怒江とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 怒江の意味・解説 

サルウィン川

(怒江 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 02:45 UTC 版)

サルウィン川
သံလွင်မြစ်
แม่น้ำสาละวิน
သာန်လာန်
རྒྱལ་མོ་རྔུལ་ཆུ།
怒江
ミャンマーとタイの国境を流れるサルウィン川
延長 2815 km
平均流量 4978 m3/s
流域面積 324,000 km2
水源 中国チベット自治区ナクチュ市アムド県タンラ山脈
水源の標高 5350 m
河口・合流先 ミャンマーモン州モーラミャインアンダマン海
流域 中国
ミャンマー
タイ
テンプレートを表示
サルウィン川デルタ域(1994年10月)

サルウィン川ビルマ語: သံလွင်မြစ်ALA-LC翻字法: Saṃ lvaṅʻ mracʻIPA: [t̪œ̀nlwɪ̀m mjɪʔ] タンルウィン・ミッ; タイ語: แม่น้ำสาละวิน; モン語သာန်လာန်; san lon; チベット語: རྒྱལ་མོ་རྔུལ་ཆུ།; ワイリー方式rgyal mo rngul chu; 蔵文拼音:Gyalmo Ngulchu; 中国語: 怒江[1][2])は、チベットを源流とし、中国雲南省を流れ、ミャンマー北東部のシャン台地にあるカヤー州カレン州を南下してアンダマン海北端部のマルタバン湾へと注ぐ国際河川である。一部ミャンマーとタイの国境を成す。長さは2815 kmにおよぶ。

特性と流域

水源は中華人民共和国チベット自治区アムド県タンラ山脈にあり、長江の水源地の各拉丹冬山中国語版英語版とは同じ区域にある。2009年に一帯は中華人民共和国国家級風景名勝区に認定された[3][4]

流域に山脈や高原が目立つサルウィン川には急流が多く、しばしばこの流域は “中国のグランドキャニオン”、“アジアの大地溝帯” などと呼ばれ、河口から119 kmの地点までしか船が入れない。そのため経済的には流域の殆どの地域で役に立っておらず、ミャンマーの一部地域で木材の搬出に利用されている程度である。

その一方、流域には7千種を超える植物と、80種の希少種および絶滅危惧種の動物と魚が暮らす。ユネスコはサルウィン川の流域を「世界で最も多様性に富む温帯の生態系かもしれない」とし、2003年に、上流域を世界遺産に登録した。(→三江併流

ヌー族(怒族)は中華人民共和国が公的に認知している56の少数民族の1つで、この民族名はこの川の中国語名である怒江から名付けられた。

問題点

サルウィン川はダムが作られていない川としては東南アジアで最も長い河川である。しかし21世紀初頭において、主にミャンマー領内で幾つかのダムが提案されており議論を呼んでいる。

2004年2月に、中国の温家宝首相が雲南省に13のダムを作る計画の一時停止を命じた。

一方でタイとミャンマーの政府は幾つかのダム建設を計画している。そのうち1つは多くの問題を起こしている三峡ダムより大きいと言われている。2006年4月に、タイとミャンマーは60億米ドルをタサン付近に建設を計画しているタサンダムビルマ語版英語版に投じるよう協定を結んだ。

両国はカレン州のハッジーにもハッジーダムビルマ語版英語版を計画し、2006年5月に実現の可能性を調べるために測量を開始したものの、ミャンマーが流域に住むカレン族を軍事攻撃したため中止された。ダムの主たる建設者であるタイ発電公社は2007年9月に測量を再開したが、武装勢力の攻撃により測量技師が死亡し、再延期された。元々の工期では2007年11月着工し、2013年完工を目標としていたものの、遅れは避けられない状況である。

支流

主な橋

脚注

  1. ^ ティエリ・サンジュアン『地図で見る中国ハンドブック』原書房、2017年、8頁。ISBN 978-4-562-05422-0 
  2. ^ 怒江(中国語)の日本語訳、読み方は - コトバンク 中日辞典
  3. ^ 中華人民共和国国務院 (2009年12月28日). “国务院关于发布第七批国家级风景名胜区名单的通知 国函〔2009〕152号” (中国語). 中華人民共和国中央人民政府. 2023年2月5日閲覧。
  4. ^ 何旭 (2022年12月23日). “唐古拉山-怒江源风景名胜区” (中国語). 中国大百科全書』第三版オンライン版. 2023年2月5日閲覧。

関連項目

外部リンク





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「怒江」の関連用語

怒江のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



怒江のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのサルウィン川 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS