民族音楽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/05 21:42 UTC 版)
「全ての民族は音楽を持っている」のか?
音楽は、(マンダ教徒などを除けば)、およそあらゆる民族が持っているものであり、人間の文化には不可欠かどうかはともかく、あらゆる文化圏に於いて、それなりの音楽が存在すると広く信じられている。こうした主張は音楽人類学者のジョン・ブラッキングやアラン・メリアムらによって広められたものである[7]。ただし、近年ではアメリカや日本のろう者の間で、自らを少数民族と位置づける論調もあり[8]、彼らが(一切音響を用いない手話歌はともかく)一般的な意味においての音楽を排除する傾向にあることから[9]、「あらゆる民族が音楽を持っている」という信念に反対する者もいる。
脚注
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単著
- A.J.エリス著、門馬直美訳 『諸民族の音階 : 比較音楽論』 音楽之友社〈音楽文庫〉、1951年9月
- クルト・ザックス著、野村良雄訳 『比較音楽学』 全音楽譜出版社〈全音文庫〉、1953年
- クルト・ザックス著、野村良雄、岸辺成雄訳 『比較音楽学』 全音楽譜出版社、1966年5月
- 戸田邦雄著 『音楽と民族性』 音楽之友社、1967年12月
- クルト・ザックス著、ヤープ・クンスト編、福田昌作訳 『音楽の源泉 : 民族音楽学的考察』 音楽之友社、1970年8月
- アラン・P・メリアム著、藤井知昭、鈴木道子訳 『音楽人類学』 音楽之友社、1980年6月
- 秋山竜英編 『民族音楽学リーディングス』 音楽之友社、1980年11月
- 柴田南雄、徳丸吉彦編著 『民族音楽』 放送大学教育振興会、1987年3月
- 柿木吾郎著 『エスニック音楽入門 : 民族音楽から見た音楽と教育』 国土社、1989年2月
- ブルーノ・ネトル著、細川周平訳 『世界音楽の時代』 勁草書房、1989年10月
- 松村洋著 『ワールド・ミュージック宣言』 草思社、1990年10月
- 徳丸吉彦著 『民族音楽学』 放送大学教育振興会、1991年3月
- 柘植元一著 『世界音楽への招待 : 民族音楽学入門』 音楽之友社、1991年6月
- 藤井知昭ほか編 『民族音楽概論』 東京書籍、1992年3月
- 徳丸吉彦著 『民族音楽学理論』 放送大学教育振興会、1996年3月
- ロバート・P.モーガン編、長木誠司監訳 『西洋の音楽と社会 11 現代 2 世界音楽の時代』 音楽之友社、1997年3月
- 河野保雄著 『音楽史物語』 芸術現代社、1997年5月
- 柘植元一、塚田健一編 『はじめての世界音楽 : 諸民族の伝統音楽からポップスまで』 音楽之友社、1999年6月
- 水野信男編 『民族音楽学の課題と方法 : 音楽研究の未来をさぐる』 世界思想社、2002年2月
- 若林忠宏編著 『世界の民族音楽辞典』 東京堂出版、2005年9月
- 櫻井哲男、水野信男編 『諸民族の音楽を学ぶ人のために』 世界思想社、2005年12月
- フィリップ・V・ボールマン著、柘植元一訳 『ワールドミュージック/世界音楽入門』 音楽之友社、2006年3月
- 徳丸吉彦ほか編 『事典 世界音楽の本』 岩波書店、2007年12月
- 徳丸吉彦著 『音楽とはなにか : 理論と現場の間から』 岩波書店、2008年12月
論文
- 桜井哲男 「民俗音楽の概念についてのひとつの試み」『国立民族学博物館研究報告』 第2巻第1号 p.p63-83、1977年3月
- 秋山竜英 「民族音楽学の諸問題」『研究紀要』 第3集 p.1-50、東京音楽大学、1978年12月, NAID 110007148016
- 輪島裕介 「日本のワールド・ミュージック言説における文化ナショナリズム傾向」『美学』第52巻第4号、美学会、2002年3月
- 金城厚 「民族音楽学と実証的音楽学」『沖縄県立芸術大学紀要』第15号、2007年3月, NAID 110006424725
辞典
- 岸辺成雄ほか編 『音楽大事典』 平凡社、1981年10月~1983年12月
- 遠山一行、海老沢敏編 『ラルース世界音楽事典』 福武書店、1989年11月
- 柴田南雄、遠山一行総監修 『ニューグローヴ世界音楽大事典』 講談社、1993年1月~1995年4月
- 大角欣矢ほか監修 『メッツラー音楽大事典 日本語デジタル版』 教育芸術社、2006年4月
- 堀内久美雄編 『標準音楽辞典 新訂第2版』 音楽之友社、2008年3月
関連項目
注釈
- ^ 平凡社の『音と映像による世界民族音楽体系』では、アジア・アフリカ地域については伝統的な芸術音楽と民俗音楽や民俗芸能を取り上げ、ヨーロッパ地域(ヨーロッパロシアを含む)については芸術音楽は全く取り上げずに民俗音楽や民俗芸能だけを取り上げ、シベリアと北米地域については先住民の音楽だけを取り上げ、中南米地域についてはいわゆるラテン音楽のうち著しい商業化がされていないものを取り上げ、オセアニアについてはヨーロッパの影響を指摘しつつ現存する芸能を取り上げている。そして日本が含まれていない。「自国以外の各国の見えにくい音楽を示す」という、民族音楽と言う語の(4)の意味に忠実な例である。
出典
- ^ a b c 平凡社『世界大百科事典』の「民族音楽」の項。
- ^ 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』の「民族音楽」の項。
- ^ a b 平凡社『世界大百科事典』の「民俗音楽」の項。
- ^ 平凡社『世界大百科事典』の「民謡」の項。
- ^ 音楽之友社『新編 音楽中辞典』およびMicrosoft『Encarta2005』の「ワールド・ミュージック」の項。
- ^ 音楽之友社『新編 音楽中辞典』の「民族音楽学」の項。
- ^ ジョン・ブラッキング『人間の音楽性』岩波書店、1978年
- ^ 木村晴美・市田泰弘「ろう文化宣言」、現代思想編集部編『ろう文化』青土社、1999年
- ^ Darrow, Alice-Ann. "The Role of Music in Deaf Culture: Implications for Music Educators." Journal of Research in Music Education, Volume41, No2, 1993.
- 1 民族音楽とは
- 2 民族音楽の概要
- 3 世界各地域の概観
- 4 「全ての民族は音楽を持っている」のか?
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