オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 武器・装備 > 兵器 > アメリカ合衆国のフリゲート > オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートの意味・解説 

オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/06 07:38 UTC 版)

オリバー・ハザード・ペリー級
ミサイルフリゲート
基本情報
艦種 ミサイルフリゲート(FFG)
命名基準 海軍功労者。
1番艦の名はマシュー・ペリー提督の兄オリバー・ハザード・ペリー代将に因む。
建造所 バス鉄工所
トッド造船所
運用者  アメリカ海軍
#退役艦を購入して運用
建造期間 1975年 - 1989年
就役期間 1977年 - 2015年
建造数 51隻
2隻[注 1]
6隻[注 1]
8隻[注 1]
前級 タコマ級 (PF)
ノックス級 (DE→FF)
ブルック級 (DEG→FFG)
準同型艦 アデレード級[注 1]
サンタ・マリア級[注 1]
成功級[注 1]
G級
次級 沿海域戦闘艦 (LCS)
コンステレーション級 (FFG)
要目
基準排水量 3,159 t(短船体型)
3,225 t(長船体型)
満載排水量 4,057 t(短船体型)
4,100 t(長船体型)
全長 135.6 m(短船体型)
138.1 m(長船体型)
最大幅 14.4 m
吃水 4.4 m
機関方式 COGAG方式
主機 LM2500-30ガスタービンエンジン×2基
推進器
出力 41,000馬力 (31 MW)
速力
航続距離 4,200海里 (20ノット巡航時)
乗員 215名(士官17名)
兵装
搭載機
  • (短船体型)SH-2F LAMPSヘリコプター×1機
    ※さらに1機収容可能
  • (長船体型)SH-60B LAMPSヘリコプター×2機
  • レーダー
  • AN/SPS-49 対空捜索用×1基
  • AN/SPS-55 対水上用×1基
  • ソナー
  • AN/SQS-56 船底装備式×1基
  • AN/SQR-18/19 曳航式×1基
  • 電子戦
    対抗手段
  • AN/SLQ-32(V)2電波探知装置→ AN/SLQ-32(V)5電波探知妨害装置
  • Mk.137 6連装デコイ発射機×2基
  • AN/SLQ-25 対魚雷デコイ装置
  • テンプレートを表示

    オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート英語: Oliver Hazard Perry-class missile frigate) は、アメリカ海軍ミサイルフリゲートの艦級。対潜戦とともに防空も重視した新しいフリゲートとして、1973年度から1984年度にかけて51隻が建造された。基本計画番号はSCN-207/2081[2]

    2006年の「サンプソン」(アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦52番艦)の進水まで、第二次世界大戦後のアメリカ海軍の水上戦闘艦としては最多の建造数を誇っていた。

    概要

    本級は、アメリカ海軍が船団護衛や低脅威海域の哨戒を主任務として、SCB261計画により、1970年代から1980年代にかけて開発・建造したフリゲートである。

    低コストを目標としながらも、多用途ヘリコプター2機と戦術曳航ソナーを搭載し、また長射程のスタンダード艦隊防空ミサイルを装備するなど、決して「安物」ではない戦闘能力を備えている。さらには、スターク被弾事件においては2発のエグゾセ対艦ミサイルを被弾しながらも、応急修理ののち自力でのアメリカ本土帰還に成功するなど、抗堪性も優れている。このため、オーストラリア海軍スペイン海軍台湾海軍などは自国でライセンス建造を行い、さらにはアメリカ海軍の退役艦を購入する国も後を絶たない。

    イージス艦全盛のアメリカ海軍水上戦闘艦勢力のなかにあって、ペリー級の戦闘能力は取るに足らないものではあったが、運用コストが安い上に小回りが効き、ヘリコプターも搭載していることから、海上治安活動などの戦争以外の軍事作戦(MOOTW)に多く充当されて活躍した。このために、当初予想されたよりも退役のペースは落ちたものの、2015年までにアメリカ海軍の所属艦はすべて退役し、運用を終了した[3]

    来歴

    アメリカ海軍では、戦後第二世代の航洋護衛艦(DE)の嚆矢として、1960年度でブロンシュタイン級(SCB-199)が建造され、1961年度よりガーシア級(SCB-199A)と、順次に拡大強化が図られていき、1964年度から建造されたノックス級(SCB-199C)において一応の完成を見た[4]。特にノックス級は1967年度までに46隻が建造され、対潜掃討群や護衛艦部隊の中核戦力として活躍した[5]

    一方、これらの動きと並行して、1962年より新型対潜駆逐艦としてのシーホーク計画艦(SCB-239)の検討が着手されており、1966年からはDX/DXG計画艦として仕切り直されていた。これはアレン・M・サムナー級ギアリング級など、艦隊再建近代化計画(FRAM)改修を受けた大戦型駆逐艦の更新用として見込まれており、最終的にスプルーアンス級として結実することになる。しかし1970年に海軍作戦部長に就任したズムウォルト大将は、DX計画艦でFRAM艦全てを更新することは困難として、「コスト重視の設計」を掲げて、より安価なパトロール・フリゲート(PF)によって補完するハイ・ロー・ミックス (High Low Mix) コンセプトの導入を模索しはじめた[6]

    当初は対潜特化のASW型と、最低限の対潜戦能力とともに艦隊防空能力も備えたAAW型の組み合わせが検討されていたが、検討の過程で、AAW型の対潜戦能力を強化するかたちで一本化された[6]。DX/DXG計画は国防長官府 (OSD) 主導で進められていたのに対して、この新PFでは海軍が主導権を取り戻し、ズムウォルト海軍作戦部長の腹心の部下であるプライス中将の指導下で、海軍艦船技術センター(NAVSEC; NAVSEAの前身組織)がフィジビリティスタディを進めた。中将の名前から、設計は"Design-to-Price"とあだ名された。その後、造船所の支援を受けて、NAVSECにおいて艦船システム設計(SSD)が進められた。これは従来の契約設計に代わる包括的な設計であった[7]

    1971年12月、各造船所に対して技術提案要請(RFP)が出され、1972年12月にはバス造船所がSSD支援契約を獲得し、続いて1973年7月には詳細設計・建造の契約を獲得した。なお本級では、1番艦2番艦の建造間隔を2年開け、2番艦以降は1番艦の建造で得たノウハウをもとに、様々な問題点や改善点を把握した上で建造が行えるように計画された。また各造船所における能力の違いを考慮し、基本的な設計は指定するも、ある程度自由な設計も行えるよう配慮された[7]

    なお、上記の通り、当初は従来の航洋護衛艦(DE)とは区別して、タコマ級以来途絶えていたパトロール・フリゲート(PF)と類別される予定であったが、1975年の艦種再編に伴って、ミサイルフリゲート(FFG)に変更された[6]

    設計

    船体

    ロドニー・M・デイヴィス」の青図

    当初、ノックス級やハミルトン級カッターの船体設計を流用することも検討されたものの、結局、遮浪甲板型の船体が新規に設計された[6]。上部構造物は、従来までのアメリカ海軍艦船のように艦橋や煙突などがそれぞれ独立しておらず、艦橋から煙突、後部に備えたヘリコプター格納庫まで艦の前後にわたってほぼ一体化され、実に艦の全長の50%を占めている。これは空母戦闘群(現 空母打撃群)に随伴して長期間の航海を行うために居住性を向上させたためと各種物品倉庫を大型化したためで、これまでの平甲板型の小型の駆逐艦やフリゲートで問題とされていた点を考慮したものである。なお戦闘指揮所(CIC)も、02甲板に位置する艦橋との往来を重視して、その斜め後方、上部構造物内の01甲板レベルに配置されている[8]

    排水量低減のため、上部構造物を中心にアルミニウム合金が多用されており、これが抗堪性において欠点になっているとの指摘もある。また排水量低減を重視するあまり、アルミ合金や高張力鋼(HY80)など高価な素材を多用したために、逆に船価の上昇に繋がっている面もあった[8]。ただしバイタルパートにはある程度の装甲措置が導入されており、弾庫区画には19mmのアルミニウム合金装甲、主機関管制室上には16mm鋼板装甲、主要な電子・指揮区画には19mmのケブラー・プラスチック装甲が施されている[9]

    前任のノックス級が凌波性に問題を抱えていた反省から、艦橋前面の上甲板にミサイル発射機を装備した関係もあって、艦首は甲板が波をかぶらないよう長く前に伸び、さらに波除けに大きなブルワーク(甲板外側防壁、艦首の1段上がっている部分)が装備されている。このため、艦首部分はソナーを艦首装備とした艦のように鋭く尖っており、乗員からは、マグロ漁船からの連想で“tuna bow”と称されている。またSH-60ヘリコプターの搭載に伴い、航空運用能力向上のため、FY79以降の計画で建造された艦には2.36メートル長のフィンスタビライザーが装備されており[8]、それ以前の建造艦にも1982年よりバックフィットされた[2]

    なお、#艦載機運用能力強化のため、「ブーン」は艦尾側船体を8フィート (2.4 m)延長するよう設計変更して建造された。この改修は、トランサムを45度まで後傾させることで行われており、排水量も増加しているが、水線長は変更されていない。「アンダーウッド」以降の全艦がこの仕様で建造されており、また既に建造・就役していた艦の一部もこの仕様に準じて改修されている(#同型艦参照)[8]

    FFG-9 ワズワース 原型のRAST非装備型
    FFG-60 ロドニー・M・ディヴィス RASTを装備したLAMPS III対応型

    機関

    LM2500ガスタービンエンジン

    主機関としては、スプルーアンス級と同じLM2500ガスタービンエンジンによるCOGAG構成を採用しており、2基のLM2500からの出力をSSSクラッチ付の歯車式減速機を介して1軸にまとめて、推進器を駆動する。推進器としては、直径5.03メートル、5翅の可変ピッチ・プロペラ(CPP)が用いられる[8]。スプルーアンス級では、計4基のLM2500を両舷の2軸に2基ずつ配して駆動していたことから、本級ではその1軸分を搭載している形になっており、機械室も1室構成とされている。なお本級の計画速力は最大28.5ノットであるが、LM2500×1基でも最大25ノットの速力発揮が可能とされている[10]。また何隻かの艦は、海上公試で36ノットに達する最大速力を記録している[11]

    また抗堪性を持たせるため補助推進装置として艦橋下付近に引き込み式のアジマススラスター (各325馬力) 2基を装備し、スクリューまたは舵が破損した場合にはそれによって推進(最大6ノット)と操舵を行う。このポッドは360度自由旋回できるため、低速時の操舵にも使用できる[10]。本級の48番艦「サミュエル・B・ロバーツ」は1988年4月14日、アーネスト・ウィル作戦に従事してペルシャ湾にてタンカーを護衛中に触雷、機関室が浸水して機能を喪失したが、この補助推進によって、バーレーン港に独力で帰還することに成功した[8]

    なお電源としては、ディーゼルエンジンを原動機とする出力1,000キロワットの発電機4基を搭載している[11]

    装備

    Mk 13発射機から発射されるSM-1 スタンダードSAM

    開発に当たって策定されたペリー級の戦闘のコンセプトは、以下のとおりであった[12]

    1. 対艦ミサイル装備のソ連潜水艦に対し、自艦装備の戦術曳航ソナーにより遠距離で探知して、ミサイルの発射以前にLAMPSによって位置を局限・撃破する。
    2. 能力限定型ターターシステム、簡易型海軍戦術情報システムによる、フリゲートとしては十分に強力な防空戦闘能力により、船団に対して対空援護を提供する。

    また本級は継続的に装備の更新を図りつつ建造されており、4つのフライトと最終艦に大別される。

    フライトI/II
    19738年度計画艦 - FFG-734
    フライトIII
    1979年1980年度計画艦 - FFG-3649
    フライトIV
    19813年度計画艦 - FFG-5060
    イングラハム(FFG-61)
    1984年度計画艦

    C4I

    戦闘システムの図解

    上記の通り、本級搭載の戦術情報処理装置は「簡易型」と位置づけられていたことから、通常の海軍戦術情報システム(NTDS)に対してJTDS(Junior Tactical Data System)として区別されたが、後にWSSと改称された[13]

    最初期のフライトI・IIの艦では、電子計算機として1ベイのAN/UYK-7(メモリサイズ16キロワード)2基を搭載し、指揮管制を担当する武器支援処理装置(Weapon Support Processor, WSP)および武器管制を担当する武器管制処理装置Weapon Control Processor, WCP)として配した。コンソールとしては、WSPと連接されるCDSコンソールとしてOJ-194/UYA-4ワークステーション4基とOJ-197/UYA-4ワークステーション2基、またWCPと連接される武器管制コンソール2基を備えていた。戦術データ・リンクは受信専用のリンク 14であった[13]

    フライトIIIではAN/UYK-7電子計算機のメモリサイズを96キロワードに拡張するとともに、対潜戦用のWAP(Weapon Alternate support Processor)が追加された。またこれらの情報処理機能の強化とともに、リンク 11の送受信に対応したほか、AN/SLQ-32電波探知装置がシステムに連接された。またフライトIVではWAP/LAMPSやリンク 11の機能強化が図られたほか、最終艦「イングラハム」ではWSP・WAPをAN/UYK-43に更新した[13]

    また1999年までに、本級のうち11隻(FFG-47, 48, 50-55, 57, 59, 61)に対してRAIDS(Rapid Anti-Ship Cruise Missile Integrated Defense Systemが実装された。これはファランクスCIWSの火器管制レーダーとAN/SLQ-32電波探知装置からの情報を、COTS化されたコンピュータを介して、艦の戦闘システムに統合するものであった[2]

    対空・対水上戦

    AN/SPS-49レーダー
    STIRレーダー

    レーダーとしては、当初は他のミサイル艦と同様にAN/SPS-52を搭載することも検討されたが、トレードオフ開発の結果、2次元式AN/SPS-49のみとなった。これにより、本級は、アメリカ海軍のミサイル艦として唯一、3次元レーダーなどの高角測定手段を備えない艦級となった[6]。当初は(V)4が搭載されていたが、最終艦「イングラハム」では(V)5とされ、これ以前の建造艦の一部にもバックフィットされた[2]

    コンセプト開発で決定されたように、本級は能力限定型ターター・システムを装備する[12]。その射撃指揮装置としては、もともとはMk.87(シグナール社製M22ライセンス生産[14])にSTIR追尾レーダー(separate target illumination radar)を連接して搭載する予定とされており、またこれが頓挫した場合はターター-C・システムの搭載が予定されていた。結局、M22の改良型にあたるWM28をライセンス生産したMk.92 mod.2が搭載された。WM28シリーズの特徴となっていた卵型レドームを備えたCAS(Combined Antenna System)のほか、別体のSTIR追尾レーダーとしてAN/SPG-60の改良型が連接された[6]。同時に4目標を追尾できる[2]。また最終艦「イングラハム」では、CORT(Coherent Receiver Transmitter)を適用して低空目標への対処能力などを強化したmod.6に更新され、これ以前の建造艦の一部にもバックフィットされた[15]

    艦対空ミサイル(SAM)の発射機としては、計画当初は連装のMk.26が検討されていたが、後にアスロック対潜ミサイルの搭載要求が削除されると、よりコンパクトなMk.13に変更された[6]。ここから発射されるミサイルとしてはSM-1MRが用いられた。その後、SM-1MRは2003年度にアメリカ海軍から退役したことから、Mk.13発射機も順次に撤去され、2009年9月より、撤去跡には遠隔操作式の87口径25mm単装機銃(Mk.38 mod.2)が搭載された[2]。ただしオーストラリア海軍アデレード級などでは、Mk.92をmod.12にアップデートし、SAMをSM-2MRに更新している[16]

    艦砲としては、計画当初は90口径35mm機銃が検討されていたが、近距離での高速戦闘艇との交戦も考慮して、結局、62口径76mm単装速射砲(Mk.75 3インチ砲)が搭載された。これはイタリアのオート・メラーラ社製の76mmコンパット砲のライセンス生産版であった[6]。これにより、本級は、1960年代以降に建造されたアメリカ海軍の水上戦闘艦としては唯一5インチ砲を搭載しない艦級となった[11]。当初計画の名残もあり、砲の装備位置は、通常ありがちな艦首・艦尾甲板ではなく、艦体の中央部、上部構造物上とされている。また対艦兵器としては、Mk.13からハープーン艦対艦ミサイルを発射することができた[6]

    1988年より、Mk.15ファランクス 20mmCIWSが順次に搭載され、1990年代後半よりブロック1に更新された。また2005年までに、当時アメリカ海軍で運用されていた艦ではブロック1Bにアップデートされた[2]。このほか、1990年1991年クウェート侵攻から湾岸戦争を受けて、一部の艦に対し、小型の高速戦闘艇に対処するためのMk.38 25mm単装機銃12.7mm単装機銃、7.62mm汎用機関銃などを搭載する改修が行われ、これは後に大部分の艦に適用された[11]

    対潜戦

    乾ドックに入ったペリー級。艦首のSQS-56ソナー・ドームが見える。

    従来のアメリカ海軍の護衛駆逐艦は、低周波のAN/SQS-26探信儀とアスロック対潜ミサイルを組み合わせて搭載してきた。しかし新PF計画の初期段階で、既に艦隊には十分数のAN/SQS-26が配備されており、新しい戦術曳航ソナー(TACTASS)による遠距離探知能力を加味すると、このように強力・高価な船体装備ソナーの搭載は不要との判断が下された。またDX計画での検討を踏まえて、本級には哨戒ヘリコプターを用いたLAMPSの搭載が予定されていたが、この検討において、従来のAN/SQS-26探信儀とLAMPSを搭載した艦では、アスロックはごく補完的な役割しか果たしていないことが判明した[6]。 このことから本級では、アスロック対潜ミサイルを省き、探信儀も従来より高周波で簡便安価なものとして、遠距離での戦闘はTACTASSとLAMPSに多くを依存する運用構想となった。探信儀としては、以前用いられていたAN/SQS-23(5 kHz級)を改良したAN/SQQ-23が検討されたが、結局、更に周波数が高いAN/SQS-56(7 kHz級)が採用された。これにより、おそらく600トンの排水量削減を実現したものと考えられている。ただし将来的にAN/SQS-23級の探信儀に換装できるよう、所定の強度が確保された[6]。なお、アメリカ海軍と同様にAN/SQS-23を運用していた海上自衛隊では、カタログスペックで期待されたような長距離探知が少ない一方、低周波ゆえに分解能が低く、探知が不安定なこともあり、ソナー探知距離内に存在する潜水艦を探知できないままに攻撃を受ける「スリップ」と称される戦術事象が問題になっていたことから、本級に範をとって、遠距離探知性能は妥協しつつ探知の確実性を高めるよう方針転換し、OQS-4を装備化している[17]

    また遠距離探知をTACTASSに委任したことにより、自艦の水中放射雑音の低減がそこまで厳格でなくなったことから、ディーゼル発電機を採用できるなど、設計の自由度が向上するという副産物もあった[6]。AN/SQR-19 TACTASSは、開発の遅延から初期建造艦では後日装備となったが、フライトIIIより搭載が開始された[13]。また、その遠距離探知性能を活用するため、29番艦よりAN/SQQ-89(V)2統合対潜システムが実装された。これは対潜戦のパッシブ化に対応して、曳航ソナーソノブイ音響信号処理を統合するものであったが、スプルーアンス級などで搭載されたバージョンとは異なり、本級のシステムでは、探信儀の音響信号処理や水中攻撃指揮機能は統合されなかった[18]。初期建造艦でも、LAMPS Mk.IIIの運用に対応して改修された艦では、AN/SQR-19とともにAN/SQQ-89(V)2を搭載する予定であったが、AN/SQQ-89の開発遅延のために、漸進的な施策として、AN/SQR-18 TACTASSとAN/SQR-17ソノブイ情報処理装置のみを搭載した艦も多かった[19]。なお、のちに一部の艦ではAN/SQQ-89を(V)10にアップデートしたほか、AN/SQS-56にキングフィッシャー機雷探知改修を施した艦もある[2]

    このようなコンセプト開発の結果、艦固有の対潜兵器は、324mm3連装短魚雷発射管のみとなった。この短魚雷発射管およびLAMPSヘリコプター用として、Mk.46またはMk.50が24発搭載された[2]

    電子戦

    竣工当初は、従来のDEと同様、電子戦支援(ESM)機能しかもたないAN/SLQ-32(V)2電波探知装置を搭載していた。当初は艦の戦闘システムと連接されていなかったが、フライトIIIより連接されるようになった[13]

    また1987年10月より、電子攻撃(ECM)機能を備えたAN/SLQ-32(V)5電波探知妨害装置へのアップデートが開始された。これは別体のサイドキック電波妨害装置を搭載・連接するもので、スターク被弾事件で適切な電子戦的対応が行えなかったことへの反省を受けた施策であった。このサイドキック電波妨害装置は、AN/SLQ-32(V)3電波探知妨害装置のECM部分と同様の機能だが、送信出力はやや低いものであった。数年前に台湾向けに開発したものを発展させて開発されたことから、発注からわずか3ヶ月後から配備に入った[20]

    デコイ発射機としては、19番艦(FFG-27)よりMk 36 SRBOCが標準装備となり、これ以前の建造艦にもバックフィットされた[6]。また一部の艦では、新型のNULKAアクティブデコイのためのMk.53連装発射機も搭載された[2]

    艦載機

    補給物資輸送中の「ロバート・G・ブラッドレイ」搭載機

    1971年11月の決定に基づき、本級は2機のLAMPSヘリコプターを搭載するものとされた。初期建造艦では、従来のDEと同じくSH-2を用いたLAMPS Mk.Iが搭載されていた[6]

    その後、大型で強力なSH-60Bを使用するLAMPS Mk.IIIが搭載されることになり、まず2番艦「マッキナニー」がLAMPS Mk.IIIのテストベッドとして改修され、1981年2月に再竣工した。この改修では、上記の通りにヘリコプター甲板を艦尾側に延長し、ヘリコプター運用支援設備(RAST)が装備されている。フライトIII以降の艦はいずれもこの仕様で建造されたほか、これ以前の建造艦の一部でも同様の改修が行われた[2]

    なおLAMPS Mk I搭載の短船体型でも格納庫は2機分が確保されているが、実際には航空艤装の制約上、通常は1機のみの搭載・運用となっていた。

    同型艦

    アメリカ国内で建造された艦

     アメリカ海軍 退役/再就役後
    船体 # 艦名 建造所 起工 就役 退役 再就役先 # 艦名 就役 退役 その後 リンク
    FFG-7 オリバー・ハザード・ペリー
    USS Oliver Hazard Perry
    バス鉄工所 1975年
    6月
    1977年
    12月
    1997年
    2月20日
    スクラップとして廃棄 [1]

    [注 3]
    FFG-8 マッキナニー
    USS McInerney
    1978年
    1月
    1979年
    11月
    2010年
    8月31日
    パキスタン F-260 アラムジル(Alamgir 2010年
    8月31日
    [2]
    FFG-9 ワズワース
    USS Wadsworth
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1977年
    7月
    1980年
    4月
    2002年
    6月
    ポーランド 273 ゲネラウ・タデウシュ・コシチュシュコ
    Gen. T. Kos'ciuszko
    2002年
    6月
    [3]
    FFG-10 ダンカン
    USS Duncan
    トッド造船所,
    シアトル
    1977年
    4月
    1980年
    5月
    1994年
    12月
    トルコ 船体部品として 2017年4月
    実艦的として海没処分
    [4]
    FFG-11 クラーク
    USS Clark
    バス鉄工所 1978年
    7月
    1980年
    5月
    2000年
    3月
    ポーランド 272 ゲネラウ・カジミェシュ・プワスキ
    Gen. K. Pulaski
    2000年3月 [5]
    FFG-12 ジョージ・フィリップ
    USS George Philip
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1977年
    12月
    1980年
    10月
    2003年
    3月
    スクラップとして廃棄 [6]
    FFG-13 サミュエル・エリオット・モリソン
    USS Samuel Eliot Morison
    バス鉄工所 1978年
    12月
    1980年
    10月
    2002年
    4月
    トルコ F 496 ゴコーヴァ
    Gokova
    2002年
    4月
    [7]
    FFG-14 サイズ
    USS Sides
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1978年
    8月
    1981年
    5月
    2003年
    2月
    スクラップとして廃棄 [8]
    FFG-15 エストシン
    USS Estocin
    バス鉄工所 1979年
    4月
    1981年
    1月
    2003年
    4月
    トルコ F 497 ギョクス
    Göksu
    2003年
    4月
    [9]
    FFG-16 クリフトン・スプレイグ
    USS Clifton Sprague
    1979年
    7月
    1981年
    3月
    1995年
    6月
    F 490 ガズィアンテプ
    Gaziantep
    1997年
    8月
    [10]
    FFG-17 FFG-01 アデレード
    HMAS Adelaide
    アデレード級
    トッド造船所,
    シアトル
    1977年
    7月
    1980年
    11月
    2008年
    1月19日
    2011年4月、海没処分し漁礁に [11]
    FFG-18 FFG-02 キャンベラ
    HMAS Canberra
    アデレード級
    1978年
    3月
    1981年
    3月
    2005年
    11月12日
    2009年10月、海没処分し漁礁に [12]
    FFG-19 ジョン・A・ムーア
    USS John A. Moore
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1978年
    12月
    1981年
    11月
    2000年
    9月
    トルコ F 495 ゲティズ
    Gediz
    2000年
    9月
    [13]
    FFG-20 アントリム
    USS Antrim
    トッド造船所,
    シアトル
    1978年
    6月
    1981年
    9月
    1996年
    5月
    F 491 ギレスン
    Giresun
    1997年
    8月
    [14]
    FFG-21 フラットレイ
    USS Flatley
    バス鉄工所 1979年
    11月
    1981年
    6月
    1996年
    5月
    F 492 ゲムリク
    Gemlik
    2001年
    10月
    [15]
    FFG-22 ファーリオン
    USS Fahrion
    トッド造船所,
    シアトル
    1978年
    12月
    1982年
    1月
    1998年
    3月
    エジプト F 901 Sharm El-Sheik 1998年
    3月
    [16]
    FFG-23 ルイス・B・プラー
    USS Lewis B. Puller
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1979年
    5月
    1982年
    4月
    1998年
    9月
    F 906 トシュカ
    Toushka
    1998年
    9月
    [17]
    FFG-24 ジャック・ウィリアムズ
    USS Jack Williams
    バス鉄工所 1980年
    2月
    1981年
    9月
    1996年
    9月
    バーレーン 90 ソパン
    (Sabha)
    1996年
    9月
    [18]
    FFG-25 コープランド
    USS Copeland
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1979年
    10月
    1982年
    8月
    1996年
    9月
    エジプト F 911 アレクサンドリア
    Alexandria[注 4]
    1996年
    9月
    [19]
    FFG-26 ギャラリー
    USS Gallery
    バス鉄工所 1980年
    5月
    1981年
    12月
    1996年
    6月
    F 916 タバ
    Taba
    [20]
    FFG-27 マーロン・S・ティスデイル
    USS Mahlon S. Tisdale
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1980年
    3月
    1982年
    11月
    1996年
    9月
    トルコ F 494 ギョクチェアダ
    Gokceada
    1999年
    4月
    [21]
    FFG-28 ブーン
    USS Boone
    トッド造船所,
    シアトル
    1979年
    3月
    1982年
    5月
    2012年
    2月23日
    2022年9月、実艦的として海没処分 [22]

    [注 3]
    FFG-29 スティーブン・W・グローブス
    USS Stephen W. Groves
    バス鉄工所 1980年
    9月
    1982年
    4月
    2012年
    2月24日
    スクラップとして廃棄 [23]
    FFG-30 リード
    USS Reid
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1980年
    10月
    1983年
    2月
    1998年
    9月
    トルコ F 493 ゲリボル
    Gelibolu
    1999年
    1月
    [24]
    FFG-31 スターク
    USS Stark
    トッド造船所,
    シアトル
    1979年
    8月
    1982年
    10月
    1999年
    5月
    スクラップとして廃棄 [25]

    [注 3]
    FFG-32 ジョン・L・ホール
    USS John L. Hall
    バス鉄工所 1981年
    1月
    1982年
    6月
    2012年
    3月9日
    [26]
    FFG-33 ジャレット
    USS Jarrett
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1981年
    2月
    1983年
    7月
    2011年5
    [27]
    FFG-34 オーブリー・フィッチ
    USS Aubrey Fitch
    バス鉄工所 1981年
    4月
    1982年
    10月
    1997年
    12月
    [28]
    FFG-35 FFG-03 シドニー
    HMAS Sydney
    アデレード級
    トッド造船所,
    シアトル
    1980年
    1月
    1983年
    1月
    2015年
    11月7日
    [29]
    FFG-36 アンダーウッド
    USS Underwood
    バス鉄工所 1981年
    7月
    1983年
    1月
    2013年
    2月15日
    [30]
    FFG-37 クロメリン
    USS Crommelin
    トッド造船所,
    シアトル
    1980年
    5月
    1983年
    6月
    2012年
    10月
    2016年7月、実艦的として海没処分 [31]
    FFG-38 カーツ
    USS Curts
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1981年
    7月
    1983年
    10月
    2013年
    1月25日
    2020年9月、実艦的として海没処分 [32]
    FFG-39 ドイル
    USS Doyle
    バス鉄工所 1981年
    10月
    1983年
    5月
    2011年
    7月
    スクラップとして廃棄 [33]
    FFG-40 ハリバートン
    USS Halyburton
    トッド造船所,
    シアトル
    1980年
    9月
    1984年
    1月
    2014年
    9月4日
    記念艦として保存するか検討中。 [34]
    FFG-41 マクラスキー
    USS McClusky
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1981年
    10月
    1983年
    12月
    2015年
    1月14日
    2018年7月、実艦的として海没処分 [35]
    FFG-42 クラクリング
    USS Klakring
    バス鉄工所 1982年
    2月
    1983年
    8月
    2013年
    3月22日
    外国軍への売却のため係留中 [36]
    FFG-43 サッチ
    USS Thach
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1981年
    3月
    1983年
    3月
    2013年
    11月1日
    2016年7月、実艦的として海没処分 [37]
    FFG-44 FFG-04 ダーウィン
    HMAS Darwin
    アデレード級
    トッド造船所,
    シアトル
    1981年
    7月
    1984年
    7月
    2017年
    12月9日
    記念艦として保存するか検討中。 [38]
    FFG-45 ド・ワート
    USS De Wert
    バス鉄工所 1982年
    6月
    1983年
    11月
    2014年
    4月4日
    外国軍への売却のため係留中 [39]
    FFG-46 レンツ
    USS Rentz
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1982年
    9月
    1984年
    6月
    2014年
    3月10日
    2016年9月、実艦的として海没処分 [40]
    FFG-47 ニコラス
    USS Nicholas
    バス鉄工所 1982年
    9月
    1984年
    3月
    2014年
    3月10日
    スクラップとして廃棄 [41]
    FFG-48 ヴァンデグリフト
    USS Vandegrift
    トッド造船所,
    シアトル
    1981年
    10月
    1984年
    11月
    2015年
    2月19日
    2022年6月、実艦的として海没処分 [42]
    FFG-49 ロバート・G・ブラッドレイ
    USS Robert G. Bradley
    バス鉄工所 1982年
    12月
    1984年
    6月
    2014年
    3月28日
    バーレーン [43]
    FFG-50 テイラー
    USS Taylor
    1983年
    5月
    1984年
    12月
    2015年
    5月8日
    台湾 PFG-1112 銘傳 2018年
    11月8日
    [44]
    FFG-51 ゲイリー
    USS Gary
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1982年
    12月
    1984年
    11月
    2015年
    7月23日
    PFG-1115 逢甲 [45]
    FFG-52 カー
    USS Carr
    トッド造船所,
    シアトル
    1982年
    3月
    1985年
    7月
    2013年
    3月13日
    台湾への売却を検討中 [46]
    FFG-53 ハウズ
    USS Hawes
    バス鉄工所 1983年
    8月
    1985年
    2月
    2010年
    12月10日
    スクラップとして廃棄 [47]
    FFG-54 フォード
    USS Ford
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1983年
    7月
    1985年
    6月
    2013年
    10月31日
    2019年10月、実艦的として海没処分 [48]
    FFG-55 エルロッド
    USS Elrod
    バス鉄工所 1983年
    11月
    1985年
    5月
    2015年
    1月
    台湾への売却を検討中 [49]
    FFG-56 シンプソン
    USS Simpson
    1984年
    2月
    1985年
    11月
    2015年
    9月29日
    外国軍等への売却のため係留中 [50]
    FFG-57 ルーベン・ジェームズ
    USS Reuben James
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1983年
    11月
    1986年
    3月
    2013年
    8月1日
    2016年1月、実艦的として海没処分 [51]
    FFG-58 サミュエル・B・ロバーツ
    USS Samuel B. Roberts
    バス鉄工所 1984年
    5月
    1986年
    4月
    2015年
    5月22日
    スクラップとして廃棄 [52]
    FFG-59 カウフマン
    USS Kauffman
    1985年
    4月
    1987年
    2月
    2015年
    9月18日
    外国軍等への売却のため係留中 [53]
    FFG-60 ロドニー・M・デイヴィス
    USS Rodney M. Davis
    トッド造船所,
    サンペドロ
    1982年
    10月
    1987年
    5月
    2015年
    1月23日
    2022年7月、実艦的として海没処分 [54]
    FFG-61 イングラハム
    USS Ingraham
    1987年
    3月
    1989年
    8月
    2014年
    11月12日
    2021年8月、実艦的として海没処分 [55]

    アメリカ国外でライセンス生産で建造された艦

     オーストラリア海軍

    オーストラリア海軍の「シドニー
    Mk.41 VLSを追加搭載した状態
    上記4隻を購入した他、2隻をライセンス生産して1980年から運用した。
    初期に購入した2隻は2005年と2008年に退役したが、残る4隻はSEA 1390改修によりMk 13 GMLSの改修、Mk 41 VLSの追加装備、Mk 92 FCSの改修によってSM-2MRおよびESSMの運用能力を付与する近代化改修を受けた。2019年10月26日のメルボルン (HMAS Melbourne, FFG 05) を最後に、全艦退役した。

     スペイン海軍

    スペイン海軍の「ビクトリア
    後部格納庫上のCIWSが国産の メロカ 20mmCIWS となっている
    6隻をライセンス生産し、1986年より運用中。これはSQR-19 TACTASSが輸出された初の例であった。
    CIWSはスペイン国産のメロカ20mmCIWSを搭載している。

     台湾海軍

    成功級フリゲートの上構。国産の雄風II型(両端の小形の発射筒)、雄風III型(中央の大形の発射筒)SSMを搭載する。
    8隻をライセンス生産し、1993年より運用中。国産の雄風II型雄風III型艦対艦ミサイル(SSM)各4基、ボフォース350PX 40mm単装機関砲2門を艦橋に装備する。Mk 13 GMLSはSM-1MRの運用に特化している。

    退役艦を購入して運用

    バーレーン海軍の「サバー」

     バーレーン海軍

    アメリカ海軍を退役したジャック・ウィリアムズ (FFG-24)を購入し、1996年よりソパン(Sabha)として運用中。

     エジプト海軍

    アメリカ海軍の退役艦4隻を購入し、1996年より運用中。

     トルコ海軍

    アメリカ海軍の退役艦8隻を購入し、1997年より運用中。なお、Mk 41 VLS(8セル)の追加装備、Mk 92 FCSの改修によるESSM運用能力の付与、3次元レーダーの搭載、リンク 16への対応などを含む近代化改修が計画されている。

     ポーランド海軍

    2002年と2003年に、アメリカ海軍の退役艦1隻ずつを購入し、運用中。

     パキスタン海軍

    6隻を取得したいという意向を示しており、2010年8月にマッキナニー (FFG-8)の引渡しを受け、同日「アラムジル」という艦名で就役した。[21]

     中華民国海軍

    2014年12月4日、アメリカ上院は本級の4隻(テイラー, カー, ゲイリー, エルロッド)を台湾へ売却する内容を含む法案を可決した[22]。この内、テイラーは銘傳(PFG-1112)、ゲイリーは逢甲(PFG-1115)として2017年5月に中華民国海軍に引き渡され、2018年11月に正式に就役した[23]

     チリ海軍

    2020年に、オーストラリア海軍を退役したアデレード級フリゲート「メルボルン」と「ニューカッスル」をヤコブ・ファン・ヘームスケルク級フリゲートの後継艦として購入し、それぞれ「アルミランテ・ラトーレ」「カピタン・プラット」と改名し就役させた。

    退役艦購入を検討

     ウクライナ海軍

    2009年頃、マクラスキーシンプソンロドニー・M・デイヴィスの3隻を購入の調停がなされていた。しかし経済状態が悪化したため、マクラスキーはメキシコ海軍に転売、ロドニー・M・デイヴィスは実艦的にされるなど事態は流動的である。

     メキシコ海軍

    ウクライナ海軍が買い取る予定だったマクラスキーを引き取り、僚下にて運用予定となっていた。しかし政治的理由でキャンセルされ、マクラスキーは実艦的として処分された。

    登場作品

    映画

    キャプテン・フィリップス
    「ハリバートン」が登場。ソマリア沖の海賊に拉致されたフィリップス船長の救出作戦に従事する、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ベインブリッジ」を支援する。
    レッド・オクトーバーを追え!
    「ルーベン・ジェームズ」が登場。原子炉の異常で総員退艦を行うため洋上へ浮上した、架空のタイフーン型原子力潜水艦レッド・オクトーバー」を拿捕しようと接近する。

    小説

    レッド・ストーム作戦発動
    「ルーベン・ジェームズ」が主人公の乗艦として登場。大西洋での護衛作戦などの描写において中心的な役割を担う。

    ゲーム

    Wargame Red Dragon
    NATO陣営で使用可能なフリゲートとして「オリバー・ハザード・ペリー」が登場する。
    『World in Conflict』
    パインバレー攻防戦やシアトル攻防戦において、前者は沖合に停泊しているアイオワ級戦艦ミズーリ」の護衛艦として、後者は艦隊の1隻として、マップ外部に配置されている。
    エースコンバット5
    オーシア海軍艦艇として登場。
    大戦略シリーズ
    バトルフィールドシリーズ
    BFBC2
    マルチプレイの一部マップにオブジェクトとして登場する。
    BF3
    キャンペーンのムービー中に登場し、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦とともに洋上を航行する。

    脚注

    注釈

    1. ^ a b c d e f ライセンス生産
    2. ^ Mk.13 GMLSは、アメリカ海軍所属艦においては退役までに撤去。
    3. ^ a b c 建造当初は短船体型、後に船体延長改修
    4. ^ 旧名は「ムバラク」(Mubarak)。

    出典

    1. ^ USS OLIVER HAZARD PERRY (FFG-7) Standardization Trials.(1979)SHIP RESEARCH AND DEVELOPMENT CENTER
    2. ^ a b c d e f g h i j k Wertheim 2013, pp. 854–856.
    3. ^ 香田 2016.
    4. ^ アメリカ護衛艦の歩み
    5. ^ アメリカ護衛艦史
    6. ^ a b c d e f g h i j k l m n Friedman 2004, pp. 377–385.
    7. ^ a b 吉原 1997.
    8. ^ a b c d e f 野木 1997.
    9. ^ 小滝 1997.
    10. ^ a b 機関 (アメリカ護衛艦の技術的特徴)
    11. ^ a b c d Polmar 2013, pp. 164–167.
    12. ^ a b 大熊 2006.
    13. ^ a b c d e Friedman 1997, pp. 122–125.
    14. ^ “M20/WM20/WM22/WM25/WM27/WM28/Mk 92 (Netherlands), Command, surveillance and weapon control systems”. Jane's Naval Weapon Systems. Jane's Information Group. (2012-05-25). http://articles.janes.com/articles/Janes-Naval-Weapon-Systems/M20-WM20-WM22-WM25-WM27-WM28-Mk-92-Netherlands.html. 
    15. ^ Friedman 1997, pp. 384–385.
    16. ^ Wertheim 2013, pp. 22–23.
    17. ^ 香田 2015, pp. 174–175.
    18. ^ Friedman 1997, pp. 623–626.
    19. ^ Prezelin 1990.
    20. ^ Friedman 1997, p. 551.
    21. ^ “Pakistan to get refurbished warship from US” (英語). ザ・タイムズ・オブ・インディア. (2008年10月19日). http://timesofindia.indiatimes.com/World/Pakistan/Pakistan_to_get_refurbished_warship_from_US/rssarticleshow/3615200.cms 
    22. ^ “米国、台湾にミサイルフリゲート4隻売却へ”. 中央社フォーカス台湾. (2014年12月6日). https://web.archive.org/web/20141208211158/http://japan.cna.com.tw/news/apol/201412060006.aspx 
    23. ^ “台湾、米から購入のフリゲート艦2隻就役”. AFPBB News (フランス通信社). (2018年11月9日). https://www.afpbb.com/articles/-/3196880 

    参考文献

    関連項目


    オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート

    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:05 UTC 版)

    ターター・システム」の記事における「オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート」の解説

    「オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート」および「WM-20#Mk.92」も参照 オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートは簡易型ターター・システム搭載しており、その構成以下のとおりである。 AN/SPS-49二次元対空捜索レーダー 武器管制システムMk 13WDS: Weapon Direction System戦術情報処理装置(JTDS: Junior Tactical Data System射撃管制システムMk 92FCS: Fire Control System誘導ミサイル発射システム Mk 13 (GMLS: Guided Missile Launching System) RIM-66スタンダード・ミサイル1型 (SM-1MR) 通常防空艦不可欠と見なされている三次元レーダーをあえて省き、またミサイル砲熕兵器射撃管制Mk 92一本化することにより、システム全体としてコンパクトかつリーズナブルになっているペリー級のMk 92レーダーは、オランダWM-28アメリカ版CAS: Combined Antenna System)と、AN/SPG-60レーダー改良型STIR: Separate Target Illumination Radar)を組み合わせたもので、同時に2目標照射することができる。 また、オーストラリア海軍自国ライセンス受けて建造したアデレード級フリゲートに対して実施した近代化改修においてはMk 41 VLS追加装備射撃管制システムMk 92 Mod 12アップグレードするなどの改修により、スタンダード・ミサイル2型 (SM-2MR)およびESSM運用が可能となっている。

    ※この「オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート」の解説は、「ターター・システム」の解説の一部です。
    「オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート」を含む「ターター・システム」の記事については、「ターター・システム」の概要を参照ください。

    ウィキペディア小見出し辞書の「オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



    固有名詞の分類


    英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
    英語⇒日本語日本語⇒英語
      

    辞書ショートカット

    すべての辞書の索引

    「オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート」の関連用語

    オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートのお隣キーワード
    検索ランキング

       

    英語⇒日本語
    日本語⇒英語
       



    オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートのページの著作権
    Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

       
    ウィキペディアウィキペディア
    All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
    この記事は、ウィキペディアのオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
    ウィキペディアウィキペディア
    Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
    Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのターター・システム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

    ©2025 GRAS Group, Inc.RSS