ピアノ組曲
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ピアノ独奏用の組曲は1911年に作曲され、同年3月11日にカタルーニャ音楽館において初演された。 『ゴィエスカス』は、「恋する若者たち」(Los majos enamorados)という副題を掲げており、グラナドスが非常に愛好したゴヤの作品に関連づけがされている。だからといって、楽曲と特定の絵画との間に確たる一致が見られるわけではない。したがって各楽章の題名は、絵画の音楽的な描写を示しているというよりも、むしろ気分の問題にすぎないのである。グラナドスは次のように記している。 「私が夢中になったのは、ゴヤの心理状態や彼のパレット、ゴヤ自身、彼のミューズであるアルバ公夫人や、彼とモデルや愛人、おべっか使いたちとの口論。白みがかったあの桃色の頬と対比をなす、黒いビロードの生地。アコヤガイのような手と、漆黒の装飾品にもたれかかったジャスミンの花。こういう人目を引かないものに、私はとり憑かれているのです。」 『ゴィエスカス』は2部構成の6曲からなり、全曲を通奏すると1時間弱を要する。第7曲の「わら人形」は、最初から正編6曲の中に含まれていたわけではなく、同名オペラの第1曲の編曲にほかならないが、現在では正編とまとめて演奏されるようになりつつある。ちなみに「わら人形」は、グラナドスの「ゴヤ風」の作品の中では唯一、現存する絵画に実際に対応した楽曲である。第8曲「ゴヤ風のセレナード」は、1909年に『ゴィエスカス』の草稿として作曲されながらも、正編から外され、近年に再発見されるまで長年忘れられてきた。 恋する若者たち 第1部 Los majos enamorados, parte I : 1.愛の言葉 Los requiebros 2.窓辺の語らい Coloquio en la reja 3.燈し火のファンダンゴ El fandango de candil 4.嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす Quejas, o la maja y el ruiseñor 恋する若者たち 第2部 Los majos enamorados, parte II : 5.愛と死 El amor y la muerte 6.終曲〈幽霊のセレナード〉 Epilogo: Serenata del espectro 補遺7.わら人形 El pelele 8.ゴヤ風のセレナード Serenata goyesca
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