テスラタービンとは? わかりやすく解説

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テスラタービン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/26 05:09 UTC 版)

ニコラ・テスラ博物館のテスラタービン
テスラタービン
テスラタービンの"ブレードレス"設計
テスラタービンシステム

テスラタービン英語:Tesla turbine)は、ニコラ・テスラが発明したタービンである。

1913年にニコラ・テスラが特許を取得した。テスラタービンには通常のタービンに見られる螺旋状の羽根が無く、何枚かの円盤を層状に組み合わせた構造を有し、境界層効果を利用する構造となっている。別名を境界層タービンcohesion-型タービンプラントル層タービン (ルートヴィヒ・プラントルに由来する) 、羽根がないことを強調する意味で、ブレードレスタービンと呼ばれることもある。

タービンが羽根形状を有していないことから、耐久性に優れ、メンテナンスが容易である特徴を持つ。しかし、効率は通常のタービンより劣り、実用化される例は希有である。テスラが構想したこのタービンの応用の一つが地熱発電で、著書Our Future Motive Powerでそれについて言及している。[1]

タービンとは逆にポンプの分野では、テスラタービンの構造に似た境界層効果を利用する複数の円盤を並べた遠心ポンプとしてブレードレスポンプが開発され、実用化されている。[2][3]

詳細

テスラタービンは平滑な円盤、円盤の淵に作動気体を供給するノズルによって構成される。円盤表面での気体の粘性吸着が抵抗となる。気体は遅くなり、らせん状に移動しながら円盤にエネルギーを加え続け、最後に中央から排気される。

テスラは "このタービンは蒸気や混合流体によって自律起動する高効率の変更を伴わずに製造の容易な便利な動力に成り得る"と記した[4]

このタービンは同様に高真空を伴う凝縮機にもうまく適用され得る。そのような事例において大きな膨張比を得るために、排気は比較的低温で凝縮機への給気に適している。よりよい燃料が使用されなくてはならず、専用のポンプ装置が必要だが、経済性が大幅に高まる。

関連項目

文献

特許

テスラ

その他

写真

境界層

出典

  1. ^ Nikola Tesla, "Our Future Motive Power".
  2. ^ Miller, G. E.; Sidhu, A; Fink, R.; Etter, B. D. (1993). “July). Evaluation of a multiple disk centrifugal pump as an artificial ventricle”. Artificial Organs 17 (7): 590–592. doi:10.1111/j.1525-1594.1993.tb00599.x. PMID 8338431. 
  3. ^ Miller, G. E.; Fink, R. (1999). “June). Analysis of optimal design configurations for a multiple disk centrifugal blood pump”. Artificial Organs 23 (6): 559–565. doi:10.1046/j.1525-1594.1999.06403.x. PMID 10392285. 
  4. ^ Nicola Tesla in British Patent 179,043 on RexResearch - a website dedicated to old inventions and inventors.

外部リンク

キット

動画

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