光合成とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 >  光合成の意味・解説 

こう‐ごうせい〔クワウガフセイ〕【光合成】


ひかり‐ごうせい〔‐ガフセイ〕【光合成】

読み方:ひかりごうせい

こうごうせい(光合成)


こうごうせい 光合成


光合成

同義/類義語:こうごうせい
英訳・(英)同義/類義語:photosynthesis, Chloroplast

植物が、光のエネルギー使って二酸化炭素から有機物合成する過程総称合成の場は葉緑体である。

光合成(細菌の)

英訳・(英)同義/類義語:bacterial photosynthesis

光合成細菌が行う光合成。
「生物学用語辞典」の他の用語
現象や動作行為に関連する概念:  光化学  光化学合成独立栄養  光合成  光合成  光吸収  光呼吸  免疫

光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/01 02:27 UTC 版)

光合成(こうごうせい、ひかりごうせい。英語: photosynthesis)とは、光エネルギー化学エネルギーに変換して生体に必要な有機物質を作り出す反応過程をいう[1][2]葉緑体をもつ一部の真核生物植物植物プランクトン藻類)や、原核生物であるシアノバクテリアが行う例がよく知られている。これらの光合成生物(photosynthetic organism)は、光から得たエネルギーを使って、二酸化炭素からグルコースのような炭水化物を合成する。この合成過程は炭素固定と呼ばれ、生命の体を構成するさまざまな生体物質を生み出すために必須である。また、生物圏における物質循環に重要な役割を果たしている。光合成は、狭義では光エネルギーを利用した炭素固定反応のみを指すが、広義では光エネルギーを利用した代謝反応全般を指す[1][3]。光エネルギーを利用する生物は一般に光栄養生物(phototroph)と呼ばれ、光エネルギーを利用して二酸化炭素を固定する光独立栄養生物(photoautotroph)と、光からエネルギーは得るものの、炭素源として二酸化炭素ではなく有機化合物を用いる光従属栄養生物(photoheterotroph)に分かれる。狭義では光独立栄養生物のみを光合成生物とするのに対して、広義では光栄養生物と光合成生物は同義となる。多くの光合成生物は炭素固定に還元的ペントース・リン酸回路(カルビン回路)を用いるが、それ以外の回路も存在する。


  1. ^ a b Jagannathan, B.; Golbeck, J. H. (2009-01-01), Schaechter, Moselio, ed. (英語), Photosynthesis: Microbial, Academic Press, pp. 325–341, doi:10.1016/b978-012373944-5.00352-7, ISBN 978-0-12-373944-5, https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/B9780123739445003527 2021年10月15日閲覧。 
  2. ^ 吉田茂男 (1997), 植物化学調節実験マニュアル, 全国農村教育協会, p. 50, ISBN 9784881370636 
  3. ^ Orf, Gregory S.; Redding, Kevin E. (2021-01-01), Jez, Joseph, ed. (英語), Photosynthesis | The Heliobacteria, Elsevier, pp. 352–364, doi:10.1016/b978-0-12-819460-7.00220-6, ISBN 978-0-12-822040-5, https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/B9780128194607002206 2021年10月15日閲覧。 
  4. ^ Lyons, Timothy W.; Reinhard, Christopher T.; Planavsky, Noah J. (2014-02). “The rise of oxygen in Earth’s early ocean and atmosphere” (英語). Nature 506 (7488): 307–315. doi:10.1038/nature13068. ISSN 1476-4687. 
  5. ^ a b c d e 『ヴォート生化学 第3版』 DONALDO VOET・JUDITH G.VOET 田宮信雄他訳 東京化学同人 2005.2.28
  6. ^ Overmann, Jörg; Garcia-Pichel, Ferrau (2006), Dworkin, Martin; Falkow, Stanley, eds. (英語), The Phototrophic Way of Life, Springer, pp. 32–85, doi:10.1007/0-387-30742-7_3, ISBN 978-0-387-30742-8 
  7. ^ a b Bryant, Donald A.; Frigaard, Niels-Ulrik (2006-11). “Prokaryotic photosynthesis and phototrophy illuminated”. Trends in Microbiology 14 (11): 488–496. doi:10.1016/j.tim.2006.09.001. ISSN 0966-842X. 
  8. ^ a b c 『Newton 2008年4月号』 水谷仁 ニュートンプレス 2008.4.7
  9. ^ 細辻豊二 (1986), 最新農薬生物検定法, 全国農村教育協会, p. 29, ISBN 9784881370247 
  10. ^ Bryant, D. A.; Costas, A. M. G.; Maresca, J. A.; Chew, A. G. M.; Klatt, C. G.; Bateson, M. M.; Tallon, L. J.; Hostetler, J. et al. (2007-07-27). “Candidatus Chloracidobacterium thermophilum: An Aerobic Phototrophic Acidobacterium” (英語). Science 317 (5837): 523–526. doi:10.1126/science.1143236. ISSN 0036-8075. 
  11. ^ Zeng, Y.; Feng, F.; Medova, H.; Dean, J.; Kobli ek, M. (2014-05-27). “Functional type 2 photosynthetic reaction centers found in the rare bacterial phylum Gemmatimonadetes” (英語). Proceedings of the National Academy of Sciences 111 (21): 7795–7800. doi:10.1073/pnas.1400295111. ISSN 0027-8424. PMC 4040607. PMID 24821787. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4040607/. 
  12. ^ Ward, Lewis M.; Cardona, Tanai; Holland-Moritz, Hannah (2019). “Evolutionary Implications of Anoxygenic Phototrophy in the Bacterial Phylum Candidatus Eremiobacterota (WPS-2)”. Frontiers in Microbiology 10: 1658. doi:10.3389/fmicb.2019.01658. ISSN 1664-302X. PMC 6664022. PMID 31396180. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6664022/. 
  13. ^ Waschuk, Stephen A.; Bezerra, Arandi G.; Shi, Lichi; Brown, Leonid S. (2005-05-10). “Leptosphaeria rhodopsin: Bacteriorhodopsin-like proton pump from a eukaryote” (英語). Proceedings of the National Academy of Sciences 102 (19): 6879–6883. doi:10.1073/pnas.0409659102. ISSN 0027-8424. PMC 1100770. PMID 15860584. https://www.pnas.org/content/102/19/6879. 
  14. ^ Rinke, Christian; Rubino, Francesco; Messer, Lauren F.; Youssef, Noha; Parks, Donovan H.; Chuvochina, Maria; Brown, Mark; Jeffries, Thomas et al. (2019-03). “A phylogenomic and ecological analysis of the globally abundant Marine Group II archaea (Ca. Poseidoniales ord. nov.)” (英語). The ISME Journal 13 (3): 663–675. doi:10.1038/s41396-018-0282-y. ISSN 1751-7362. PMC 6461757. PMID 30323263. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6461757/. 
  15. ^ Mukohata, Yasuo; Sugiyama, Yasuo; Ihara, Kunio; Yoshida, Manabu (1988-03). “An Australian halobacterium contains a novel proton pump retinal protein: Archaerhodopsin” (英語). Biochemical and Biophysical Research Communications 151 (3): 1339–1345. doi:10.1016/S0006-291X(88)80509-6. 
  16. ^ Giovannoni, Stephen J.; Bibbs, Lisa; Cho, Jang-Cheon; Stapels, Martha D.; Desiderio, Russell; Vergin, Kevin L.; Rappé, Michael S.; Laney, Samuel et al. (2005-11). “Proteorhodopsin in the ubiquitous marine bacterium SAR11” (英語). Nature 438 (7064): 82–85. doi:10.1038/nature04032. ISSN 0028-0836. 
  17. ^ Lack, A. J. (2002), 岩渕正樹 訳; 坂本 亘 訳, ed., 植物化学キーノート, シュプリンガー・ジャパン, pp. 156-162, ISBN 9784431709787 
  18. ^ Hames, B. David; Hooper, N. M., 田之倉 優 訳; 村松知成 訳; 阿久津秀雄 訳, ed., 生化学キーノート, シュプリンガー・ジャパン, p. 391, ISBN 9784431709190 
  19. ^ Mohr & Schopfer 1998, pp. 165–168
  20. ^ Mohr & Schopfer 1998, pp. 222–226
  21. ^ Mohr & Schopfer 1998, p. 225
  22. ^ 光合成の効率 - 光合成事典”. photosyn.jp. 2022年6月30日閲覧。
  23. ^ Renewable biological systems for unsustainable energy production. FAO Agricultural Services Bulletins (1997).
  24. ^ 4.光エネルギーの変換”. info.ouj.ac.jp. 2022年6月30日閲覧。
  25. ^ 酸素発生の起源 - 光合成事典”. photosyn.jp. 2022年8月6日閲覧。
  26. ^ 小森栄治 (2006), 向山洋一, ed., 中学校の「理科」を徹底攻略, PHP研究所, p. 101, ISBN 9784569655666 
  27. ^ 沈建仁先生”. こんな研究をして世界を変えよう. 2023年5月7日閲覧。


「光合成」の続きの解説一覧

光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/07 14:18 UTC 版)

このは (ゲームキャラクター)」の記事における「光合成」の解説

『2』から登場通常の技がヒットすると、相手体力吸収して回復する

※この「光合成」の解説は、「このは (ゲームキャラクター)」の解説の一部です。
「光合成」を含む「このは (ゲームキャラクター)」の記事については、「このは (ゲームキャラクター)」の概要を参照ください。


光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:14 UTC 版)

シドニアの騎士」の記事における「光合成」の解説

現行のシドニア人遺伝子改造によって得た能力小型ライトでも可能である。現実における葉緑体用いた光合成とは異なるが、同様に光エネルギーから人体必要な栄養素生成する機能を持つと思われる基本的に裸で行うため、相手を光合成に誘うことは食事に誘う以上の意味を持っている

※この「光合成」の解説は、「シドニアの騎士」の解説の一部です。
「光合成」を含む「シドニアの騎士」の記事については、「シドニアの騎士」の概要を参照ください。


光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 05:37 UTC 版)

紅藻」の記事における「光合成」の解説

クロロフィルとしては、クロロフィル a のみをもつ。古くクロロフィル d が報告されことがあるが、現在ではこれは付着していた特異な藍藻 (Acaryochloris 類) に由来するものであると考えられている。主要な補助光合成色素は、フィコビリンタンパク質であり、ふつうアロフィコシアニン、フィコシアニン、フィコエリスリンがフィコビリソーム形成してチラコイド膜上に存在する紅藻フィコシアニンやフィコエリスリンには、結合ビリン色素組成異なる数種類それぞれ知られており、またフィコエリスリンを欠く種もいる。多く紅藻は赤いフィコエリスリンを多くもつため、その名の通り葉緑体紅色呈するが、フィコビリンタンパク質の組成や他の色素との量比によって青緑色オリーブ色紫色などの色調呈するものもいる。カロテノイドとしてはゼアキサンチンとβ-カロテン有し、それに加えてアンテラキサンチンまたはルテインとα-カロテンをもつものもいる (表参照)。 紅色植物ルビスコ (リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ; 光合成において二酸化炭素固定する酵素) は form ID であり、灰色植物緑色植物、および多く藍藻存在する form IB とはやや異なる。form ID ルビスコは、細菌からの遺伝子水平伝播によって紅藻共通祖先獲得したものと考えられている。また form ID ルビスコは、紅色植物由来葉緑体をもつクリプト藻ハプト藻不等毛藻にも受け継がれている。 紅藻貯蔵多糖は α-グルカンであり、色素体ではなく細胞質基質内に貯蔵される緑色植物デンプン同じくアミロースとアミロペクチンからなるものもいるが、多くアミロース欠き、特に紅藻デンプン (floridean starch) ともよばれるアミロースアミロペクチンをともに欠きα-1,6結合分枝がより多いグリコーゲンをもつものもいる。紅藻は光合成産物として低分子炭水化物生成し、その種類フロリドシドマンニトールなど分類群によって異なる (表参照)。

※この「光合成」の解説は、「紅藻」の解説の一部です。
「光合成」を含む「紅藻」の記事については、「紅藻」の概要を参照ください。


光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:24 UTC 版)

緑色植物亜界」の記事における「光合成」の解説

緑色植物基本的に葉緑体をもち、光合成を行う。葉緑体例外なくクロロフィル a と b をもつ。カロテノイドとしてはルテインゼアキサンチンビオラキサンチンネオキサンチン、β-カロテン存在することが多い。またロロキサンチンやα-カロテンをもつものもおり、さらに一部の種はプラシノキサンチンやシフォナキサンチンなど特異なカロテノイドをもつ (プラシノ藻アオサ藻一部など)。多細胞体における一部細胞や (根など)、非光合成種 (全寄生植物など) は光合成能を欠き葉緑体白色体になっている光呼吸などに関わるグリコール酸代謝は、緑藻植物ではミトコンドリア局在するグリコール酸脱水素酵素が、ストレプト植物ではペルオキシソーム局在するグリコール酸酸化酵素が働く。

※この「光合成」の解説は、「緑色植物亜界」の解説の一部です。
「光合成」を含む「緑色植物亜界」の記事については、「緑色植物亜界」の概要を参照ください。


光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 23:22 UTC 版)

褐藻」の記事における「光合成」の解説

1n. ラミナラン 1o. マンニトール 光合成色素として、クロロフィルac1c2、およびフコキサンチン右図1m)をもつ。褐藻基本的に褐色呈するのは、緑色クロロフィル赤色フコキサンチン複合体をもつためである。ワカメなどの褐藻湯通しするとこのフコキサンチン複合体変成するため、緑色になる。カロテノイドとしては、他にビオラキサンチンゼアキサンチン、β-カロテンなどをもつ。 貯蔵多糖ラミナランlaminaran; ラミナリン laminarin)とよばれる水溶性のβ-1,3/1,6グルカンであり(右図1n)、細胞質液胞中に貯蔵される転流糖は糖アルコールマンニトール右図1o)である。

※この「光合成」の解説は、「褐藻」の解説の一部です。
「光合成」を含む「褐藻」の記事については、「褐藻」の概要を参照ください。


光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:36 UTC 版)

原核緑藻」の記事における「光合成」の解説

プロクロロン属やプロクロロトリックス属は、クロロフィル aクロロフィル b をもつ。クロロフィル a/b 比は、一般的な緑色植物較べて高い(クロロフィル b は少ない)。一方、プロクロロコックス属はクロロフィルa、bを欠き、ジビニルクロロフィル a、b(DV-Chl a, b; クロロフィル a2b2 ともよばれる)をもつ。クロロフィル a を欠くという点で酸素発生型光合成生物の中で特異な存在である。また、原核緑藻クロロフィル c 類似色素であるジビニルプロトクロロフィリド (Mg-3,8-divinyl pheoporphyrin a5 monomethyl ester; MgDVP) をもつことがある原核緑藻の中で、プロクロロン属とプロクロロトリックス属は緑色植物クロロフィルb合成酵素クロロフィリドaオキシゲナーゼ; CAO)と相同酵素をもっている。しかしプロクロロコックス属は、これをもたない。また原核緑藻におけるクロロフィルa/b結合タンパク質は、緑色植物のそれとは異なるものであることが示されている。 原核緑藻は、「フィコビリンタンパク質をもたない」という点でも藍藻の中では特異な存在である。そのためチラコイド上にフィコビリソーム存在せず、おそらくそのため一般的な藍藻異なりチラコイド重なってラメラ形成する。ただしプロクロロコッカス属の一部微量のフィコエリスリンが報告されている。 カロテノイドとしてはゼアキサンチン存在し、それに加えてプロクロロン属やプロクロロトリックス属はβ-カロテン、プロクロロコックス属はα-カロテンをもつ。 プロクロロン属やプロクロロトリックス属のルビスコリブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ)は、一般的な藍藻緑色植物と同じform IBであるが、プロクロロコックス属は一部藍藻(シネココックス属など)と同様にやや特殊なルビスコ (form IA) をもつ。プロクロロコックス属のようにform IAルビスコをもつ藍藻は、α-シアノバクテリアとよばれ、藍藻の中で1つ系統群構成していることが知られている。

※この「光合成」の解説は、「原核緑藻」の解説の一部です。
「光合成」を含む「原核緑藻」の記事については、「原核緑藻」の概要を参照ください。


光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 05:20 UTC 版)

藍藻」の記事における「光合成」の解説

藍藻は、酸素発生型光合成を行う唯一の原核生物群である。藍藻2種類光化学系 (光化学系III) をもつ点で、光合成を行う他の細菌 (非酸素発生型光合成を行う) とは異なる。緑色硫黄細菌 (クロロビウム門) やヘリオバクテリア (フィルミクテス門)は光化学系I相同鉄硫黄反応中心のみを、紅色細菌 (プロテオバクテリア門) や緑色非硫黄細菌 (クロロフレクサス門) は光化学系II相同キノン反応中心のみをもつ。直列した2種類光化学系をもつことが、酸素発生型光合成 (分解する) を可能にしていると考えられている。 知られている限り全ての藍藻好気環境下で酸素発生型光合成を行う。ただし、嫌気環境下で非酸素発生型光合成 (光化学系I使用し硫化水素電子供与体として硫黄生成) を行う例が知られている。また連続暗黒でも、有機物利用した従属栄養行って生育可能な種 (通性独立栄養性) もいる。Synechocystis sp. PCC 6803 など従属栄養能をもつ藍藻は、光合成遺伝子変異致死的にならないため (光合成しなくても生きていける)、光合成研究モデル生物として広く用いられている。またメタゲノム研究 (海水などの環境から直接抽出したDNAをもとにしたゲノム解析) から、光合成能を含め代謝的に不完全 (光化学系IIルビスコクエン酸回路などの欠失) な藍藻 (UCYN-A, unicellular cyanobacteria group A) の存在示されているが、これは他生物に共生して栄養的に依存して生きているものと考えられている。古くは「無色藍藻」が報告されているが、少なくともその一部は全く別の細菌群に属することが明らかとなっている (例:ベッギアトア属)。 ほとんどの藍藻は、クロロフィル a をもつ。一部藍藻は、クロロフィル a加えてクロロフィル b、d、または f をもつ。クロロフィル d や f は生物の中で一部藍藻のみがもつ色素であり、人間の目には見えない近赤外光を光合成に利用できるクロロフィル b (または類似色素) をもつ藍藻は、原核緑藻ともよばれる原核緑藻のプロクロロコックス属 (Prochlorococcus) はクロロフィル a代わりにジビニルクロロフィル a をもつ点で特異な存在であり、光合成の反応中心でジビニルクロロフィル a を用い唯一の生物である。またアカリオクロリス属 (Acaryochloris) はクロロフィル a 量が少なく反応中心クロロフィル d を用いている。 3a. フィコビリソーム模式図. 中央にアロフィコシアニンが位置し、そこからフィコシアニン (青)、フィコエリスリン (赤) からなるロッド伸びている. 3b. さまざまな色のピコプランクトン藍藻. 左から2, 3番目がプロクロロコックス属 (原核緑藻)、残りはシネココックス属. この色の違いは主にフィコビリン有無種類、量比による. ほとんどの藍藻は、光合成アンテナ色素タンパク質であるフィコビリンタンパク質をもつ。藍藻において、フィコビリンタンパク質はフィコビリソーム形成しチラコイド付着している。フィコビリソーム中央にはアロフィコシアニンからなるコア位置し、そこからフィコシアニンとフィコエリスリン (後者を欠くこともある) からなるロッド伸びている (右図3a)。ふつう青色フィコシアニン割合が多いため、「藍藻」の名が示すように青緑色呈する。しかし中には赤色のフィコエリスリンを多くもつため、紫〜赤色呈する種もいる (右図3b, c)。またフィコエリスリンの代わりにフィコエリスロシアニンをもつものもいる。原核緑藻よばれる藍藻フィコビリンをほとんどもたないため、クロロフィルの色である緑色そのまま見える (右図3b)。 藍藻中には、光の質 (波長) に応じてフィコシアニン:フィコエリスリン比を変化させるものもいる。例え緑色光下ではフィコエリスリンが増加赤色光下でフィコシアニン増加しそれぞれの波長の光を効率的に吸収できるようになり、それに応じて体の色変化する。この反応補色馴化 (補色順化complementary chromatic acclimation) とよばれる。またフィコビリンタンパク質の発色団となるビリン色素 (フィコシアノビリンなど) は、光受容体であるフィトクロムシアノバクテリオクロム (走光性補色馴化センサーとなる) の発色団としても用いられている。 藍藻がもつカロテノイドとしては、β-カロテンゼアキサンチンエキネノン、ミクソキサントフィル (ミクソール配糖体) が一般的だが、α-カロテンカンタキサンチンノストキサンチン、オシラキサンチン (オシロール配糖体) などをもつものも報告されている。 藍藻炭素固定カルビン回路によって行われる藍藻のもつルビスコ (リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ) には2タイプ知られる多く藍藻は、緑色植物などがもつものと相同Form IB ルビスコをもつ。このような藍藻は β-シアノバクテリアForm IB ルビスコからなるカルボキシソームは β-カルボキシソームよばれる一方一部藍藻 (プロクロロコックス属など) は、一部プロテオバクテリアのものと相同Form IA ルビスコをもつ (おそらく遺伝子水平伝播による)。このような藍藻は α-シアノバクテリアForm IA ルビスコからなるカルボキシソームは α-カルボキシソームよばれる藍藻において、酸素呼吸電子伝達系 (呼吸鎖) は細胞膜チラコイド存在し後者場合は、光合成の光化学系タンパク質一部共有している (プラストキノン)。また酸素呼吸におけるクエン酸回路 (TCA回路) のオキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ欠いており、この部分別の酵素によって代謝している。

※この「光合成」の解説は、「藍藻」の解説の一部です。
「光合成」を含む「藍藻」の記事については、「藍藻」の概要を参照ください。


光合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 08:57 UTC 版)

「グリセルアルデヒド-3-リン酸」の記事における「光合成」の解説

光合成の初期段階では、リブロース-1,5-ビスリン酸RuBP)と二酸化炭素からリブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ作用によって2分子の3-ホスホグリセリン酸が暗反応生成される。3-ホスホグリセリン酸はATPエネルギーNADPH還元力を使ってカルビン回路G3P変換される。この過程ADPリン酸イオンNADP+が生成しRuBPは再びカルビン回路に戻る。 G3Pは光合成の主要な最終産物であり、グルコースなどの単糖変換されて他の細胞運ばれたり、デンプンなどの多糖として貯蔵されたりしていると考えられている。

※この「光合成」の解説は、「グリセルアルデヒド-3-リン酸」の解説の一部です。
「光合成」を含む「グリセルアルデヒド-3-リン酸」の記事については、「グリセルアルデヒド-3-リン酸」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「 光合成」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

光合成

出典:『Wiktionary』 (2021/06/13 07:55 UTC 版)

名詞

  こうごうせい

  1. 植物葉緑体日光受けて空気二酸化炭素根から吸い上げた澱粉作る働き炭酸同化作用炭素同化作用

発音(?)

こ↗ーご↘ーせー

関連語

翻訳


「 光合成」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「 光合成」の関連用語

 光合成のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



 光合成のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ダイキン工業ダイキン工業
Copyright (C) 2024 DAIKIN INDUSTRIES, ltd. All Rights Reserved.
日本惑星協会日本惑星協会
All rights reserved. The Planetary Society of Japan 2024.
JabionJabion
Copyright (C) 2024 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの光合成 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのこのは (ゲームキャラクター) (改訂履歴)、シドニアの騎士 (改訂履歴)、紅藻 (改訂履歴)、緑色植物亜界 (改訂履歴)、褐藻 (改訂履歴)、原核緑藻 (改訂履歴)、藍藻 (改訂履歴)、グリセルアルデヒド-3-リン酸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの光合成 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS