OQS-4
OQS-4
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 01:30 UTC 版)
詳細は「OQS-4」を参照 第2次防衛力整備計画以降の対潜護衛艦(DDK)・多用途護衛艦(DDA)では、AN/SQS-23や66式探信儀OQS-3といった低周波ソナーが採用されてきた。これはアスロックの最大射程を発揮しうる探知距離を備えていたものの、特に日本近海では、海洋環境の事情から、実際にはそのような長距離探知は少なく、中距離(数千ヤード程度)での探知・攻撃が中心となっていた。またこれらのソナーは、低周波ゆえに長距離探知を期待しうる一方で探知が不安定なこともあり、海上幕僚監部では、52DDの搭載ソナーとしては、アメリカ海軍のオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートで採用された中周波数(7.5キロヘルツ級)のAN/SQS-56を候補としていた。 しかし当時、日本では画期的な低周波ソナーであるOQS-101の開発が完了したばかりであり、その搭載艦を2隻にとどめて海外製品の輸入に転じることは、防衛装備上問題があると考えられた。またOQS-101の開発を通じて確立・蓄積された国内技術を活用すれば、新型機導入に伴うリスクを低減し、新規開発によることなく生産可能と見積もられたことから、AN/SQS-56の輸入ではなくこちらが選択されることになった。これによって開発されたのがOQS-4である。 OQS-101で部分的なデジタル化が着手されていたが、本機では大幅に拡大された。ただし完全デジタル化されたOQS-102やOQS-5ほどではなく、過渡期的なものであった。主要構成部を半導体化することで小型軽量化が図られるとともに、送受波器の素子を独立型とすることで、素子故障時には当該素子のみを交換すれば済むようになり、整備性の向上も図られた。またデジタル化の恩恵として、信号処理技術の向上と処理信号量の増加がもたらされ、表示形式の追加もあり、操作性・探知性の向上が図られた。またあさぎり型の最終艦(61DD)ではOYQ-101 対潜情報処理装置(ASWDS)と連接された。 装備要領は、OQS-3やOQS-101が艦首装備式(バウ・ドーム)であったのに対し、OQS-4でははたかぜ型を除き艦底装備式(ハル・ドーム)となっている。ハル・ドームは、52DD搭載のOQS-4では従来通りの全鋼製とされたが、58DD搭載のOQS-4Aではラバー・ドーム化され、以後の護衛艦用ソナーではラバー・ドームが標準となった。 搭載艦 はつゆき型護衛艦(52〜57DD) あさぎり型護衛艦(58〜61DD) はたかぜ型護衛艦(56/58DDG)
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