グリブコウスキー裁判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 01:24 UTC 版)
「バーニー・エクレストン」の記事における「グリブコウスキー裁判」の解説
2013年以降、エクレストンの地位を揺るがす可能性のある贈賄容疑の裁判が行なわれている。2006年にCVCキャピタルパートナーズがバイエルン州立銀行の保有するSLEC株47.2%を取得した際、同銀行のリスクマネージャーだったゲルハルト・グリブコウスキーがエクレストンから4400万ドルの賄賂をもらい、SLEC株を不当に低く評価してCVCへの売却を円滑化したという疑いが発覚。グリブコウスキーは2011年1月に収賄・背任・脱税の容疑で逮捕され、2012年6月に禁固8年半の有罪判決を受けた。被告は当初「コンサルタント料金」として容疑を否認したものの、審理中に検察の主張を認め、エクレストンから賄賂を受け取ったと認めた。 エクレストンはグリブコウスキーへの支払いを認めたものの、賄賂性については否定。エクレストン家の家族信託バンビーノ・ホールディングスについて、グリブコウスキーが英国歳入税関庁 (HMRC) に虚偽の告発をすると恐喝してきたので支払ったと説明した。エクレストンは家族への相続対策として英国外にバンビーノを設立していたが、告発によってHMRCに信託の正当性を疑われる懸念があったので、トラブルを避けるためグリブコウスキーの要求に従ったとしている。被告の証言については「単に減刑を狙ったものだ」と述べた。 ミュンヘン検察当局はエクレストンの主張を認めず、2013年7月に正式にエクレストンを起訴した。また、ドイツのメディアグループ、コンスタンティン・メディアンとアメリカの投資会社ブルーウォーターズ・コミュニケーションズは、CVCへの売却操作によって本来得られるはずだった利益を失ったとして、それぞれロンドンとニューヨークで巨額の損害賠償訴訟を起こしたが、双方ともエクレストン側に有利な裁定が下された。 エクレストンは法廷で無実を証明する意向で、以前と変わらず日常業務をこなしているが、裁判終了までデルタトプコ(F1の持ち株会社)の取締役を辞任すると発表した。 2014年8月5日、検察、弁護側の双方は、エクレストンが1億ドル(約102億円)を支払うことを条件に、裁判の打ち切りで同意した。ドイツの法律では裁判官を含むすべての陣営が同意した場合、一部の刑事裁判を罰金もしくはより軽い罰で解決することができる。これにより、エクレストンの経歴に犯罪は残らず、事実上の無罪となり、F1トップの座にとどまる見通しとなった。ただし、別の民事訴訟はまだ進行中となっている。
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