鏡 鏡の概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 03:51 UTC 版)

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鏡(つぼや背後の植物が映る)
鏡台
和鏡各種。『歴世女装考』より
鏡台各種。『歴世女装考』より
侍女がかざす姿見で着物の品定めをするの図。勝川春亭

光の反射には光が一方向にはね返る鏡反射と四方八方にはね返る乱反射があり、通常、鏡は鏡反射する滑らかな表面をもつ光をほぼ全反射するものをいう(特殊な鏡にはレフ板のような乱反射鏡もある)[1]

鏡に映る像は鏡像といい、これは左右が逆転しているように見えるものの、幾何学的に正確に言えば、逆転しているのは左右ではなく前後(奥行き)である。なお、これらの鏡像の発生原因を、自分が鏡に向き合ったとき、自分の顔の左側から出た光線および顔の右側から出た光線が、それぞれ鏡に反射した後、それら両方の反射光線が、いずれも右目に入射する時の、両光線の相互の位置にて説明できるとする見解がある[2]

概要

古くは金属板を磨いた金属鏡が作られた。大量生産されるようになった鏡の多くはガラスの裏面を金属面にしたもので裏面鏡という[1]。裏面鏡は金属面がガラスの内側にあるので傷みにくいが、鏡の裏側で反射する構造になっているため表面での光の反射の影響を受けてしまい像に多少のブレがある[1]。一方、光学器械に使用される鏡は光を正確な位置に反射させる必要があるため金属やガラスの表面で光が反射するようにした表面鏡である[1]

鏡には、鏡台[3]、姿見[3]、壁掛け鏡[3]、卓上立て鏡[3]のような形態がある。

化粧のために手鏡を立てかける台、もしくは鏡を取り付けられた台を鏡台(かがみだい、きょうだい)と呼び、どちらも多くは化粧品などを納める引き出しが付いている。鏡を取り付けられた鏡台の場合、その鏡は手鏡よりは大きな鏡だが、姿見ほど大きくはない。

鏡台は東洋西洋どちらにもあり、日本では明治以降、徳島県が大産地となって「阿波鏡台」と呼ばれた。大きな鏡を取り付けた洗面化粧台が増え、独立した鏡台の需要は減少している[4]

人が自らの全身を映す大型の鏡を姿見(すがたみ)と称する。主に身なりを整えたり、着こなしを確認したりするために使う。多くは縦に長い長方形となっている。個人宅だけでなく、購入を考えている衣服を身体にあてて見るため、衣料品販売店に多く置かれている。カーテンで仕切られた小部屋内に姿見がついたフィッティングルーム(試着室)もある。

手に持って使う鏡を手鏡と呼ぶ。

鏡の形状

平面鏡

一般的な鏡は平面の形をしており、これを平面鏡という。

平面鏡は1方向からの像のみを写すので、立体の正面は見えても側面は写さない。このため、複数の鏡を組み合わせることも行われる。いわゆる鏡台は普通三面鏡になっている。

球面鏡

球を切り取ったような面をもつ鏡を球面鏡といい、鏡面が凹面にあるものを凹面鏡、鏡面が凸面にあるものを凸面鏡という[1]

非球面鏡

球面ではない曲面をもつ鏡を非球面鏡という[1]反射望遠鏡に用いられる放物面鏡などがある[1]


注釈

  1. ^ 最古の銅鏡の出土事例は、イラクキシュ遺跡で約4900年前とされる。参考・『第4回企画展 美の先逹者たち 鏡にみる日本の美と心』 川越市立博物館 1991年 13頁。

出典

  1. ^ a b c d e f g 反射鏡ってなに? (1/2) (PDF)”. Canon Global. 2019年10月13日閲覧。
  2. ^ G ・ガモフ『 物理学の探検』鎮目恭夫、野上茂吉郎 訳、白揚社(ガモフ・コレクション(4))、1992年、29頁。
  3. ^ a b c d "D7-50 鏡、鏡台" (PDF). 意匠分類定義カード (D7). 特許庁. 2021年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ (PDF)。2021年12月26日閲覧
  4. ^ 江淵達人「時代を映す阿波鏡台◇徳島に残る明治期の伝統、需要掘り起こし次代へ継ぐ◇」『日本経済新聞』朝刊2018年5月31日(文化面)。
  5. ^ 『第4回企画展 美の先逹者たち 鏡にみる日本の美と心』 川越市立博物館 1991年 13頁(この黒曜石鏡は8千年前のものとされる)。
  6. ^ 『第4回企画展 美の先逹者たち 鏡にみる日本の美と心』 川越市立博物館 1991年 13頁。
  7. ^ 同・川越市立博物館第4回企画展本、15頁より。
  8. ^ 同・川越市立博物館第4回企画展本、54頁より。
  9. ^ 服部利雄, 大矢敏弘「アルミニウム反射鏡 表面処理の実施例」『金属表面技術 現場パンフレット』第13巻第3号、表面技術協会、1966年、 20-25頁、 doi:10.4139/sfj1954.13.3_20ISSN 0368-5527NAID 130003810359
  10. ^ あなたにピッタリの鏡はこれ!用途に合った最適な鏡の種類を教えます! 鏡とガラスの『ネコロボ事件簿』” (日本語). 絶対わかる!鏡とガラスの取扱説明書 (2020年4月24日). 2021年12月25日閲覧。
  11. ^ "豚にも自己意識がある?:鏡像を理解できることが判明". WIRED.jp. 2009年10月8日. 2021年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月26日閲覧
  12. ^ 原文「毛嬙・西施, 善毀者不能蔽其好; 嫫姆・倭傀, 善誉者不能掩其醜。」 「嫫姆・倭傀」は、毛嬙・西施という二大美女の名前と対句になっていることから、通説では「倭傀」を嫫姆と並ぶ古代の醜女(経歴不詳)の固有名詞と見る。本項のように「倭の偉大な人」と解釈する説は少数派。
  13. ^ 九州大学デジタルアーカイブ
  14. ^ 中田龍三郎, 久保(川合)南海子, 川合伸幸「鏡の前だと一人で食べてもおいしく感じる (ヒューマンコミュニケーション基礎)」『電子情報通信学会技術研究報告』第115巻第35号、電子情報通信学会、2015年5月、 45-48頁、 ISSN 0913-5685NAID 40020491226
  15. ^ 中日新聞 2017年6月13日 朝刊
  16. ^ メイヤー・エイブラムズ「鏡とランプ―ロマン主義理論と批評の伝統」水之江有一訳、研究社出版、1976年 など






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