アサ 種

アサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/18 07:27 UTC 版)

大麻の形態学による違い
麻の葉

真の野生の大麻は失われており、人間が栽培した種に起源をもつ[10]。現在の分類体系では、単一の種 Cannabis sativa、あるいは sativa サティバだけでなく、亜種インディカ indica との2種、またルデラリス ruderalis を加えて3種として言及される[14][15]。かつてクワ科とされていたが、DNAの類似性からアサ科にまとめられる。形態的にも、托葉が相互に合着しない、種子胚乳がある等の点でクワ科と区別できる。

Cannabis
Cannabis sativa L.
C. sativa subsp. sativa
C. sativa subsp. sativa var. sativa
C. sativa subsp. sativa var. spontanea
C. sativa subsp. indica
C. sativa subsp. indica var. indica
C. sativa subsp. indica var. kafiristanica
C. sativa subsp. ruderalis

カンナビス・サティバ Cannabis sativa は、フックスが1542年の草本誌で最初に用い、欧州の麻(hemp)が描かれていた[10]。1753年の『植物の種』(Species Plantarum)でリンネが、単一型として割り当てたが、しばらくするとラマルクは短く精神作用のあるインディカindica をインド亜大陸の形態学的に異なるものだと説明した[10]シュルテス英語版や Anderson は、形態学的にCannabis sativa L.(高く育ち、繊維、種子、精神作用に使われる)、Cannabis indica Lam.(短く、ハシシがとれる)、Cannabis ruderalis Jan.(短く、枝分かれがない)の3種を推定した。

2003年の短い反復配列によるDNA指標は、繊維型と薬物型を明確に区別しなかった[10][16]。繊維型と薬用型の区別は、THCの量によって決定されており、形態的な区別はできない[14]

2004年、 Karl Hillig と Paul Mahlberg は157種の麻の体系的な化学分類を行い、現在のカザフスタンにおけるサティバ sativaの起源的な発生地、西ヒマラヤを起源とするインディカ indica の地図を描き、また中央アジアの ruderalis は第三の遺伝子プールが推定される[10]。サティバとインディカの分裂は人間の介入に先行している可能性があった[10]。カンナビノイドの合成につながる遺伝的な起源は、インディカにあるようである[10]。2005年の研究も断片長多型がこれを裏付ける[10]。また、8か国53の大麻から、ルテオリン-C-グリクロニドはサティバから検出されるが、インディカからの検出はまれであり遺伝子流動が制限されている[10]

2011年に、麻のゲノムの草案が発表されている[15]。薬用型と繊維型の遺伝子的な相違は、用途によって栽培してきた慣行によりヒト遺伝子に喩えるとヨーロッパ人と東アジア人の程度であるが、サティバとインディカでは栽培の慣行のためかその祖先を同定することは部分的にしかできない[17]

本項とは別の植物として、広義に麻とされる種類には、イラクサ科の苧麻(カラムシ)、アマ科の亜麻など、植物学上の分類が異なる20種類がある[18]。これらに麻の字があてられたのは、屋根の下で茎をこすり繊維を取り出すことからきており、強くて長い繊維を総称しているため、明治以降に外来のマニラ麻などと区別するために、本項アサが大麻と名付けられた[18]。ほかにシナノキ科黄麻(ジュート)、バショウ科マニラ麻キジカクシ科サイザル麻もアサと呼ばれることがある。




注釈

  1. ^ 糸、縄、下駄の鼻緒、漁網、畳糸、蚊帳など。近年、麻の畳糸や蚊帳は価値が見直され復刻されている。
  2. ^ 麻の実(おのみ)と呼ばれる。がんもどき、麻の実味噌など。また、麻の葉をおひたしにして食べる土地もあったという。

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