グラドス人
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「蒼き流星SPTレイズナー」の記事における「グラドス人」の解説
アーマス・ゲイル 声 - 堀秀行 グラドス軍中尉。ジュリアの婚約者であり、エイジとは幼少の頃から交流があるよき先輩である。グラドスに反旗を翻したエイジを連れ戻すため、追撃隊を率い、SPTグライムカイザルを駆ってエイジと交戦。その作戦時にゴステロの逆恨みから来る妨害を受けたり、カルラの独走や失敗に手を焼かされるなど、なかなかエイジと雌雄を決することは出来なかった。最後までエイジとジュリアのことを気にかけており、第14話でのエイジとの対面時にはグラドスに戻ることを勧めたり、第15話での対決の前には肌身離さず持っていたジュリアの写真入りペンダントを壊し、訣別の意志を見せていた。そして対決時、遂にエイジを撃墜寸前まで追い詰めるも、フォロンの発動させたV-MAXに撃墜され、宇宙に消える。この時の最後の言葉が、物語の重要な鍵を握ることになる。 アスカ家 グラドス星でのエイジの家族で、地球人の父ケンと、グラドス人の母アイラに、姉ジュリアとの4人で構成されており、そしてグラドス地球侵攻に伴って始まった、グラドスと地球の混血である2人の姉弟のそれぞれの戦いが、地球の命運を左右するようになっていく。 アルバトロ・ミル・ジュリア・アスカ 声 - 横尾まり エイジの姉。1978年生まれ。グラドスが地球侵攻を決めた際、故郷地球にグラドスの脅威を伝えようとする父の意志に反し、婚約者ゲイルとの愛を選んで実家を飛び出していた過去がある。その後エイジを説得する目的で地球へ向かう艦隊に呼び寄せられたが、ゲイルの仇討ちとしてエイジ抹殺の任務を帯び、SPTブラッディカイザルに乗り込むものの、エイジとの地球での対決では敗北し海中に落下する。 当初はグラドス軍人としてグラドスに忠誠を尽くしていたが、地球制圧後は、グラドス創世の秘密に触れて己のなすべきことを知り、グラドス人と地球人の共存を訴えて非暴力による運動を展開。「クスコの聖女」として民衆の支持を集め、その行動は地球、グラドス両方の人々を変えていくこととなる。グレスコの死後、理想に暴走したル・カインと、戦いによって心身共に疲弊していく地球人達の姿を見て戦いを止めるため、刻印の発動によるグラドス星と地球の空間の閉鎖を決意、実行する。その後の彼女の生死は不明。彼女を慕って集まった女性たちはクスコの聖女隊と呼ばれる。 ケン・アスカ 漢字表記では明日香健。地球人科学者。アポロX-0計画の中でグラドス探査隊と接触し、収容されて行方不明となっていたが、その後グラドスで生きることとなり、妻であるアイラとの間にジュリアとエイジの二児をもうける。そして家族4人で暮らしていたが、グラドスが地球の宇宙進出に警戒を抱き、攻撃の手を伸ばそうとしていたことを知り、家族と共に地球へ移り、グラドスの脅威を伝えようとするものの、ジュリアがゲイルの元へ駆け落ちしたために一家での移住をあきらめ、残ったエイジに地球行きを託すこととなる。 最強のSPTたるレイズナーを設計した他、AIレイ(フォロン)とV-MAX搭載も彼によるものである。当初は妻と共にエイジと再会する展開が予定されていたが、打ち切りによって第22話でのジュリアの回想シーンにのみ登場で終わる。 アルバトロ・ミル・アイラ・アスカ ケン・アスカの妻で、エイジとジュリアの母であるグラドス人女性。地球人であるケンと愛し合い、ジュリア、エイジの2人の姉弟を産む。グラドス地球侵攻を知った後、一家で地球移住を行うことには反対していなかったようだが、ジュリアの駆け落ちによって目論見は挫折し、エイジに後を託す。 息子が反逆者となったために、その後グラドス本星では夫と共に抑圧されていることが、ギウラの口からジュリアに伝えられる。夫と同じく第22話の回想シーン時のみ出演。 エジール・カルラ 声 - 佐々木るん グラドス軍少尉。宇宙用高速SPTディマージュの優秀なパイロット。ゲイルの部下で、彼に対して強い思いを寄せている。反逆者でありながらゲイルに情を向けられるエイジを元々快く思っておらず、ゲイルの死後は仇として付け狙うようになる。また、エイジの姉であるジュリアのことも一方的に恋敵として憎んでいる。思いこみが強すぎて独走してしまい、さらに詰めの甘さから失敗を繰り返し、結局エイジを倒すことは出来なかったばかりか、ゲイル機が撃墜された際にはビームの弾幕を張ってエイジを遮り、結果的にゲイルが助かる可能性を自ら潰してしまう形となった。ジュリアへの嫉妬のあまり、彼女の搭乗するグライムカイザルの同型機であるブラッディカイザルは自分にこそ相応しいと言い張っており、ジュリアに自分がゲイルと関係を持っているかのような嘘まで言っているが、逆にゲイルを信じ続けるジュリアによって自らの言葉が逆にゲイルへの侮辱であるとなじられる。地球制圧後は、クスコでの遺跡発掘の任務に当たっていたが、そこでエイジと再会し、エイジをアンナ諸共始末しようとするが失敗、逆に助けられる。ル・カインがグレスコを射殺する現場に居合わせてしまい、瀕死のグレスコによって機密保持のために射殺される。 ゴステロ 声 - 広瀬正志 グラドス軍大尉。性格は残忍極まりなく、己の目的のためなら味方や民間人であっても嬉々として手にかける上に、人殺しが大好きであると堂々と公言してはばからない危険人物。当初は部下として、ロベリアとガステン(声 - 笹岡繁蔵、広中雅志)の2人を連れていたが、共に反旗を翻された挙句に自ら手にかけた。その後、火星でのレイズナーとの交戦で死亡したと思われたが、兵士としての優秀さを惜しんだグレスコが彼を回収し、治療・改造を施す。地球制圧後にサイボーグとなって復活し、死鬼隊のメンバーとなり、専用MFダルジャンを与えられる。サイボーグとなって以降は、その異常性がよりエスカレートしていく。 ジュリアに横恋慕し、そのためゲイルを激しく敵視している。『マイアニメ』昭和61年7月号別冊付録の書き下ろし小説「死神にキスを」によると、ジュリアと知り合い会話する機会を得るが、敵を殺すことがいかに快感であるかなどの話題しかなかったために避けられ、のち強姦(未遂)におよぶもゲイルに金的蹴りを喰らい、悶絶する屈辱を受けたとのこと(アニメでは「反逆者の姉(ジュリア)に無礼を働いて私に殴り倒された」とゲイルが述べている)。さらにエイジ(正確にはフォロン)が原因でサイボーグにされたことや、クスコの聖女のジュリアをいたぶりながらも、そのジュリアから逆に助けられたことで屈辱を覚え、アスカ姉弟に対してと逆恨みの感情を抱くようになる。 その破綻した人格故に周りの死鬼隊メンバーからも軽んじられ、遂にはル・カインからも愛想を尽かされ、「グラドス人の面汚し」と罵倒されるまでに落ちぶれていく。そしてまたしても戦死したと思われたがしぶとく生き延び、第33話でレイズナーと死鬼隊との戦闘に生身で乱入。結果として死鬼隊を妨害してレイズナーを助ける形となり、自ら撃破したMFダンコフに押しつぶされてへしゃげた消し炭と化し、あっさりと死亡する(これは打ち切りによる処置であり、当初は「機械の一部が消し炭になっただけ」という理由で生き永らえて再登場する予定であった)。 放映当時、その主役陣を喰うほどのキャラクターの立ちぶりから、一部ファンから「ゴステロ様」と評されて妙な人気を得た。 死鬼隊 第2部から登場。ル・カインの親衛隊。全員が普段からホッケーマスクのような仮面を被っており、体格も筋肉質で身体能力も敏捷であり、兵士としての力は研ぎ澄まされているものの、メンバーはゴステロを筆頭に、破壊や殺戮を好む異常人格者ばかりである。敵をいたぶる時のみ多少の協調性を見せるが、それ以外では極めて仲が悪く、些細なトラブルで同士討ちも辞さなくなる。 マンジェロ 声 - 塩屋浩三 死鬼隊の一員で、MFガッシュランのパイロット。長髪の美形で、ナルシスト。ナイフや手斧を振るって相手を切り刻むが、顔に傷をつけられると激昂する。背があまり高くないことに極度のコンプレックスを持っており、それを指摘して3日と生きたものはいないと豪語している。ただし背が小さく小柄に見えるのは、極端な猫背であり、常に猿のようにしゃがんでいるか、もしくは中腰になって行動するところによるものが大きく、実際のところ彼を「チビ」呼ばわりしたゲティとの直立時の身長差は、設定資料上4cmしかない(ゲティもやや猫背気味)。 数字に強い頭脳派で、ゴステロの失脚後は打倒レイズナーのために限定空間での浮遊機雷使用によるV-MAX封じを考案するなど、死鬼隊のリーダー格としてレイズナーを苦しめた。最後はDr.ニゾンにより外装型V-MAXを搭載されたガッシュランを使い、レイズナーに挑む。しかし、V-MAX戦は初めてのマンジェロに勝算はなく、それを見越したニゾンが機体に細工したこともあり、敗北する。 ボーン 声 - 橋本晃一 死鬼隊の一員で、MFエルダールのパイロット。細身で背が高い。死鬼隊の中では比較的冷静で協調性があるものの、弱者をいたぶることが何よりの楽しみで、鎖で相手を締めあげる他、口を開けば嫌みか悪態が飛び出すなど、やはりお世辞にも好人物とは言い難い。第33話でV-MAXを発動したレイズナーによってガッシュランをエルダールにぶつけられて戦死する。 ゲティ 声 - 佐藤正治 死鬼隊の一員で、MFダンコフのパイロット。相手を怪力で絞め殺すのが趣味の筋骨隆々の大男で、やや猫背気味。マンジェロをチビと馬鹿にするが、その際に殺されかけて怯えるなど小心者な面がある。第33話で3人がかりでレイズナーに挑むが、ゴステロの横槍により撹乱されて戦闘を放棄、打倒レイズナー作戦の失敗の原因を作り、ダンコフをも失ってしまう。その責任を問われ、ル・カインの命によってマンジェロとボーンに処刑される。 ギウラ 声 - 三ツ矢雄二 グラドス軍大尉。地球侵攻時はSPTパイロット。ジュリアを部下として従えてエイジを迎え打ち、またジュリアをエイジ共々始末しようと目論むが、失敗する。 地球占領後はル・カインの下で文化矯正隊隊長として地球人の取り締まりに当たり、また薄化粧をするようになっている。クスコの聖女とも対峙するが、その相手がジュリアである事に気付く事は無かった。 基本的に冷酷かつ卑劣な人物ではあるが、直接的な暴力を好まなかったり、死鬼隊に嫌悪感を抱くなど、多少は真っ当な感性もある模様。 占領前は一重まぶたでそこそこ端整な顔立ちだったのに対し、占領後は二重まぶたで血色の悪い、いかにも悪人といった面構えになっている(髪の色もオレンジがかかった赤から、毒々しい紫色になっている)。エイジたちに連戦連敗の挙句、レジスタンス討伐の任務を死鬼隊に奪われる。以後の消息は不明。 ズール 声 - 青森伸 グレスコの副官で参謀。地球侵攻艦隊に参加していたが、グレスコがエイジとの会話の中でグラドス創世の秘密を口にしようとした際に盗み聞きを試みてしまい、それを看破したグレスコによって素手で絞殺される。 アッシュ 声 ‐ 幹本雄之 ゲイルの部下。階級は軍曹と思われる(ダル軍曹と対等な口調で会話しているため)。ディマージュに搭乗。12話でSPT部隊を率いてダニーの操縦する宇宙船を破壊する。ゲイル戦死後は登場しない。 ダル 声 - 伊井篤史 ゲイルの部下で、階級は軍曹。ドトールに搭乗。地球人をサル呼ばわりして徹底的に見下しており、上司のカルラに対しても無礼な態度を取る軽率な性格。ダニーのシャトルを独断で撃ち落とそうとするが、地球人を見くびりすぎたことやレイズナーの横槍が重なってロジャー大尉が放ったミサイルを避けきれず、直撃を受けて戦死する。 デルロ 声 - 橋本晃一 ゲイルの部下。 グレスコ秘書 声 - 不明 グレスコの傍らに控え、情報の整理を担当する女性。普段は能面のごとく無表情に任務をこなしているが、良識はあるようで、大量殺戮兵器が使用される際には憂い顔をグレスコに向けている。 Dr.ニゾン 声 - 徳丸完 グラドス星の科学者で、V-MAX研究・開発の権威。ガッシュランに外装型V-MAXを追加装備させ、ザカールのV-MAXの封印を解き、レッドパワー強化剤を導入する。ル・カインがガッシュランのV-MAX戦を急がせすぎたので、真っ向勝負ではレイズナーに勝てないと判断し共倒れするように仕掛けるなど、冷酷な面を持つ。 アッテラ 声 - 橋本晃一(29話)→幹本雄之 ル・カインの側近。ロアンやギウラの上官にあたり、グラドス軍の指揮官を務める。損な役割が多く、襲撃したレジスタンスのアジトが全て無人であった際はロアンを内通者と真っ先に疑うも(実際にその通りであったのだが)、有耶無耶にされた。その後も、作戦を妨害したゴステロを仕留め損ねて彼の妨害を許し、エイジとマンジェロの戦いにも同行するが、マンジェロが(ニゾンの策略で)戦死したため撤退を余儀なくされ、モニターでの連絡で画面越しにてエイジと対面して直後に彼にモニターを破壊されたりした。33話では同じ服装をした参謀も登場している。OVAではジュリアの脱走を伝えていたが、それ以後は登場しない。 ガジール 声 - 幹本雄之 グラドス軍中尉。ゲリラ排除の任務を担当。情報集めの為に身分を利用して潜入したシモーヌがダンスパーティー会場で接触、グレオン中尉に同行依頼をすると約束した。部下のグラドス兵が捕えたレジスタンスのジム(声 - 佐藤正治)を拷問し、シモーヌがグラドス軍の本部の設計図を横流ししていたことを吐かせた。 グレオン 声 - 塩屋浩三 グラドス軍中尉。(ロアンの手引きにより)アーサーは第一大陸へ出向する彼への随行のもとヨーロッパからアメリカ本部へ異動したが、同時にガジールを介したシモーヌの同行依頼も引き受けていたため、図らずともシモーヌとアーサーを再会させた。 グレスコ 声 - 渡部猛 グラドス軍地球侵攻艦隊司令で、階級は准将。地球占領後は最高責任者としてグラドス軍を統括しているが、地球の文化に感化された面が多々見られ、グラドス本星や息子であるル・カインからはしきりに「地球病」と揶揄されていたものの、一方でグラドス創世の秘密を知る数少ない人物の1人のため、それを知ろうとした、または知った者を容赦なく抹殺する冷酷さも見られ、「兵士として失うには惜しい」として人格破綻者のゴステロをサイボーグに改造して死鬼隊を結成させるなど、能力至上主義の一面も垣間見える。終盤にグラドス創世の真実をル・カインに伝えるも、自らの理念を受け入れられず、錯乱したル・カインによって射殺される。自分がル・カインに撃たれた事実を隠すため、打たれた直後に現場に同席していたカルラを最後の力を振り絞って射殺し、「秘密を守れ」と言い残すなど、最後までル・カインの身を案じていた。巨躯と強靭な肉体の持ち主でズールを殺害する際は片手で彼を持ち上げてそのまま絞殺に及んでいる。 ル・カイン 声 - 塩沢兼人 / 加瀬康之(Another Century's Episodeシリーズ) グレスコの息子。グラドス地球占領軍の司令官として地球に赴任した。グラドス至上主義者であり、地球の文化撲滅に力を注ぐ。天才的なパイロット技術も持ち合わせており、SPTザカールを駆って死鬼隊を従え、前線で指揮を執ることもある。 グレスコから帝王学を幼少時から叩き込まれており、自らを「最高のグラドス人」と称するほど。そのため性格は非常に高慢かつ尊大でプライドが高く自信家だが、反面精神的にやや幼い部分があり、そのプライドを傷つけられると激昂する。司令官でありながらエイジに対しては自身が見下す地球人との混血児であることから「血のけがれた者」と侮蔑しながらも、自ら前線で挑むといった行動を取り、その姉ジュリアに対しても屈折した愛情を抱く。さらにグラドスと戦った経験を持つ地球人でありながら、ロアンを重用する常識的では無いところがある。グレスコと支配方針が対立した際、地球人とグラドス人の因縁の真相を聞かされ、グラドス至上主義の根幹を揺らがされる事実を受け入れられず錯乱する。司令官解任を言い渡されたため、呆然のうちにグレスコを射殺してしまい、この巻き添えでカルラも命を落とす。 OVAでは、真相を知り根拠を失ってしまったグラドス至上主義から能力至上主義に転じ、ロアンを筆頭に自分が優秀と認めた地球人を抜擢する。しかし一連の行為がグラドスに対する離反と解釈され、グラドス本星より艦隊派遣を招き、司令官の解任を言い渡される事となった。精神的に追い込まれ、ジュリアの前で泣き崩れる一幕もあった。 最後はレジスタンスの攻撃と信頼しきっていたロアンが起こしたクーデターで支配体制が瓦解する中、対等と認めた相手であるエイジとの対決を求め、グラドスの刻印を守るレイズナーに襲いかかる。2機は刻印に取り込まれ戦闘を中止、刻印に残った彼はジュリアの元で安らぎを得る。 長髪はカツラである。そのことは地球側にも周知の事実であるようで、地球のレジスタンスがそれとは知らず影武者を襲撃して殺した際も、遺体からカツラをはぎ取ってル・カインを討ち取った証拠として掲げている。 小説『蒼き流星の行方』では、グラドスの地球侵攻の真相をエイジたちに告げたあと、レイズナーMk.IIとの一騎討ちを展開、終始圧倒するものの、自機のV-MAXのリミッターを切っていたため機体が限界を超え熱暴走して果てる。
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