四十八の魔物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 04:02 UTC 版)
ヤシガニ蜘蛛 ある日、異国の衣を纏い現れた、見た目も歌声も美しい女と人気を博し酒場の踊り子として雇われていた、奇妙な面を被り衣の裾から白い脚を覗かせた歌姫。仮面の下は長髪を生やしミイラのごとく奇怪に老いた爺の顔。正体は爺の頭にヤシガニのハサミ、蜘蛛の下半身を持つ魔物。百鬼丸から右脚を奪った。 マイマイオンバ 人に化け、鯖目の奥方として暮していた、顔は人で羽に無数の目がある蛾の魔物。オカッパ頭で同じ顔をした7つ子の幼い娘たちがいるが、娘たちの正体も背中には無数の目がある幼虫の魔物で、屋敷にある蔵の下に寺への抜け道をつくり、そこへ山のように卵を産み、寺へ捨てられた子を引きずり込んで我が子の餌としていた。寺の尼僧にも化けて村の捨て子を預かっていたが、年月が経っても寺から声が聞こえないため、子供を喰らう魔物ではないかと村人たちも噂していったが、自分たちに都合の悪い事に蓋をして真実を知ろうとはしなかった。寺が落雷で焼けたために、鯖目が娘たちの餌にしようと招いた百鬼丸や、食い殺した子供の死霊たちから返り討ちにあう。百鬼丸から肝臓を奪った。 ノベライズ版では、尼僧を殺して入れ替わり寺の子供を鞭打って寺の裏から屋敷の蔵に繋がる径を掘らせ、夜は逃げ出さぬよう縛り上げていたが、自力で縄を解いた子らが脱走しようとしたのを機に全ての子を穴の中に引きずり込み喰らい、探し回られ余計な詮索が入ると面倒なので鯖目に命じて寺を焼き払わせた。また、ノベライズ版では鯖目の背中に目立つ瘤があり、7つ子の中で背中に瘤のある半人半魔の仔『桔梗(ききょう)』だけが生き延びて他の魔物と組んでどろろたちを襲うが、後に改心して鯖目と暮らす運命を歩む。 桜魔人 桜のろくろ首の妖怪。桜の木から能面の顔で赤い髪が無数に伸びる。百鬼丸から左耳を奪った。 ノベライズ版では姥桜の魔物で、百鬼丸から右耳を奪った。 オオサンショウウオ 二足歩行する巨大な山椒魚の魔物。強固な皮膚を持ち、刀を撥ね返すほど硬い。巨木をもなぎ倒す強靭な尻尾を武器とし、大口から伸びる長大な舌で獲物を丸呑みにする。巨体が災いして俊敏性は弱いが驚異的な跳躍力を誇り、劇中ではヒップ・ドロップを披露している。また、雨を降らせない力がある。伸びる舌をどろろに短刀で串刺しにされ体内から斬られた。百鬼丸から声帯がある喉を奪った。 カラス天狗 定かではないが、鳥葬で人の肉の味を覚え、やがて生身の人の肉を食らいたいと思うようになったカラスが、いつしか山で修行する修験者たちを襲い、喰らううちにカラス天狗になったと言われている。背中から生えた巨大な翼で大空を自在に飛びまわる。上空から二本の剣を高速で振るい、百鬼丸とほぼ互角の戦いを繰り広げた。百鬼丸との激闘の末敗れ、その際に「恨むなら貴様の父を恨め」と父の存在を仄めかす言葉を遺す。百鬼丸から右腕を奪った。 ノベライズ版では修羅鴉(しゅらがらす)という名で、十にも二十にも分裂する幻を見せる。 赤野獣・青野獣 山犬のような姿をした、赤と青一対の獣。定かではないが、かつては多くの信仰を集めた大神宮の狛犬だったと言われている。川や滝、湖といった水に関わる場所に好んで姿を現し、夜中に百鬼丸へ襲い掛かる。その最大の武器は驚くほど鋭い直感と話術であり、相手の心を見抜いては言葉巧みに攻め込み、いたぶり、絶望させ、自殺へと追い込む。百鬼丸を散々言葉でいたぶり飛び掛かったところを斬り殺された。それぞれ百鬼丸から目を奪った。 ノベライズ版では、狐のごとき姿をした飛び交う青い狐火を引き連れているが、狐火は触れたものを凍らせしまい、中心に位置する芯となっている人の骨を割ると増殖する。 四化入道(しけにゅうどう) 24体目の魔物。定かではないが原作同様、かつて山寺を取り壊し山城を造ろうとした武将の命に逆らい生き埋めにされた和尚だったが、その怨念が地中に生きる野ネズミやカワウソ、モグラの精気と交わり、魔物となったといわれている。部下と百鬼丸を襲い百鬼丸の折れた刀が喉へ刺さり死亡した多宝丸に取り憑き、景光に「息子を蘇らせる代わりに景光の体を寄こせ。わしが天下を取ればいずれお前の息子に継がせよう」と迫り、応じた景光に取り憑いた。百鬼丸から心臓を奪った。 ノベライズ版では、禿鷹と狒々を捏ね合わせたような魔物で、様々な死骸を寄せ集めた奇妙な魔物も操る。四化景光(しけかげみつ) 醍醐景光と一体化した四化入道。景光が角が生え魔物の顔になった姿をしている。自我が残っていた景光が自分で腹を刺し、俺もろとも斬れと促した百鬼丸に斬られ砕け散った。 赤錆山の魔物 劇団ひとり演じるチンピラの台詞にのみ登場。赤錆山(あかさびやま)という鉱山に住み着き、そこを訪れる人間を喰らっていた。百鬼丸によって退治された模様。 名称不明 ノベライズ版に登場。全身が鱗に覆われたトカゲの如き修験者姿の魔物。百鬼丸から胆嚢を奪った。 八百蜈蚣(やおむかで) ノベライズ版に登場。八百八十八の牙と牡牛のような2本の角がある、テラテラと艶を放つ虫の殻のようなものに覆われた一間半はある巨大な鬼の顔が、大木のように太い巨大な蜈蚣の体に付いている魔物。金山の残党をそそのかし、けしかける。地中を進み百鬼丸に襲い掛かった。百鬼丸から左耳を奪った。 ぱっくりモチ爺い ノベライズ版に登場。どろろが命名。魔物間での呼称は不明。5体目の魔物。木通(あけび)型の魔物。全身から伸ばした蔓から見る見る木通の実を生らし中からトリモチ状のものを出して動きを封じる。百鬼丸から睾丸を奪った。 三猿 ノベライズ版に登場。目の無い『見ざる』、口の無い『言わざる』、耳の無い『聞かざる』の、異様に手足が長く奇怪な3匹の猿の魔物。百鬼丸から舌を奪った。
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