ポケモンのタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 15:04 UTC 版)
「ポケットモンスター (ゲームシリーズ)」の記事における「ポケモンのタイプ」の解説
この項目では色を扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。 すべてのポケモンには、その性質を表す「タイプ」が設定されており、これは他のRPGにおける「属性」に相当。第三世代でイメージカラーが設定された。 タイプは全18種類で、ポケモンの種類によって1つまたは2つを持つ。例えばピカチュウはでんきタイプ、ギャラドスはみず・ひこうタイプとなっている。前述のようにポケモンが覚える各種の技にもそれぞれ1種類のタイプが設定されており、ポケモンは自身のタイプと同じタイプの技を多く覚える傾向にある。例えば、ピカチュウなら「でんじは」「10まんボルト」「エレキボール」といったでんきタイプの技を中心に覚える。 各技のタイプと技を受けるポケモンのタイプには相性が存在し、組み合わせによっては効果が大きくなったり逆に効果を失う。でんきタイプの技を例に挙げると、みずタイプとひこうタイプのポケモンには大きな効果を上げるが、くさタイプやでんきタイプのポケモンにはあまり効果的でなく、じめんタイプのポケモンには一切通用しない。ただし、「みらいよち」や「わるあがき」など一部の技は、相手のタイプに影響を受けずにダメージを与える性質を持っている。また、本来は効果がなかったり薄いタイプに対する攻撃を有効にする技や特性「きもったま」やアイテムもある。最近では、自他ともにタイプを変更・追加する技(「テクスチャー」「ほごしょく」「みずびたし」など)や特性(「へんしょく」や「へんげんじざい」)も増えた。あるタイプや効果抜群の技を受けても無力化・軽減する特性(「ふゆう」や「あついしぼう」など)に対し、その効果を無視する特性(「かたやぶり」など)もある。 各タイプの詳細を以下に記す。 ノーマル □イメージカラーは白。 シンプルな姿をしたポケモンが多く、すべての基本となるタイプ。イヌ・ネコ・ネズミなど、小型・中型哺乳類の姿をしたものが多い。また、ほとんどの鳥ポケモンはこのタイプが複合されている。ノーマル以外にも様々なタイプの技を覚えるポケモンが多いのも特徴で、初心者にも扱いやすい。技は「たいあたり」「でんこうせっか」「のしかかり」「すてみタックル」など物理攻撃が比較的多いが、「トライアタック」「ハイパーボイス」「はかいこうせん」などのように音波やエネルギー体などをぶつける技も少数ある。得意なタイプや耐性は存在しないが、弱点はかくとうタイプのみ、ゴーストタイプのポケモンとはお互いのタイプ一致技が無効になる。専門とする四天王がいない。 タイプZワザは「ウルトラダッシュアタック」。猛烈なダッシュで相手に突っ込み、激しく踏みつける。 タイプダイマックスわざは「ダイアタック」。追加効果として、相手全体のすばやさを1段階下げる。 最も威力が高い技は、第二世代以降の「だいばくはつ」で250である。これはすべてのタイプの技でも最高威力であるが、使用したポケモンは必ず「ひんし」になる。「ウルトラダッシュアタック」でこの技を指定した場合は「ひんし」にならないが、威力は200になる。 ほのお ■イメージカラーは赤。 炎や熱を纏い、それを駆使するポケモン。キツネ・サル・トカゲなど、陸生動物の姿をしたポケモンが多い。暖色系の体色のものが多く、火山に生息するものも多い。中には体表が溶岩のように熱かったり、体自体が溶岩でできているものもいる。灼熱の炎を出して戦うものが多く、その炎を体に纏った状態で打撃を与える技もある。また、ドラゴンタイプのポケモンもほのおタイプの技を多く覚える。攻撃後に自分のほのおタイプを消すことができる技「もえつきる」を覚えるものも少数いるが、この技は自分がほのおタイプでなければ成功しない。得意タイプがじめんタイプやかくとうタイプ、耐性タイプがはがねタイプに次いで多い。 タイプZワザは「ダイナミックフルフレイム」。巨大な火球を相手目掛けて飛ばし、凄まじい爆発に巻き込む。 タイプダイマックスわざは「ダイバーン」。追加効果として、天候を「ひざしがつよい」にする。 御三家の特性は「もうか」、最終進化系は「ブラストバーン」、全進化系統が「ほのおのちかい」を覚える。 「やけど」状態にならない。相性的にこおりタイプには強いが、「こおり」状態にはなる。 みず ■イメージカラーは青。 海・川・池・沼・湖など、水がある場所に多く生息しているポケモン。生息域は淡水と海水で大きく分かれる。海水域ではクジラやアザラシなどの大型水棲哺乳類、魚に至ってはサメやエイ、タツノオトシゴなど特徴的なものまで、他にも貝やカニ、ヒトデやクラゲなど、全体的に様々な魚介類の姿をしたものが多い。淡水域でも金魚、カエル、ザリガニ、ナマズなど多種多様。主に水中戦が得意で、大量の水を噴出したり、大波や激流を起こして押し流したり巻き込む技も多い。 タイプZワザは「スーパーアクアトルネード」。相手を水中に引きずり込み、巨大な渦潮に巻き込んで激しく振り回す。 タイプダイマックスわざは「ダイストリーム」。追加効果として、天候を「あめ」にする。 御三家の特性は「げきりゅう」、最終進化系は「ハイドロカノン」、全進化系統が「みずのちかい」を覚える。 くさ ■イメージカラーは緑。 樹木や草花など、森林や大自然に関係したポケモン。緑を基調とした体色が多い。植物の姿をしたものから、ある動物の体から草木を生やした様な姿まで様々。森や草原だけでなく、一部では湿地帯や乾燥地帯に生息するものもいる。ツルをムチのように叩きつけたり、葉っぱで刀や手裏剣のように斬りつけたり、種を飛ばして狙い撃つなど独特な戦い方をする。相手から体力を奪って回復する技も豊富。いわタイプと並んで弱点は最多。ノーマルタイプ同様、専門とする四天王がいない。 タイプZワザは「ブルームシャインエクストラ」。辺り一面に花畑が出現し、植物のエネルギーを相手の足元から放出する。そのときの衝撃波が、開花する巨大な花のように見える。 タイプダイマックスわざは「ダイソウゲン」。追加効果として、グラスフィールドを展開する。 御三家の特性は「しんりょく」、最終進化系は「ハードプラント」、全進化系統が「くさのちかい」を覚える。 第六世代以降は技「キノコのほうし」「ねむりごな」などの粉末技と「やどりぎのタネ」が効かず、特性「ほうし」が通用しない。 でんき ■イメージカラーは黄色。 雷など電気に関わるものを操るポケモン。アニメの主人公・サトシのパートナーであるピカチュウもこのタイプである。黄色い体色のものが多いが、中には機械的な姿をしたものもいる。草むらや洞窟だけでなく、市街地や電力供給施設などにも多く生息。主に高圧電流を浴びせる攻撃技が多いが、ほのおタイプ同様に体に電気を纏って打撃を与える技、他のポケモンの技を一時強制的にでんきタイプにするなど風変わりな技もある。弱点はじめんタイプのみで、特性「ふゆう」や技「でんじふゆう」などと組み合わさると、初期段階における弱点は完全になくなる。専門とするジムリーダーが多く登場しているため、専門とする四天王がいない。 タイプZワザは「スパーキングギガボルト」。膨大な高圧電流の束を相手目掛けて飛ばし、無数の稲光が花火のように炸裂する。 タイプダイマックスわざは「ダイサンダー」。追加効果として、エレキフィールドを展開する。 第六世代以降は「まひ」状態にならない。第七世代以降はでんきタイプ以外のポケモンが技「でんじは」を使用すると、命中率が少し下がるようになった。 こおり ■イメージカラーはアイスブルー。 冷気や氷、雪を操るポケモン。青白い体色のものが多く、ほとんどは豪雪地帯など寒い場所に生息。寒さに丈夫な体や、雪や氷に覆われた体を持つなど特徴も様々。冬になると稀に人前に姿を見せるものもいる。凄まじい冷気で相手を瞬時に氷漬けにしたり、大量の雪を吹きつけたり氷の塊をぶつけるなどの技が多い。耐性はこおりタイプのみ。さらには、ほのおタイプと並んで得意タイプがじめんタイプやかくとうタイプ、弱点がくさタイプやいわタイプに次いで多い。 タイプZワザは「レイジングジオフリーズ」。自分の足元に氷の柱が足場のように高く伸び、その上から相手目掛けて冷気を当てる。冷気で氷漬けになった相手は、氷もろとも粉砕される。 タイプダイマックスわざは「ダイアイス」。追加効果として、天候を「あられ」にする。 「あられ」のダメージを受けず、「こおり」状態にならない。第七世代以降は一撃必殺技の「ぜったいれいど」を受けず、こおりタイプ以外のポケモンが「ぜったいれいど」を使用すると、命中率が少し下がるようになった。 かくとう ■イメージカラーは赤茶色。 人に似た姿や筋肉質ポケモンが多く、プロレス・ボクシング・相撲・空手・柔道など、多種多様な格闘技を各々極めるのが大半。中には、専ら相手や手段を選ばず喧嘩や闘争を好むものもいる。「からてチョップ」「つっぱり」「スカイアッパー」「ローキック」「とびひざげり」など、格闘技主体の物理攻撃が多い。少数ではあるが、身体の奥底から湧き出る気合いや波動などのエネルギーをぶつける技もある。得意とするタイプが最多である。ノーマルタイプの唯一の弱点だが、ゴーストタイプには攻撃技が効かず、むしタイプが相手だとお互いのタイプの攻撃技の効果がいまひとつになる。専門とするジムリーダーか四天王が必ず登場。 タイプZワザは「全力無双激烈拳(ぜんりょくむそうげきれつけん)」。一瞬の反撃も許さぬ連続打撃で相手をねじ伏せ、突っ込みながら強烈な止めの一撃で岩盤に叩きつける。 タイプダイマックスわざは「ダイナックル」。威力は低めだが、追加効果として味方全体のこうげきを1段階上げる。 どく ■イメージカラーは赤紫。 毒物や有害物質を持ち、それを駆使する。自然由来の有毒生物のみならず、ゴミやヘドロなどといった有害廃棄物や、それから発生した有毒ガスから生まれたポケモンもいる。酸やヘドロなどの毒液を浴びせたりガスを吹きつけたり、毒が染み出る針や触手などで突くなどの技が多い。第五世代まではくさタイプのみに有効だったが、第六世代以降はフェアリータイプにも有効。初期ではむしタイプにも有効だったことがある。また、あくタイプと組み合わさると弱点はじめんタイプのみに、特性「ふゆう」と組み合わさると弱点はエスパータイプのみになる。悪の組織が使用することが多い。 タイプZワザは「アシッドポイズンデリート」。辺り一面を毒ガスやヘドロで覆い尽くし、相手は瞬く間にヘドロの海に飲み込まれる。 タイプダイマックスわざは「ダイアシッド」。他より威力は低めだが、追加効果として味方全体のとくこうを1段階上げる。 「どく」状態にならない。第六世代以降は技「どくどく」が必中になり、「あなをほる」や「そらをとぶ」などの技を使用している時でも命中する。先に相手から自陣に撒かれた「どくびし」を、後から交代で出して踏むことで消滅・無力化できる。毒にまつわるあらゆる面で有利。 じめん ■イメージカラーは黄土色。 砂・土・泥など、大地に関係するポケモン。荒れ地や山岳地帯、砂漠に住むものも多い。泥をかけたり地面を揺らして衝撃を与えるなどの技が多い。でんきタイプの攻撃技を受けず、技「でんじは」も通用しないが、「のしかかり」「はっけい」「りゅうのいぶき」「トライアタック」などの追加効果や、「しびれごな」「へびにらみ」などは通用する。相手の特性「ほうし」の効果を受けたり、団体戦でじめんタイプを持たない味方が「キョダイカンデン」や「キョダイバンライ」を受けてその追加効果で麻痺にもなる他、特性「せいでんき」の効果も効く。得意タイプがかくとうタイプと並んで最多。 タイプZワザは「ライジングランドオーバー」。相手を地底の深奥部まで押し込み、地殻にまで達すると相手は地底エネルギーの噴出に巻き込まれ、遥か上方に飛ばされる。 タイプダイマックスわざは「ダイアース」。追加効果として、味方全体のとくぼうを1段階上げる。 天気「すなあらし」状態でダメージを受けない。 ひこう ■イメージカラーはスカイブルー。 鳥やコウモリ、羽が生えた虫や竜など空を飛べるポケモン。ほとんどが空中戦を得意とする。翼やくちばしなどの打撃や、強風を巻き起こして吹き飛ばしたり、風を圧縮させて斬りつけるなどの技が多い。鳥ポケモンのほとんどはノーマルタイプとの複合が多い(複合していないポケモンが第五世代で初登場)。じめんタイプの攻撃技が当たらないが、「はねやすめ」を使用したターンの間や「うちおとす」を食らった以降、「じゅうりょく」影響下などではじめん技が当たってしまう。有効なタイプと弱点とするタイプの数が同じだが、前述の通り別タイプとの複合が多いため、この場合は有効・弱点タイプの比率は複合タイプによって増減する。技「まきびし」「どくびし」「ネバネバネット」や特性「ありじごく」を受けないが、同時に「グラスフィールド」などのフィールド効果の恩恵を得られない。特性「ふゆう」のポケモンも、このタイプと同じ効果を持つ。 タイプZワザは「ファイナルダイブクラッシュ」。目にも留まらぬ速さで空高く舞い上がり、風を裂きながら相手目掛けて一気に急降下。突っ込む衝撃で周囲の地面ごと相手を粉砕する。 タイプダイマックスわざは「ダイジェット」。追加効果として、味方全体のすばやさを1段階上げる。 エスパー ■イメージカラーはマゼンタ。 超能力を使用するポケモン。相手の考えを読んだり心を操るなど、摩訶不思議な習性や特技を持つものが多い。技も、念力や神通力による攻撃、催眠術や瞬間移動などの奇術、周囲の空間を歪めたり互いの能力変化や特性を入れ替えるなど、多種多様な技をこなす。かくとうタイプ同様に人の姿をしたものも多く、専門とするジムリーダーか四天王が必ず登場。 第一世代では弱点や有効な技が少なかったために猛威を振るう存在だったが、第2世代でむし・ゴーストタイプの強力な技やあく・はがねタイプの登場によって弱体化を余儀なくされた。 タイプZワザは「マキシマムサイブレイカー」。異次元空間の中で相手を念力で弾き飛ばしながら、見えない壁のようなものに次々とぶつけ、止めに空間の壁ごと相手を粉砕する。 タイプダイマックスわざは「ダイサイコ」。追加効果として、サイコフィールドを展開する。 むし ■イメージカラーは黄緑。 各種虫系のポケモン。チョウ・カブトムシ・カマキリ・トンボ・ホタルなど代表的な昆虫の他、ガ・クモ・ハチ・ムカデなどの姿のものもいる。ほとんどは森に生息し、どくタイプやひこうタイプとの複合が多い。「いとをはく」「むしくい」「むしのさざめき」「ほたるび」など、虫らしい特徴的な技も多い。サソリやアリジゴクなど、例外的にむしタイプではないものもいる。他のタイプより進化のスピードが早いものが多く、一番早いものでレベル10で最終形態に進化するポケモンがいる。ひこうタイプ同様、有効なタイプと弱点とするタイプの数が同じ。 タイプZワザは「絶対捕食回転斬(ぜったいほしょくかいてんざん)」。大量の糸で相手を繭のように巻きつけ、糸が長く伸びたままそれを振り回し、空中に放り投げた相手を繭ごと斬り裂く。 タイプダイマックスわざは「ダイワーム」。追加効果として、相手全体のとくこうを1段階下げる。 いわ ■イメージカラーはグレー。 岩石をモチーフとしており、洞窟や山岳地帯に多く生息する。ほとんどはゴツゴツとした外見で強大な防御力を誇るが、雨の日は洞窟などで大人しくするものが多い。中には、化石を復元することで復活する古代大昔のポケモンや宝石のような姿など、珍しい鉱物の特徴を持つものもいる。樹木に擬態するものもいる。無数の岩石を投げつけたり、頭上から落とす技が多い。ほのおタイプやこおりタイプ同様、得意タイプの多さはかくとうタイプやじめんタイプに次ぐ。くさタイプと並んで弱点が最多。 タイプZワザは「ワールズエンドフォール」。無数の岩を集めることで巨大な岩の塊を作り上げ、その塊を相手の頭上から一気に落として相手を潰す。 タイプダイマックスわざは「ダイロック」。追加効果として、天候を「すなあらし」にする。 天気「すなあらし」状態でダメージを受けない。第四世代以降は、「すなあらし」状態でとくぼうが1.5倍になる。 ゴースト ■イメージカラーは紫。 幽霊などのお化けや実体のないもの、姿が透明になったり自分の気配を消せるもの、壁などをすり抜けられるもの、影に忍び込んだり霊界を往来できるもの、得体の知れないエネルギーで活動するものなど、神出鬼没なポケモンである。呪いや怨みなど負の感情をエネルギーとするものも多い。主に墓地・洞窟・廃墟、稀に夜間の屋外など、暗くて寂れた場所に生息する。手段は様々だが、生死に関わる危害を及ぼすといった内容の都市伝説も多数存在する。すり抜けて触れない霊体だけでなく、ぬいぐるみやカボチャや蝋燭などに魂が宿ったもや、前世が人間だったものも希にいる。また最近では、生きてはいるものの影や鬼火を自在に操ったり、死んだ仲間の魂を体に纏わせる種類もいる。幻覚を利用して怖がらせたり、影を実体化させてぶつける技が多い。ノーマルタイプとかくとうタイプの攻撃技を受けない。ノーマルタイプのポケモンが相手だと、互いのタイプ一致技が無効になる。あくタイプと複合すると、弱点がフェアリータイプのみとなる。かくとうタイプ同様、四天王が使用することが多い。 専用技以外で威力100を超える技は第八世代「鎧の孤島」まで登場しなかった。 タイプZワザは「無限暗夜への誘い(むげんあんやへのいざない)」。周囲に真っ暗な荒野が出現し、腕のように長く伸びた無数の影が相手を瞬く間に覆い尽くし、そのまま影の塊が膨らみ爆発に巻き込む。 タイプダイマックスわざは「ダイホロウ」。追加効果として、相手全体のぼうぎょを1段階下げる。 技「クモのす」「とおせんぼう」「くろいまなざし」や特性「かげふみ」などが効かないため、必ず交代や逃走が可能。 ドラゴン ■イメージカラーはネイビー。 翼や手足の有無を問わず、長い尾を持つ竜の姿をしたポケモンが多い。迂闊に立ち入れないような険しい山や洞窟などに生息するものが多く、滅多に人前に姿を見せないために心を通わせるのも難しいとされ、神聖な生き物と崇める人もいる。賢さや気高さ、力強さを併せ持つものが多いが、端から怒りっぽいが食べ物を与えると人懐っこくなったり、一度怒らせると手が付けられないが普段はとても優しいなど、種類だけでなく内面的な個性も様々。全体的に豪快な攻撃技が多い。ひこうタイプとの複合が比較的多い。他のタイプより進化のスピードが遅く、最も遅いものではレベル64で進化するポケモンがいる。かくとうタイプやゴーストタイプ同様、四天王やチャンピオンが使用することが多い。 タイプZワザは「アルティメットドラゴンバーン」。放ったエネルギーが自我を持つ竜のように飛び回り、相手目掛けて飛び込むと同時に強烈な爆発に巻き込む。 タイプダイマックスわざは「ダイドラグーン」。追加効果として、相手全体のこうげきを1段階下げる。 第一世代は技が「りゅうのいかり」のみで、第二世代まではポケモンや技が非常に少なかったが、第三世代以降は双方とも飛躍的に増加した。全体的にステータスの高いポケモンが多く、第四世代と第五世代のパッケージを飾る伝説のポケモンはすべてドラゴンタイプを持つ。 第四世代から登場した教え技「りゅうせいぐん」はドラゴンタイプの特殊技で最も威力が高く、なつき度がとても高いドラゴンタイプであればどのポケモンでも習得可能であるが、使用後に特殊攻撃力が2段階下がってしまう。また、ドラゴンタイプの物理技で最も威力が高いのは「げきりん」であるが、こちらは終了後に混乱してしまう。 第五世代までは弱点がこおりタイプとドラゴンタイプのみで、ドラゴンタイプの攻撃技が半減となるタイプもはがねタイプのみだった。第六世代に登場したフェアリータイプにドラゴンタイプの攻撃技は効かず、弱点も増えた。 あく ■イメージカラーは黒。『金・銀』から登場。 闇や破壊に関係する、粗暴・冷徹・邪悪・野性的なポケモン。本能のままに容赦なく痛めつけるだけでなく、相手の行動を妨害するなどといったクセのある技も得意とする。一部、災いや不幸を招くという理由で人々から忌み嫌われるポケモンもいるが、実際は根拠のない迷信が広まったことが発端であるため、端から性悪ではないポケモンもいる。四天王が専門とすることが多いが、四天王以外で専門とするエキスパートはしまキングが『サン・ムーン』、ジムリーダーが『ソード・シールド』で登場するまで長きに渡っていなかった。また、どくタイプ同様に悪の組織団員やそのボスが使用することが多い。前述の通り、どくタイプと複合するとじめんタイプのみ、ゴーストタイプと複合するとフェアリータイプのみが弱点となる。専用技以外で威力100以上の技がない現状唯一のタイプ。 エスパータイプの攻撃技を受けず、相手が特性「いたずらごころ」で先に出した変化技も受けない。 タイプZワザは「ブラックホールイクリプス」。暗黒のエネルギーを生み出し、そのエネルギーは相手を含む周囲のすべてを吸い込み、爆発と同時に吸い込んだすべてを吐き出す。 タイプダイマックスわざは「ダイアーク」。追加効果として、相手全体のとくぼうを1段階下げる。 はがね ■イメージカラーは銀。『金・銀』から登場。 鋼鉄など、機械や金属に関係している。重くて体が丈夫ないわタイプと似た特徴を持つ種類が多いが、中には滑らかな曲線的な姿や、刃物のように鋭利な体を持つものもいる。鉄ではなく青銅やジュラルミンに身を包むものもいる他、詳しい金属成分が不明なものも稀にいる。金属の体、または体の一部を金属のように硬化させてぶつかる、殴る、斬りつけるなどの物理攻撃技が多いが、金属の体を研磨するなどして光を発射する技もある。耐性は最多だが、第六世代以降はゴーストタイプとあくタイプの攻撃技に対する耐性がなくなった。 タイプZワザは「超絶螺旋連撃(ちょうぜつらせんれんげき)」。ドリルのように回転し、大地をえぐりながら相手に突っ込み、止めに真上から相手を回転しながら押し潰す。 タイプダイマックスわざは「ダイスチル」。追加効果として、味方全体のぼうぎょを1段階上げる。 どくタイプの攻撃技を受けず、「どく」状態にならない。また、じめんタイプやいわタイプ同様に「すなあらし」のダメージも受けない。特性「じりょく」を持つポケモンを相手にすると、交代・逃走ができなくなる。 フェアリー ■イメージカラーはピンク。『X・Y』から登場。 妖精や精霊などをモチーフとしたファンタジー色の強いタイプで、伝説のポケモンも数多く存在するが、ほとんどの生息地は草むら、森、洞窟、市街地と比較的ありふれた場所が多い。 可愛らしかったり美しい外見のポケモンが多く、力任せや粗暴な印象を持つタイプのかくとう・あく・ドラゴンのポケモンに有効で、ドラゴンタイプの技を受けない。妖精の綺麗で柔らかい印象とは逆の汚くて硬い印象、そして人工物質の特色を持つどく・はがねタイプが弱点。神秘的な光やエネルギーによる攻撃技が多く、ほぼすべての攻撃技が特殊技となっている。ノーマル・くさ・でんきタイプ同様、専門とする四天王がいない。 タイプZワザは「ラブリースターインパクト」。神秘的な空間が広がる中を、無邪気に飛び回りながら相手に接近。真正面からのキスによる衝撃で相手は遥か彼方に飛ばされる。 タイプダイマックスわざは「ダイフェアリー」。追加効果として、ミストフィールドを展開する。 第八世代「鎧の孤島」にて「ミストバースト」が登場するまで、専用技以外で威力100以上の技ならびに教え技が存在しなかった。 威力が設定されている攻撃用の技の場合、その技のタイプとそれを出すポケモンのタイプが同じ場合、技のダメージは通常の1.5倍になる。また、特性「てきおうりょく」のポケモンは技のタイプと自分のタイプが同じ場合は無条件で2倍(1タイプ対象の効果抜群に相当)になる(効果がない場合は例外)。 ダメージを与えない技(第四世代以降では「へんかわざ」に分類される)については、原則としてタイプの影響を受けない。例えばゴーストタイプの技「あやしいひかり」は、ノーマルタイプやエスパータイプにも等しく有効である。しかし、相手を状態異常にする技では無効タイプには効果がない場合もある。 ジムリーダーや四天王の所有するポケモンは多くの場合、特定の1つのタイプを持つものに偏っている。通常トレーナーでも偏ったタイプを使用する系統が存在する。 相手の属性と相性を知っていれば攻略が容易になるため、ポケモンマスターへの登竜門としては適しているが、イメージが主体で純粋なタイプ特化ではないケースも多い。作品上、その属性のポケモンの種類が少ないという関係もある。特に第一世代はこの傾向が顕著であり、キクコやワタルがその例である。また、『ダイヤモンド・パール』のデンジはでんきタイプ、オーバはほのおタイプを専門としているにも関わらず、でんきタイプやほのおタイプが少なかったため、デンジは「チャージビーム」を覚えたオクタン、オーバは「ほのおのキバ」を覚えたハガネールなど、専門でないタイプのポケモンを出す例があった。後に『プラチナ』では、クリア前に野生で出現する種類及び図鑑ページを増やすなどの変更がなされ、パーティのタイプが統一された。 左が攻撃側、上が防御側(各ポケモンの持つ特性や場の状況などによる効果は考慮していない)。 タイプ相性表 攻撃を受けるポケモンのタイプノ丨マルほのおみずでんきくさこおりエスパ丨かくとうどくじめんひこうむしいわゴ丨ストドラゴンあくはがねフェアリ丨攻撃する技のタイプノーマル- - - - - - - - - - - - △ × - - △ - ほのお- △ △ - ◎ ◎ - - - - - ◎ △ - △ - ◎ - みず- ◎ △ - △ - - - - ◎ - - ◎ - △ - - - でんき- - ◎ △ △ - - - - × ◎ - - - △ - - - くさ- △ ◎ - △ - - - △ ◎ △ △ ◎ - △ - △ - こおり- △ △ - ◎ △ - - - ◎ ◎ - - - ◎ - △ - エスパー- - - - - - △ ◎ ◎ - - - - - - × △ - かくとう◎ - - - - ◎ △ - △ - △ △ ◎ × - ◎ ◎ △ どく- - - - ◎ - - - △ △ - - △ △ - - × ◎ じめん- ◎ - ◎ △ - - - ◎ - × △ ◎ - - - ◎ - ひこう- - - △ ◎ - - ◎ - - - ◎ △ - - - △ - むし- △ - - ◎ - ◎ △ △ - △ - - △ - ◎ △ △ いわ- ◎ - - - ◎ - △ - △ ◎ ◎ - - - - △ - ゴースト× - - - - - ◎ - - - - - - ◎ - △ - - ドラゴン- - - - - - - - - - - - - - ◎ - △ × あく- - - - - - ◎ △ - - - - - ◎ - △ - △ はがね- △ △ △ - ◎ - - - - - - ◎ - - - △ ◎ フェアリー- △ - - - - - ◎ △ - - - - - ◎ ◎ △ - ダメージにかかる補正は以下の通り。ただし、『ポケモン不思議のダンジョン』では相性による補正値が異なる。 印本編不思議のダンジョン青の救助隊赤の救助隊時の探検隊闇の探検隊◎ 通常の2.0倍 通常の1.5倍 通常の約1.4倍 - 通常のダメージ 通常のダメージ △ 通常の0.5倍 通常の0.9倍 通常の約0.7倍 × 無効 通常の0.5倍 作中では「◎」では「こうかはばつぐんだ!」、「△」では「こうかはいまひとつのようだ…」、「×」では「(ポケモン名)にはこうかがないようだ…」と表記される。以下「効果バツグン」、「効果今ひとつ」、「効果がない」と表記する。また、第七世代以降、一度戦ったことがあるポケモンは技ごとのタイプ相性がわかるようになった。 複数の相手に攻撃が当たった場合は誰にバツグンなのか、誰に今ひとつなのかが表示される。バツグンであれば「○○に効果はバツグンだ!」、今ひとつであれば「○○に効果はいまひとつだ」と表示される。 2つのタイプを持つポケモン相手に攻撃技を当てた場合、2つのタイプそれぞれの相性が乗算される。例1:いわ・はがねタイプのトリデプスがじめんタイプの攻撃技「じしん」を受けた場合、いわタイプもはがねタイプもじめんタイプの攻撃技には効果バツグンで2倍のダメージを受けてしまうので、2×2=4となり4倍のダメージ。 例2:いわ・くさタイプのユレイドルがじめんタイプの攻撃技を受けた場合、いわタイプにじめんタイプの攻撃技は2倍のダメージだが、くさタイプにじめんタイプの攻撃技は0.5倍のダメージなので、2×0.5=1となり1倍(=通常)のダメージ。第一世代では、この場合に片方のタイプが優先され「こうかは ばつぐんだ!」または「こうかは いまひとつのようだ」と表示される。『金・銀』以降は通常ダメージの場合と同じく何も表示されない。 例3:いわ・ひこうタイプのプテラがじめんタイプの攻撃技を受けた場合、いわタイプにじめんタイプの攻撃技は2倍のダメージだが、ひこうタイプにじめんタイプの攻撃技は0倍のダメージ(=効果がない)なので、2×0=0となり「効果がない」。そのため、タイプが二つある場合、どちらか一方でも「効果がない」場合はトータルでも「効果がない」となる。 はがねタイプとあくタイプは『金・銀』から、フェアリータイプは『X・Y』から追加された。 第六世代からはがねタイプのポケモンは、ゴーストとあくタイプの攻撃技を受けた時のダメージが0.5倍(=こうかはいまひとつ)から1倍(=通常)に変更された。 第一世代では以下のように相性が一部異なっていた。 攻撃側防御側相性ゴースト エスパー × どく むし ◎ むし どく ◎ こおり ほのお - アニメや漫画などの関連作品でもタイプによる有利不利があるものの、本編のゲームではダメージになり得ない技が通じることがある。例えばじめんタイプのポケモンにでんきタイプの技を使用しても効果がある(イシツブテにピカチュウの電撃が通用する)といった具合である。ただし、じめん・みずタイプであるヌオーにでんきタイプの技が効かない描写など、同作品内でも場合によって相性の適用方法にばらつきがある。カードゲームや『ポケモン不思議のダンジョン』もタイプによる無効化が存在しない世界観である。
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