ヤとは? わかりやすく解説

五十音図ヤ行第1音硬口蓋前舌との間を狭め発する半母音[j]と母音[a]とから成る音節。[ja

平仮名「や」は「也」の草体から。片仮名「ヤ」は「也」の草体楷書化したもの。

[補説] 「や」は、また、「きゃ」「しゃ」「ちゃ」などの拗音音節を表すのに、「き」「し」「ち」などの仮名とともに用いられる現代仮名遣いでは、拗音の「や」は、なるべく小書きすることになっている


[感]

驚いたときや不意に気づいたときに発する語。「—、火事だ」

突然または偶然に出会った人に呼びかけるときに発する語。「—、しばらく」

力をこめたり気合いかけたりするときに発する語。また、音曲などの囃子詞(はやしことば)。やっ。

呼びかけ答える語。はい。

「『して太刀は』『—、ござらぬな』」〈虎明狂・真奪


[助動]敬語助動詞「やる」の命令形「やれ」の音変化》…なさいな。

早う」〈浄・曽根崎


【一】[接助]動詞動詞型活用語終止形に付く。ある動作作用が行われると同時に、他の動作作用が行われる意を表す。…とすぐに。…すると。「わたしの顔を見る—逃げ出した

【二】[副助]名詞名詞準じる語に付く。「やもしれない」などの形で、軽い疑問の意を表す。…か。「午後から雨が降る—もしれない

【三】[終助]活用語終止形命令形に付く。

同輩目下の者などに対して軽く促す意を表す。「そろそろ出かけよう—」「もう帰れ—」

軽く言い放すような気持ちを表す。「もう、どうでもいい—」

疑問反語の意を表す。…(だろう)か。…だろうか(いや、そうではない)。「この結末どうなりましょう—」「どうして私に言えましょう—」

【四】[間助]名詞名詞準じる語、副詞に付く。

呼びかけを表す。「花子—、ちょっとおいで」

「我妹子(わぎもこ)—我(あ)を忘らすな石上(いそのかみ)袖布留川(そでふるかわ)の絶えむと思へや」〈万・三一三

強意を表す。「今—、経済危機迎えようとしている」「またも—地震起こった

詠嘆感動の意を表す。

「いで、あな幼な—」〈源・若紫

夏草つはものどもが夢の跡芭蕉」〈奥の細道

【五】[並助]名詞名詞準じる語に付く。事物並列列挙する意を表す。「赤—黒—青が混ざり合っている」「海—山などに行く」「甘いの—辛いのがある」

羽音台風—、(イカヅチ)ナドノヤウニ聞コエタレバ」〈天草平家・二〉

[係助]名詞活用語連用形連体形副詞助詞などに付く。なお、上代には活用語已然形にも付く。

文中にあって疑問・反語を表す。

疑問を表す。…(だろう)か。…かしら。

ももしきの大宮人は暇(いとま)あれ—かざしてここに集(つど)へる」〈万・一八八三〉

「男、異心(ことごころ)ありてかかるに—あらむと思ひ疑ひて」〈伊勢二三

反語を表す。…だろうか(いや、そうではない)。

「月—あらぬ春—昔の春ならぬわが身一つはもとの身にして」〈伊勢・四〉

文末用法。

疑問を表す。…(だろう)か。…かしら。

いかにぞからめたり—」〈古本説話集・下〉

反語を表す。…だろうか(いや、そうではない)。→やは

「妹(いも)が袖別れて久(ひさ)になりぬれど一日(ひとひ)も妹を忘れて思へ—」〈万・三六〇四〉

かばかり守る所に、天の人にも負けむ—」〈竹取〉

[補説] 【一】は「ドアが開くやいなやホーム飛び降りた」のように「やいなや」の形で慣用的用いられることが多い。1場合文末活用語連体形結ばれる。「ぼろぼろ(=虚無僧)といふもの、昔はなかりけるにや」のように結びの言葉省略されることもある。また、2終助詞とする説もある。


接尾人を表す名詞人名など付いて親しみの意を添える。「ねえ—」「坊—」「爺—」「きよ—」


や【八】

読み方:や

《「よ(四)」の母音交替形としてその倍数表したもの》

はち。やっつ。声を出してかぞえるときの語。やあ。「いつ、むう、なな、—」

はち。やっつ。多く名詞の上に付けて用いる。「七転び起き

名詞の上に付けて数量が多いことを表す。「—重咲きの花」「—たつ」


や【冶】

読み方:や

常用漢字] [音](呉)(漢)

金属鉱石とかしてある形につくる。「冶金鍛冶(たんや)」

人格練りあげる。「陶冶

心をとろけさせるなまめかしい。「艶冶(えんや)・遊冶郎

難読鍛冶(かじ)


や【夜】

読み方:や

[音](呉)(漢) [訓]よ よる

学習漢字2年

[一]〈ヤ〉よる。夜陰夜間夜勤夜景夜行(やこう・やぎょう)・夜食夜半暗夜一夜五夜今夜終夜(しゅうや)・初夜除夜深夜昼夜通夜(つや)・徹夜日夜暮夜連夜

[二]〈よ〉「夜風夜中夜長月夜闇夜(やみよ)」

[三]〈よる〉「夜昼

名のり]やす

難読十六夜(いざよい)・小夜(さよ)・昨夜(ゆうべ)・昨夜(よべ)・終夜(よすがら)・終夜(よもすがら)・夜半(よわ)


や【嫌/×厭】

読み方:や

形動「いや(嫌)」の音変化感動詞的に用いることもある。「顔を見るのも—なやつ」「手伝うなんて—なこった」「—だ、食べたくない」


や【屋/家】

読み方:や

【一】[名]

住むための建物家屋。いえ。「我が—」「一軒—」

屋根

声高になのたまひそ。—の上にをる人どもの聞くに、いとまさなし」〈竹取〉

【二】接尾名詞に付く。

それを売買する人や家の意を表す。「本—」「菓子—」

そのような性質の人をいう。使う人、場合によって軽蔑自嘲の意を込めて用いられることもある。「気取り—」「わからず—」「がんばり—」

役者屋号文人雅号などとして用いる。「紀の国—」「鈴の—」

商業などを営んでいる家の屋号として用いる。「越後—」「近江—」

そのこと専門にしている人、ある技術優れている人などをさしていう。使う人、場合によって自慢げに、うらやましげに、あるいは自嘲軽蔑の意を込めて用いられる。「事務—」「技術—」「政治—」「チーム随一飛ばし—だ」「速いだけが取り柄走り—さ」


や【弥】

読み方:や

[副]《「八(や)」と同語源》程度がよりはなはだしいさま。ますます。いよいよ。

「下堅く堅く取らせ秀罇(ほだり)取らす子」〈記・下・歌謡


や【×揶】

読み方:や

[音]ヤ(呉)(漢) [訓]からかう

からかう。はぐらかす。「揶揄(やゆ)」


や【×椰】

読み方:や

人名用漢字] [音]ヤ(呉)(漢) [訓]やし

植物の名。やし。「椰子


や【×爺】

読み方:や

[音]ヤ(呉)(漢) [訓]じじ じい じじい

[一]〈ヤ〉

男の年寄り。「老爺好好爺

父。「爺嬢

[二]〈じじい〉「狸爺(たぬきじじい)・花咲爺(はなさかじじい)」


や【矢/×箭】

読み方:や

武器狩猟具の一。弓の弦(つる)につがえ、距離を隔てた目的物射るもの。木または竹で作った棒状のもので、一方の端に羽をつけ、他方の端に鏃(やじり)をつける。「—をつがえる

木材石など、かたいものを割るのに使うくさび。

紋所の名。1の形を組み合わせて図案化したもの


や【×耶】

読み方:や

人名用漢字] [音]ヤ(呉)(漢) [訓]か や

疑問を示す助字。「有耶無耶(うやむや)」

父。「耶嬢

難読耶蘇(やそ)・耶馬台国(やまたいこく)


や【谷】

読み方:や

谷あいの地。やつ。やと。地名残っている語。「—中」「雑司ヶ—」


や【×輻】

読み方:や

車輪の軸外側の輪とを結ぶ、放射状取り付けられ数多く細長い棒。スポーク


や【野】

読み方:や

[音](呉)(漢) [訓]

学習漢字2年

[一]〈ヤ〉

のはら。「野営野外原野広野荒野山野戦野田野平野牧野緑野林野

自然のままの。「野趣野獣野生

いやしく荒々しい。「野蛮野卑粗野

むきだしの。「野心野望

範囲。「視野分野

民間。「野党下野在野朝野

野球グラウンド。「野手外野内野

下野(しもつけ)国。「野州

[二]〈の〉「野原裾野(すその)」

[補説] 「埜」は古字人名用漢字

名のり]とお・なお・ひろ

難読上野(こうずけ)・下野(しもつけ)・野老(ところ)・野点(のだて)・野良(のら)・野木瓜(むべ)・野羊(やぎ)


や【野】

読み方:や

ひろびろとした地。のはら。の。

「風強く秋声—にみつ」〈独歩武蔵野

官職につかないこと。民間。「—にある逸材


東京方言意味・用例
厭(いや)、 「やな奴」 「やんなっちゃうなあ」

名前 JaYa

読み方:や

  1. 一。〔海産物商〕

分類 海産物


読み方:や

  1. 三。〔青物商〕

分類 青物

隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

読み方:ヤ(ya

所在 福井県大野市

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 14:50 UTC 版)

五十音撥音


  1. ^ 競馬成績書 昭和9年 春季”. 2024年4月9日閲覧。


「や」の続きの解説一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 07:22 UTC 版)

樺太出身者の一覧」の記事における「ヤ」の解説

山辺安之助白瀬矗隊長とする南極探検隊の隊員アイヌ、『あいぬ物語』の著者)。:知床村弥満別(やまべつ) ユセフ・トルコプロレスラープロレスレフェリー俳優)。

※この「ヤ」の解説は、「樺太出身者の一覧」の解説の一部です。
「ヤ」を含む「樺太出身者の一覧」の記事については、「樺太出身者の一覧」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ヤ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 08:04 UTC 版)

発音(?)

同音の漢字





※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「ヤ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヤ」の関連用語

ヤのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヤのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
東京方言辞典東京方言辞典
Copyright (C) 2024 東京方言辞典 All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
皓星社皓星社
Copyright (C) 2024 株式会社皓星社 All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのや (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの樺太出身者の一覧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS