持堂院高等学校の生徒と教授と関係者
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「摩利と新吾」の記事における「持堂院高等学校の生徒と教授と関係者」の解説
「持堂院高等学校」とは全寮制の私学の名門旧制高校で、主に富豪の子弟が通うが、貧しい家の人間もいる。「全猛者連」という他校でいう生徒会の組織があり、摩利と新吾はそこの会長で、主要登場人物はその一員が多い。名門校で進級する際に試験があり、試験に落第すると留年し、二回留年すると退学になる。もう一度入学試験を受けて合格すれば戻ってこられる。学業のレベルは高いが、全猛者連が主催する学校のイベントも多く、文武両道がモットーである。理系と文系だけでなく、乙類と呼ばれるドイツ語と丙類のフランス語と甲類の英語専攻に分かれている(摩利と新吾は理乙)。生徒は卒業後に「帝大」(今の東京大学)に行くものが多い。さらに「硬派」と呼ばれる同性愛者のグループと、「軟派」と呼ばれる女性の方が好きなグループとに分かれている。 鷹塔 摩利(たかとう まり) 主人公。1893年生まれの射手座。界的な貿易商で伯爵の父とドイツ貴族の令嬢を母にもつ混血児。子供の頃は混血を理由に周囲から白い目で見られて避けられていたが、兄弟同様に育った新吾が常にかばってくれたおかげで勉強も武道も頑張り(柔道剣道合わせて五段)、文武両道となり、次第に周りからも一目置かれる存在になった。 父親は海外(特にドイツ)で仕事をしていることが多く、母親は小さい時に亡くなり、ばあやの手で育てられるが、新吾の両親からも面倒を見てもらうこともある。 少年時代の活動の拠点は日本だが、ドイツへたびたび行くこともあり、そこで同性愛者の公爵から手ほどきをうけ、次第に同性愛に目覚めていき、やがて親友の新吾を愛するようになる。 ドイツ語名はマリ・コンラート・タカトウ・フォン・メーリンクで、マリだけでなく、コンラートと呼ばれることもある。 新吾と共に持堂院高等学校へ入学してからは、一年生ながらもその美貌と文武両道さで全猛者連の会長に任命され、学校のアイドル的存在になる。 順風満帆な学校生活をおくる半面、新吾への同性愛の思いに苦しみ、さらに同じ同性愛者の春日夢殿に言い寄られたりする。 持堂院卒業後は帝大を新吾と共に受け合格するも、父親の住むドイツへ父親の事業を手伝うために留学。そこで新吾が女性に目覚め自分を恋人としては受け入れられないことを知りショックをうけるも、幼馴染で元隣家の女中であるささめと再会し、彼女が欧州で離婚されてもめげずに強く生きている様子を見て気を取り直し、新吾と親友のままでいることに同意する。その際にかねてから不仲だった祖父と和解したことと、欧州で父親の貿易の仕事の後を継ぐために、新吾や夢殿らとは帰国せず欧州を活動拠点とする。 やがて鷹塔家の女中になったささめとの間に一子をもうけるも、一生結婚しなかったため、やはり新吾への愛が一番だったと思われる。昭和20年に政府の依頼で極秘に連合軍に停戦交渉に向かうが、通信のミスにより誤爆・撃墜され太平洋上に散る。 容姿は茶色い髪に白い肌でドイツの血を濃く受け継いでおり、女性と間違えられるほどの美貌の持ち主で、余興で女装をよくやらされる(本人もまんざらでもない) 性格はクールで冷静だが、人あたりは新吾ほどではないが良い。新吾のことになるとムキになるところがあり、新吾を傷つけるものには容赦しないところがある。 印南 新吾(いんなみ しんご) もう一人の主人公。1894年3月生まれ。摩利とは生まれたときからの親友で、父親は診療所を経営している医師で摩利の父親とは旧知の仲。その影響で新吾も摩利と親友になる。 摩利とは「おみきどっくり」(学校にある一対で一つの一心同体のとっくりのこと)とあだ名をつけられるぐらい一心同体の存在。後に風魔教授からは二人揃って「しまりんご」とも呼ばれるようになる。 子供の頃、混血で周囲から白い目で見られていた摩利を常にかばい、摩利と一緒に学業も武道(主に剣道が得意)も頑張ったお陰で文武両道になり、彼も周囲から一目置かれる存在になる。 摩利と共に持堂院高等学校に入学して、一年生ながら摩利と共に全猛者連の会長に任命され、彼も摩利同様に学校のアイドル的存在になる。 二年生までは順風満帆だったが、三年生の時に両親を事故で亡くし、新入生の滝川篝に嫌がらせをされ、さらに滝川の策略で、親友だと思っていた摩利が同性愛者で自分を愛していたのを知り、その思いに最初は戸惑い失踪する。しかしそこで旅芸人の一座に出会い気を取り直し、摩利のもとに戻り、摩利を恋人として受け入れようと努力をする。 持ち前の親しみやすさで女性登場人物から言い寄られることが多いが、摩利のために拒否する。 持堂院を卒業後は摩利と帝大を受験し合格するも、父親のような医者になるため摩利と共にドイツへ留学する。そこでドリナというセルビアの女性と出会い、彼女と恋に落ちて、摩利との仲が一時悪くなる。しかし、ドリナからセルビアに一緒に来てほしいという誘いをやがて断り、最終的にはドリナより医者の道と同性愛的な意味でなく親友として摩利のそばにいることを選び摩利を安堵させる。 帰国後は父親の後を継いで日本で医者として活躍し、かねてから言い寄られていた娘、一二三と結婚し子供をもうけた。摩利と同日同時刻、軍医となって乗船した艦が撃沈され、兵士たちと共に連合軍の戦闘機の機銃掃射を受けて散る。死の瞬間、摩利の名を叫んだ。 容姿はぱっちりした目のきりっとした日本的な美男子で、髪型は初期の頃は坊主に近い短髪だが、物語の中間以降では髪を少し伸ばすようになる。 性格は「おひさま新吾」と呼ばれ天真爛漫で明るく、誰にでも優しいが言うべきことは我慢せず主張する。ただ、人が良すぎて人間の裏表を見抜けない鈍感なところがあり、それで悩むこともある。 春日 夢殿(かすが ゆめどの) 政治家の息子で、摩利と新吾より2年先輩。1889年生まれ。摩利達が来るまでは、全猛者連のリーダー的存在だった。自他ともに認める同性愛者で摩利を「ヘル・マリィ」(ドイツ語で摩利君)と呼び、愛するようになる。 誰よりも早く摩利の新吾への思いにも気付き、卒業後は帝大に進むも、摩利目当てで持堂院の内情に首を突っ込む(後輩たちからは絶大な信頼を得ているのもある)。 新吾への愛に苦しむ摩利と肉体関係を持つこともあり、のちに二人がドイツに留学してからも、摩利を追って自身もドイツに留学。そこでも新吾と恋人になれないことを知った摩利と何回か関係するも、摩利が新吾と親友でいることに納得した後は、摩利を諦め、帰国して親が勧める侯爵令嬢と結婚して、政治家の道を歩む。 容姿は摩利の父親にどことなく似て長身で大人びており、性格も肝っ玉が据わっていて、大変包容力があるので、摩利はそれで言い寄られても嫌な顔をせず、彼のことは先輩として信頼している。対等の友人・紫乃の死に誰よりも深く傷つき、新吾だけがその事実に気づいた。 安曇 紫乃(あずみ しの) 全猛者連の一員で、日本舞踊の家元の息子で自身も踊りの名取。摩利と新吾より1年先輩。1891年生まれ。女性に囲まれて生活していたためか、美人から大変モテる遊び人で「軟派」のリーダー格。 実は実家にいる母親違いの姉「ひさ子」を愛しているが一緒になれないので、それを他の女性との遊びで紛らわしていた。 卒業後は帝大に行かず、踊りの家の後を継ぐことになっていたので、勉強は本来できるがわざと落第して、摩利達と一緒に卒業はする。夢殿が摩利以外に唯一本音で話せる器の大きい人物でもある。 後に新吾と夢殿らが留学後、日本に帰って来た時に起きた関東大震災で、密かに愛するひさ子の子供をかばって建物の下敷きになり、昏睡状態に陥ったまま1ヶ月後に死亡。最後までひさ子を思って独身だった。その葬式の際に摩利は一時帰国した。 容姿は切れ長の目の妖艶で古典的な美男子で、性格は何事にも動揺せず鷹揚。「うっふっふ」が口癖で、常に微笑を絶やさないが、怒ると非常に怖く、みんなはそれを恐れている。 百地 桃太郎(ももち ももたろう) 全猛者連の一員で、紫乃と同学年で彼とは親友。1892年生まれ。卒業後は京都の帝大(今の京都大学)に進むも夢殿同様、持堂院を気にかけている。忍者の子孫で、身体能力が非常に高く、夢殿や紫乃からスパイ(間者)の役をやらされる。 夢殿の催しの会で姫花と出会い、その身体能力の高さから姫花から「サル太郎」と呼ばれてしまう。後に姫花を愛するようになり、新吾に振られた後の姫花に告白して、後に結婚する。結婚後は髪を切り銀行員になる。容姿は長い髪の個性的な美男子で、性格は明るくサバサバしており、「しゃー」が口癖。 設楽 星男(しだら ほしお) 全猛者連の一員で、摩利と新吾と同学年。1893年2月か3月生まれ。同性愛者で「硬派」の重鎮的人物。2年までは、親友の織笛や摩利や新吾と楽しくやっていたが、3年になるとかねてから愛していた隣に住む幼馴染の滝川篝が新入生として入学してくると、常に篝につきっきりで面倒を見て、摩利と新吾の仲を裂こうとするトラブルメーカーの篝のことで気苦労が絶えなくなる。 篝の死後はショックで帝大を一回不合格になるも奮起して合格し、その後は建築家となる。女系家族でいじられキャラとして育ったせいか、根本的に女性が苦手で誰とも結婚しなかったが、あまり女女していない一二三を気に入っていたり、美女夜の顔を見て「よく見ると篝に似ている」と歓喜し、織笛に「一生独身だな」と呆れられた。 容姿は長身で短髪だが優男型の美男子で、性格はどちらかというと冷静な方だが、親友の織笛とはしょっちゅうつるんで騒いでいるところもある。 牧 織笛(まき おるふえ) 全猛者連の一員で、摩利達と同学年で星男の親友だが、星男とは対照的に「軟派」の重鎮的人物。同じ軟派でも紫乃のような遊び人ではなく、常に女性とのまっとうな恋愛を夢見ているタイプである。 母親は大金持ちの男の愛人で、いわゆる当時多かった、妾の息子で、そのことが彼のコンプレックスでもある。 女子修学院との合同合宿の時に、そこの女学生のみち子と恋に落ちるも、みち子の家が没落すると、恥じて身を引こうとするみち子のために別れる(織笛は自分が妾の息子で嫌われたと誤解して激怒する)。その後、彼女が家が没落して苦労しているのを知り仲を復縁し、苦労する彼女ためにひたすら尽くし、卒業前に退学して小学校の教師になり、みち子と結婚してみち子やその家族を養う。 容姿は目鼻立ちの派手な顔の美男子で、性格は勝気で短気で、思ったことをずけずけ言い、お人よしの新吾や篝のいいなりになっている星男によく活を入れているが、みち子に対してはかなり純情で献身的。 藤村 月夜麿(ふじむら つきよのまろ) 全猛者連の一員で、摩利と新吾と同学年だが、病気の療養で入学が遅れているので、摩利達より3歳年上。小説家志望で文系の秀才で、摩利と新吾をはじめとする全猛者連の相談役的存在。かつては入学前の病気の療養の時に、新吾が世話になった旅の一座の娘さよ子と恋に落ちるも周りに別れさせられ、病気のこともあり、篝と同じく「世をすねる会」に入っていた暗い過去もある(その後小説に目覚め脱会)。新吾が旅先の一座から帰ってきた際に、さよ子に旅先で会ったことを聞かされ、会いに行きよりを戻す。卒業後は帝大に進学し、さよ子と結婚して、高校の教師のかたわら小説も書き「摩利と新吾」をモデルにした小説も書いている。容姿は美男子ではないが、眼鏡が似合う落ち着いた風貌で、性格は容姿と同じく落ち着いていて穏やかである。 大江山 将鬼(おおえやま しょうき) 全猛者連の一員で、成績が悪いため常に落第や退学、さらに入学を繰り返しているので、摩利達より3歳年上。全猛者連のムードメーカーでもある。 女子修学院との合同合宿の時に、そこの生徒会でもある美女姫連の幹部、額田様という美女に一目ぼれをして恋に落ち、その後勉強を頑張るようになる。卒業後は額田様と結婚して家業の酒屋を継ぐ(帝大は最後まで不合格続きで行けなかった)容姿は不細工な怪力の大男で、性格は豪快さと繊細さを兼ねそろえており、織笛と同じぐらい純情で好きな女性(額田様)に尽くすタイプでもある。 昭和20年に軍需工場に動員されるが、爆撃により死亡。 泉 白菊丸(いずみ しらぎくまる) 全猛者連の一員で、摩利と新吾より1学年後輩。新吾のばあやの孫で、特に新吾を敬愛している。摩利と新吾の世話をよくしている。 容姿は大変小柄で童顔でかわいらしく、全猛者連のマスコット的存在。性格も優しくかわいらしいが、怒ると結構怖い。卒業後は新聞社に就職。 麦刈 金太郎(むぎかり きんたろう) 全猛者連の一員で、摩利達と同じ年だが1年生の時に留年しているため、一つ年下の白菊丸や鉄之介らと仲が良い。容姿も眼鏡で丸坊主で平凡であり、性格もこれといった特徴のない平凡なタイプだが、逆にそれが受けて全猛者連にスカウトされた。卒業後は農業関係に就職。 昭和19年、工作班員として従軍中、サイパンで玉砕。 黒羽 鉄之介(くろば てつのすけ) 全猛者連の一員で、白菊丸と同学年でよくつるんでいる。容姿は坊主頭できりっとしており、性格も非常にまじめでお堅い。帝大に進学し、卒業後は弁護士になる。 昭和19年、特攻隊指揮官としてラバウルにて戦死。 留 三衣(とどめ みつぎぬ) 全猛者連の一員で、摩利と新吾より2学年後輩。べらんめえ口調が特徴で愛称は「ルミィ」。摩利と新吾の卒業後、全猛者連の会長になる。持堂院卒業後、帝大に進むものの「活動写真に狂って」単位を落とすなど親の期待を裏切り、最終的には活劇の監督関係に進む。容姿は目がぱっちりした可愛い感じで、性格は江戸っ子気質でさっぱりしている。 鴨沢 勇(かもざわ いさむ) 全猛者連の一員で、ルミィと同学年。一旦は四高の用務員として働いた後、一念発起して持堂院に入学しているので、みんなよりかなり年上だが、月夜麿のような落ち着いた感じではなく、お笑い担当的な存在である。摩利と新吾卒業後は、全猛者連の副会長になり、ルミィとともに後を継ぐ。 容姿は篝から「カバフグのよう」と言われたほど不細工だが、髪結いの妻と子供もいる。性格は、豪快でひょうきんものである。持堂院卒業後は麦酒会社に就職。 昭和17年、報道班員として従軍、ガダルカナルで戦病死。 滝川 篝(たきがわ かがり) 摩利と新吾が3年の時に新入生としてやってきた。2学年後輩の同性愛者で、星男の隣りに住む幼馴染で彼を信頼しているが、星男が自分に惚れていることを知っているためか、利用することも多い。 政治家の妾の息子で、母親から好きでもない男の息子だからという理由で憎まれて育ち、さらに心臓が悪くうまくいって30歳までしか生きられないという不幸な生い立ちだが、それを武器にすることも。 不幸な人間が徒党を組み、幸せな人間を陥れることを目的とする「世をすねる会」の会長でもあり、摩利と新吾の仲を裂き不幸にするために持堂院に入学してきた。 新吾に対して彼の鈍感な部分と摩利にとってそれが負担だとひたすら責め、摩利に対しても慕う振りをしながら新吾を愛していることを同性愛者の直感で見抜き、摩利が新吾を愛していることを皆に知られるように仕向ける。新吾がショックをうけ失踪するはめになるが、摩利にその後に皆の前で強烈な仕返しをされ、摩利を本当に慕ってたことに気づき愕然とする。 新吾が失踪から戻ると、摩利に詫びを入れ、摩利や新吾と夏休みの間に摩利の家で暮らすようになる。入学時から暗い自分と正反対の新吾を能天気で鈍感と否定していたものの、次第に自分に対して常に明るい新吾を摩利よりも好きになっていくが、持ち前の気位の高さからそれを認めようとせず、最後まで新吾には冷たいままだった。 自分の死を悟った時に新吾の気をひくため、新吾の前で摩利を傷つけようとして新吾に罵倒されるが、その時はもう心臓の悪いのが悪化していたため、その3日後に星男に看取られながら死亡する。 絵を描くのが上手く死後に篝が描いた新吾の絵が見つかり、新吾はそれを見て篝が実は自分のことを好きになっていたとのだと摩利から聞かされ落胆するが、それで医者になる決意をますます固める。 文武両道で美形で常に憧れの的とされている摩利と新吾に対して頭脳戦の戦いを挑んでくる、唯一の本格的なヒールキャラとして読者に強烈な印象を与え話を面白くしたことに一役買っているキャラクター。 容姿は小柄で摩利に勝るとも劣らない中性的な美貌の持ち主。性格は生い立ちのせいか、暗くて猜疑心が強く、皮肉屋で、我儘で気位が高いが、星男や摩利には甘える面もある。 二宮 青太(にのみや あおた) 摩利と新吾が一年生の時に転入してきた少年。田舎の出身で、頭が良いので援助で持堂院に入学できた。明るくて運動が好きな少年で、摩利と新吾と同じ部屋になってから、二人の親友になるが、持堂院の運動会で活躍するも実は不治の病におかされており、最後に摩利と新吾と山に行った後に亡くなる。実は援助を受けていた家の夫人を好きだったというエピソードがある。篝同様、新吾の医者への決意を固めた人物である。 大和 飛竜(やまと ひりゅう) 全猛者連の一員。紫乃や桃太郎と同学年の先輩。芸者と恋仲で、家が貧しいことや成績不振で落第を重ねていたこともあり、摩利達の活躍で彼女と一緒になると学校をやめる。短い出番だが、お笑い担当として容姿も性格もインパクトがある人物だった。 四季 遥(しき はるか) 全猛者連の一員で、夢殿と同学年で、彼と親友だった。最初は新吾に恋する硬派を装っていて摩利を困惑させたが、実は新吾に顔がよく似た名門の令嬢の恋人・雅子と愛し合う。親も財産も無く雅子の両親に家庭教師ごときと結婚を反対され、男装させて寮に匿っていた。密偵に見つかったため、摩利と新吾、夢殿たち友人の協力で駆け落ちする。 短い出番だったが、長髪でインパクトのある人物。あだ名は「ビバルディ」(名前が四季なので)。 雅子(まさこ) 四季の恋人(リーベ)。ある名家の令嬢であり、四季と愛し合う。しかし、政略結婚を強いられており、家出した。セミロングのストレートヘアでピンクのリボンを付けていたが、四季と共に生きるため、髪を切り男装して寮に隠れていた。新吾に瓜二つ。四季を「ビバルディ」と呼ぶ。 風魔教授(ふうまきょうじゅ) 摩利と新吾の恩師。1866年生まれ。持堂院高等学校ドイツ語教師。長身で空手の名人で、生徒からは「理想的な大きな父親」と言われて、慕われている。摩利と新吾に「しまりんご」という別のあだ名をつけたりもする。終戦の年、風邪が元で亡くなる。 容姿は美男子ではないが堂々とした風格で、性格は男らしくて頼りがいがある。 へるめす教授(へるめすきょうじゅ) 持堂院高等学校の物理化学教師。長身の西欧風の美男子で、硬派達から人気がある。性格は明るく豪快だが、見た目と対照的に団子や料理や裁縫が好きというギャップもある面白い人物。風魔教授の良き相談相手でもある。 印南 数馬(いんなみ かずま) 新吾の父親の弟で、新吾の叔父。1887年生まれ。持堂院の数学教師をしている(新吾達を受け持ったことはない)。昔恋人の扇子と引き裂かれて、独身を通していたが、不知火の変で扇子と再会して、再び恋が燃え上がり結婚する。その後も常に新吾のことを気にかけている。容姿はきりっとしており人柄も良い。 扇子(せんこ) 新吾の叔父の数馬の妻。もとは不知火高校のリーダー白鳥の姉だが、数馬とは若いころは親から交際を反対され、他家に嫁いだが、子供が出来る前に夫が戦争で死に、未亡人になり家に出戻る。やがて不知火の合戦で数馬と再会し、恋が燃え上がり、数馬と念願がかない再婚して、子供を二人産む。結婚後は数馬同様、常に新吾のことを思っている。容姿はあでやかで色っぽい美人で、性格はさっぱりしている。数馬との密会に際して逆さ言葉を暗号のように使っていたせいか得意としている。「いやいや」が口癖。関東大震災で次女を失う。 白鳥 騎士(しらとり きし) 扇子の弟で、持堂院のライバルの不知火高校の生徒会長。新吾に一目ぼれして、自分の高校に転校させようと策略する。そこで最初に新吾を次に摩利をさらい、二人を取り返そうとする持堂院の生徒たちから、「不知火の変」という合戦をおこされ、それに応じる。その際に姉扇子とかつての恋人で新吾の叔父の数馬が再会して、二人がよりを戻す。自分もその後、摩利と新吾を諦め、若葉という扇子の付き人だった少女と一緒になる。容姿は長い黒髪の美男子で、欲しいものは何としてでも手に入るエゴイストだが、根は善人。 サビーヌ先生 持堂院にフランス語を教えにきたフランス人の女教師。教師としては、淑女で声が小さくわがままな面もあり、紫乃に「教師として失格」と罵倒される。以降改心して、自分に苦言してくれた紫乃と仲良くなる。 実はフランスで、摩利の父親に言い寄り振られた過去があり、腹いせに摩利を誘惑しに日本にやってきたが、先妻にそっくりな摩利を見て、勝ち目がないと思い摩利と和解する。 結局ホームシックになり、摩利と紫乃に見送られフランスに帰国する。プラチナブロンドの美人で、性格は少々我儘なところもあるが、根は純情なかわいらしい女性。
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