玉砕とは?

ぎょく‐さい【玉砕/玉×摧】

[名](スル)玉のように美しくくだけ散ること。全力戦い、名誉・忠節を守って潔く死ぬこと。「—した守備隊」⇔瓦全(がぜん)。


ぎょく‐さい【玉砕・玉摧】

〔名〕 (「北斉書元景安伝」の「大丈夫寧可玉砕、不瓦全」による) 玉のように美しく砕け散ること。名誉、忠節などを守って潔く死ぬこと。

火の柱(1904)〈木下尚江〉三「葉末露もろく散り空しく地に玉砕す」

桜島1946)〈梅崎春生〉「どうせ私達南方の玉砕部隊だと」


【玉砕】(ぎょくさい)

割れた玉(宝石)のように煌びやか砕け散ること。転じて、誇りと共に語り継ぐ値する壮絶な死のこと。
死亡」「全滅」などの言い換えとしての敬語表現一つであるが、戦後旧軍対す偏見影響で意味が変質している。

現代では主にスポーツ試合などで、格上相手に対して果敢に挑む惜しくも敗れ去る、などの意味で用いられる。
実際に死者発生した場合に「玉砕」と表現するのは現代日本語においては重大なタブーである。

語源中国の歴史書『北斉書』の記述大丈夫寧可玉砕何能瓦全」から。
「立派な男子は脆い宝玉のように砕け散る事を尊びはするが、屋根瓦ようにくだらない生涯全うする事は望まない」の意。
「玉(天皇陛下)のために砕け散る」の意であるとする珍説もあるが、これは間違い

言葉指し示す事柄実態考えれば自明であるが、この語を用い表現著しく不穏である。
自ら「我々は玉砕しようと思う」などと仲間鼓舞したとして、よほど平静を失った人間でなければ素直に頷けるものではない。
あるいは戦死者に関して爾後通信は全く途絶全員玉砕せるものと認む」との発表があったとして、その言葉遺族への慰めになるわけでもない
日本語での「玉砕」という言葉本質は「死ぬ」「死んだ」と口にするのを避けるための隠喩であって実際に敬意込める事は多くない。

太平洋戦争における「玉砕」

第二次世界大戦後半大日本帝国大本営は「玉砕」という表現異様なほど多用した。
それは何故かと言えば、「玉砕した」と表現するしかない状況異様なほど多発したためである。

そのような絶望的戦況を生み出したものが何であるかはさておき勝利撤退不可能になった部隊多くが、なお降伏せず戦い続け全滅した。
そうした態度戦中当時陸軍大臣東條英機の著『戦陣訓』などの思想的影響と見る向きもある。実際当時の軍上層部にはその影響も確かに見られる
しかし現実問題として、前線兵士達は玉砕を望んでいたのではなく、「生きて虜囚となる」事を許されなかったと見るべきだろう。

真珠湾で捕らえられた太平洋戦争最初捕虜身元明らかになる功績抹消され、生存している事実さえ極秘とされた。
その後捕虜達も家族が「非国民」として差別される事を恐れ戦時法で保証されている家族との文通を自ら拒否したという。
また、そもそも兵卒捕虜扱いについて何ら教導を受けず、ただ「捕虜になるのは死ぬより恐ろしい」とだけ言い聞かされていたという。

関連大本営発表 バンザイアタック


玉砕


玉砕(たまさい)

玉石砕石道路用砕石場合玉石原石とする場合砕石最大寸法が3倍以上の玉石を砕いたもの丸味をおびた部分きわめて少なくなるので砕石認めるが、それ以下の玉石砂利を砕いて粒度調整したもの玉石砕石と言う


玉砕

作者小田実

収載図書玉砕/Gyokusai
出版社岩波書店
刊行年月2006.9


玉砕

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 12:42 UTC 版)

玉砕(ぎょくさい)は、玉のように美しく砕け散ること、指導層が提唱する大義、名誉などに殉じて潔く死ぬこと[1]太平洋戦争における日本軍部隊の全滅を表現する言葉として大本営発表で用いられた。対義語は、瓦全(がぜん)、甎全(せんぜん)で、無為に生き永らえること[2]。中国の古書「元景安伝」の記述「大丈夫寧可玉砕何能瓦全(勇士は瓦として無事に生き延びるより、むしろ玉となって砕けた方がいい)」を語源とする。


  1. ^ 玉砕・玉摧”. コトバンク. 朝日新聞社. 2019年5月25日閲覧。
  2. ^ 瓦全”. コトバンク. 朝日新聞社. 2019年5月25日閲覧。
  3. ^ 北齊書/卷41”. 维基文库. 2020年7月4日閲覧。
  4. ^ 大丈夫”. コトバンク. 2020年7月4日閲覧。
  5. ^ ”. 漢字ペディア. 公益財団法人日本漢字能力検定協会. 2020年7月4日閲覧。
  6. ^ 陸戦史研究普及会(編) 『ルソン島進攻作戦―第二次世界大戦史』 原書房〈陸戦史集〉、1969年昭和44年)、101頁
  7. ^ 「47都道府県「日本陸海軍」人物ファイル」(太平洋戦争研究会、2009年、PHP研究所)p290
  8. ^ 「図解日本史」(西東社編集部、2009年)p267
  9. ^ 「「聖断」虚構と昭和天皇」(纐纈厚、2006年、新日本出版社)p82
  10. ^ 「一冊の本」(扇谷正造、1976年、PHP出版)「戦艦大和の最後」の章


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