楔形文字の𒀭は神名などに使用される限定符として広く使われており、その場合黙字である。慣例上、ラテン文字へ翻字する際には上付きで D とする。例えば女神イナンナは楔形文字では𒀭𒈹、ラテン翻字では DINANNA と書かれる。
楔形文字の𒀭自体は、もともとシュメール語の単語an(天空)を示す表意文字であった[2]。その後、diĝir(神)を示す表語文字[3]、シュメールの最高神アン、あるいは音節/an/を示す表音文字としても用いられるようになった。更にアッカド語では ilum を示す表語文字、あるいは音節/il/を示す表音文字としての用法が付け加えられた。ヒッタイト語の正書法においてこの文字は音節/an/のみを示すように戻された。
シュメール語における神性の概念は、楔形文字の𒀭が天空をも意味していたこと、それがもともと星を象っていることからも明らかなように、天空と密接に関係している。そのためシュメールの神は空に光り輝いて顕現するのである。
シュメール語楔形文字
シュメール語楔形文字の DIĜIR(
)はもともと星を象ったもので、広義には神、狭義にはシュメールの最高神アンを示す文字であった。天空を意味し、大地を意味する ki とは対照をなしていた。エメサル(女性方言)においては dimer と発音された。diĝir の複数形は diĝir-diĝir(
)と書かれることが多い。
アッシリア楔形文字
アッシリア楔形文字の DIĜIR(
)には次のような用法があった。
- アッカド語で神を意味する名詞語幹 il- …これはセム語 il- から頭音書法により派生した。
- アヌム神
- 天空を意味するアッカド語の単語 šamû
- 音節/an/及び/il/
- 「~で」「~に」(英語のat、to)を指す前置詞
- 神名を示す限定符
場合によっては、アッカド語の ēnu 及び ēntu と同様に神官を意味する。例えば、nin-dingir(女の神)はエリドゥ市のエンキ神殿で給食を受ける女神官を意味していた[4]。
文字コード
Unicode(version 5.0)では、ANという名前でU+1202D(𒀭)にエンコードされている。
脚注
参考文献
- Edzard, Dietz Otto (2003). Sumerian Grammar. Handbook of Oriental Studies. 71. Atlanta: Society of Biblical Literature. ISBN 1-58983-252-3
- Hayes, John L. (2000). A Manual of Sumerian Grammar and Texts. Aids and Research Tools in Ancient Near Eastern Studies (Second revised ed.). Malibu: Undena Publications. ISBN 0-89003-508-1
ディンギル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 09:32 UTC 版)
「宇宙戦艦ヤマトシリーズの登場人物一覧」の記事における「ディンギル」の解説
ルガール 声 - 石田太郎 大神官大総統。神々の王に命令できるとされるルガール王家の長。 先祖が地球脱出の際、弱い者を押しのけて生き延びたことに影響された極端な弱肉強食の論理の持ち主で、力や強さを正義と信じて疑わない。「強い者こそが生き延びて未来を作ることができる」と信じている。元から高祖崇高は大きく、古来よりの伝統思想を維持する力も大きい。一方で、次男のディンギルの少年を誤って射殺してしまった時の戸惑いの表情には、地球人と同様に持ち合わせている親としての感情がさりげなく表現されている。また、長男のルガール・ド・ザールがヤマトとの雪辱戦に敗北した時には容赦なく見捨てて殺害しているが、命令を下す直前に複雑な親としての感情が表されている。後年では祖先が築いた価値観から抜け出せず、その祖先たちの罪を一身に背負った悲しい存在と評されている。 ディンギル星消滅を受け、都市衛星ウルクと機動艦隊を率いて父祖の地・地球を移住先として狙い、水惑星アクエリアスによって水没させることで、地球人類を絶滅に追い込もうと目論む。ウルクでの総力戦では騎兵軍団を自ら率い、ヤマトへの突撃を敢行する一面も見せている。この戦いによってウルクを失ったが、アクエリアスを地球の直近までワープさせることには成功し、自身は円盤プレ・ノアで岩石ロケットの艦隊を率いて脱出すると、ヤマトを艦隊で包囲して撃沈を目指すが、間一髪のところで救援に駆けつけたデスラー率いるガルマン・ガミラス艦隊によって艦隊を殲滅され、ルガール自身もデスラーが放ったデスラー砲によってプレ・ノアの中で断末魔の叫びを上げながら戦死した。 アーケードゲーム版『宇宙戦艦ヤマト』(1985年、TAITO)ではヤマトの波動砲の攻撃により死亡する。 名前の由来は明言されていないが、ディンギルの命名ベースとなっているシュメール文明には、王を指す称号として「ルガル」が存在する(シュメール#王権も参照)。 ルガール・ド・ザール 声 - 津嘉山正種 ルガールの長男で、太陽系制圧艦隊司令官。 消滅していくディンギル星から脱出した後、地球へ向かうヤマト(この時点ではディンギルからの認識は国籍不明艦)を発見し、「我らの前に立つ者は全て敵」というディンギルの弱肉強食の思想にもとづいてハイパー放射ミサイルで攻撃し、戦闘不能にさせて付近の惑星へ墜落させる。 ルガールに太陽系制圧艦隊司令官を任命され、奇襲攻撃で地球艦隊を全滅に追い込む際には、無防備な避難船を無警告で撃沈したり、攻撃にわざと間を空けて地球側が負傷者の救助へ取りかかったところを改めて襲うなど、地球側の良識を利用した戦法を用いている。冥王星会戦でもヤマトに対して有利に戦うが、勝利を目前にして波動カートリッジ弾による長距離砲撃により艦隊を失い、自艦のみ辛くも退却する。名誉挽回のために再び艦隊を率いてヤマトを追いつめるが、波動砲によって艦隊を再度全滅させられ、戦線を離脱する。ウルクへ逃げ帰ろうとしたところを父に見捨てられ、ウルクから発射されたニュートリノビーム防禦幕に激突して断末魔の悲鳴を上げながら死亡した。 初期設定では「ルガールII世」(劇中のクレジットでもそのように表記されていた)や「ルガールJr.」という名前だった。 ディンギルの少年 声 - 伊倉一恵 ルガールの次男で、ド・ザールの弟。本名は不明で、各種資料では「ディンギルの少年」、劇中では「坊や」と呼ばれていた。 ガルマン・ガミラス本星付近からの無差別ワープでディンギル星付近へ出現したヤマトにより、大規模な洪水から救出された唯一のディンギル人。地球へ連れて行かれた後、アクエリアスのワープを阻止するために出航したヤマトへ密航する。艦内では佐渡の食料をつまみ食いしたり、雪に懐いていた。冥王星宙域では進んでヤマトの盾となって沈む地球の駆逐艦を見て、ディンギル人の教えには無かった自己犠牲の精神を知る。ウルクの神殿内で古代をコントロールシステムまで案内するが、ルガールと古代が銃を向けて対峙した際に古代をルガールの銃撃から庇い、「地球では、褒められることしたんだろ?僕。」と言い、古代に認められ安堵しながら息を引き取る。 ルガールの幕僚A、B 声 - 納谷六朗 (A)、戸谷公次 (B) 常にルガールの脇に付き従っている。Aは登場頻度が比較的多く、劇中ではロボットホースの待機場所へ向かう直前までルガールに付き従っていることが確認できるが、その後の動向は不明。 ルガール・ド・ザールの参謀長 声 - 島香裕、龍田直樹(ラジオドラマ版) 本編では登場シーンはほとんど無い。ラジオドラマ版ではヤマトを見て「アンティークな艦ではありませんか」と評している。 水雷艇パイロット 声 - 緒方賢一 水雷艇のパイロット。第一次避難船団の救援に駆け付けた地球防衛軍艦隊へ「発射」の号令と共に艇内のレバーを引き、ハイパー放射ミサイルを発射する。
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