妖怪・魔物・動物
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死霊 自分では形が無いため様々なものに次から次へと取り憑き、執拗に百鬼丸たちへ襲い掛かる。斬ったりバラバラにすると一旦は引っ込む。川に浮かぶゴミの塊に取り憑き人間を溶かす怪物になったが百鬼丸が木造の橋桁を斬って崩壊させ下敷きになる。猿の死骸にも取り憑くが百鬼丸に斬り捨てられた。原作では他にも草履、野犬、野原の草などにも取り憑いて襲い掛かり、アニメでは大量の猫や大量のカラスにも取り憑いて襲い掛かった。百鬼丸は原作では死に神、アニメでは魔物どもの手先という呼び方もしていた。 アニメではカラーパイロットフィルム版にも登場した。 死霊の女 女の姿をした死霊。患者を装い寿海の家を訪ねる。いずれ真実を知った百鬼丸が己らを滅ぼそうとする邪魔な恐ろしい敵になる前に、寿海もろとも殺そうとした。伸びる髪で寿海を絞め殺そうとしたが、幼い頃の百鬼丸に斧で切られ火を点けられて倒された。単行本では戸口から中を覗き込む大きな目が闇夜に浮かび上がる姿も見せたが、週刊少年サンデー連載当時は、寿海の家を見下ろす巨大な全身像も描かれた。 金小僧(かねこぞう) 村人が万代に奪われ、埋められ隠匿された金の精。手から下げた鈴の音を響かせながら、さまよう。早く地上に出るために、百鬼丸の枕元で「やろうかぁ」と告げ、万代に取られた村の金が埋められている自らの居場所を教えた。 万代(ばんだい) / 人面瘡 ある村で百鬼丸とどろろが出会った美しい女性。貧しい村人たちに金や物を恵んだり、村道を拓いたりと表向きは慈悲深い性格だが、実は村で密かに殺戮と強奪を働き村人を生かさず殺さずの状態で奴隷にしていた。 その正体は人面瘡で、人間の女の体に憑依して完全に吸収し、彼女の腰のあたりからサンショウウオに似た怪物の姿として生えている妖怪。緑色の血を流す。百鬼丸曰く「あんな醜い妖怪は見たことねえ」「ガマクジラ」、小説版ではどろろから「世界一美しい万代から世界一醜い魔物が生えている」「ガマナメクジ」などと言われていた。サンショウウオのような形態では、髪のような触手の吸盤で百鬼丸を捕まえ、念力で矢のように竹を降らせ、舌で舐めた人間を笑い死にさせることができる。人間の姿のときはサンショウウオのような妖怪になる醜い尾を隠すためいつも寝ており、邸内では村人たちが交替で住み込んだり通ったりして身の回りの世話や近侍をしたりしていたものの、誰一人として尾があることや、時おり村の襲撃のため不在にしていた事実には気づかなかったが、忍び込んだどろろに正体を見られる。どろろを人質に取りつつ『女夜叉(にょやしゃ)』という般若のような鬼女に変化して百鬼丸を始末するために戦いを挑み、振り回した髪で屋敷を崩すが、寺の大鐘楼に上ったところを鐘で突かれ倒され、焼水をかけられて人面瘡が死ぬと人間の顔に戻り、安らかな顔で天へと旅立っていった。 原作では、16番目の魔物。女夜叉の姿では、百鬼丸に落雷も落とした。女夜叉が「千歳のいにしえよりこの如月谷に年ふりたる」と口にしたため百鬼丸は、村ができるずっと前からこの谷に住みついていた妖怪が、どこかの女の体に取り憑いたと説明している。冒険王の連載では、サンショウウオのような形態は『ごろんぼう』と呼ばれていた。 アニメでは、この村の娘に妖怪が取り憑いたと百鬼丸が説明している。カラーパイロットフィルム版では、屋敷に踏み込んだどろろと百鬼丸に正体を見られて戦いに発展したが、女夜叉には変身せず、人面瘡も登場しなかった。 倒すと、原作とカラーパイロットフィルム版では百鬼丸に右手が、アニメ版では左脚が戻った。 ちなみに額に高眉を描き、御簾に囲まれている寝所の中で寝ているなど、上流公家の女性を装っているが、この時代には戦乱を逃れて都落ちした公家は少なくはない。 人面瘡 原作に登場。百鬼丸が以前出会った妖怪。万代の人面瘡とは別個体。ある娘の膝小僧にできた大きなできものが潰れて人の顔の顔のようになり喋ったり食ったりする。妖怪が取り憑いているため切っても切っても後から後から生えてくる。百鬼丸の焼水で殺された。後に出会った万代の人面瘡のことを百鬼丸は、この人面瘡と同じ仲間で、もっとあくどい奴なんだろうと予想した。 似蛭(にひる) 手にした人間の思考を乗っ取り殺人鬼に変える妖刀。主に田之介を操っていたが、一時はどろろを操り田之介の父親を斬りつけさせた。その際、一緒にいた妹のお須志も斬られる筈であったが、お須志が持っていた護符の効力により出来なかった。 田之介が死んだ後に百鬼丸に叩き折られ、ボロボロに風化して消滅した。 倒すと百鬼丸に左目が戻った。 九尾の狐 ばんもんに宿って狐火を操り、両国間の戦を人心を弄びながら長引かせようとしている妖怪。中盤までは、狐火の渦の中心に顔だけ浮かび上がらせた姿で2度に渡り百鬼丸に襲い掛かる。その正体は、体が狐火に包まれており九本の尾を持つ、野ギツネの悪霊の総大将。 不気味な幻術を使い百鬼丸たちを惑わせ、川の中から浮かび上がった無数の頭蓋骨が炎に包まれ飛び回る。醍醐景光が魔神に身体を売り渡した父親で戦っている多宝丸も弟だと、百鬼丸を苦しめるため真実を教える。この妖怪の死体の重量が最後の『ばんもん』を崩壊させる原因となった。 原作では、激昂した百鬼丸に爆薬『雷玉』が仕込まれた鼻を口の中に投げ込まれ爆死して、その死体は戦場の境界線『ばんもん』に晒された。 アニメでは、百鬼丸の刀で首を斬り落とされ体も斬られて苦しみもだえ『ばんもん』にしがみつき絶命した。 原作では、倒すと百鬼丸に鼻が戻った。野ギツネ 朝倉領と冨樫領の境界付近に生息していた妖狐の悪霊達。死んだ兵隊の肉を喰らい急に増えた。 人間の思考を弱らせて好きなように操る妖術を持ち、戦が終わりそうになると町の人々にかけ、食料の死体を大量生産させるためにわざと戦争を長引かせていた。夜に群れで行動し、妖術を使う。体は狐火に包まれていることが多く兵隊の骨(死体)を餌としているため、口から燐が燃えている。水中でも追いかけてくる。夜が明けると消え去るが、大量に斬ったにも関わらず百鬼丸がゾーッとするほど1匹も死骸が残らなかった。 白面不動(はくめんふどう) 行者が水ごりを行う『みしらずの滝』の正面に鎮座している不動明王像の妖怪。己の顔を持たないため、滝ごりをする人間の顔を奪い己の顔としていた。すぐに次々と新しい顔を欲しがり、顔が手に入らないと酷く狂いだす。顔を取られてのっぺらぼうになった死骸は、谷底にあるほら穴の中に氷漬けにして並べている。手下の女を使ってどろろの顔を手に入れようと目論んだが、親子の情が移った彼女がどろろと逃げたため激昂。滝の水を操ることで、頭上から激しく水を降り注ぎ、鉄砂の混じった目つぶしの水を浴びせかける。崩れた顔で、手にした剣を振り下ろして襲い掛かった。百鬼丸により首を刎ね飛ばされて絶命。その正体は、精気が潜り込んだカビが岩にびっしり貼り付き不動明王の形を成していた妖怪だった。 原作では、19番目の魔物。水ごりをする人間は滝に打たれているうち気を失い、その人間の顔が不動に移ってしまう。どろろを逃がした手下の女を元の死霊に戻した。谷に大水を起こして、どろろの行く手を阻み、手に持った紐をマムシの群に変え襲わせたが、マムシの群は百鬼丸に斬り殺された。 アニメでは、「顔がほしい、顔がほしい」とひたすら繰り返す。落雷で行者たちの水ごりの館を壊し、山犬の魔物の群れを操って手下の女を始末させたが、山犬の悪霊たちはどろろに噛み付く寸前に百鬼丸と琵琶法師に斬り倒された。 原作では、倒すと百鬼丸に右耳が戻った。 白面不動の手下 白面不動によってかりそめの命を与えられた女の死人。代償として、白面不動の言いつけで人間を谷に連れてきて滝ごりをさせていた。相手が心に思い描いている人間の顔に成りすます力を持つ。 百鬼丸に一方的に別れを告げられ泣いてたどろろの前に彼の母親の顔を装って近づき、滝のそばにある行者たちの水ごりの館にどろろを誘い出す。嫌がるどろろを水ごりさせて白面不動の生贄に捧げようとするが、自分を「おっかちゃん」と呼んで彼女を母と慕うどろろとの触れあいを通じてどろろに情を抱き、命令に背いて共に逃げ出す。 原作では、白面不動のために、のっぺらぼうと化した行者の死体を滝壺に落とす。命令に背いたことを怒る白面不動から滝の水を浴びせかけられ、命を奪われ元の顔に戻り崩れ去った。 アニメでは、白面不動に仕える巫女の死人。ノタには早々に正体を嗅ぎつけられる。山犬の魔物の群れをけしかけて生きている行者を滝壺へ落とし、ノタに助けられた行者も始末させ、ほら穴の中にある凍った死骸を褒美として山犬の魔物たちに与える。どろろを見逃してほしいと白面不動に懇願するが断られ、自らの正体をどろろに明かし逃がしたことで白面不動に追われ、どろろとほら穴に逃げ込んだところを山犬の魔物たちに追われ川に突き落とされ死亡。 ミドロ号 原作では木曽路、アニメでは景行が飼っていた、幾多の戦乱をくぐり抜けてきた牝の名馬。主人から大切な子馬を引き離され脱走。瀕死になったミドロ号は妖馬の精神体に、憎い人間に復讐するための力を貸すと怨みの心を付け入られて憑依され、燃え盛る炎のような毛並みを持った妖怪の馬になった。妖怪になっても母親としての愛情が残っている模様で、自分の子馬を見るやいなや動転して逃げ出したりもしている。 原作では、小間使いの陰口を聞き逆上した木曽路から酷い扱いを受け子馬とも引き離され、戦場で木曽路を踏み殺す。矢傷を受け死にかけていたところに妖馬の憑依を受け入れて妖怪になる。賽の目の三郎太を妖気で操り蹄鉄を作らせ、恨みのままに人々を踏み殺して暴れていたが、百鬼丸により全ての脚を切断され、焼水をかけられて本来のミドロ号諸共消滅した。百鬼丸は48体の魔物の1匹だろうと踏んでいた。 アニメでは、戦で死んだ馬たちの呪いを晴らすことを目的にしている妖馬の精神体が宿る空飛ぶ4つの蹄鉄が、新助を殺害してミドロ号に憑依。踏み殺す、刃物で斬り殺す、松明をくわえ火を点け街を焼くなどして人々を無差別に殺害。ミドロ号を討とうとした景行を噛み殺し返り討ちにした。百鬼丸が両腕の刀で胸を刺し、飛び出た妖馬は首を刺し焼水を浴びせ消滅させたが、ミドロ号の死体はその場に残った。 PS2版では、元は景光の愛馬という設定。 ミドロ号の子馬 性別は不明だが親離れはしていない。母親に再会した際は喜んで近寄るが、既に妖怪と化したミドロ号からは拒絶されてしまう。 原作では、木曽路から「(子馬が)目障りだからどこか百姓家へ払い下げろ」と命じられた2人の家来を騙して、どろろが奪い取る。 アニメでは、ミドロ号の子馬を新助に無理矢理売りつけられた庄屋・作左衛門から百鬼丸が買い取り、どろろがチビと名付ける。百鬼丸は己が殺した母馬の死体に寄り添う子馬の姿を見て初めて涙を流し、子馬を置いていかざるを得ない状況を悲しんだ。 マイマイオンバ 蛾の妖怪で、産卵のため鯖目の妻となって人間の姿で暮らしていた。普段は人間の女性を装っており、マイマイオンバの一族と一緒になった男は徐々に命を吸い取られ、だんだん魂は死んでいき鯖目のように死んだ魚のような目になる。蛾の妖怪になると、毒の鱗粉をまき散らしながら飛ぶ。最後は歌舞伎の鬼の演者の様な出で立ちの姿となって復活し百鬼丸に挑むも、闇の中では火に集まるという蛾の特性を突かれ絶命。 原作では、赤ん坊の連れ子があり、その子もネバ糸を出す芋虫の妖怪で、屋敷内で百鬼丸を襲わせたが百鬼丸から返り討ちにされそうになりマイマイオンバが助け出した。屋敷にいる召し使いの女性たちもマイマイオンバの一族で蛾の妖怪。目的は村の若い男と夫婦になり、もっともっと一族を増やすこと。マイマイオンバ自ら「遠い世界からやってきた」と語っており、後に裏山で見つかったUFOのような巣の形状から、宇宙から来た可能性を匂わせている。子供が何度も脱皮する秘密を付近の寺に住む慈照尼(じしょうに)が知った為に口封じのため寺に油を撒き火を点けて養われていた孤児ごと皆殺しにする。土蔵に忍び込み我が子の抜け殻の山を見つけたどろろを召し使いの女たちと共に殺そうとするも抵抗され、逆にどろろから土蔵に置いてあった油壷に火を点けられ、焼き殺されかける。その後、鯖目に毒薬を渡して百鬼丸を毒殺するよう仕向け、自らは一族と共に尼僧に扮してどろろを再度殺そうと目論むも、その際に居合わせた寺の孤児の霊達に阻まれた上、逆に村人達の攻撃にも逢って村の近くの底無し沼に追い詰められ、一族揃って沼の中に沈む。我が子も殺され、裏山にあった卵も百鬼丸に見つかり処分された。火に集まる特性でおびきだされ歌舞伎の鬼の演者の様な姿となって現れ百鬼丸に挑むも、どろろがかざした松明の灯りに引き付けられた所を斬り刻まれた上に松明で焼き払われて絶命。週刊少年サンデー連載当時は自らを「昔、伊吹山中に千年の齢を重ねたる毒虫の精にして世の人に仇なす者」と説明しており、マイマイオンバの子供も脱皮するごとに姿が変わる能力を持ち、それを使ってどろろに化け百鬼丸を襲うが返り討ちにあい、毛むくじゃらの芋虫のごとき本来の姿となった死体を鯖目に晒す羽目になった。 アニメでは、道端で見かけた百鬼丸を危険と感じ、殺せと鯖目を焚きつけ、鯖目が失敗すると屋敷の中で蛾の妖怪になり襲い掛かる。どろろから屋敷の蔵の地下にあった大量の繭に火を点けられ沼の中に逃げ、歌舞伎の鬼の演者の様な姿になり百鬼丸に挑むが、松明に引き寄せられ、どろろから投げつけられた松明で体に火を点けられて百鬼丸から斬られ絶命した。 倒すと百鬼丸に右脚が戻った。 小僧妖怪 原作に登場。「子供はいらぬか。子供を買うてくだされ」と口にする頭を丸めた姿をした尼・慈照尼の幽霊に連れられた図体の大きな子供の妖怪。胎児にも似た姿をしており赤ん坊のように甘えてくる。突如消えた慈照尼の幽霊から、百鬼丸が押し付けられた。その正体はマイマイオンバに焼き殺された寺の孤児たちの霊の集合体で、優しくしてくれたどろろをピンチから救い、マイマイオンバにしがみついて動きを封じた。 二郎丸(じろうまる) 原作に登場。普段は海の底に魚の姿になって隠れているが人間が海に出ると襲って喰ってしまう物の怪が昔から取り憑いていると言われている『白骨岬』で、しらぬいが飼っている人喰い鮫の妖怪。体の中に魔物が巣くい妖怪特有の三白眼を持っている。 まだ小さな鮫だった頃から三郎丸共々、しらぬいに幼い頃から飼われている。小さい頃は小鳥を与えられていたが、大きくなるにつれ肉をもっと喰いたがり、殺した犬や、こっそり殺した隣の家の馬では追いつかなくなり、ある日しらぬいの家の前で死んだ落ち武者を裸にしたものを与えられたことをきっかけに人間の味を覚え、次々に人間を喰っていた。 三郎丸と一緒にイタチの部下たちを喰い殺す。三郎丸の死に激怒したしらぬいと共に、敵を討つためにどろろ達を襲うも、百鬼丸に腹ビレと右目を潰されて逃走する。その後、宝の島に向かった野盗達を襲い殺するが、目に刺さった刀を引き抜こうと奮闘するどろろに陸上へ引きずり上げられてしまう。陸上へ上がっても、食べたものを腹の中で発酵させて出す妖気を含んだ強いアルコールガスを吹き付け百鬼丸を泥酔状態にして苦しめるが、どろろのアドバイスにより弱点を突かれ、横倒しにされて腹を切り裂かれ絶命。 倒すと百鬼丸に声帯が戻った。三郎丸(さぶろうまる) 原作に登場。しらぬいが二郎丸と一緒に飼っていた人喰い鮫。二郎丸と一緒にイタチの部下たちが乗った船を転覆させて喰い殺す。姿形は二郎丸にそっくりで、性格も獰猛。囮になったどろろを追い掛け水上に出た隙を突かれ、イタチ一派によってありったけの刀を腹に突き刺されて絶命。妖怪なのか普通の生物なのかはっきりとするシーンは最後まで無いが、誰かから妖怪だと指摘されるような場面は無く、三郎丸の死亡直後に百鬼丸の身体が戻ったような様子も描かれていない。 どんぶりばら アニメではこの名前。原作での正式名称は不明。その本体は、象ほどの巨体で牙が生えた妖怪ガメで沼の底に潜んでおり、別名・『どんぶりがめ』という。 沼のものを腹いっぱい食べて動けないほど体が大きくなりすぎたがために、奇妙な姿をした僧侶のような形の精気を外に泳がせて村のどんぶり長者の臍から体内に侵入し、養分を吸収していた。精気は長者に無理やり飯を食わすことができる鐘を鳴らす。 精気は実体でないため刀も焼水も効かない。飛び去る精気を追って本体にたどり着いた百鬼丸を始末するために、甲羅から剛毛を生やし百鬼丸を絞め沈もうとするも、どろろと村人達により沼から引きずり出される。その後、百鬼丸により体内に焼水を流し込まれ、内臓を焼き尽くされて絶命した。 アニメでは、28番目の魔物。アニメのオープニングにも登場する。アニメでは、精気は焼水を浴びせられたとき叫びながら飛び去っており、本体の大亀は引きずり出されたとき腹が大きくあまり動けないため妖力で雷雨を発生させて勝負してきた。 倒すと百鬼丸に右目が戻った。 四化入道(しけにゅうどう) 十年ほど前は村人だけでなく鼠からイタチにまで慕われる慈悲深い人格者として知られた山寺の住職だったが、寺を壊して三方が見渡せるこの場所に砦を造ろうとする景光の計画に『三か村』が戦場になることを危惧して反対し、生き埋めにされて死亡。しかしそれでも山を守らんと、地下でモグラと蛙とカワウソと野鼠の精気と交じり合い妖怪となって蘇り、心まで妖怪に成り果ててしまった。 モグラ、蛙、カワウソ、野鼠の大群を手足のように操り、寺を壊そうとする侍たちに飛び掛からせたり、どろろを連れ去ったりした。妖怪になっても、空き寺となり荒れ果てた元の寺に棲み付いていた。生臭い息を吐き怯んだところを狙ったり、モグラのように土中を進んで襲い掛かったが、最期は住処の穴の中に煙を送り込まれ、いぶり出されて地上に出てきたところを百鬼丸から眉間に刀を突き立てられて絶命。死後は4種類の動物の骨になった。 アニメでは、原作よりも人間らしい姿で現れ、正体を見破られて原作と同じ姿に姿を変えた。妖怪を封じ込める力がある独鈷型という形の木で動きを封じれて絶命。 外見は鉄鼠に似ており、泳いだり地に潜ったりと4種類の動物の特徴を備えている。手塚の長男である手塚眞によると、この妖怪は自作の妖怪図鑑『ババー百鬼』に出てくる、モグラをモチーフに眞が6歳の頃に考えた『死毛』という一匹を、鳥山石燕の画図百鬼夜行に描かれている鉄鼠のイメージも参考にしつつ手塚治虫がアレンジして作ったものだという。 漫画版ではあくまで人間が後天的に妖怪化した存在であり魔神ではないとも受け取れるが、アニメでは明確に魔神の一体であり、倒すと百鬼丸に神経が戻った。 鵺 胴体は虎、頭部が猿、尻尾は頭のある蛇の巨大な妖怪。口から火を吹き、尻尾の大蛇が絡みつき襲い掛かる。 原作では、最終話に登場。最終話では百鬼丸が母にあと30匹分取られた部分が足りないと語っていて、倒されていないそれらの妖怪が束になりくっついた集合体の妖怪。屋敷の影から百鬼丸たちの様子を窺っていたが百鬼丸から額に刀を投げつけられ現れ、腕の刀で斬られ焼水をかけられ倒された。倒されたときに何体もの妖怪が分離して飛んで行ったが、百鬼丸は集まった中の少なくとも5、6匹は倒したと言っている。 アニメでは、26話『最後の妖怪』に登場する47番目の魔物。アニメのオープニングにも登場する。上記の特徴のほか、たてがみがライオンのように生えた頭部、人間の筋肉質で割れた腹筋に似た腹部、前足は鳥類のような4本指という特徴を持つ。どろろと別れて単独で旅をする百鬼丸と戦う。百鬼丸の刀で腹を縦に裂かれて絶命。 アニメでは、倒すと百鬼丸に右手が戻った。 三河島婆(みかわしまばばあ) / 大川村婆(おおかわむらばばあ) 背中に車輪を背負い杖を突いている老婆の亡霊。 原作では最終話で、強制労働から集団脱走を図った村人たちへの報復として、景光に焼き払われた大川村で、病の床に伏せていたため逃げることもできずに亡くなった老婆の亡霊。 霊となったことで景光の素性がわかるようになったのか、景光が四十八の魔物に取りつかれた呪われた定めの人間である旨を恨み言として百鬼丸に語り、そのままいずこへと去って行った。 アニメでは最後の妖怪を探す百鬼丸の前に現れ、景光が48匹目の妖怪だと告げて消える。 手塚治虫マンガ大全や手塚治虫トレジャーボックスにも掲載されている週刊少年サンデー1968年2・3号のイラスト『特別大画報どろろ百鬼』にも描かれている。
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