ヘンプクリートとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヘンプクリートの意味・解説 

ヘンプクリート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 04:24 UTC 版)

麻で作られた建築用ブロック

ヘンプクリート(Hempcrete)とは、 の屑(破片)と石灰(場合により水硬性石灰[1]、ポゾランあるいはセメントなど)の混合物で、建築材料や建築用断熱材英語版に用いられる[2]。市場における名称に、ヘンプクリート(Hemcrete)、Canobiote、Canosmose、Isochanvreがある[3]。ヘンプクリートは、従来の石灰混合より作業しやすく、また断熱材や調湿建材となる。コンクリートの脆性がないため、エキスパンションジョイントが不要である[3]

2014年、アメリカの農業法は、精神に作用する成分を含まない品種の栽培を許可した[4]

典型的な圧縮強度英語版が約1MPaで[5]、住宅品質のコンクリートの約20分の1である。ヘンプクリートの壁は、建築構造において、鉛直荷重を支える他の素材の骨組みと共に用いられる必要がある。ヘンプクリートの密度は、従来のコンクリートの15パーセントになる。ヘンプは成長中に大気からCO2を吸収するため、ヘンプクリートはカーボンネガティブである[6]

他の植物と同様、麻の農産物は成長し二酸化炭素ガスを吸収し、炭素を保持し酸素を放出する。理論的には、ヘンプクリート壁1立方メートルにつき、数十年の期間にわたって最大165キログラムの炭素を吸収し閉じ込めることが出来る[7][8]

脚注

  1. ^ Allin, Steve. Building with Hemp, Seed Press, 2005, ISBN 978-0-9551109-0-0. (p. 146, 1st Edition).
  2. ^ NNFCC Renewable Building Materials Factsheet: An Introduction”. National Non-Food Crops Centre (2008年2月21日). 2011年2月16日閲覧。
  3. ^ a b Priesnitz, Rolf B. (2006-03). Hemp For Houses. http://www.naturallifemagazine.com/0604/hemphouse.htm. 
  4. ^ Wendy Koch、倉田真木・訳 (2015年9月14日). “大麻ハウスが米国で注目、規制緩和受け”. ナショナル・ジオグラフィック日本語版. https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/091100256/ 2015年10月1日閲覧。 
  5. ^ Tradical Hemcrete 2008 Information Pack” (PDF). American Lime Technology. 2009年8月25日閲覧。
  6. ^ Flahiff, Daniel (2009年8月24日). “Carbon Negative Hemp Walls are 7x Stronger than Concrete”. Inhabitat. 2013-02-07閲覧。 (記事のタイトルに7x stronger(7倍強い)とあるが、同じくコンクリートより強くないとも主張されている。)
  7. ^ Tradical Hemcrete 2008 Information Pack” (PDF). American Lime Technology. 2010年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月15日閲覧。
  8. ^ What is Hempcrete?”. American Lime Technology. 2013年2月7日閲覧。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヘンプクリート」の関連用語

ヘンプクリートのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヘンプクリートのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヘンプクリート (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS