ポテンシャル ポテンシャルの概要

ポテンシャル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 01:03 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

最初にポテンシャル(スカラーポテンシャル)の考え方を導入したのは、ジョゼフ=ルイ・ラグランジュである(1773年)。ラグランジュの段階ではポテンシャルとは言われておらず、これをポテンシャルと呼んだのは、ジョージ・グリーンである(1828年)。カール・フリードリヒ・ガウスウィリアム・トムソンペーター・グスタフ・ディリクレによってポテンシャル論における三つの基本問題として、ディリクレ問題、ノイマン問題、斜交微分の問題が注目されるようになった。

ポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)のことをポテンシャルと呼ぶこともある。

ポテンシャル(狭義)

空間内において、空間内の各点に働く F が、当該点上のある定まった量 V から、

として求まる時、V を力 Fポテンシャルと言う。上式の関係より、V は勾配におけるスカラーポテンシャルである。なお、gradは勾配ナブラである。

一つの質点を考え、これが力 F の作用する(力場)にあり、当該質点が dl =(dx , dy , dz)だけ変位した時、その力のなした仕事 dW は(以下、直交座標系を考える)、

となる。(Fx , Fy , Fz)は力 F の各座標成分である。ポテンシャルに関して、

と表現できるなら、

となる。

保存力

力の作用する範囲内で質点が、位置AからBへ運動する間になす仕事 WA-B は、

となる。VA は位置Aでのポテンシャル、VB は位置Bでのポテンシャルである。この結果は、質点の動いた経路に依らない。どのような経路を通るかに関わらず、なした仕事がどの経路でも等しい場合、この時に質点に働く力を保存力(conservative force)と言う。また、保存力のみが作用する場(力場)を保存力場(conservative force field)と言う。また保存力では、質点が位置Aから出発して位置Aに戻る経路(閉じた経路)の場合、質点のなした仕事は、途中の通った道筋に関係なくゼロとなる。

このように(スカラー)ポテンシャルによる力は保存力となる。また、逆に保存力は必ずポテンシャルを伴うことが言える。




「ポテンシャル」の続きの解説一覧




ポテンシャルと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ポテンシャル」の関連用語

ポテンシャルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ポテンシャルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのポテンシャル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS