証言について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 00:03 UTC 版)
韓国挺身隊問題対策協議会と共同で調査をおこなった安秉直は、慰安婦として名乗り出た人の中には事実を歪曲している人もいたとした上で、金学順についての調査結果ではそうした事はなく証言の信頼性が高いことを以下のように書いている。「調査を検討する上で難しかったのは証言者の陳述がたびたび論理的に矛盾することであった。すでに50年前の事なので、記憶違いもあるだろうが証言したくない点を省略したり、適当に繕ったりごちゃ混ぜにしたりという事もあり、またその時代の事情が私たちの想像を越えている事もあるところから起こったことと考えられる。(略)私たちが調査を終えた19人の証言は私たちが自信をもって世の中に送り出すものである。(略)証言の論理的信憑性を裏付けるよう、証言の中で記録資料で確認できる部分はほとんど確認した」 その後2006年に安は、「強制動員されたという一部の慰安婦経験者の証言はあるが、韓日とも客観的資料は一つもない」「無条件による強制によってそのようなことが起きたとは思えない」と述べ、日本のケースでの「自発性」を強調し、現在の韓国における私娼窟における慰安婦をなくすための研究を行うべきであり、共同調査を行った韓国挺身隊問題対策協議会は慰安婦のことを考えるより日本との喧嘩を望んでいるだけであったと非難している。 西岡力は「40人を対象に始められたこの調査で、19人が聞き取りを終えた。この19名のうちで強制連行を主張している証言者は4名、そのうちの2名は日本における裁判では人身売買と証言を変えており、さらに残りの2名は終戦まで戦地とはならなかった釜山、富山にそれぞれ日本軍によって強制連行されたと証言している」と書いている。 吉見義明は秦郁彦の批判に答え、3回の彼女の証言の中で安秉直教授による韓国挺身隊問題対策協議会による調査結果が最も信頼できるとしている。生年は戸籍で確認され、ヒアリングは何回も行われており、本人に不利な証言もしているためである。彼女の証言では秦郁彦と同じように、中国にいくまでの経緯についてまず養父に40円で売られた可能性があることを指摘している。吉見は証言の中で何が誇張され何がほぼ事実かを判断するのが歴史学での実証的研究であり、漠然と証言間に差異があるとするのではなく、信頼できる事実を判断しくみ取ることを述べている。その結果彼女が中国で人身売買の結果、慰安婦になった点では証言間で差異はなく信用できるとしている[要出典]。 文春オンラインによれば、日本軍に連行されたと金学順本人が主張する鉄壁鎮(てっぺきちん)という場所は中国には存在しない。金学順が慰安婦だったと主張する期間は3か月の短期間である。 韓国太平洋戦争犠牲者遺族会支援者の臼杵敬子は金学順に「ウソを言ったらダメよ」と述べたが、金学順は「私は間違ったことは言ってない」と述べている。 金学順は再婚した義理の父親と不仲で家出をし、自身の意思でキーセン学校に入校した、仕事を探しに養父(仕事の斡旋者)と中国へ行き慰安婦となった。 金学順が慰安婦と名乗り出たのは、原爆被爆者イ・メンヒ(被爆者と名乗り出て多額の支援を日本人から受けた)が「慰安婦として名乗り出たほうがいい」と助言を受けた事に起因する。
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