多用途護衛艦(DDA)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 05:03 UTC 版)
昭和30年度計画の甲型警備艦(あやなみ型)が対潜装備に重点を置いたDDKとなったのに対し、翌31年度計画の甲型警備艦(1,800トン型; 初代むらさめ型)は対空兵器を強化したDDAとされた。これは国産艦として初めて長口径の54口径5インチ単装高角砲を装備し、対空能力も兼ね備えた警備艦となった。 また第2次防衛力整備計画では、昭和38年から41年度計画で3,000トン型(たかつき型)4隻が建造されたが、これは当時計画されていたヘリ空母(後に計画中止)とともに2次防の艦艇整備の柱と位置付けられており、54口径5インチ単装速射砲などの新型武器の採用によって対潜・対空及び対水上能力が強化されたほか、司令部設備も備え、当時としては本格的な多用途護衛艦(DDA)とされた。なお第4次防衛力整備計画では、3,000トン型DDAを発展させて艦対艦ミサイルや艦載ヘリコプターなどを搭載した3,600トン級DDAが計画され、次世代護衛艦のプロトタイプと目されていたが、第一次オイルショックの影響で見送りとなった。 上記のように、2次防で建造されたDDAは、DDH・DDGと同様に高性能・近代化を目指して質の向上を図った護衛艦と位置付けられていた。このためもあって、3・4次防の8艦6機体制においては、その対空砲火力を生かして、ミサイル護衛艦(DDG)を補完する防空艦と位置付けられていた。 艦級一覧 初代むらさめ型(31・32DD) たかつき型(38~41DDA) 3600トン型DDA(50DDA) ※計画中止 初代むらさめ型「むらさめ」 たかつき型「たかつき」
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