ガス・タービンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 工業 > 装置 > タービン > ガス・タービンの意味・解説 

ガス‐タービン【gas turbine】

読み方:がすたーびん

圧縮機圧縮した空気燃料混合させて燃焼し発生した高温高圧ガスタービン翼回転させて動力を得る熱機関航空機発電などに使用

ガス‐タービンの画像

【ガスタービン】(がすたーびん)

Gasturbine
タービンエンジン同一仕組みだが、航空機以外用いエンジンをこう呼ぶ。
蒸気駆動する蒸気タービン対し排気ガスによって駆動するため、この名前で呼ばれる
タービントルク取り出し車両または艦船動力源や、発電などに用いる。

レシプロエンジンなどに比べて動作原理が単純で、小型軽量高出力であるが、燃料を常に大量噴射するため燃費が悪い。
航空機比較して速度性能向上しづらくエンジン自体軽さが省燃費にあまり貢献しないため、燃費の悪さ顕著になる
特に低出力での燃費悪く回転数調節が困難であるため、車両では通常発電電力によって電動機回転させるハイブリッド方式用いるのが一般的考えられる
ただし車両での実用例現在のところ少なく、また少数例であるStrv.103、M1、T-80などといった戦車ではトルクコンバーターによる駆動をおこなっている。
また排気温度が非常に高いので、一般道走行するには火事火傷などの事故を防ぐため、排気外気混合して温度下げるなどの工夫が必要となる。
加えて排気タービン高温曝されるため、レシプロエンジン比べて平均故障間隔短く運用コストも高い。
日本公道では、ハイブリッド式バスごく一部運行されているにとどまる。

艦船場合は、固定式減速機と、プロペラピッチ調節できるスクリュー組み合わせて用い場合が多い。
さらに加速用の高出力エンジンとは別に巡航用の低出力エンジン用意することも多い。
従来蒸気タービン比べて燃費が劣るものの、始動素早く保守も容易であることから、近年では戦闘艦エンジン主流となっている。
また一部高速艇ではウォータージェット動力源として用いられる

RR・スペイや、GELM2500など、もともとターボファンであったが、艦船用ガスタービンに改造転用されたものが多い。

いっぽう飛行前提としていないため、熱量の高い灯油限らず用途によっては軽油A重油天然ガスLPGなど、さまざまな種類燃料使用できるメリットがあり、安価な燃料選択することによって燃費の悪さカバーできることもある。

火力発電所では、ガスタービンの排気余熱ボイラー沸騰させ、さらに蒸気タービン駆動させることでエネルギー効率高めたコンバインドサイクル」が一般的である。


ガスタービンエンジン

(ガス・タービン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/26 22:12 UTC 版)

ガスタービンエンジン(ガスターバインとも)は、原動機の一種であり、燃料の燃焼等で生成された高温のガスでタービンを回して回転運動エネルギーを得る内燃機関である。[1]


注釈

  1. ^ ボーイング777#事故・インシデントを参照のこと。
  2. ^ ターボ・エレクトリック方式では省略・小規模化が可能。
  3. ^ いずれも経済性等の理由により運行されていない。

出典

  1. ^ A Dictionary of Aviation, David W. Wragg. ISBN 0850451639 / ISBN 9780850451634, 1st Edition Published by Osprey, 1973 / Published by Frederick Fell, Inc., NY, 1974 (1st American Edition.), Page 141.
  2. ^ Hassan, Ahmad Y. “Taqi al-Din and the First Steam Turbine”. History of Science and Technology in Islam. 2008年3月29日閲覧。
  3. ^ a b 池田吉穂著 「図解雑学 船のしくみ」 ナツメ社 2006年5月10日初版発行 ISBN 4-8163-4090-4
  4. ^ a b c 佐藤幸徳著 『マイクロガスタービンの本』 日刊工業新聞社 2003年12月28日初版1刷発行 ISBN 4526052132
  5. ^ https://xtech.nikkei.com/dm/article/HONSHI/20060301/113800/
  6. ^ 「幻に終わった4次防のガスタービンDDK」『世界の艦船』第479号、海人社、1994年4月、102-108頁。 
  7. ^ メーカー・製品の例(新トモエ電機工業「ターボロコ」
  8. ^ トヨタGTV
  9. ^ AutoWorld EV1 Electric: Series Hybrid”. 2011年7月25日閲覧。
  10. ^ CAR GRAPHIC '76-1 P28
  11. ^ ガスタービンエンジン搭載のPHEV! 三菱『MI-TECHコンセプト』…東京モーターショー2019 レスポンス 2019年10月25日
  12. ^ Marine Turbine Technology Motorcycle
  13. ^ ガスタービン発電,電気事業連合会
  14. ^ 供給力確保に向けた緊急設置電源の新設について”. 東北電力. 2011年5月26日閲覧。
  15. ^ 供給力確保に向けた緊急設置電源の新設について〜茨城県の当社常陸那珂火力発電所敷地内に新設〜”. 東京電力. 2011年5月26日閲覧。


「ガスタービンエンジン」の続きの解説一覧

ガスタービン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:20 UTC 版)

火力発電」の記事における「ガスタービン」の解説

「ガスタービン」も参照 原動機一種であり、燃料燃焼等で生成され高温ガスタービン回して回転運動エネルギーを得る内燃機関である。 ガスタービン発電方式や、コンバインドサイクル発電方式発電所設置されている。燃料は主に天然ガスLNG)であるが、小型のものは重油軽油使用される蒸気タービン比べて起動時間が短いため、ピーク時内燃力発電として1950年代から用いられていた。また、ディーゼルエンジン比較して小型軽量冷却水不要なため、非常用発電機用いられる。 ガスタービンは高温動作するため、その排気もまた十分に高温であり、排熱回収ボイラー蒸気タービン組み合わせた高効率コンバインドサイクル発電方式普及進んでいる。また、電気および蒸気付近工場などに供給する熱電併給システムコジェネレーション)を導入している発電所もある。 コンバインドサイクル発電使用されるガスタービンは、導入当初1,100であったが、熱効率上のため高温化が進み改良型では1,300級が採用され近年では1,500級、1,600級が採用されてきている。熱効率低位発熱量基準)は、ガスタービン発電では38%前後汽力発電蒸気タービン)では44%前後限度であったが、1,600級ガスタービンと蒸気タービン組み合わせでは60%以上が可能となった

※この「ガスタービン」の解説は、「火力発電」の解説の一部です。
「ガスタービン」を含む「火力発電」の記事については、「火力発電」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ガス・タービン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「ガスタービン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



ガス・タービンと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ガス・タービン」の関連用語

ガス・タービンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ガス・タービンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
環境省環境省
Copyright © 2024 Kankyosho All rights reserved.
航空軍事用語辞典++航空軍事用語辞典++
この記事はMASDF 航空軍事用語辞典++の記事を転載しております。
MASDFでは航空及び軍事についての様々なコンテンツをご覧頂けます。
三栄書房三栄書房
Copyright c San-eishobo Publishing Co.,Ltd.All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのガスタービンエンジン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの火力発電 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS