社会 社会の概要

社会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/24 04:21 UTC 版)

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社会の範囲は非常に幅広く、単一の組織や結社などの部分社会から国民を包括する全体社会まで様々である。社会の複雑で多様な行為や構造を研究する社会科学では人口政治経済軍事文化技術思想などの観点から社会を観察する。

概要

社会は広範かつ複雑な現象であるが、継続的な意思疎通と相互行為が行われ、かつそれらがある程度の度合いで秩序化、組織化された、ある一定の人間の集合があれば、それは社会であると考えることができる。[2]社会を構成する人口の規模に注目した場合には国際社会や国民国家を想定する全体社会や都市や組織などの部分社会に区分できる。さらに意思疎通や相互作用、秩序性や限定性という社会の条件に欠落があれば全てを満たす社会と区別して準社会と呼ぶことができる。

人間は誕生してから死去するまで社会の構成員の一人であり、また社会の行為者でもある。都市または農村において育ち、家庭や学校などでさまざまな教育を受けながら成長する。この過程で社会に存在している規範や法、宗教芸術などの文化に触れ、そして家族外の人間関係を拡大していく。これは人間の自我の確立と同時に社会化の過程でもある。

社会は人口集団、都市形態、経済発展、政治体制、宗教などによって多様性を観察することが可能であり、時代や地域によってさまざまな社会の形態を見ることができる。

語源

19世紀半ばまでの日本語には「社会」という単語はなく、「世間」や「浮き世」などの概念しかなかった。青地林宗が1826年(文政9年)に訳した『輿地誌略』に「社會」ということばが、教団・会派の意味で使用されている。古賀増の1855年(安政2年) - 1866年(慶応2年)の『度日閑言』にも「社會」ということばが使用された。明治時代になると森有礼が1874年(明治7年) - 1875年(明治8年)に編んだ『日本教育策』や福地源一郎が1875年(明治8年)に書いた『東京日日新聞』の社説に「社會」という用語が使われた。

歴史

社会の起源は人間の本性に求めることができる。動物には、アリやハチ、イヌ、サルのようにを作り集団行動を好む社会性を持つ動物と、ネコのように単独行動を好む動物がある。人間は古来より他の多くの動物と同様にという小さな社会を形成し、食料を得るため、外敵から身を守るため、その他生存するための必要を満たすための社会であったと推定される。現在でも基礎集団である部族や家族は存在しており、村落や都市の構成要素となっている。また言語、宗教、文化などを共有する人口規模が小さな社会では意思疎通が密接であり、自然発生的なコミュニティが成立する。ロバート・モリソン・マッキーバーはこれを共同関心の複合体とし、一定の地域で共同生活するものと定義している。

しかし原始的で素朴な社会は近代において都市化を始めることとなる。都市化とは人口の増大と流動化、経済の工業化などにより、異質な人口が特定の箇所に集中することによって生じるものである。この都市化は言い換えれば社会の近代化でもあった。都市に居住する住民はスラムや公害などの都市問題に直面することとなり、政府は社会状況を改善するための政策に乗り出し始める。また都市では非常に大規模な人口集団が居住しているために従来の社会の性質とは異なる都市社会が成立した。

偏差値競争の高まった高度経済成長期から今日まで出身や学歴の高さに応じ賃金や処遇、昇進等の優劣が決まる状況を学歴社会などと表されたり、いわゆる肩書きが極度に社会生活における成否を左右する状況を肩書き社会といわれたりする。近年では、65歳以上の人口が若年層よりも上回る高齢化社会、またそれが加速した状況を高齢社会超高齢社会というのをはじめ、多様な危機を抱えている社会をマルチハザード社会、ITなど情報通信技術を基本に社会が動く状況を情報化社会と称することがある。




  1. ^ 社会は多義的であるために定義することは非常に難しい。詳細は後述することとし、ここでは最も簡易な定義を用いた。
  2. ^ 富永健一『社会学講義 人と社会の学』(中公新書、2003年)15頁で述べられている社会の四条件を参考とした。
  3. ^ 南博『社会心理学入門』(岩波書店、1958年)21頁を参照されたい。


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