世界保健機関 世界保健機関が定義・統計・公開している指標項目

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世界保健機関

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/30 03:22 UTC 版)

世界保健機関が定義・統計・公開している指標項目

2019年5月時点で、世界保健機関は保健・医療に関する、人的資源の指標(医師、歯科医師、看護師、薬剤師、メディカル・ソーシャル・ワーカーなど)、物的資源の指標(病院・病床、介護施設・介護床、訪問医療事業者・介護事業者、医療器具、医薬品、上水道・下水道など)、経済財政資源の指標(GDPに対する医療費の比率、医療費の公費負担受益者率、医療費の公費負担率、GDPに対する公費負担医療費率、人口一人当たりの医療費・公費負担医療費)、生命と健康に関する結果指標(年齢別生存率・死亡率(生命表)、病気の種類別の罹病率、死亡原因別の比率、出生時と年齢別の余命(寿命)・健康余命(寿命)など)と、その経年変動に関して、約1,450種類の指標項目を定義し、世界各国の政府と保健医療政策行政機関から報告を受け、世界各国、大陸地域別、世界全体の統計データベースを公開している[14][15][16][17][18]。指標項目の一部を抜粋して、世界保健公報(World Health Publications)[19]、世界保健統計年次報告書(World Health Statistics)として公開している[20]

組織

地域事務局の管轄地域と所在地

WHOの最高意思決定機関は毎年開催される総会である[21]。総会には加盟国すべてが代表を送ることができる。総会においては3分の2の多数によって条約や協定を制定することができる。この条約は加盟国には強制力はないものの、加盟国はたとえ自国の代表が反対した条約でも18か月以内に国内での採択に向けて何らかのアクションを起こさなければならない。また、総会においては34カ国の委員を3年任期で執行理事会理事に選出し、これによって構成される執行理事会が総会の執行機関となる[22]。また、常設の事務局があり、総会の議決に基づき通常業務を行う。事務局長がWHOのトップとなる。事務局長は総会において選出される[23]。WHO全体の職員数は約8,000人である[24]

2016年5月現在、194の国と地域が加盟している[25]

右の図のように、世界にアフリカ・アメリカ・東地中海・ヨーロッパ・東南アジア・西太平洋の6つの地域事務局が置かれ、それぞれに管轄地域が与えられている。また重点区域とされている150か国[24]には国事務所が設置されている[26]

WHO本部(スイス・ジュネーブ)
WHO本部の大会議室
WHO神戸センター

歴代事務局長

肖像 氏名 就任日 退任日 出身国/地域
1 ブロック・チゾム英語版 1948年7月21日 1953年7月21日 カナダ
2 マルコリーノ・ゴメス・カンダウ英語版 1953年7月21日 1973年7月21日 ブラジル
3 ハルフダン・T・マーラー英語版 1973年7月21日 1988年7月21日  デンマーク
4 中嶋宏 1988年7月21日 1998年7月21日 日本
5 グロ・ハーレム・ブルントラント 1998年7月21日 2003年7月21日  ノルウェー
6 李鍾郁 2003年7月21日 2006年5月22日 韓国
臨時 アンデルス・ノルドストレム英語版 2006年5月22日 2007年1月4日  スウェーデン
7 陳馮富珍(マーガレット・チャン) 2007年1月4日 2017年7月1日 香港
8 テドロス・アダノム 2017年7月1日 (現職) エチオピア

付属機関

WHOは付属機関として、フランスのリヨンにある国際がん研究機関(IARC)や、日本の神戸にあるWHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター、WKC)を持つ[26]

財政

WHOの予算は2年間を会計年度とし、資金は、加盟各国に課され主に事務経費などに使用される分担金と、加盟国や国際機関など各種団体が拠出しWHOの各種プロジェクトに用いられる寄付金によってまかなわれている[27]。寄付金の多くは使用するプロジェクトを指定した上で寄付されるが、使途を指定しない寄付も行われる。2018-2019年度のWHO資金は56億2400万ドルだった[28]。WHO財政の特徴として、分担金はWHO資金のわずか17%を占めるに過ぎず[29]、資金の大半を寄付金が占めることが挙げられる。また、ビル&メリンダ・ゲイツ財団GAVIアライアンス国際連合人道問題調整事務所国際ロータリー世界銀行といった各種団体の寄付金拠出が大きく、国家の占める割合が相対的に少ないことも特徴である。寄付金のうち、使途指定寄付金はWHO総収入の77%を占めるのに対し、使途の指定されていない寄付金は3%に満たない[30]

WHOの最大出資者はアメリカ合衆国であり、分担金・寄付金ともに最大である。分担金額は2018-2019年度においてはアメリカ(2億3700万ドル)[31]、日本(9300万ドル)[32]中国(7600万ドル)[33]の順となっている。これに対し、寄付金額は2018-2019年度においてはアメリカ(6億5600万ドル)[34]、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(5億3100万ドル)[35]、イギリス(3億9200万ドル)の順となっている[36]。この両者を総合した出資金額もアメリカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、イギリスの順となる。中国は分担金額は世界3位となっているが、寄付金額は2018-2019年度で1000万ドルに過ぎないため、総合出資では10位以内に入らない[37]

一方寄付金の使途としては2018-2019年度においてはポリオ撲滅が9億9000万ドル、26.51%を占めて最も大きい。次いで、基本的な健康・栄養サービスの提供強化が4億5300万ドルで12%、ワクチン関係が3億3500万ドルで8.89%となっている[38]。出資者ごとに重視する事柄は異なり、例えばビル&メリンダ・ゲイツ財団は寄付金のうち約6割をポリオ撲滅に投じている[39]ほか、GAVIアライアンスは寄付金の72%をワクチンに投じている[40]

十大出資者(2018-2019年度、2019年第4四半期まで) 単位:100万ドル
No. 出資者 分担金 寄付金
(使途指定)
寄付金
(使途指定なし)
総計
(2年間)
割合 出典
1 アメリカ合衆国 237 656 893 15.9% [41]
2 ビル&メリンダ・ゲイツ財団 531 531 9.4% [42]
3 イギリス 43 335 57 435 7.7% [43]
4 GAVIアライアンス 371 371 6.6% [44]
5 ドイツ 61 231 292 5.2% [45]
6 日本 93 122 214 3.8% [46]
7 国際連合人道問題調整事務所 (UNOCHA) 192 192 3.4% [47]
8 国際ロータリー 143 143 2.5% [48]
9 世界銀行 133 133 2.4% [49]
10 欧州委員会 131 131 2.3% [50]
その他出資者 524 1,484 103 2,289 40.7%
総計 957 4,328 161 5,624 100.0% [51]

注釈

  1. ^ WHO は「ダブリュー・エイチ・オー」とイニシャル読みするのが正しく、「フー」とアクロニム読みにはしない。しかし、辞書によっては「フー」という表記も見られる[2]

出典

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  2. ^ 医師の転職支援「専門医局」サイトの用語集に「WHO(フー)」として、世界保健機関の記載がある。
  3. ^ 日本国外務省、公衆衛生国際事務局設置に関する千九百七年のローマ協定 (PDF)
  4. ^ 「世界地理大百科事典1 国際連合」p322-323 2000年2月1日初版第1刷 朝倉書店
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  6. ^ 「人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を越えて」p24 加藤茂孝 丸善出版 平成25年3月30日発行
  7. ^ 「世界地理大百科事典1 国際連合」p330 2000年2月1日初版第1刷 朝倉書店
  8. ^ http://idsc.nih.go.jp/disease/polio/yobou.html#whoprogram 「ポリオ」感染症情報センター 2020年5月12日閲覧
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  10. ^ https://www.forth.go.jp/topics/201903110002.html 「伝播型ワクチン由来Ⅰ型ポリオウイルス-パプアニューギニア」日本国厚生労働省検疫所FORTH 2019年 2020年5月12日閲覧
  11. ^ https://atm.eisai.co.jp/ntd/onchoserciasis.html 「河川盲目症」エーザイ株式会社 2020年5月12日閲覧
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  15. ^ World Health Organization > Health Topics > Data>Data Repository > By Indicator
  16. ^ World Health Organization > Health Topics > Data>Data Repository > By Theme > Mortality and Global Health Estimates
  17. ^ World Health Organization > Health Topics > Data>Data Repository > By Theme > Mental Health
  18. ^ World Health Organization > Health Topics > Data>Data Repository > By Theme > Health Financing
  19. ^ World Health Organization > Publications
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  26. ^ a b https://www.japan-who.or.jp/commodity/soshiki.html 「WHOの組織について」公益社団法人日本WHO協会 2020年5月16日閲覧
  27. ^ https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/04_hakusho/ODA2004/html/siryo/sr3320012.htm 「政府開発援助(ODA)白書 2004年版 資料編 第3章 第3節12 世界保健機関(WHO:World Health Organization)」日本国外務省 2020年5月11日閲覧
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