きゅう‐ちゃく〔キフ‐〕【吸着】
吸着
ほかの分子を一時的に貯蔵する現象。例えば、燃料タンクから発生した蒸気を活性炭に一時吸着させて外部への放出を抑え、加速時などに、活性炭に新しい空気を導いて、吸着された燃料蒸気をパージし、シリンダー内で燃焼させる。自動車の排気対策システムに使用されるチャコールキャニスターはこの原理を用いている。
吸着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/30 01:07 UTC 版)

吸着(きゅうちゃく、adsorption)とは、物体の界面において、濃度が周囲よりも増加する現象のこと[1]。気相/液相、液相/液相、気相/固相、液相/固相の各界面で生じうる。
反対に、吸着していた物質が界面から離れることを脱着または脱離(desorption)と呼ぶ[2]。
概要
界面の原子は、物質内部の原子のように周囲と結合していないため、自由エネルギーが大きくなる(界面自由エネルギー)。このため、界面原子は近接した分子やイオンなどの化学種を結合し、自由エネルギーを小さくしようとする。この現象を吸着という。
吸着現象には、ファンデルワールス力による物理吸着と、共有結合による化学吸着がある。物理吸着は比較的弱く、温度や圧力の制御で可逆的に吸脱着できる。化学吸着は強固で、吸着質の電子状態が変化するため、触媒反応などを進行させることもある。
吸着される物質を吸着剤(adsorbent)、吸着する物質を吸着質(adsorbate)と呼ぶ。吸着質の量は、モノレイヤ又はラングミュア等の単位を用いるか、表面への吸着が無視できる高温低圧状態での吸着剤質量を基準とした質量比(wt%)で表される。
吸着する表面が平らな場合にも吸着現象は起こるが、工業的には小さな孔(細孔)をたくさん持つ素材、すなわち多孔体が用いられることが多い。
理論

熱力学的には、吸着反応では吸着質が界面に束縛され自由度が低下するため、一般にエントロピーは低下する。
「吸着」の例文・使い方・用例・文例
- 製品の吸着力が弱い。
- 吸着ヘッド改良
- 表面に蓄積する能力、傾向、吸着、あるいは原因を有するさま
- 物理的な力とは対照的に、化学物質によって吸着する能力があるさま
- 吸着するか、表面に蓄積させる能力が欠如しているさま
- 固体の表面で吸着されるか、蓄えられる
- 吸着するさま
- より吸着性にする
- それが吸着される表面から、取り除く
- (物質が)吸着した表面から消えうせる
- 吸着している油の固まり
- 吸着または吸収で液体または気体を取り込む
- 混合物の成分がクロマトグラフィーに吸着されることによる記録方法(分離管または紙片)
- 原子か分子をイオン化し、金属面でそれらを吸着することによってガスを取り除く真空ポンプ
- 吸着性として陶土を使用する固定した結合止痢薬のための商号と皮膚軟化剤としてのペクチン
- 物理的力の代わりの化学による吸着(特に元に戻らないとき)
- 粉末剤を筒に入れ、選択吸着をする化合物の精製法
- 表面上での吸着状態から気体もしくは液体の状態へ変化すること
- 吸収した物質を吸着対から取り除くために溶剤で洗浄することにより1つの物質を別のものから抽出するプロセス(捕獲されたイオンを除去するために充填したイオン交換樹脂を洗浄する場合のように)
- 紙の一片の上で選択吸着を使用するクロマトグラフィ
吸着と同じ種類の言葉
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