味噌 味噌の種類

味噌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 04:08 UTC 版)

味噌の種類

味噌はJASでは「みそ」と表記され、主材料によって次のように分類される。

  • みそ
    • 米みそ - 大豆と米を発酵・熟成させたもの。
    • 麦みそ - 大豆と大麦又ははだか麦を発酵・熟成させたもの。
    • 豆みそ - 大豆を発酵・熟成させたもの。
    • 調合みそ - 上記の各みそを混合したもの。または、その他のみそ。

また、その製造法に起因する色の違いによって、赤味噌・白味噌・淡色味噌のようにも分類される。

赤味噌の一つ・江戸甘味噌(左)と淡色系の信州味噌(右)

赤味噌と白味噌

大豆や麹のたんぱく質と糖分によるメイラード反応により味噌は着色する。強く蒸した大豆を多く使い、長期間、高温で熟成させると色が濃くなり赤味噌になる。一方、茹でて糖分やタンパク質を流し出した大豆を、精白した米や着色の進まない系統の麹を多くあわせ、短期間熟成させると白味噌になる。白味噌は熟成期間が短いので色が白く材料の麦などの粒子が残るものもある。熟成期間の長い赤味噌は保存のために塩分濃度が高い傾向にあるが、高温で超短期間に熟成を終える赤味噌である江戸甘味噌は塩分濃度が低く甘い[23]。この中間として信州味噌を代表とする淡色味噌があり、全国的に普及している。

一般に赤味噌は塩分濃度が高く塩辛く、熟成期間が長いのでコクがある。白味噌は塩分濃度が低く麹の糖分により甘い。赤味噌は、東北地域(米と豆)・中京地域(豆)を中心に作られている。豆は糖分が少なくアミノ酸の材料である蛋白質が多く含まれているので、豆からは主に赤味噌が造られている。中京地域の一部では、黒い八丁味噌も含め赤味噌と呼び、その味噌汁を赤だしとよぶ。

米味噌・豆味噌・麦味噌の特徴と地域

味噌の種類の一つ・八丁味噌

全国的に見て、一般的な味噌は米味噌であり、豆味噌(赤)は、中京地域のみで造られている。米味噌の色は、黄色や黄色を帯びた白色、赤色など多様。米味噌は淡色の場合、一般に煮大豆を用いるが、赤みのかなり濃い米味噌は蒸し大豆を用いる。また、米麹が多く使用される味噌ほど熟成期間が短く済む傾向もある。米の白味噌では信州味噌西京味噌が代表的で、米の赤味噌では津軽味噌仙台味噌などが代表的である。西京味噌は甘みが強く、仙台味噌は辛みが強い。津軽味噌は独特のうま味があり、信州味噌はあっさりとした口当たりを特徴とするなど様々な特徴がある。米味噌の多く消費される地域は、関東甲信越東北地方と北海道(東日本全域)、北陸地方近畿地方である。なお、日本の都道府県の中で1世帯あたり味噌消費量の第1位は長野県であり、またその生産量においても長野県が群を抜いており、おやきなど地域での名産品もある。

麦味噌は生産量の11%ほどを占め、九州中国地方西部、四国西部では主に麦の白味噌が造られている。北関東では、大麦を使った赤味噌も造られている[24]

豆の赤味噌は蒸し大豆(或は煮大豆)と豆麹を用い、米の赤味噌よりも熟成期間が長いので、その色は米の赤味噌よりもさらに赤みが強く黒味を帯びた濃い赤茶色である。米味噌や麦味噌に比べて甘味が少なく、渋味がありうまみが強いのが、大きな特徴である。豆味噌を主として消費するのは中京圏の愛知県全域、岐阜県美濃地方の中南部・西部、三重県北勢・中勢・南勢と静岡県西部に限られる。豆味噌では、八丁味噌が代表的である。


注釈

  1. ^ 「玉味噌ト云フ者有リ煮豆半熟ニシテ庖丁ヲ以テ打砕キ麁細ニシテ之ヲ合サシメ麹少ク塩多ク揉合セテ丸ト為シ打鞠ノ大サナラシム之ヲ裹ムニ稲草ヲ以テシ縄ヲ用ヒテ縛ヒ定メ之ヲ簷間ニ繋ケ年ヲ経テ之ヲ用ユ此亦タ下品ナリ或ハ大豆煮熟スヲ用ヒテ麹塩ヲ交ヘ米糠ヲ合シテ造成ス此レ最モ下品ナリ其ノ下品ナル者経年能ク保ツテ敗セザルヲ以テ好ト為ス也」

出典

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  4. ^ 文部科学省日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  5. ^ 厚生労働省日本人の食事摂取基準(2015年版)
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  7. ^ a b c お味噌の由来は2つの説がある マルカワみそ
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  10. ^ 藤原宮 奈良文化財研究所 飛鳥資料館倶楽部
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  13. ^ 最新醤油味噌醸造法 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1020909
  14. ^ 六大府県で味噌、醤油の割当配当(昭和17年1月8日 朝日新聞(夕刊))『昭和ニュース辞典第8巻 昭和17年/昭和20年』p124 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
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  21. ^ みそソムリエ認定協会
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  46. ^ MISO σ みそソムリエ通信 2012年1月下旬号
  47. ^ 八丁味噌本社事務所・蔵(史料館) 文化財ナビ愛知






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