アルガン油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/09 02:06 UTC 版)
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アルガン油(アルガンゆ、Argane oil)とは、アルガンノキの種子から得られる植物油である。アルガンオイルとも呼ばれ、古くからモロッコで利用されてきた。
生産
アルガン油は、広葉常緑樹のアカテツ科のアルガンノキ属に属する唯一の種であるアルガンノキ(Argania spinosa)から採取される。伝統的には、アルガンノキの付ける硬い種子を石で割り、ペースト状にすり潰してから搾油するという、非常に手間が掛かる工程を経て製造される。かつては家内制手工業で限定的に生産されてきたが、消費量が拡大するにつれ、アルガンの自生地であるモロッコ南西部のアガディールを拠点とした生産組合が増加している[1]。
用途
アルガン油は、モロッコのベルベル人の間では、クスクスなどに用いる食用油、またスキンケアなどに用いる薬用、化粧用の油として利用されてきた。20世紀後半、ビタミンEの含有量や不飽和脂肪酸量が評価され、化粧品用の基油または油を直接利用されるようになった。
料理としては、アルガンオイル、アーモンド、蜂蜜などから作られるアムルーというピーナッツバターのようなペーストがパンと共に供される。
皮膚のバリア機能を回復して水分保持を行う[2]。
有効性
閉経した女性の皮膚の弾力性を改善するというランダム化比較試験がある[3]。アルガンやほかの成分を含むクリームの使用により、4週間後に脂性を低減して皮脂の分泌を減らしていた[4]。
出典
- ^ “「モロッコの黄金」アルガンオイルが地域を救う”. CNN.co.jp (CNN). (2012年11月3日) 2012年11月13日閲覧。
- ^ Lin TK, Zhong L, Santiago JL (December 2017). “Anti-Inflammatory and Skin Barrier Repair Effects of Topical Application of Some Plant Oils”. Int J Mol Sci (1). doi:10.3390/ijms19010070. PMC 5796020. PMID 29280987 .
- ^ Boucetta KQ, Charrouf Z, Aguenaou H, Derouiche A, Bensouda Y (2015). “The effect of dietary and/or cosmetic argan oil on postmenopausal skin elasticity”. Clin Interv Aging: 339–49. doi:10.2147/CIA.S71684. PMC 4321565. PMID 25673976 .
- ^ Dobrev H (June 2007). “Clinical and instrumental study of the efficacy of a new sebum control cream”. J Cosmet Dermatol (2): 113–8. doi:10.1111/j.1473-2165.2007.00306.x. PMID 17524128.
アルガン油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 01:29 UTC 版)
詳細は「アルガン油」を参照 アルガンノキの種子から採取できる油脂であるアルガン油は、アルガンオイルとも呼ばれ、モロッコ南西部の女性が協同して生産している。油の抽出にあたって特に多数の人員を要する過程は、果肉を取り除いたのち石で堅果を割って種子を取り出すというもので、その後種子は丁寧に焙煎される。焙煎は香りなど油の品質に関わるため、種子の摘出とは別に行われる。 油を抽出する伝統的な手法は、焙煎された種子を少量の水とともに石臼で挽き、出来上がったペーストを手で搾って油を抽出するというものである。搾滓も油分を豊富に含むため、動物のエサとして再利用される。このようにして抽出されたアルガン油は3か月から半年ほど保存できるが、焙煎された種子は20年ほど保管することができ、家庭で必要に応じて油を抽出する。 商品として売り出すアルガン油は焙煎された種子を砕いて乾燥したものから機械を用いて抽出するのが一般的で、この方法だと抽出に手間がかからない上、これで製造されたアルガン油は1年から1年半ほど保存できる。 アルガン油はその8割を不飽和脂肪酸が占め、オリーブ油と比べて抗酸化作用が高い。食用としてはクスクスやサラダなどに用いられる他、アルガン油にアーモンドやピーナッツ(加えて砂糖や蜂蜜で甘く味付けすることもある)を混ぜ込んだものは「アムルー」と呼ばれ、パンを浸すのに使われる。焙煎していない種子から抽出されたアルガン油は従来から皮膚病の薬として用いられており、2001年から2002年にかけてヨーロッパの複数の化粧品会社がその効用に注目したことで広く知られることとなる。 もともとアルガン油はモロッコ国内でも生産地以外では高級品で、モロッコ国外での入手は困難であったが、近年は前述の事情からヨーロッパや北米などへ輸出する目的での生産が増加し、世界的にも化粧品専門店だけでなくスーパーマーケットでも販売されるほどとなった。しかし、コスメ用途の植物油としては依然として高価で、アメリカ合衆国においては500mlあたり40ドル - 50ドルが相場となっている。 組成は以下の通り。 44% - オレイン酸 30% - α-リノレン酸 12% - パルミチン酸 6% - ステアリドン酸 5% - リノール酸 3% - ミリスチン酸
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