主要人物の家族・縁者
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「銀河英雄伝説の登場人物・自由惑星同盟」の記事における「主要人物の家族・縁者」の解説
オルタンス・キャゼルヌ 声 - 松尾佳子(旧) アレックス・キャゼルヌの妻。旧姓はミルベール。歳は31歳頃。 茶色の髪と目に、血色の良い健康美人という表現がよく似あう女性。専業主婦として家事全般に秀でているが、特に料理を得意とし、作中では良き妻、良き母として描写される。見識が深く毒舌家の夫にもまったくひるまず、むしろ言い負かすこともあるなど芯の強さを見せる。作中ではヤンやユリアンがキャゼルヌ家に招かれ、夫人の料理を堪能したり、夫の意見や愚痴に対して反論したり別の見解を呈するというシーンが多いが、ヤンとフレデリカの結婚後は、新妻となった彼女に先達者として助言などを行うシーンもある。また、ヤンが暗殺された時には、フレデリカにそれを伝える役目を依頼される。 作中ではもっぱら「キャゼルヌ夫人」と呼称され、オルタンスという名前は10巻で判明する。これについてファンから名前はなんというのかという質問が多く寄せられたために、後からオルタンスと命名されたという。 銀河英雄伝説列伝のエピソード『士官学校生の恋』で、元上官で軍を退役し在郷軍人会の事務をしていた彼女の父ミルベール元少佐からチャリティーイベントの手伝いを頼まれたアレックスが、タンク・ベットを納入している民間企業に働くオルタンスに出会ったことがきっかけで恋愛関係に発展した。 ヤンから又聞きしていた、士官学生クラインシュタイガーとガールフレンドのロイポルツの恋のやりとりの噂話をアレックスがしていた所、ロイポルツの言動に違和感を感じたオルタンスが「クラインシュタイガーさんはもう彼女には会えないと思う」と発言、ロイポルツの素性を推察し、アレックスを感嘆させる。 シャルロット・フィリス・キャゼルヌ 声 - 天野由梨(旧) キャゼルヌ夫妻の長女。登場時8歳。 年相応の可愛らしい少女。ヤンのことを「ヤンおじちゃま」と呼ぶ。基本はキャゼルヌの娘あるいは無邪気な少女として登場するのみだが、バーラトの和約体制下で、ヤン家が監視状態にあった際には、ヤン家にラズベリーのパイを届け、そのパイの中に連絡用のメモが隠されていた。キャゼルヌ家との家族ぐるみの付き合いによって、ユリアンからは半ば妹のような存在と見られているが、ヤンやキャゼルヌからは半ば冗談で、ユリアンの将来の嫁候補として扱われることが多々ある。 パトリック・アッテンボロー 声 - 井上和彦(螺) ダスティ・アッテンボローの父。ジャーナリスト。外伝4巻9章の登場人物。 反骨精神の強い有能なジャーナリスト。取材能力と問題意識に優れるが、上役との衝突によって何度も職場を変えたという来歴の人物(逆にすぐに仕事を見つけられることも有能な証と説明される)。軍隊にも批判的であったが、青年時代に熱烈な恋愛をした相手が保守的な軍人の家の娘であり、義父と100回以上の口論と3回の殴りあいの末に男子が生まれたら軍人にするという約束で結婚が認められる。しかし、男子に恵まれず、義父も退役間近に戦死したところを、第4子で初めて男子が生まれ、これに義父の名でもあったダスティと名付けた。この取り決めがあったことを息子に伝えた際には、彼から自分の幸福のために生まれてくる子供を犠牲にしたのかと反抗される。さらには息子を軍人とするために、彼が志望大学を不合格となるように祈っていたこともばれ、息子からは顔も見たくないと険悪な関係となる。しかし、そもそもダスティがジャーナリスト志望だったのは明らかに父の影響からであり、ヤンからはその親子関係を羨ましいと思われている。 少なくともヤンやアッテンボローの士官学校時代は存命しているが、本編中では言及がなく、現在時間軸での来歴は不明。 シェーンコップの祖父 声 - 中博史(D) フルネームは不明。ワルター・フォン・シェーンコップの祖父。帝国貴族。同盟への亡命者。故人。 男爵家分家の下級貴族。軍務省の経理局次長にまで出世し、退職まであと数年というところで連帯保証人になっていた知人の負債を抱え込んでしまい財産と屋敷を失う。それでも完済はできず投獄されそうになったが、男爵家の家名が傷つくことを恐れた親族によってフェザーン経由の旅費だけ与えられ、当時6歳だったワルター少年を連れて追放同然の形で同盟に亡命したという。 ノイエ版の第7話にシェーンコップの回想という形で登場している。門閥貴族の狡猾な手段によって全財産を奪われた上に、皇帝に対する叛意の濡れ衣を着せられ、亡命を決意したという設定に変更されている。シェーンコップは祖父の形見として帝国の国章が入った万年筆を肌身離さず携えており、これが第7次イゼルローン攻防戦のキーアイテムになる。 ユリアンの父 フルネームは不明。宇宙艦隊所属の大尉。故人。 ユリアン・ミンツの亡父であり、本編開始の6年前(ユリアンが8歳の時)に帝国軍との戦闘で戦死した軍人。外伝2巻『ユリアンのイゼルローン日記』で明かされたところによれば、ミンツ家は国父ハイネセンの「長征一万光年」にも参加していた自由惑星同盟の名家であり、そのプライドが強かった母(ユリアンの祖母)の反対を押し切って帝国平民出身の亡命者の子孫の女性と結婚し、息子ユリアンを授かったという。人物描写はほぼないが、ユリアンが紅茶を入れるのが上手いのはヤン以上に茶道楽であった父が伝授したからだという。生前はキャゼルヌとも面識があり、後にトラバース法に基づき、ユリアンがヤンの養子になったきっかけでもある。 外伝4巻には生前の彼らしき登場人物がいる(詳細は#螺旋迷宮を参照)。
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主要人物の家族・縁者
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エヴァンゼリン・ミッターマイヤー (Ewanselin Mittermeyer) 声 - 山本百合子(旧)/潘めぐみ(D) ミッターマイヤーの妻。愛称「エヴァ」。 クリーム色の髪とすみれ色の瞳とバラ色の頬をした明るく献身的な女性。ミッターマイヤーの母の遠縁にあたり、12歳の時に彼女の父の戦死によってミッターマイヤー家に引き取られた。当時、士官学校2年生(16歳)であったミッターマイヤーが実家に帰省した歳に出会い、互いに惹かれ合ってその7年後にミッターマイヤーからのプロポーズでようやく結婚に至る(本編開始の6年前にあたる)。仲睦まじい夫婦だが、子供には恵まれなかった。 ロイエンタールの叛乱後、ロイエンタールとエルフリーデとの間に生まれた子供を引き取りたいという夫の提案を快く賛同し、「幸福」を意味するフェリックスと名付けて養育する。同時にロイエンタールの元従卒ハインリッヒ・ランベルツ(直前に両親を亡くしていた)の保護者にもなる。また、ラインハルト・ヒルダ夫妻からも婚姻生活の先達者として信頼を受けており、彼らの話し相手となる。 フェリックス・ミッターマイヤー (Felix Mittermeyer) 声 - 半場友恵(旧) ロイエンタールとエルフリーデの息子で、後にミッターマイヤー夫婦の養子。新帝国暦2年5月2日生まれ。 ロイエンタールと、家に居着いたエルフリーデとの間にできた息子。瞳の色は両方とも青。第7巻9章においてラングがロイエンタールに仕掛けた策謀で登場したエルフリーデが身籠った子であり、その後にラインハルトの計らいで無事に出産されていた。後述の経緯から後にミッターマイヤー家の養子となり、エヴァンゼリンによってフェリックス(古い言葉で「幸福」を意味している)と名づけられる。姓はミッターマイヤーだが、ミッターマイヤーは実父・ロイエンタールが素晴らしい男であったことをいずれ教え、彼が成人して自らの考えと価値観を持った時、実父の姓を名乗らせてもいいと考えている。 出産後間もなくエルフリーデが子供を連れて姿を消したために行方不明となる(その間は母子共にルビンスキーの隠れ家に匿われていた)。第2次ランテマリオ会戦後、敗北し致命傷を負って死につつあるロイエンタールの前に、母エルフリーデに連れられて現れる。初めて会った息子の瞳が「金銀妖瞳」でないことをロイエンタールに安心させ、その上で親友ミッターマイヤーの養子とすることが決められる。亡きロイエンタールの希望通りにミッターマイヤー夫妻に引き取られると、上記の通りフェリックスと名付けられる。本編最終盤、死の床にあるラインハルトの元にも彼の希望で連れてこられ、そこで生後間もない彼の息子アレクの友人になって欲しいと願われる。そこで互いに小さな手を合わせて2人の将来を暗示させ、ラインハルトを満足させる。ラインハルト崩御後、ミッターマイヤー夫妻に抱きかかえられて庭に出た際に、上空の星を取ろうとして手を伸ばし、その姿を見たミッターマイヤーがフェリックスの行く末を想うシーンで物語は終わる。 ハインリッヒ・フォン・キュンメル (Heinrich von Künmel) 声 - 三ツ矢雄二(旧)/逢坂良太(D) 男爵家当主。ヒルダの従姉弟(マリーンドルフ伯の甥)。18歳。キュンメル事件の実行犯。 先天性代謝異常という難病によって幼少よりベッドで人生の大半を過ごしてきた病弱な青年貴族。一方で知的能力は問題なく、学問全般に造詣が深く、自身と相反する存在を切望するために英雄崇拝の傾向がある。特にレオナルド・ダ・ヴィンチや魏の曹操といった複数の分野で業績を残した人物を好み、当代ではメックリンガーを尊敬している。幼少時に両親の死により家督を継ぐが、上記の問題があるため伯父のマリーンドルフ伯が後見人となっており、ヒルダとも昔から実の姉弟のように接していた。 初登場はリップシュタット戦後の第3巻4章でヒルダとメックリンガーの見舞いを受けたシーンから。病床の身ゆえにリップシュタット盟約には加わらず、家を残せたとある。18歳まではなんとか生きながらえたが、もはやこれ以上は無理だろうという死の恐怖と共に、何も残していない自分は死後に忘れ去られてしまうだろうという恐怖に襲われる。それを地球教に利用され、ラインハルト暗殺犯として歴史に名を残すために皇帝暗殺未遂事件、通称「キュンメル事件」を企てる。マリーンドルフ伯を通して自邸に皇帝即位間もないラインハルトの行幸を行わせることに成功し、ゼッフル粒子を使った自爆計画で暗殺成功寸前にまで及んだが、ラインハルトを殺すことよりも彼の命を握っているという優越感を得ることを優先したために、屈服しなかった彼に腹を立て、結果的に暗殺は失敗する。キスリングに身柄を拘束されるも、既に生命力を使い果たしており、最後に心中を独白して息絶える。後にヒルダはキュンメルは実際にラインハルトを殺すつもりはなく、人生の最後のあの数分間を得るために刺客という不名誉な役を表面上引き受けたのではないかと推測している。なお、皇帝弑逆未遂という大罪であったものの、ラインハルトの意向により、真犯人は地球教であってキュンメルはその道具に過ぎないとして、その個人の罪を問わず、これによって親族であるマリーンドルフ伯とヒルダも不問に付された(ただし、2人は自主的に謹慎している)。 マリーカ・フォン・フォイエルバッハ (Marika von Feuerbach) 声 - 久川綾(旧) 皇妃となったヒルダの侍女。物語後にケスラーの夫人。第10巻6章「柊館(シュテッヒパルム・シュロス)炎上」の登場人物。 17歳ぐらいの黒っぽい髪と瞳をした、繊細な顔だちの少女。地球教徒による柊館襲撃時にチョコレートアイスを買いに行っていたため被害を免れる。年相応に世情に疎く、素樸なところがあり、現場にいたケスラーを大佐と誤解し(さらに本当は中佐だと思っていた)、事件は自分がアイスを買いに行っていたせいと言うなど、ケスラーをやや面食らわせる。しかし、建物の間取りを覚えていたことで、事件解決に貢献する。その後、病院でケスラーと共にヒルダの出産にも立ち会い、そこで互いの名を知り、ようやく相手が憲兵総監だったと知る。出産の報を聞くと共に喜びを分かち合い、この2年後に20歳以上の歳の差ながらマリーカがケスラー夫人になったとある(自分から積極的にケスラーにアプローチしたことが示唆されている)。 祖父に教わった幸運のおまじないとして「ホクスポクス・フィジブス、ホクスポクス・フィジブス!(「凶事よ消えうせろ」の意)」という呪文を唱える(この呪文は、他の田中芳樹作品中でも見られる)。 キルヒアイスの両親 声 - 父:屋良有作、母:沢田敏子(旧) / 不明(黄) 父は司法省の下級官吏で、日夜、上司と仕事に追われ、趣味は食後の黒ビールとバルドル星系産の蘭の一種を育てることという平凡で善良な男。隣に引っ越してきたミューゼル家に対する特段の描写はないが、アンネローゼが宮廷に召された後、ラインハルトが息子キルヒアイスを帝国軍幼年学校に誘った際には反対なくこれを認める。作中特に登場することもなく、外伝では息子と月に一度は手紙(ビデオメール)を交換する程度で、直接会うことは年に1度もないという。息子の死後についても不明。 ミッターマイヤーの両親 声 - 父:松岡文雄、母:花形恵子(旧) / 不明(黄) / 父:小谷津央典、母:喜代原まり(D) 父は造園技師という一家。平民だが貴族や富裕な平民を相手に堅実な商売をしており、社会的地位や生活水準はまずまずという生活を送る。階級社会において平民は手に職をつけることが大事だと、息子にも職人の道を歩んで欲しかったらしいが、結果としては軍人として名を残すことになる。引き取った遠縁の少女エヴァンゼリン(エヴァ)と息子が両想いであることに気づいてはいたが、奥手の息子が中々告白しないことを歯がゆく感じていた。 息子とエヴァの結婚式では、父がエヴァがロイエンタールに惚れてしまうのではないかと恐れたが、母は息子も良い男だと一笑に付したという。 ロイエンタールの父 声 - 筈見純(旧) 下級貴族。元財務官僚。故人。 勤勉・実直な人物で、貴族とは名ばかりの家の出身ながら大学卒業後に財務官僚となる。しかし、そうそうに見切りをつけて職を辞し、鉱山投資で富を築く。40まで独身を貫いた後に、困窮していたマールバッハ伯爵家の三女レオノラとの縁談が持ち込まれ、その容姿に一目惚れして結婚に至る。しかし、20という歳の差や元の身分の違いによるコンプレックスから結婚生活は早々に破綻する。しかし、それでも妻レオノラを愛し、ロイエンタール誕生に伴う彼女の自殺の原因を息子に求めて逆恨みし、半ば廃人と化して酒に溺れる毎日を過ごす。物心ついたロイエンタールに「お前など生まれてこなければよかった」と罵倒し続け、彼の人格形成に大きな影響を与えた。その後、死亡し、莫大な財産を残す。 レオノラ・フォン・ロイエンタール (Leonora von Reuenthal) 声 - 元吉有希子(D) ロイエンタールの母。マールバッハ伯爵家三女。故人。 類いまれな美貌を持つ伯爵令嬢。困窮していた上流貴族であるマールバッハ家の出身で、同家の借金を肩代わりする形でロイエンタール家に嫁ぐ。閉鎖社会の上流貴族出身らしい性格をしており、身分差や年齢差ですぐに夫との結婚生活は破綻する。夫の財力をあてにした放蕩生活と共に、とある黒い目の青年の愛人を密かに囲っていたが、やがて誕生した息子が、青い目と黒い目の「金銀妖瞳」であり、それゆえに愛人との子と短慮してその黒い瞳をナイフで抉ろうとしたが、露見して失敗し、絶望のままに自殺する。これら逸話は成長したロイエンタールに伝えられ、「女という生物は男を裏切る」という彼の女性不信や、金銀妖瞳へのコンプレックスにつながる。 クララ (Klara) 声 - 池本小百合(旧:第77話) フェザーンでの爆弾テロで負傷したルッツを担当した看護婦。ただし原作にはルッツの婚約者の名は記されず、クララという名はOVA版のみに登場する。後にルッツと婚約したが、ルッツがウルヴァシーで死亡したため婚前未亡人となる。ラインハルトは年間10万帝国マルクの年金を下賜しようとしたが、自立能力があることを理由に固辞している。この年金はヒルダの発案によって従軍看護婦育成費と功労金の基金に充てられることになり、クララが運営委員の1人に就任した。 ラーベナルト (Rabenardt) 声 - 野本礼三(旧) オーベルシュタイン家の執事。 夫婦でオーベルシュタインに仕える初老の執事。オーベルシュタインは家族を持たず、その私邸にはこの執事夫婦とダルマチアン種の老犬がいるのみとされる。猜疑心が強いオーベルシュタインにあって自分に忠実だと信頼されていた。その存在は第3巻2章で言及が有り、第4巻2章にもわずかに登場しているが名前がわかるのは、オーベルシュタインが死の間際に遺言を託すシーンである。遺言状の執行と、老い先短い老犬を好きなようさせるよう託される。 ハンス 声 - 堀之紀(旧) / 荻野晴朗(D) マリーンドルフ伯爵家の家令。 妻と共にマリーンドルフ父娘に仕える初老の家令。
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