グリプス戦役とは? わかりやすく解説

グリプス戦役

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/03 02:49 UTC 版)

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グリプス戦役
戦争:地球連邦軍の内部戦争
年月日宇宙世紀0087年3月2日 - 0088年2月22日
場所:サイド1・2・7、地球、月面都市、ゼダンの門他
結果エゥーゴティターンズに辛勝
ティターンズの崩壊
アクシズは戦力を温存
交戦勢力
エゥーゴ
カラバ
ティターンズ アクシズ
指導者・指揮官
ブレックス・フォーラ 
クワトロ・バジーナ
ジャミトフ・ハイマン 
パプテマス・シロッコ 
バスク・オム 
ハマーン・カーン
戦力
エゥーゴ ティターンズ アクシズ

グリプス戦役(グリプスせんえき、Gryps Conflict[1][2][注 1])は、アニメ機動戦士Ζガンダム』において描かれた架空の戦争。グリプス戦争とも言われる。地球連邦軍内部の軍閥であるエゥーゴ[5]ティターンズの戦いを軸に、終盤アクシズを交えて三つ巴で戦われた。

前述のとおり、エゥーゴとティターンズの戦いを軸にして行われたことから、ティターンズ・エゥーゴ戦争の表記も散見される[6]

本記事内記載の日付は基本的に『宇宙世紀年表』[7]に基づく。

背景と開戦までの経緯

一年戦争の影響 

一年戦争終結後に待っていた最大の問題が「戦後復興」であった。 特に開戦初期の一週間戦争でサイド3、サイド6、サイド7を除くすべてのサイドがジオン軍の攻撃で壊滅した。特に両軍が大規模艦隊戦(ルウム戦役)を行ったサイド5は被害が凄まじく、宇宙世紀110年の「フロンティア計画」まで放置される。

更にブリティッシュ作戦により地球に落下したコロニー「アイランド・イフィッシュ」は3つに分解し、一番巨大なものがオーストラリア大陸シドニー近郊に落下して「シドニー湾」という巨大なクレーターとして爪痕を残す[8]。残る2つが太平洋上と北米大陸にそれぞれ落下したため日本、東シナ海沿岸地域、北米東海岸は衝撃波の起こした巨大津波による壊滅的な被害を被る。

また戦争中期には地球降下作戦により北米、欧州、東アジアといった人口密集地域が両軍の激戦地となり、大規模作戦で甚大な被害を被る。また事実上1基しかないサイド7もシャア・アズナブルのジオン軍とサイド防衛隊およびホワイトベース隊との偶発戦闘の結果、放棄を余儀なくされる被害を被った。

結果的に、戦後の生産活動は大規模戦闘が起こらなかったフォン・ブラウン、グラナダ、アンマンといった月面都市群と中立を保ったサイド6に依拠せざるを得なくなり、その結果、発言力が増すことになった。特にフォン・ブラウンに拠点を置くアナハイム・エレクトロニクスはジオン側のジオニック社やツィマッド社の技術を接収して飛躍的な成長を遂げる。グリプス戦役当初の両軍の機体はほとんどが共にアナハイムの設計機という状況となる。

第一次コロニー再生計画の実施により、ノアからグリーン・オアシスと呼称変更されたサイド7は1バンチ(ガンダム第一話でアムロ・レイたちが暮らしていたコロニー)がグリーン・ノア1として改修された。また比較的物理被害の少なかったサイド1も再建計画の対象となるが、「老朽化」という宿命に見舞われる[9]

戦後の復興は遅々として進んでおらず、比較的先進地域の北米東海岸ですら人の住めないゴーストタウン化している。

更に大きな影響が地球在住者のトラウマである。一年戦争当時に地球上に暮らしていた人々はアイランドイフィッシュ落下を「空が落ちてくる」という表現で共通の恐怖体験として認識している。戦災孤児で強化人間となったオーガスタ研究所のロザミア・バダム、ムラサメ研究所のフォウ・ムラサメのみならず、単に戦災孤児と描写されたベルトーチカ・イルマもこの恐怖体験を語っている。これはジオン軍への憎悪を喚起するのみならず、アースノイドのスペースノイドに対する偏見として根強く残り続ける結果となった。

更なる影響が「砂漠化の進行」である。戦争による環境悪化によりアフリカ大陸の砂漠化が更に深刻化した。連邦政府議会の置かれるダカールは正にその象徴となっている。

ニュータイプ研究所設立

ジオン・ズム・ダイクンの予言が的中した結果、一年戦争末期にニュータイプと呼ばれる特殊能力者が発生・認知されるに到った。連邦側のニュータイプ研究は国策の一環としていたジオンほど進んでおらず、戦後ジオン軍のフラナガン機関の接収で急速に進む。こうして「ニタ研」と総称される連邦政府軍が管轄するニュータイプ研究機関が設立された。まず先行する形で一年戦争末期に北米オーガスタ研究所が開設。当初の目的は「ニュータイプ専用機の開発」でありアムロ・レイ専用機ガンダムNT-1が開発されている。ただ、本機はジオン軍特務隊「サイクロプス隊」の度重なる妨害で第13独立部隊に届くことなく終戦する[10]。更に日本ムラサメ研究所、北米のオークランド研究所といった機関が戦後相次いで設立された。

ニタ研では自然発生したニュータイプの能力研究のみならず、人工ニュータイプ(強化人間)を作り出す技術の確立や彼らの専用機開発という形で進行する。ニュータイプは「生体兵器」という扱いを受け、特に軍事利用だけが注目された。各研究機関は研究予算獲得を目的として研究成果の実戦投入を進んで行う。

なお、各研究所がニュータイプ専用機として開発(あるいはそのノウハウを生かして開発)したものが一般兵用として量産配備されるケースも目立った。その代表がジム・カスタムと後継機のジム・クゥエルデラーズ紛争で実戦投入された後、結成当初のティターンズで正式採用されている。また、ブラン・ブルターク少佐が使用したアッシマーも量産化され、ダカール防衛隊に配備された。重力下でMSを機動運用する際にはド・ダイ改ベースジャバーといったサブフライトシステムを頼らざるを得なかったが単体で飛行能力を有するアッシマーはその常識を打ち破った画期的な機体であり、後年に後継機アンクシャも連邦地上軍に正式採用されている。なお、火力と機動性でアッシマーを上回るものの戦闘持続時間に問題のあったギャプランは宇宙軍に転用された。

ただ、一年戦争末期に猛威を奮ったサイコミュ搭載機の開発は技術の再現や確立が困難で進まなかった。ムラサメ研究所が開発した結果、巨大機にならざるを得ずサイコガンダムとして実戦投入され、連邦初のサイコミュ兵器リフレクタービットを有するサイコガンダムMk-IIでようやく成功する。この研究分野においてはアクシズが先行しており、MAエルメスの小型化をコンセプトに開発されたキュベレイが後に実戦投入される。

レビル戦死の余波と第13独立部隊出身者への冷遇

一年戦争開戦前はスペースノイドに対して一定の理解と権利容認、軍事衝突の回避を連邦宇宙軍が担っており、その中心となっていたのが改革派に位置づけられるレビルティアンムら「レビル派」の将校たちだった。一年戦争が勃発するとレビルは指揮をとって劣勢を奇跡的に挽回し、完全勝利と勲功第一という栄誉の一歩手前にあったがデギン・ザビの和睦案を受け入れようとしたところギレン・ザビによってデギンもろともソーラ・レイで戦死。これによりレビル派は首魁を失い衰退。戦後、最後の有力人物たるジョン・コーウェン中将もガンダム開発計画が一大スキャンダルとなって失脚した。こうして守旧派の復活とタカ派(ティターンズ)の台頭を招くことになる。

一年戦争における連邦勝利の立役者となった第13独立部隊(通称ホワイトベース隊)は戦後解体された。彼らはヒーローとして衆知され、ジオン軍のシャア・アズナブルと並び、書籍で取り上げられるなど有名人となる。戦争終結により民間出身者を中心に構成された同隊はごく一部を除き除隊した。

戦後も連邦軍に残ったのはブライト・ノアアムロ・レイハヤト・コバヤシの三名である。

ホワイトベース艦長という華々しい実績を誇るブライトは佐官に昇進したが、テンプテーション艦長という閑職に回される。同じくハヤト・コバヤシも20代の若さで退役間際の軍人が勤めるような「戦争博物館館長」という閑職に回された。アムロ・レイに至っては大尉に昇進したものの、シャイアン基地にて厳重な監視下に置かれる「幽閉」という過酷な状況に到った。

これは同隊が連邦軍唯一のニュータイプ部隊として後ろ盾だったレビルの戦死後は特に危険視され、実戦部隊から遠ざける「飼い殺し」状態が妥当と連邦軍上層部が判断したことによる。

結果的に連邦軍への不信感を強めた彼らは揃ってエゥーゴおよびカラバに参加することになった。

ティターンズ結成

一年戦争は終結したが、ジオン公国に所属していた軍事勢力の一部は降伏することなく、各地で地球連邦軍と軍事衝突を繰り返していた。また一年戦争を契機として地球連邦政府スペースコロニーに住む人間、いわゆるスペースノイドに対しての警戒感を強め、政治的・経済的にも厳しい姿勢を取り続けていた。やがて、宇宙世紀0083年10月にデラーズ紛争を契機として、地球連邦軍内部に地球出身者を中心に選抜されたエリート部隊ティターンズジャミトフ・ハイマンにより結成される。

ティターンズは「ジオンの残党狩り」を通じて連邦内での発言力を次第に強めていく。また、ティターンズは旧ジオン勢力とは無関係だが、連邦政府の戦後政策に不満を抱く市民を「反連邦分子」とみなし、思想統制と弾圧を推し進めていく。これには一定の治安回復効果があったため連邦政府議会は多少の行き過ぎを黙認した。だが、その結果、増長したティターンズは階級を無視し「ティターンズにあらざる者は連邦軍人にあらず」といった態度を見せるようになっていき、一般士官でもティターンズにおもねる者が続出する。

こうした苛烈な思想弾圧は抑圧されたスペースノイドたちが後に結成されるエゥーゴに参加協力したり、更にその後年に発生した「シャアの決起」で一般市民がシャアの支持者となったりする流れとなる。皮肉にもティターンズとアクシズ勢力に勝利したエゥーゴの中心メンバーであるアムロ、ブライトはコロニーにおける反連邦活動の抑止と治安維持を目的とする「ロンド・ベル隊」に編入され火消しに追われることになる。ロンド・ベルはティターンズのような思想弾圧を行わなかったが「同類」とみなされ、スペースノイドの憎悪の対象となる。

また一年戦争で否定された大艦巨砲主義が復活を遂げる。ティターンズの旗艦ドゴス・ギアは正にその象徴と呼べる。ただ、『0083』時点で連邦宇宙軍の旗艦となりMS搭載能力を一切持たないバーミンガム級ほど露骨ではなくこの艦の流れを汲みながらも、MS部隊運用を前提として火力・搭載力を強化した新造戦艦として就航する。グリプス戦役の後、ティターンズの象徴として正当な評価がなされなかったが、96年に連邦軍再編計画の象徴として、MS格納庫とカタパルトを追加してMS部隊の運用能力をより高めた2番艦ゼネラル・レビルが就航している。

ジャミトフの真意は、地球上の全人類を殺戮してでも地球の再生を実現することであり、それを極秘裏・合法的に実現するためにティターンズを強化して権力の集中を推し進め、軍事国家的な統制政府を作り出そうとしていた[11]パプテマス・シロッコはジャミトフの理想は、アースノイドを根絶やしにするために地球連邦軍をティターンズにし、戦争によって地球経済を徹底的に窮乏に追い込んでアースノイドを餓死させ、地球から人間を消しさることによって地球を自然に戻すことであり、ティターンズとエゥーゴは同じ目的のために戦争をしていると語っている[12]

30バンチ事件

宇宙世紀0085年7月31日、サイド1・30バンチコロニーの住民が反地球連邦政府デモを決行すると、ティターンズの司令官バスク・オムは、使用が禁止されている毒ガス (G3) をコロニー内に注入し、1,500万人もの全住民を虐殺する。事件の真相はティターンズが報道規制を敷くことで極秘扱いとなり、激発的な伝染病と公表される。

この事件の真相はエマ・シーンらティターンズ内部の一般将兵にも隠蔽されており[13]、多くの犠牲者がミイラ化したまま街中に放置されている状況は、目の当たりにしたエマやカミーユ・ビダンに衝撃を与える。なお、エマたちが訪れた0087年時点にはG3ガスの効力はなくなっており、皆がノーマルスーツのバイザーを開放している。

シャア・アズナブルの地球圏帰還とエゥーゴ結成

反ティターンズの代表格であり、政財界にも太いパイプを持つ地球連邦軍准将ブレックス・フォーラは危険分子として軟禁されていた。彼を救出したのがアクシズから密かに地球圏に帰還していたシャア・アズナブルである。密かに連邦軍籍を得たシャアはクワトロ・バジーナ大尉を名乗ってブレックスの最側近となる。自由の身となったブレックスはジャミトフへの批判を強め、反地球連邦政府組織エゥーゴを結成する。

エゥーゴは反連邦を掲げるが、その狙いは地球連邦政府の打倒ではない。連邦議会に議席を持つブレックスは戦場での戦果より、議会内に理解者と賛同者を増やすことを重視したが、エゥーゴへの出資者たちは必ずしもこうした考えに賛同しておらず、活動をアピールして更なる支持を広めるためわかりやすい成果を期待していた。エゥーゴの最大のスポンサーであるアナハイム社は、メラニー・ヒュー・カーバイン会長の意向をウォン・リーが反映するという形でエゥーゴを内部からコントロールしている。

ヘンケン・ベッケナーら一年戦争を経験したスペースノイド出身の連邦軍人はその多くがエゥーゴへの参加と協力を行う。またシャアをはじめ旧ジオン軍人も参加する。エゥーゴは連邦政府の戦後政策に協力してきたルナリアン(月面都市市民)の支持も得ることになり、グラナダを拠点とし、ティターンズと全面対決出来る組織作りに勤しむ。

ただ、情報統制できる立場のティターンズは「エゥーゴはジオン残党の集まり」と吹聴することで彼らの封じ込めを図る。

エゥーゴとティターンズのMS開発計画

グリプス戦役の前段階でエゥーゴとティターンズはそれぞれ新しいモビルスーツ(MS)の開発に着手する。

ティターンズはRX-78ガンダムの正統後継機としてRX-178ガンダムMk-IIの開発に着手する。ただ、ガンダムMk-IIはガンダリウム合金の使用を見合わせ(ルナチタニウム製)、ムーバブルフレーム構造により可動性と汎用性を重視する機体となる反面、機体強度に深刻な問題を抱えた。グリプス戦役におけるMk-IIの活躍はカミーユの個人的技量の成せる技に過ぎず、実戦投入から1年も経たぬ間にロートル機と化する。ただ、汎用性の高さから量産機バーザムのベースとなり、ムーバブルフレーム構造は同機と共に接収したエゥーゴの技術革新に貢献する。Mk-IIの火力不足は支援機Gディフェンサーの開発投入である程度解消された。

一方エゥーゴはドムタイプの機体にガンダム系の機能をミックスした機体の開発に着手する。この機体はガンダリウム合金製で開発されながら、モノアイを採用するなどジオン軍のドムに似た外観を持つことから試作機を受領したクワトロの提案でリック・ディアスと命名された。リック・ディアスは重装甲・高機動かつ火力のバランスが良く、性能面ではMk-IIの開発責任者であるフランクリン・ビダンも高評価を下しており、グリプス戦役を戦い抜く。カラバのアムロ・レイはクワトロから提供されたリック・ディアスを愛機とし、これに現地改修を加えたディジェを使用した 。基本色は黒だが、シャアの乗機を意識して機体を赤く塗った結果、これが思わぬ効果をもたらしたため、以後は基本色として採用された。

結果的にMk-IIの強奪により同機はエゥーゴで運用された。エゥーゴはこのリック・ディアス開発のノウハウとMk-IIのムーバブルフレームを後に続く「Ζ計画」に生かす。こうして両機の技術は、百式メタスΖガンダム、(ΖΖガンダム)というΖ計画機に継承された。

数に劣るエゥーゴがティターンズに勝利した要因の一つがΖ計画機の持つ絶対性能と革新的な戦術思想であり、後年、百式の後継機としてデルタプラス、メタスの後継機としてリゼル、Ζガンダムの後継機としてリ・ガズィが連邦軍の正式採用機となっている。

グリプス戦役開戦

ガンダムMk-II強奪と奪還交渉

エゥーゴはティターンズがグリーン・オアシスの軍事拠点化と並行して、新型MS・ガンダムMk-IIを開発したとの情報を得た。

それに基づき0087年3月2日、サイド7の居住用コロニー・グリーンノア1にクワトロ・バジーナアポリー・ベイロベルトの3名を派遣する。シャアは因縁深きサイド7に単身潜入を試みる。アポリー、ロベルトを信頼しないわけではなかったが、一年戦争で同コロニーへの偵察任務が偶発戦闘に発展し、貴重なMSと部下を喪った「若さ故のあやまち」を教訓としたからである。しかし、シャアは発見され、ティターンズはMSを投入。人口密集地での戦闘を避けたいというシャアの思惑は外れ、3機のリック・ディアスによる奇襲攻撃に発展する。

偶然その場に居合わせた民間人の少年カミーユ・ビダンの協力の下2機のガンダムMk-IIを鹵獲。結果エゥーゴは戦力増強とティターンズのMS技術吸収をはかり、さらには一年戦争における反攻のシンボルとされていたガンダムタイプのMSを奪う事で、自分達の活動の正当性をアピール、活動を次なるステップに移す狼煙とした[14]

ティターンズはブレックスの乗艦アーガマにMk-IIの返還を求める交渉を申し入れる。交渉担当者はバスク・オム大佐で、交渉役となったのがエマ・シーン中尉だった。交渉とは名ばかりでドゴス・ギア建造に関わる技術者でもあるカミーユの母ヒルダを人質として返還を迫るというものだった。ブレックスは激怒し、バスクの申し入れをエマにも開示する。また、ヒルダを閉じ込めたカプセルを爆弾と偽り、ジェリド・メサに狙撃を命じていた。母の救出に向かったカミーユはジェリドの狙撃により母を目の前で殺害される。カミーユが錯乱し、さらに連邦軍の増援が現れたことで状況不利と見たクワトロは停戦信号を出し、Mk-II2機とカミーユをティターンズに引き渡す。 Mk-IIを取り戻したバスクは人質を用いた作戦の真意を確かめようとしたエマに正攻法でエゥーゴの新型MSを奪取することを命じた。ティターンズの方針に嫌気が指したエマはティターンズからの離反を決意、囚われていたカミーユとカミーユの父フランクリンを連れ出し、Mk-II3機でアレキサンドリアから脱出しアーガマに向かった。フランクリンはエゥーゴの新型MSリック・ディアスを奪取してティターンズに戻ろうとしたが、交戦中のアレキサンドリアの流れ弾を受け機体から脱出する際に爆発に巻き込まれ死亡した。

ガンダムMk-IIを巡る事件を契機に戦火は一気に拡大、ここにグリプス戦役の幕が上がった。

ジャブロー降下作戦

アナハイム社をはじめとするエゥーゴの出資者たちはより具体的な戦果を求めていた。連邦軍本部ジャブローを制圧してエゥーゴの活動を強烈にアピールしたいという思惑により降下作戦が準備される。クワトロ大尉は当初からこれに難色を示していた[15]レコア・ロンド少尉が斥候役として先行潜入する。

月で地球連邦軍本部ジャブロー侵攻の準備を進めるエゥーゴの旗艦アーガマに、ティターンズが攻撃を仕掛ける。アーガマは停留していた月を脱出し友軍艦隊との集結空域へと向かう。その途中、正体不明のMAパプテマス・シロッコ搭乗のメッサーラ)の襲撃を受けるシャトル「テンプテーション」を発見、MAを排除し救出する。テンプテーション機長は、一年戦争時に強襲揚陸艦ホワイトベース艦長を務め数々の武勲をあげたブライト・ノア中佐であった。初代艦長ヘンケンの禅譲によりブライトはアーガマ艦長としてエゥーゴに迎えられる。

宇宙世紀0087年5月11日、エゥーゴはバリュートを用いてのMS部隊による地球降下を開始する。その際、再びメッサーラ、ティターンズのMS部隊による阻止作戦が行なわれる。保護観察期間の終了に伴い降下作戦に参加したエマがメッサーラの攻撃により被弾してリタイア、巡洋艦シチリアの撃沈、ジムⅡ数機の撃墜という損害を出したものの、降下作戦そのものは成功しエゥーゴ部隊はジャブロー内へと侵攻する。だが、クワトロの危惧は的中しジャブローそのものが巧妙な罠だった。

ジャブローは移転に伴う引っ越し作業を済ませており、戦力外の旧式兵器を中心とするジャブロー守備隊がごく少数配備されているという状況で、内部へおびき寄せたエゥーゴ精鋭部隊をジャブローごと消滅させるべく、地下にある一年戦争時の自爆用核爆弾がセットされていた。この事実に気づいて作戦中止を申し入れようとしたレコアは現地協力者のカイ・シデンと共に囚われの身となっていた。カミーユはニュータイプ能力でレコアの気配を感じ取り二人の救出に成功する。

核爆弾がセットされている事実は、ジャブロー守備隊にもエゥーゴ部隊を追って地球降下したティターンズ部隊にも告げられていなかった。核爆弾の存在が確認されたことで両軍は停戦。エゥーゴ部隊はジャブロー守備隊と共にガルダ級超大型輸送機を用いて脱出。ジャブローは核爆発で消滅する。

結局、ジャブロー制圧はならなかった。具体的戦果としてはガルダ級アウドムラを鹵獲したことであり、エゥーゴの地上支援部隊カラバに譲渡されその旗艦として活躍する。また、カミーユがエゥーゴから提供された試作型のフライングアーマーは大気圏突入による減速中も迎撃戦闘可能という画期的なもので、運用の目処が立つ。これは「Ζ計画」の重要な伏線となる。

このジャブロー侵攻作戦の実施により、人々は地球連邦軍が2つの勢力に分かれ抗争を開始したと確認する[16]

宇宙帰還作戦

ジャブローから撤退したエゥーゴMS部隊はカラバに参加しているハヤト・コバヤシと接触。エゥーゴのパイロットを宇宙に帰還させるため、シャトル打ち上げ基地のあるケネディポートへ到着する。シャトル発射までの間にティターンズに協力する地球連邦軍の急襲を受け、カラバにMSを引き渡す作業を行っていたカミーユ、クワトロ、ロベルトの3名が迎撃に加わる。2機のシャトルのうちMSを搭載する予定だったシャトルは破壊されてしまうが、パイロットを乗せたもう1機のシャトルは宇宙に向け発進し、衛星軌道上のアーガマに回収される。この戦いでロベルトが戦死。エゥーゴ主要パイロット初の犠牲者となる。カミーユ、クワトロはアウドムラに退避し引き続きカラバと行動を共にする。

アウドムラはハヤトを艦長とし、クワトロとカミーユの宇宙帰還の好機を探る。その頃ハヤトの妻フラウ・コバヤシはシャイアン基地で軟禁中のアムロ・レイに接触を図る。アムロは出産のため日本に渡るフラウたち親子のためにチケットを手配。空港での見送りを装い、あらかじめ示し合わせたハヤトの養子カツ・コバヤシと共に輸送機を強奪して監視を逃れる。

一方、アウドムラはガルダ級スードリを中心とした追撃部隊の指揮官ブラン・ブルターク少佐とスードリへの協力を命令されたオーガスタ研の強化人間ロザミア・バダムの度重なる襲撃に悩ませられていた。ブランのアッシマーとロザミアのギャプランは単独飛行可能な可変機としてカミーユたちを苦しめる。アウドムラの窮地に、アムロは輸送機による体当たり攻撃を敢行しアッシマーを撃退した。

カラバはシャトル打ち上げ基地のあるヒッコリーへの案内役としてベルトーチカ・イルマを派遣する。アムロと出会ったベルトーチカは感受性の強さからアムロの繊細さと言葉とは裏腹に戦いに臆している様を見て取り、逆に好感を抱く。カミーユやカツといった若者たちに失望されていると感じていたアムロはかつての仇敵シャアからもハッパをかけられて再起しようと足掻く。

ヒッコリー到着でベルトーチカが命掛けの先導を行い、シャアを宇宙に還すという目的で覚醒したアムロはシャアから提供されたリック・ディアスで獅子奮迅の活躍を見せ、当初は帰還予定だったカミーユとMk-IIもアムロに加勢して迎撃戦に加わる。カミーユと連携したアムロはブラン少佐のアッシマーを撃墜する。こうしてクワトロ、カツと百式を乗せたシャトルもアーガマに回収される。

ホンコンシティ攻防・ニューギニア攻略

度重なる戦闘で物資不足に悩ませられるアウドムラは連邦の租借地ホンコンシティに拠点を置くエゥーゴの支援者ルオ商会との接触を試みる。ベルトーチカを連れてルオ商会を訪れたアムロはそこでコロニー行きのチケットを求めて訪れていたミライ・ヤシマと再会。だが、不用意に商会会長ルオ・ウーミンの名前を出したアムロは商会関係者から暴行を受けて監禁される。

一方、ブラン少佐を失ったスードリはベン・ウッダー大尉を中心に少佐の弔い合戦を挑もうと躍起になっていた。彼らに日本の「ムラサメ研究所」が協力を申し出る。研究所から派遣されたのは強化人間フォウ・ムラサメとフォウの調整役ナミカー・コーネル。そして巨大なスードリの格納庫にも収まらない謎の巨大MAだった。フォウはウッダーに単独出撃を申し入れ、巨大MAで出撃。ホンコンシティを急襲した巨大MAサイコガンダムは街を大混乱に陥れる。アムロの不在で単独出撃したカミーユはビームライフルを弾き、拡散ビーム砲での無差別攻撃を行い、MS形態に変形するサイコガンダムに慄然とする。カミーユとサイコガンダムの戦いを歯痒く見守るアムロはルオ商会を統括するステファニー・ルオと対面し、彼女を伴って避難する。カミーユは苦戦を強いられるがビームサーベルによる肉薄攻撃を敢行。物理的損傷はなかったものの、意識を斬られたと錯覚したフォウは何故か撤退する。

カラバはティターンズの新拠点ニューギニア基地攻略を予定していた。ウッダーは建設途上のニューギニアを守るべくアウドムラを最低でも足止めするという重責を担っていた。

アムロは港に停泊中のコーラルオリエント号をホテルがわりにしているミライを訪ね、アウドムラへの移乗を薦める。アムロの護衛として同行していたカミーユは偶然目にとまった謎の美少女にただならぬ気配を感じる。一方、謎の美少女ことフォウもアムロ、ミライ、カミーユにただならぬ気配を感じ取っていた。フォウはカミーユの運転するエレカに強引に乗り込み、情報を引き出そうとする。その一方、焦るウッダーはミライとアムロが個人的な接触を図るのを見て要人と見抜き、部下に命じてミライと子供たちを人質にとる。人質交換の交渉に出向いたアムロも人質に加えたウッダーはアウドムラの明け渡しを要求。苦境に立たされたハヤトだが、要求に従うフリを装いMk-IIで出撃したカミーユが人質を解放するという作戦に出る。カミーユは慣れない水中戦に戸惑いながらもウッダーが伏兵としたマリン・ハイザックを撃破し、アムロとの絶妙の連携で脱出をサポート。アムロはミライと合流し、海に投げ出されたハサウェイ・ノアの命も救う。こうしてアムロとカミーユは信頼関係を深める。

カミーユはフォウに感じた「惹かれる感覚」をアムロに相談。ベルトーチカは一目惚れだとからかうが、アムロは「その女は危険だ」と言葉少なに突き放す。その様子をたまたま見ていたミライはかつてアムロがララァ・スンという少女と出会い、彼女を殺めたことに苦しみ、刻の狭間に居るララァの存在がアムロの心を現実から遠ざけていると語る。カミーユは自分の目で確かめるしかないと思い詰めアウドムラを抜け出す。一方、フォウも心がカミーユを求めていることに悩んでいた。監視者に24時までに帰投すると告げたフォウはカミーユの誘いに応じる。二人は敵味方だとわかった上で互いを求めあってしまう。その頃、ウッダーは自らの手でサイコガンダムを操縦して出撃。だが、フォウと感応するサイコガンダムは操縦不能に陥る。カミーユはアムロの援護でMk-IIに搭乗するが、サイコガンダムのパイロットがフォウと判明したことにより、撃破よりもフォウの解放を優先する。だが、カミーユとの想い出よりも過去の記憶を取り戻すことにこだわるフォウは撤退する。

戦力不足に追い込まれるウッダーはムラサメ研究所の閉鎖を脅迫材料としてフォウに出撃を強要。フォウは出撃が続いたことで酷い頭痛に悩ませられていた。アウドムラへの攻撃で迎撃に出たアムロをあと一歩まで追い詰めながら、フォウは頭痛により撤退する。サイコガンダムを除き、MS隊を失ったウッダーはスードリでの特攻を決断。陽動のため先行出撃していたサイコガンダムは迎撃に出たMk-IIと三度目の対峙となるが、カミーユは攻撃をしない。一方、アムロはスードリの不審な行動に気づく。カミーユとの会話で別れを決意したフォウはカミーユに銃口を向けて下がらせた後スードリに突入。ロケットブースターを搬出し、カミーユを宇宙へ戻す算段を整える。ウッダーはこれに気づいてフォウを銃撃し、Mk-IIの援護行動に出たアムロと対決。フォウとアムロの決死の働きでカミーユはMk-IIと共に宇宙に帰還する。

なお、この戦いの後、カラバはニューギニア基地を攻略する。

シロッコ参戦とアポロ作戦

ティターンズは艦隊を集結して月面都市フォン・ブラウンの制圧を企図していた。ジャミトフに血判状を出して忠誠を示した木星帰りの地球連邦軍大尉パプテマス・シロッコは、ドゴス・ギア艦長となり部隊再編のため本隊を率いるジャマイカン・ダニンガンとは別行動をとり、ジャブローを脱出して宇宙に帰還したジェリドと彼の新たな相棒となったマウアー・ファラオに新型可変MSガブスレイを与える。シロッコはジャミトフの真意がアースノイドの殲滅と地球圏掌握にあると見抜いていた。目的を同じくするシロッコは協力を装い、自分がそれを成すという野心を抱いていた。

ジェリド、マウアーはガブスレイでアーガマを奇襲。エマは撃墜され、カミーユも窮地に陥るが、新型機受領のためグラナダに出向いていたアポリーとファ・ユイリィが帰還。Ζガンダムでガブスレイを撃退する。いきなりガブスレイを失ったジェリドだが、シロッコからニュータイプ候補生のサラ・ザビアロフシドレを預かり出撃する。その頃、ラーディッシュからレコアのメタスとGディフェンサーがアーガマに向けて出発していた。先に接触した二機を叩こうとするジェリドだが、Ζガンダムを中心とするアーガマ隊が増援として駆けつけ、この戦闘でシドレを失う。Ζ計画機の実戦投入でアーガマ隊の陣容は整いつつあったが、同様にシロッコ隊の陣容も整いつつあった。

8月10日、ティターンズは月面のフォン・ブラウン市を武力制圧するアポロ作戦を開始。ティターンズ側の投入戦力はドゴス・ギア、アレキサンドリアとマラサイ 5機、ハイザック 10機、ジム・キャノン 2機、ガブスレイ 2機[17]。シロッコはまずアレキサンドリア艦隊を囮に使い、続いてドゴス・ギアを発進したジェリド隊を囮としてZ、百式を足止め、その間にドゴス・ギアをフォン・ブラウン市に降下させる。フォン・ブラウンに入港したシロッコはエゥーゴが手を引かなければ都市を全面攻撃すると脅迫。このため一時フォン・ブラウンはティターンズによって占領される。シロッコは独断行動に激怒するジャマイカンに占領軍の指揮権を譲り、治療のため艦を離れていたジェリドと付き添いのマウアーを残し、ドゴス・ギアでフォン・ブラウン市から離れる。

一度は退いたエゥーゴ側はカミーユを敵情視察に派遣。これにカツはこっそり同行。カミーユはジェリドに発見され窮地に陥るがカツに助けられる。一方、アレキサンドリア隊のヤザン・ゲーブルは偵察中に接近するアーガマを発見し、戦闘状態となる。エマのガンダムMk-IIに撃墜されたハイザックが落下したり、ヤザンのギャプランと交戦状態となったファのメタスが市街に逃げ込むなどして、フォン・ブラウン市に被害が発生した。カミーユはレコアが運んできたΖガンダムでヤザンと交戦。その最中にエゥーゴがフォン・ブラウン市の発電施設を占拠。ジャマイカンはあっさりフォン・ブラウンを放棄し撤退、ヤザンも命令を受け不服ながらも撤退した。

ブレックス准将暗殺

ティターンズのフォン・ブラウン市制圧後、クワトロは連邦議会に出席するブレックス准将に同行するためにアーガマを離れる。8月17日、ブレックスはホテルでティターンズの刺客の手にかかり暗殺される。駆け付けたクワトロにブレックスは「シャア・アズナブル」としてエゥーゴの指揮を執るよう言い残して息を引き取る。エゥーゴのフォン・ブラウン市奪回と時を同じくして、議会ではティターンズに連邦軍の指揮権を委ねる法案が満場一致で可決された。

グラナダへのコロニー落とし

8月24日、ティターンズはエゥーゴに協力的な月面都市グラナダに対し、コロニー落としを謀る。サイド4の無人コロニーが月に向かって移動を始めたのを確認したエゥーゴは、艦艇での砲撃により落下軌道を変えようとする。最終的にエマ中尉のガンダムMk-IIがコロニーに設置された核パルスエンジンを作動させ、軌道の変更に成功、グラナダへの直撃は回避された。

毒ガス作戦

9月21日、ティターンズはエゥーゴに協力的なコロニーへの見せしめとすべく、サイド2・25バンチコロニーにG3ガスによる攻撃作戦を決行。ティターンズ所属重巡洋艦アレキサンドリアより発艦したジェリド・メサ中尉(ガブスレイに搭乗、度重なる自身の失敗の挽回のため、誰もが嫌がる任務を志願した)率いる毒ガス付設部隊がハイザック3機を用いコロニー外壁エヌパイプにG3ガスボンベを設置するが、エゥーゴ所属戦艦ラーディッシュより発艦したカツ・コバヤシ(ネモに搭乗)がG3ガスボンベを破壊、ガス注入を阻止[18]

ティターンズ、アクシズと密約

10月12日、ミネバ・ラオ・ザビを戴くジオン公国残党組織アクシズが、その拠点である小惑星アクシズとともに地球圏に帰還。エゥーゴはアクシズと接触するが、エゥーゴのクワトロ大尉とアクシズの実質的指導者ハマーン・カーンとの個人的確執から交渉は決裂。その頃ティターンズもまたアクシズと手を組むべく交渉を計り、ここにジオン残党討伐を大義とするティターンズと、ジオン残党そのものであるアクシズとの理不尽な同盟が築かれた。

キリマンジャロ襲撃

11月2日、エゥーゴとカラバによる地球連邦軍(実質ティターンズ占有)キリマンジャロ基地攻略作戦が開始され、エゥーゴはカラバを支援するためアーガマによる衛星軌道からの攻撃を決行。一方ティターンズは、戦艦ドゴス・ギア所属のヤザン大尉率いるハンブラビで構成された部隊に重巡洋艦アレキサンドリア所属のバーザムで構成された部隊を合流させ、衛星軌道上でアーガマを攻撃する。戦闘中にハンブラビの攻撃を受けたクワトロ大尉の百式は制御不能となり地球へ落下、助けに入ったカミーユ・ビダンのΖガンダムとともに地球への降下を余儀なくされる。両名は、フォウ・ムラサメのサイコガンダムやジェリド・メサ中尉(バイアランに搭乗)等と交戦、アムロ・レイ大尉(ディジェに搭乗)やカラバ部隊と協力し、これらを撃退。キリマンジャロ基地はカラバの突撃部隊の活躍で基地の内部が爆発、誘爆により山頂全体を爆発させ陥落する。

ダカール演説

11月16日、エゥーゴとカラバはダカールで開催中の連邦議会を占拠。ここでエゥーゴのクワトロ大尉は、自分が旧ジオン公国の軍人シャア・アズナブルであることを明らかにし、ジオン・ズム・ダイクンの遺志を継ぐ者として、エゥーゴの正しさとティターンズの非道性を訴える(なおシャア・アズナブルの正体がジオン・ズム・ダイクンの遺児・キャスバルであることは、ダカール演説によって初めて世に知られたとする解釈がある[19]が、Ζガンダム本編の第5話「父と子と…」におけるカミーユの発言から、シャアがジオン・ズム・ダイクンの実子であり、一年戦争において復讐のためにザビ家打倒を目論んでいたことは、物語の開幕時点ですでに世間に知られていたと思われる[20])。この様子は全世界へTV中継されており、ジェリド中尉を中心とするティターンズの追撃隊は放送を妨害すべく光ファイバーの通信施設の破壊に動く。この武力に頼りきった、市街地でも平気で戦闘を行い、味方議員も大勢いるはずの連邦議会も破壊しようとする横暴なティターンズの姿はシャアの演説と共に放送され[21]、ティターンズからの人心の離反を招くこととなる。

この戦いではティターンズの司令系統にカラバ攻撃を最優先とする追撃部隊と、都市の守備を任務とするダカール防衛隊所属と2系統あったため、混乱を生じている。防衛隊所属機の中にはアジス・アジバ中尉などが演説に誘導されてティターンズ内部から事実上の裏切り者が出たことにより設備や都市の被害低減の点では利害が一致したエゥーゴ・カラバよりも、市街地で暴れる追撃隊の方を危険視して妨害と制止に走る例もあった。このティターンズ同士の仲間割れの現場、しかも街を守ろうとした防衛隊側の機体が追撃隊の攻撃で擱座した場面も放映されてしまったことで、更にティターンズの印象は悪化することとなった。

この事件は、これまで情報操作などによりテロリスト扱いされていたエゥーゴと、連邦軍で圧倒的な主流派であったティターンズの立場が正反対に入れ替わる本戦役のターニングポイントとなった。その後、カミーユとシャアはカラバの援護により宇宙に帰還する。

また、コンペイトウ(旧ソロモン)では、ティターンズのコンペイトウ駐留部隊に対してダカール宣言をうけて蜂起した連邦正規軍部隊の一部とエゥーゴ艦隊が攻撃を加えたことにより、ティターンズ部隊はコンペイトウから撤退している。

アニメ37話「ダカールの日」では、この演説のテレビ中継の視聴者としてジャーナリストとして活動しているカイがちょうど来店していたスナックやパブのような居酒屋のテレビ画面で映り、客は男性ばかりで主に一年戦争時に兵役で戦闘経験がある元連邦軍人が集まっており、ティターンズの非難を行っている。

コロニーレーザー完成

ティターンズがグリプス2をコロニーレーザーに改造中との情報がアーガマに届く。カミーユ達は偵察に向かうが、12月7日、ティターンズはコロニーレーザーをサイド2・18バンチに向け発射し、住民は全員死亡。

再び毒ガス攻撃

12月14日、ティターンズがグリプス2をグラナダへ移動させるための陽動としてサイド2・21バンチにG3ガスによる攻撃を決行。バスク・オム大佐直接の指揮の下、戦艦ドゴス・ギアより発艦したレコア・ロンド少尉(メッサーラに搭乗)率いる部隊により実施される。緊急通信を傍受したエゥーゴ巡洋艦アーガマは現場に向かい、攻撃を阻止すべくMS隊を発艦させるも、ガスは注入され住民は全員死亡する。ティターンズはサイド2・13バンチにもG3ガスによる攻撃を試み、コロニー外壁にG3ガスボンベを設置するが、エゥーゴ巡洋艦アーガマ所属のクワトロ大尉(百式に搭乗)がG3ガスボンベを破壊、ガス注入は失敗する[22]

エゥーゴ、アクシズと手を結ぶ

ティターンズのグリプス2が月面都市グラナダを標的とすべく射程圏内へ移動を始めたため、エゥーゴはそれを阻止すべくアクシズに援護を要請する。12月26日、アクシズのハマーン・カーンは、エゥーゴからサイド3を譲渡するという約束を取り付けた上で、クワトロ・バジーナことシャア・アズナブルが頭を下げたことで、これを了解。エゥーゴのMS隊がティターンズを引き付けている間に、アクシズは「誤射」に見せかけてグリプス2の核パルスエンジンを破壊。グリプス2の移動は停止する。ティターンズに対してはアーガマを攻撃したものが外れたと虚偽の報告をする。

ゼダンの門、崩壊

エゥーゴと手を組んだかに見えたアクシズだが、ティターンズのジャミトフ大将とも接触を計る。アクシズのハマーンは交渉の席で、青酸ガスによるジャミトフ大将暗殺を狙うが失敗。ティターンズと交戦状態に入ったアクシズはエゥーゴに援護を要請し、小惑星アクシズをティターンズの拠点ゼダンの門に衝突させ破壊する。ティターンズ艦隊は衝突間際に脱出するが、本拠地を失う。さらにアクシズは、手薄になったグリプス2に部隊を送り制圧することに成功した。ティターンズとエゥーゴは、この戦いで戦力を消耗してしまう。

同時期にルナツーの連邦軍正規部隊がティターンズから離反している。

ジャミトフ暗殺

ティターンズのジャミトフはシロッコを交えアクシズ旗艦グワダンでハマーンと会見する。会見中にエゥーゴのクワトロ大尉ことシャア・アズナブルが乱入、そしてティターンズのサラ・ザビアロフ曹長の暴走でグワダンが破損。混乱する艦内でその本性を現したシロッコは、ジャミトフを暗殺。その罪をハマーンに着せ、「報復」を叫ぶことでティターンズの実権を握る。さらに総旗艦ドゴス・ギアにモビルスーツ隊を差し向けて部下のレコア・ロンドの手(劇場版はヤザン・ゲーブル率いるハンブラビ隊)によりバスクを粛清した。

ペズンの反乱

小惑星ペズンに駐留する地球連邦軍教導隊のうち、地球至上主義を奉じる一部青年将校がエゥーゴ主導の流れに反発して『ニューディサイズ』を結成し、宇宙世紀0088年1月25日にペズンの反乱事件が発生する。 グリプス戦役終結後、地球連邦軍は今後のネオ・ジオンとの戦いを考慮し、アーガマ級新造巡洋艦ペガサスIII一隻にSガンダム・FAZZ・Ζプラスで編成されたα任務部隊をニューディサイズの鎮圧に向かわせる。

メールシュトローム作戦

宇宙世紀0088年2月2日、エゥーゴはアクシズの手中にあるグリプス2のコロニーレーザーを奪取するため、グリプス2を渦のように取り囲み奪取するメールシュトローム作戦を発動。作戦は成功し、グリプス2はエゥーゴの手に渡った。

一部資料の記述ではメールシュトローム作戦の日付が2月20日となっている[23]

アクシズ、グラナダへ落下

アクシズは、グリプス2を奪われた報復として、自身らの象徴でもある小惑星アクシズをグラナダへと落下させようとする。 アーガマはグリプス2のコロニーレーザーで破壊する作戦を立案するが、艦の通信設備では出力が低く連絡が取れない。そこで、小惑星アクシズ内部にある高出力の通信施設を利用すべくアーガマのトーレス他数名が侵入し、グリプス2へ打電。なお、このとき小惑星アクシズは完全に無人となっており、激突させるまで敵に奪われぬよう周囲に自軍の戦力を置くといった措置を講じていなかったため、侵入は容易であった。要請を受けたグリプス2はコロニーレーザーを照射、破壊はならなかったが落下軌道が変わり、アクシズの目論見は失敗に終わる。

ティターンズ壊滅

2月20日、グリプス2宙域のエゥーゴ艦隊はティターンズとアクシズの総攻撃を受ける。僚艦ラーディッシュが撃沈される中、アーガマ艦長ブライト・ノアはグリプス2のコロニーレーザーによる敵艦隊の一挙殲滅を画策する。

2月22日、ハマーン、シロッコが各々自らのMS(キュベレイジ・O)でコロニーレーザーを攻撃し発射を妨害しようとするものの、カミーユ、クワトロらの活躍によりエゥーゴは発射準備が整うまでグリプス2を守り切ることに成功。グリプス2のコロニーレーザーが発射され、ティターンズ艦隊はアレキサンドリアを含む多数の艦艇が撃沈し壊滅的な打撃を受けた。その一方、戦いがまだ続く事を察知し、主要な艦を撤退させていたアクシズ艦隊の被害は最小限にとどまった。ハマーンはクワトロの百式を大破させた後に撤退、クワトロはそのまま行方不明となった。シロッコは戦力の回復を図って撤退しようとしたが、カミーユにより死者の魂を取り込み超常の能力を発揮したΖガンダムによりジ・Oは撃破され、シロッコは戦死した[24]。最終的に、エゥーゴの勝利でこの戦役は終結した。

しかし、エゥーゴとアクシズは継戦し、第一次ネオ・ジオン抗争につながる。

終戦

三つ巴の決戦に勝利したエゥーゴではあったが、最終決戦においてカミーユやクワトロ、エマ・シーン中尉をはじめとする優秀なパイロットを多数喪失する。また、コロニーレーザーも破壊され[25]戦力の過半数を失うなど[26]損害は大きく、戦後の主導権を確立するには至らなかった。

最終決戦において艦隊を温存したアクシズが、まさに漁夫の利を得る形で主導権を握り[27]、戦いは第一次ネオ・ジオン抗争へと移っていくこととなる。

劇場版『Ζ』での変更点

30バンチ事件は劇場版の作中において過去の出来事となっている。TV版ではティターンズからエゥーゴに投降し、保護観察の身であったエマ・シーンレコア・ロンドが話した際に初めて語られ、アーガマが30バンチコロニーに立ち寄ったが、劇場版では30バンチコロニーに立ち寄るエピソードが削除され、レコアがエマに事件をノートパソコンのようなもので30バンチの映像を見せ説明するという形に変更されている。

アポロ作戦、毒ガス作戦、キリマンジャロ作戦、ダカール演説、グラナダへのアクシズ落下は劇中では描かれず、上映後に公開された年表にも記載されていない。

また、最終決戦においてカミーユは精神崩壊することなく戦いを終え、ハマーンは事態が沈静化するまでアクシズ艦隊を地球圏から撤退させると宣言するなど、直接の続編である『機動戦士ガンダムZZ』や『逆襲のシャア』には繋がらない形のエンディングとなった。

小説版からOVA版、TVシリーズとして放映された『機動戦士ガンダムUC』では、「第一次ネオ・ジオン抗争」、「第二次ネオ・ジオン抗争」がそれぞれ“起きたこと”という前提で描かれている。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 英文表記はほかに "Gryps War[3]" や "Gryphios War[4]" とする資料も見られる。

出典

  1. ^ http://www.gundam-unicorn.net/ova/en/ms/02.html
  2. ^ https://bandai-hobby.net/global/images/pdf/GNC_web_0411_12M.pdf
  3. ^ http://www.gundam-unicorn.net/ova/en/character/02.html
  4. ^ プラモデル『HGUC グリプス戦役セット』バンダイ、2006年3月。
  5. ^ 創設者のブレックス・フォーラは地球連邦軍ジャブロー参謀本部の准将である。
  6. ^ 機動戦士ガンダムΖΖ』の放映中に発売された、バンダイのプラモデル 1/100 ΖΖガンダム および 1/144 ドーベン・ウルフの説明書の機体解説より。
  7. ^ 機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』780-788頁。
  8. ^ グリプス戦役の前日譚となる『0083』で描写。
  9. ^ 本作中は具体的な描写がないものの、次作『ZZ』の開幕がサイド1の1バンチコロニー「シャングリラ」から始まったため、その悲惨な実態が明らかになる。
  10. ^ 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
  11. ^ 『機動戦士ガンダム キャラクター大図鑑 Ⅱ巻』P.34
  12. ^ 『機動戦士Ζガンダム VOL2』 P.62
  13. ^ ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』では、真相を知った者をティターンズが口封じのために暗殺している事が判明している。
  14. ^ この作戦が実行されていなければブレックスは軍法会議にかけられ、ティターンズはグラナダをガンダムMk-IIで攻撃していたとされる(『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』44頁より)。
  15. ^ 「出資者は無理難題をおっしゃる」というシャアの名台詞はこのとき出たもの。
  16. ^ 第13話より。
  17. ^ 第23話、アレキサンドリア艦橋のスクリーンより。なおガブスレイはスクリーン上では1機だが、ジェリド機とマウアー機が出撃態勢をとったため2機とした。
  18. ^ TV版『Ζ』第29話。なお、劇場版『Ζ』では本エピソードはカットされている。
  19. ^ 『プロジェクトファイル Ζガンダム』SBクリエイティブ、2016年10月3日、60頁。
  20. ^ 『評伝シャア・アズナブル -《赤い彗星》の軌跡- 上』講談社、2006年12月6日、168頁
  21. ^ 第37話。クワトロは、通信施設の破壊を目論むジェリドらと、それを阻止しようとするカミーユ達との戦闘中に議場へ攻撃が当たったのを利用し、ティターンズによる議会への攻撃だと非難してみせたりもする。
  22. ^ TV版『Ζ』第41話、第42話。なお、劇場版『Ζ』では本エピソードはカットされている。
  23. ^ 『機動戦士ガンダム エピソードガイド vol.3 ネオ・ジオン編』、パンフレット『ガンダム30周年記念上映 メモリアル・プログラム』。
  24. ^ 『機動戦士Ζガンダム』50話
  25. ^ 『機動戦士ガンダムMS大図鑑PART.2 グリプス戦争編』 バンダイ、61頁。
  26. ^ エゥーゴ、ティターンズ共に4〜5隻程度の艦船は生き残った模様である。
  27. ^ ただし、アクシズも戦役の最終決戦時における百式のメガバズーカランチャーの攻撃で先陣を切っていた貴重な熟練将兵を多数喪失している。このため、第一次ネオ・ジオン抗争ではマシュマー・セログレミー・トトなどの経験不足な若手将校を第一線の指揮官に任命せざるを得ないほどの人材不足を生じてしまっている。

グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)

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ファ・ユイリィ」の記事における「グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)」の解説

カミーユガンダムMk-II強奪したことが原因で、彼と知り合いという理由からティターンズ追われる身となり両親生き別れる程なくしてブライト・ノアの手引きで宇宙巡洋艦アーガマ難民として収容され、すでにエゥーゴのモビルスーツパイロットとなっていたカミーユ再会果たす。戦時における感覚の差異から当初はすれ違い生むが、自身カミーユ案じてパイロットとなるべく志願して訓練を受ける。 月での訓練修了後、アーガマΖガンダム運搬する役割をもって帰属以降エゥーゴ軍曹補欠パイロットとしてグリプス戦役に参戦することとなる。元来はごく一般的な少女であり、軍人としての適性があるとは言い難いが、戦況の悪化何より自身の意志強さ戦線離脱許さずレコア・ロンド併用され形でメタスパイロットとなる。レコア離脱までは出撃際にハロ使って出し抜くなどしてメタス奪い合う戦災孤児シンタクム世話役引き受け周囲の理解協力得ながらパイロットとして人間として成長していく。 常に非情な現実に向き合い続けカミーユ傍らで常に彼を想い、その心を支えるが、当のカミーユ本人はホンコンシティで出会ったフォウ・ムラサメ心を惹かれファのことは幾分ぞんざいに扱うファフォウ存在知らない)。カミーユ近づく女性に対して嫉妬心露わにする場面もあり、カミーユサラ・ザビアロフ尋問行った直後にカツ・コバヤシ煽られてカミーユ食ってかかるカミーユ自分の兄であるとの洗脳受けたロザミア・バダムに対しては「兄の理想の恋人」とおだてられ警戒はするもののある程度受け入れている。敵に回ったレコア真意を問うため戦闘中モビルスーツ降りたり、再強化アーガマ滞在時の記憶失ったロザミアから銃口突きつけられながら必死に説得試みるなど、気丈な振る舞い目立つ。 劇中終盤には艦隊防衛支援戦闘などにおいて善戦するグリプス2内部でカミーユクワトロ・バジーナハマーン・カーンパプテマス・シロッコの4人が睨み合い口論となった際、均衡打ち破りカミーユクワトロ救出している。ニュータイプとして先鋭化していく過程危険な兆候見せつつあるカミーユ案じるが、その危惧現実のものとなり、シロッコとの決着カミーユ精神崩壊Ζガンダムコクピット異常な言動続けカミーユ涙ながらに回収しつつアーガマ後退エマ・シーン戦死により放棄されたガンダムMk-IIへの「お前もアーガマ帰りたいのね」との問いかけが、劇中最後のセリフとなっている。 初登場からアーガマ収容された頃までは私服姿だったが、再登場後はレモンイエロー制服着用する。この制服ノースリーブかつマイクロミニスカートであり、しかもレコアエマ異なりタイツなどを穿いていない。 劇場版での変更点 劇場版ではフォウ2度目登場なくなっているため、ジャブロー降下作戦香港でのフォウとのロマンス経てカミーユアーガマ帰還した時点から、彼の恋人として描かれている。Ζガンダムと同時にアーガマ納入されメタスレコアヤザン・ゲーブル撃墜拉致された際に失われファ搭乗するのはメタス2番機未熟なパイロットとして戦闘に参加するだけでなく、補給要員として弾薬補充を行う場面みられる。 3作目星の鼓動は愛』のクライマックスでは、カミーユ精神崩壊起こすことなく戦闘終える。アーガマ通信士サエグサからアテレコからかわれながらも互いの無事を確認して宇宙空間カミーユ抱き合うシーン大団円迎える。

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グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)

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ブライト・ノア」の記事における「グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)」の解説

テンプテーション船長として 宇宙世紀0087年3月一年戦争での功績にもかかわらずニュータイプ存在恐れた連邦上層部意向左遷され連絡船テンプテーション船長務めている。民間人であるカミーユ・ビダンファ・ユイリィからサインせがまれる程の有名人で、アーガマ艦長就任以前から「ブライト・キャプテン」と尊称される。またエマ・シーンからはティターンズ在籍時より敬意を示されるが、バスク・オムに近い一部ティターンズ隊員からは嫉妬入り混じっ反感を買いグリプスにおいて上下階級の区別なしの集団暴行被っているアーガマ二代目艦長に就任 エゥーゴによるガンダムMk-II強奪の際、グリーン・ノア難民保護しテンプテーション漂流しているところをアーガマ救助されるその後エゥーゴ参加し階級中佐から大佐へ)、ヘンケン・ベッケナー禅譲によりアーガマ二代目艦長に就任する(ヘンケン・ベッケナーラーディッシュ移乗し艦長になる)。 7年ブランク感じさせず、就任直後ジャブロー降下作戦艦隊指揮任されるニュータイプカミーユクワトロ・バジーナ活躍もあって、エゥーゴ艦隊象徴として多くの作戦参加途中アナハイム幹部であるウォン・リー強硬的な言動に手を焼くが、艦長として毅然とした態度をとり続ける。 最終的にティターンズおよびアクシズネオ・ジオン)との三つ巴戦いを展開。コロニーレーザーであるグリプス2捨て身覚悟守り切り、ティターンズ壊滅させる。その代償大きくカミーユ精神崩壊カツエマなどのパイロット戦死したので、グリプス戦役後正規パイロットファ・ユイリィただ一人という状況追い込まれる連邦軍籍を置く(連邦軍スペースノイド派としてエゥーゴ参加していた)彼は地球残してきた家族心残りにしており家族からの手紙で涙を見せるなど家庭人として一面見せる。しかし、カミーユアムロ髣髴とさせる資質認めてはいるものの、かつてアムロ達との衝突経て一年戦争という過酷な戦いの中を切り抜けたブライトでも、エキセントリック自制心欠如している彼の扱いにはかなり頭を悩まされていたようでクワトロに対して自分カミーユ父親代わりにはなれそうもない」と語った姿からも、その事窺われるまた、カミーユ次第丸くなった後は、かつてホワイトベース乗っていてエゥーゴ新しく参加したカツ・ハウィン独断専行悩まされる事になり、結局導く事が出来ないまま、カツ自滅に近い形で戦死してしまう。一方劇場版ではアーガマ乗船したシンタクムに対する態度軟化している(テレビ版では軍艦幼児乗せることに不満をあらわにしている)。また、グリプス戦役の最後までカミーユファ子供として見ている漫画機動戦士Ζガンダム Define』ではティターンズへの抜擢断り、さらに彼等の方針に異を唱えて二階降格され少佐となっているゆえに、二階上の待遇与えられたジェリド・メサらより制裁を受け、反感積もってエゥーゴ寄りになったとされる。これに比して憎んで飽き足らないクワトロ正体明らかにされても、最初こそ怒気隠さぬ対応をとりながらも彼の言葉すんなりと認め鷹揚さを見せる。

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グリプス戦役

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宇宙世紀」の記事における「グリプス戦役」の解説

U.C.0087 - 0088『機動戦士Ζガンダム』1985年 - 1986年アニメ) 『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』(2001年 - 休止中漫画・小説) 『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』(2002年 - 2008年模型小説・漫画) 『機動戦士Ζガンダム A New Translation』(2005年 - 2006年アニメ) 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』(2010年 - 2013年模型小説スペースノイド弾圧のため地球連邦軍内に結成され地球至上主義者による軍閥ティターンズ」(実質的には提唱者であるジャミトフ・ハイマン私兵組織化していた)と、彼らの専横抵抗するために結成され反地球連邦組織エゥーゴ」の軍事衝突中盤にはアステロイドベルトから帰還したジオン公国残党軍「アクシズ」も絡んで三つ巴の様相を呈し最終的にティターンズはその指導者層を失い瓦解した終結と同時にそのまま第一次ネオ・ジオン抗争繋がっていく。 詳細は「グリプス戦役」を参照

※この「グリプス戦役」の解説は、「宇宙世紀」の解説の一部です。
「グリプス戦役」を含む「宇宙世紀」の記事については、「宇宙世紀」の概要を参照ください。


グリプス戦役 (『機動戦士Ζガンダム』)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 22:22 UTC 版)

カツ・ハウィン」の記事における「グリプス戦役 (『機動戦士Ζガンダム』)」の解説

一年戦争後ホワイトベース乗組員だったハヤト・コバヤシフラウ・ボゥ結婚したことに伴いレツキッカと共に引き取られ養子となり、コバヤシ改姓している。15歳成長したカツは、ハヤトカラバ参加に伴い地球連邦軍によって軟禁状態だったかつての英雄アムロ・レイエゥーゴ参加促し、彼と共にカラバ参入するまた、ガンダムMk-II無断出撃た際には、養父であるハヤトから暴力的修正を含む叱責を被るが(劇場版ではこのエピソード自体カットされている)、その後彼の許可を得たうえでブライト・ノアらの承諾を得て宇宙へ上がりエゥーゴ参加する宇宙へ上がる際には、アムロより彼が一年戦争当時ア・バオア・クー内部でシャア・アズナブル撃ち合っ拳銃を、餞別として預託される。それ以後、その拳銃カツの命と同等に大切な品物となる。フォン・ブラウン市ではティターンズ所属ジェリド・メサ一瞬の隙を突かれ拳銃奪われてしまうが、その後無事に取り戻されている。 前作とは打って変わり、感情の起伏が激しい性格となっている。監督務めた富野由悠季によれば、「7年歳月子供十分に変えてしまう長さ」「自制心足りなかったのでしょう」とのことである。突発的に過激な行動取り軍隊規律犯すことが多く年上同僚であるカミーユ・ビダン上官エマ・シーンらにたしなめられることも多い(劇場版では、身勝手さは多少抑えられている)。 宇宙ではブライト艦長務めアーガマからヘンケン・ベッケナー艦長務めラーディッシュへ、そして再びアーガマへと所属艦を行き来している。参加当初はモビルスーツ (MS) が1機も余っていなかったため、整備の手伝いなどをするが、物語進行と共に本人たっての希望もあり、晴れてMSパイロットとなる。規律破り無断出撃することも多い。しかし、それが射殺されそうになったカミーユ救出するといった功績につながることもある(カミーユ偵察のため、すでにティターンズ占拠されていたフォン・ブラウン市潜入するが、顔見知りジェリド・メサマウアー・ファラオ発見され危険な状態陥っていた)。好戦的に見られる一方エゥーゴアクシズ共同戦線張った際には、かつての敵組織・旧ジオン公国残党であるアクシズへの葛藤から出撃頑固に拒むという一面見られる当初はネモ搭乗するが、一度メタス乗り換えたあとは宇宙可変戦闘機Gディフェンサー専任パイロット務めている。 ティターンズ所属サラ・ザビアロフ出会い、その恋心から突発行動過激化し、周囲の顰蹙を買うという時期もある。捕虜となったサラ騙され逃亡されてしまった際には、その蹉跌苛まれて人間不信陥ってしまう。物語終盤において、サラ心酔するというパプテマス・シロッコ討とうとするものの、逆に彼のとなって立ちふさがったサラ誤射し、自らの手で撃墜死させるという致命的失敗冒す結果的に前作『機動戦士ガンダム』において、シャア身を挺して守ろうとしたララァ・スン殺したアムロ同様の悲劇経験しているが、サラ仇討ちとしてハマーン・カーンシロッコ憎しみを向けるようになるエゥーゴティターンズアクシズ三つ巴最終決戦中、ヤザン・ゲーブル率いハンブラビ隊と交戦し危機陥っていたエマを救う活躍を見せる。しかし、自身の乗るGディフェンサーガンダムMk-IIドッキングさせた後に退避命令無視しGディフェンサーのコクピット・ブロック単体戦闘割り込むという無謀な行為及んでしまう。結果的にはそれがハンブラビ隊の1人ラムサス・ハサ撃墜するきっかけに繋がるものの、その直後に注意がそれて浮遊していた隕石正面衝突してしまう。瀕死となったカツヤザンハンブラビにビームキャノンで狙い撃ちされ、失速したままサラミス級巡洋艦思しき残骸突入し爆死する劇場版ではヤザンによる攻撃部分カットされ隕石への激突死亡する)。ハンブラビ隊と交戦していたエマカミーユショックを受けるカミーユシロッコとの最終決戦挑んだ際には、魂(幻影作中では「力」や「意志」とも称されるとなったカツカミーユ前に立ちはだかるサラの魂を懐柔し、カミーユ特攻サポートする続編『機動戦士ガンダムΖΖ』では、ハヤト精神崩壊中のカミーユの顔を見つめているところで、突如カツの姿が浮かび上がるというシーンがある(カツ魂がカミーユ媒介に、言語介さずハヤト伝達されようとした)。また、ジュドー・アーシタハマーン最終決戦時に幻影となって姿を現しララァフォウ・ムラサメサラたちと共に物語中の女性的感性一翼を担う象徴的存在となり、ジュドーに力を付与している(ただしセリフはない)。 『ΖΖ』におけるブライトハヤト会話によると、カツ戦死第一次ネオ・ジオン抗争中にはフラウレツキッカには伝えられていないことが分かる劇場版『Ζ』基軸描かれ漫画機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では、カツ死について家族より早く伝わっており、静岡にあるコバヤシ家には遺影位牌飾られている。 近藤和久による漫画版では、任務忠実な少年兵として描かれており、GディフェンサーガンダムMk-IIドッキングも、カツ判断指示において行われている。戦役末期にはティターンズドルク中尉苦戦するエマ機の支援向かい戦術的優位性確保のためにGディフェンサー提供するが、分離後のコクピット・ブロックを相手方海ヘビ捕縛され、その高圧電流撃墜され戦死する

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グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)

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ミライ・ヤシマ」の記事における「グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)」の解説

『機動戦士Ζガンダム』では当初ジャブロー住んでいるが(ブライト台詞より)、エゥーゴジャブロー襲撃前にニューホンコンへ移動している。第17話では、宇宙上がるためのシャトルチケット入手しようと列並んでいる際にルオ商会探すアムロ・レイと偶然再会する第18話では、夫ブライトエゥーゴ参画したこともありティターンズ寄り地球連邦軍兵士ベン・ウッダー達に我が子とともに捕らえられ人質にされてしまう。アムロブライト部下にあたるカミーユ・ビダン、そしてアムロ同様一年戦争時戦友であるハヤト・コバヤシ3名による救出作戦結果救助されるまた、フォウ・ムラサメ惹かれていくカミーユアムロが会うのを止めるよう忠告する理由としてアムロ過去ララァ・スンのこと)を話して説得したり、独断専行気味なベルトーチカ・イルマ窘めるなど、母親だけでなく人生の先輩としての貫禄見せている。 なお、劇場版恋人たち』では宇宙上がろうとはせず、避難民船に乗っている。また人質にされるエピソード割愛された。『星の鼓動は愛』のラストでは、地球上連邦軍基地向かおうとするシーン追加されている。

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グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:48 UTC 版)

カミーユ・ビダン」の記事における「グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)」の解説

エゥーゴへの逃亡 宇宙世紀0087年3月2日ホワイトベースキャプテンだったブライト・ノア指揮する旅客用小型シャトルであるテンプテーション入港したため、彼に会いに行くべく仮病使って空手部をサボりファとともにグリーン・ノア宇宙港向かうが、同僚であるカクリコン・カクーラー迎えに来ていたティターンズ将校ジェリド・メサに「女性的な名前」を馬鹿にされ激昂しジェリド殴りつけMP逮捕されるジェリド操縦するガンダムMk-II墜落事故どさくさに紛れて脱走し、偶然始まったエゥーゴによる同機強奪作戦個人的なティターンズMPへの復讐心から加担しそのままエゥーゴクワトロ・バジーナシャア・アズナブル)らと共にグリーン・ノア脱出する両親との死別 上記の行動により、ティターンズ協力していた両親バスク・オムによって人質にされてしまい、簡易カプセル閉じ込められたヒルダジェリドハイザック撃たれカプセル破壊され生身のまま宇宙放り出される。父のフランクリン一度は救出されるが、彼はアーガマからリック・ディアス強奪、そこをエゥーゴティターンズ戦闘巻き込まれ死亡し結果的に両親を失う結果となる。これによりティターンズ本質知ったカミーユは、ティターンズと戦う決意固めていく。 ガンダムMk-IIの専属パイロットに エゥーゴ指導者であるブレックス・フォーラや、ヘンケン・ベッケナークワトロらからニュータイプとして天賦資質があると見込まれエゥーゴ正規パイロットになることを薦められる中、MS訓練を受けていない民間人ありながら連邦軍のベテランパイロットであるライラ・ミラ・ライラ撃墜するという戦果挙げアーガマクルーからはアムロ・レイ再来称される(ただし、カミーユとしてはアムロ重ねられるのは迷惑だったらしく、アムロ本人出会ったときにそれを打ち明けている)。それ以来カミーユは、ガンダムMk-II専属パイロットとなり、ニュータイプ資質開花させていく。また、同じ時期に、ティターンズより転向したエマ・シーン窮地察知し、それを救うという活躍を見せる。 だがその一方で、エゥーゴスポンサーであるアナハイム・エレクトロニクスから社長意向伝え来たウォン・リーに、ハロ修理専念していたためミーティング遅刻したことをとがめられ、それに対し謝ろうとせずに反論し殴打による「修正」を受けたりしばらくの間そのことからふてくされた態度をとって、エマ殴打叱責をされるなど精神的に未熟な面も多々あるテレビ版のみ)。 地球への降下 同年5月ジャブロー基地への攻撃作戦のため地球降下し地球連邦軍守備隊ジェリドティターンズと戦うが、ジャブロー地下核爆弾設置されていることがわかると地上での支援組織カラバ」と合流して脱出する。この戦いでも、先に地上降下したものの囚われの身となっていたレコア・ロンド居場所感知し一緒にいたカイ・シデンとともに救出する活躍を見せている。 その後宇宙へ離脱を図る中でアムロ・レイカツ・コバヤシらと出会う。その出会いの中で、あくまで自分の正体明かそうとしないクワトロの、逃げ隠れするような姿勢苛立ち隠せないカミーユは、「修正」と称して殴りかかる。なお、小説版では正体察した上で陰で笑い話の種にし、劇場版ではハヤト・コバヤシカイとの会話から正体シャア・アズナブルであることを察し殴りかかってはいない。 フォウとの出会い その後、ニューホンコンでブライト・ノア家族とも出会いカラバアウドムラ追撃指揮執っていた連邦軍ベン・ウッダーにより彼らとアムロ人質になった際には、マリン・ハイザック交戦し、これを撃破し人質奪還きっかけを作るという活躍を見せるが、敵側強化人間フォウ・ムラサメとの運命的な出会いは、地球降りたカミーユにとって大きな出来事となる。 彼女と出会い淡い恋に落ち短いデートの中で口付け交わすほどの仲となるも、サイコガンダムパイロットである彼女と戦うことになる。しかし、互いに前へコンプレックスを持っていたことからカミーユフォウとの交戦中、彼女に心中打ち明ける。それに応えたフォウ捨て身行動と、アムロアウドムラクルー援護によって宇宙へ離脱フォウ別れる直前カミーユは、彼女に対して初めて、今までコンプレックスだった自分の名前が好きだ告げる。 Ζガンダムの専属パイロットに 宇宙に戻ると彼自身意見設計反映されΖガンダム新たに配備されカミーユ愛機となる。これによりそれまでガンダムMk-II自身のニュータイプ能力についていけず、敵機との機体スペック差により劣勢強いられていたカミーユは、驚異的なスペックアップを果たすことになる。 フォウとの再会、そして死 同年11月クワトロと共に地球へ降下しキリマンジャロ基地への攻撃作戦参加するが、そこで死んだものと思っていたフォウ再会以前より洗脳強化されているが、必死の説得心を取り戻した矢先にジェリド攻撃からカミーユをかばい、フォウ絶命する。彼女の死はカミーユの心に大きな傷を残すことになり、一部始終を見ていたシャアアムロは、7年前と同じ過ちララァ・スンの死)を予感しながら防げなかったことを後悔する。そしてカミーユは、彼女の死をきっかけにニュータイプとして自分に与えられた役割意識し、そして地球圏の現状向かい合ううになるハマーンとの戦闘 宇宙世紀00882月2日再び宇宙へ上がったカミーユは、「アクシズ」からグリプス2コロニーレーザー)を奪取するためのメールシュトローム作戦において、ハマーン・カーン駆るキュベレイ交戦戦闘中ニュータイプ同士精神的邂逅起こすが、解り合う直前ハマーン拒絶されてしまう。その後小惑星アクシズ周辺空域で、一度はカミーユを兄と慕ってきた強化人間ロザミア・バダム交戦精神崩壊したロザミアの姿にフォウ幻影を見る中でアーガマを守るため止むな撃墜する。 グリプス戦役の最終決戦 2月21日グリプス戦役の最終決戦カツヘンケンエマなど親し人間だけでなく、ジェリドレコアといった敵味方問わず生命次々と散っていく激戦の中でカミーユニュータイプ能力人々死の思いや叫び受け止め続け、もともと繊細で不安定だったその心は苦悩怒り限界達しようとする。その苦悩怒りは、グリプス2内でのクワトロパプテマス・シロッコハマーンらの身勝手な言い争い聞かされバスクたち身勝手な大人たちに反抗した彼らもまた身勝手な大人化してしまったことを目の当たりにし幻滅することで、さらに高まる。 そしてついにカミーユは、死闘末に一番許せない相手であったシロッコ撃破するが、同時にシロッコ断末魔と共に発せられた青い光シロッコニュータイプの力と言われている[要出典])を浴びる。 精神疾患を発症 己の能力強大になりすぎるとともに宇宙満ちる多くの人死の思念感じ真空状態ヘルメットバイザー上げてしまうなど、既に危険な兆候見られていたカミーユは、シロッコ断末魔の悪意まで自分の精神に取込んでしまい、ついに精神疾患を発症する。ファ・ユイリィ呼びかけ聞こえずモビルスーツ爆発宇宙空間星々見間違えて無邪気に喜ぶ。ゲーム版ではそれを感じ取ったシャアにもある種後悔怒り植え付けハマーンとの決別連邦腐敗と併せ地球人類の粛清へのきっかけにもなった。 本作最終回主人公精神疾患を発症して終わるという結末は、視聴者衝撃与えた。 この結末について2006年3月公開された劇場版『機動戦士ΖガンダムIII A New Translation -星の鼓動は愛-』では、無限にニュータイプ能力拡大させても精神疾患を発症せずに戦い終え無事に帰還する。なお、劇場版外伝漫画機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では、帰還後ティターンズ残存勢力掃討行ったとされる

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グリプス戦役

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:48 UTC 版)

カミーユ・ビダン」の記事における「グリプス戦役」の解説

グリプス戦役の最終局面では、カツヘンケンエマといった身近な人間が目前次々と命を散らし、自らもジェリドら、立ち塞がる者の命を次々と奪っていってしまう。戦い果て平和に希望持ちながら、本来は戦争自体嫌悪していたカミーユは、その先化しすぎた感覚によって戦場全体悪意哀しみ、人の死をより強く感じ取り、ヤザン・ゲーブルのような殺戮愉しむ者への激情によっても精神すり減らしていく。戦い怒り重ねるごとに無制限に肥大化していくニュータイプ能力は、疲弊しきったカミーユ精神押し潰そうとする

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グリプス戦役 (『機動戦士Ζガンダム』)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 23:29 UTC 版)

ハマーン・カーン」の記事における「グリプス戦役 (『機動戦士Ζガンダム』)」の解説

U.C.0087年10月12日地球圏に舞い戻り第三勢力アクシズとしてグリプス戦役に介入エゥーゴから同盟持ちかけられる交渉決裂その後ティターンズ同盟締結する。 U.C.0088年1月エゥーゴからサイド3譲渡するという条件グリプス2コロニーレーザー)の破壊要請されると、グワダンの主砲グリプス2一部破壊しティターンズに対してアーガマ攻撃したものが外れた虚偽報告をする。ティターンズ拠点であるゼダンの門ジャミトフ・ハイマンとの会見隙に青酸ガスによる暗殺を狙うが失敗ゼダンの門アクシズぶつけて破壊するその後ジャミトフ再度会談を持つが、会談最中同席していたパプテマス・シロッコジャミトフ暗殺シロッコはこれをハマーン仕業喧伝し、ティターンズとは敵対関係になる。 同年2月エゥーゴによるメールシュトローム作戦結果グリプス2奪われる小惑星アクシズグラナダ落下させようとするが失敗エゥーゴ制圧したグリプス2巡り、エゥーゴ・ティターンズ・アクシズは三つ巴戦いとなる。ハマーンは一旦部隊後退させ、温存する

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グリプス戦役 (『機動戦士Ζガンダム』)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 07:56 UTC 版)

アムロ・レイ」の記事における「グリプス戦役 (『機動戦士Ζガンダム』)」の解説

軟禁された英雄 23歳一年戦争後英雄的扱いを受け、彼に注目した多くのジャーナリストから「ニュータイプとは何か?」と取材を受けることになるが、彼の発言大衆にとって抽象的難解なものとして理解されなかったといわれる。やがて大尉昇進し北アメリカシャイアン基地勤務。しかし、地球連邦政府ニュータイプ危険視する思惑から事実上の軟禁状態置かれ、彼もララァ死に至らしめたことの後悔引きずって鬱屈した生活を送っていた。また、長期軟禁影響で精神的な疲弊起きていたのか、MSへ再び乗ることに躊躇していた。 『THE ORIGIN』では機密保持ニュータイプ研究のため、隔離状態にあったが、宇宙世紀0082年に監視護衛付きではあるが、行動の自由が許されている。出雲旅行ハヤトからフラウとの結婚打ち明けられた後、自分たちにとってすべての始まりの場所であるサイド7復興に行う意志示したエゥーゴへの参加と地球への残留 宇宙世紀0087年、かつてのガールフレンドでありハヤトの妻になっていたフラウ再会しカツ・コバヤシ説得され共に監視抜け出す空港輸送機奪ってエゥーゴ支援組織カラバに合流しシャアクワトロ)と7年振り再会果たす。シャアからは宇宙上がり共闘することを薦められたが、無重力感覚への恐怖理由固辞している。その際、「ララァ再び会うのが怖いのか」と胸中を看破され一年戦争時代負ったトラウマ克服できていない自身の精神的な脆さ否定できず、ハヤトと共に地上に留まる。また、自分より若いカミーユガンダムMk-II使わせていることや、それを容認する周囲の人間たちに「不甲斐ない自分へ当てつけ」といった感情を少なからず感じてたようである。 しかし、昔の自分思い出させるカミーユ・ビダンや、ベルトーチカ・イルマ刺激され、再びMS戦うこと決意すると、7年ブランク感じさせない卓越した操縦技術エゥーゴ援助宇宙上がったアポリー・ベイ中尉残したリック・ディアスカミーユ指導しながらアッシマー撃墜したのを皮切りにその後リック・ディアス改修したディジェ駆ってキリマンジャロ攻撃作戦ダカールでの戦いニューギニア基地攻略などで活躍した。 なお、一年戦争時には一人称「僕」であったが、この頃から「俺」変化している。ブライトに対して一年戦争時上官として従う立場であったが、これ以降対等な立場として接している。 設定上での諸説 雑誌企画ガンダム・センチネル』の設定では、グリプス戦役終盤アウドムラの第18飛行部隊隊長として、パーソナルカラー塗装されΖプラス搭乗したといわれている。また、アトラクションガンダム新体験 グリーンダイバーズ』や3DCGアニメGUNDAM EVOLVE../9 MSZ-006 Ζ-GUNDAM』では、戦争終結前後確認されたΖガンダム3号機テストパイロット1人で、「ホワイト・ユニコーン」のコードネーム呼ばれる人物とする説存在する漫画機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』ではアムロΖガンダム3号機搭乗する様子描かれた)。

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