洗顔料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/23 18:04 UTC 版)
洗顔料(せんがんりょう)は、顔面を洗う(→洗面)用途に特化した化粧品。スキンケア化粧品の一種である。なお、メイクアップ化粧品を落とす製品については、洗顔料の溶剤型に分類する場合[1] [2]とクレンジング料として洗顔料とは別に分類する場合がある[3](クレンジング料[3]のほか、クレンジング剤[1]、メーク落とし[1]と呼ばれることもある。クレンジング料についてはクレンジングも参照)。
概要
洗顔料は皮膚に付着している汚れを様々な界面現象を利用して除去する製品である[2]。皮膚に付着する汚れには、余分な皮脂や古い角層など内因性のものと、塵埃、化粧品、微生物などの外因性のものがある[1]。
皮膚洗浄のメカニズムは大きく3つに分けられる[2]。第一に界面活性剤水溶液が皮膚表面と汚れの界面に入り込んで、汚れを洗液中に運び出して、乳化させ、可溶化除去するものである(ローリングアップという)[2]。これは化粧石けんやフォームタイプの洗顔料などの洗浄メカニズムである[2]。第二は液状油で汚れを溶解するもので、メイク落としの洗浄メカニズムである[2]。しかし、この方法は液状油が皮膚に残ってしまうため、再び上述のローリングアップが必要となる(ダブル洗顔という)[2]。第三はラメラー結晶を利用したもので油性汚れを取り込み、これを水で洗うことで油が再乳化して汚れが落ちやすくなる[2]。
一般的に界面活性剤の皮膚への吸着を抑えるため、使用前に水かぬるま湯で皮膚を濡らしておくことが推奨されている[3]。界面活性剤は水温が低すぎると皮膚へ残留しやすくなり、また水温が高すぎると脱脂による肌荒れの原因となる[3]。また、すすぎも十分でないと皮膚に界面活性剤が多く残ることになる[3]。
洗顔料の要素としては1.洗浄性、2.安全性、3.使用感[3]、あるいは、1.機能性、2.安全性、3.使用法のバランスを考慮して開発される[2]。ただ洗浄力を高めると、使用後につっぱり感や乾燥、肌荒れなどを引き起こすことがある[3]。
種類
洗顔料は皮脂汚れなどを対象とする界面活性剤を主成分とする界面活性剤型と、メイクなどを落とす油等の溶剤を主成分とする溶剤型に大別される[2][1]。先述のようにメイクアップ化粧品を落とすための製品についてはクレンジング料として洗顔料とは分ける場合もある[3]。
界面活性剤型
界面活性剤型は固型タイプ(石鹸)、クリーム・ペースト(クレンジングフォーム)、液状・粘稠液状(クレンジングジェル)、顆粒・粉末(洗粉、洗顔パウダー)、エアゾール使用(シェービングフォームなど)の5つのタイプに分けられる[2]。このうち洗顔料として主流のものは固形タイプ、クリームタイプ、液状・ジェルタイプである[2]。
洗顔料の主流は固形タイプ(石鹸)からクリームタイプやペーストタイプに移っている[2]。クリームタイプやペーストタイプの利点は、水に溶けやすく泡立ちが良いこと、過度の脱脂やつっぱり感を抑えることができること、携帯性に優れることなどが挙げられる[2]。
クリーム・ペーストタイプには、洗顔フォーム・クレンジングフォームとは別に、スクラブ洗顔料やクレイ洗顔料と呼ばれるものもある[3]。スクラブ洗顔料は洗顔フォームに粉末状の粒子を配合したもの[3]、クレイ洗顔料は洗顔フォームに粘土鉱物を配合したものである[3]。
溶剤型
メイクなどを落とすための製品で油等の溶剤を主成分とするもの[2]。
歴史
洗顔料は化粧品の中では古い歴史を持つ[3]。日本では小豆や米糠を袋に入れて用いる洗粉(あらいこ)が江戸時代まで主流だった[3]。
近代以後は石けんが主流だったが、1960年代に多様な界面活性剤が開発され、脂肪酸石けんと界面活性剤を組み合わせた弱アルカリ性の洗顔フォームが誕生した[3]。しかし、刺激や肌荒れなどが問題点として残っており、1980年代に入って脂肪酸石けんを含まない弱酸性(低刺激性アミノ酸系界面活性剤)の洗顔フォームが開発された[3]。この弱酸性の洗顔フォームは、刺激が起こりにくい利点があったが、洗浄性や泡立ちは弱かった[3]。
2000年代になり、洗顔ネット(泡立てネット)などが出現すると、弾力性のある泡を特徴とする脂肪酸石けん系の弱アルカリ性洗顔フォームが再び好まれるようになった[3]。
脚注
- 1 2 3 4 5 洗顔料 日本化粧品技術者会。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 酒井 裕二「理想的な洗顔料の開発」『日本化粧品技術者会誌』第33巻第2号、日本化粧品技術者会、1999年、109-118頁、doi:10.5107/sccj.33.2_109。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 南野 美紀「化粧品の種類と使い方—スキンケア化粧品—」『日本香粧品学会誌』第42巻第2号、日本香粧品学会、2018年、109-124頁、 doi:10.11469/koshohin.42.109。
- ↑ 薬機法(旧薬事法)の化粧品で認められる効能効果と広告表現
関連項目
「洗顔料」の例文・使い方・用例・文例
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