近江上布
近江上布 |
おうみじょうふ |
織物 |
着物地、帯、婦人服地 |
愛知川の豊かな水と高い湿度といった環境や、近江商人の活躍等により、この地方では鎌倉時代から麻織物が発展しました。江戸時代には、琵琶湖東岸の彦根市の辺りを支配していた彦根藩の振興によりさらに発展し、安定した地場産業となりました。その頃から染めの技術も大きく進歩し、近江上布独特の上品な絣模様が生まれました。 |
滋賀県 |
昭和52年3月30日 |
近江上布は、「緯糸絣」と「経緯併用絣」があります。緯糸絣は主に緯糸を羽根巻にして「型紙捺染(かたがみなっせん)」を行います。また、経緯併用絣は両糸に「櫛押捺染(くしおしなっせん)」をし、経糸と緯糸の絣を合わせながら織るので最高級品となります。麻は、水気を良く吸うので、身に付けると涼しく爽やかな着心地です。 |
上布
(近江上布 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/26 10:44 UTC 版)
上布(じょうふ)は、細い麻糸(大麻と苧麻)を平織りしてできる上等な麻布[1] 。過去に幕府などへ献上、上納された[1]。縞や絣模様が多く、夏用和服に使われる。
- ^ a b 上布(コトバンク)ブリタニカ国際大百科事典小項目事典、世界大百科事典第2版
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- ^ a b “122.八重山上布”. 石垣島の風景と歴史. 石垣市教育委員会. 2019年12月7日閲覧。
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- ^ a b 川村隆一「近江上布」『繊維学会誌』第61巻第9号、2005年、249-252頁、doi:10.2115/fiber.61.P_249、NAID 130004433795。
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- ^ a b “【近江の麻 近江上布】清らかな湧水、そして先人の高い技術が育んできた最高級の麻織物”. 地元びいき (2016年10月21日). 2018年4月1日閲覧。
- ^ 「滋賀 愛荘町で伝統工芸の麻織物「近江上布」の糸紡ぐ体験会」『NHK』、2022年6月11日。
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- ^ a b c d e 福島寛子 (2015年3月). “奈良晒の伝承の形と未来への展望‐伝えるということ - 芸術教養学科WEB卒業研究展”. 京都造形芸術大学通信教育部. 2018年3月25日閲覧。
- ^ “吉野の山守が案内する山と森から生まれる奈良のものづくり。 Part2:大麻の伝統文化と奈良晒(ならざらし)”. COLOCAL (2014年2月25日). 2017年10月10日閲覧。
- ^ “なつそひく―麻 せんぐう館 平成28年度企画展示”. せんぐう館. 2017年9月7日閲覧。
- ^ a b c d e 『月刊染織』第16号、1982年7月、8-27頁。
- ^ 関家正達『麻織物製造法と其の実例』麻織物普及刊行会、1938年。
- ^ “高級麻織物高宮布の謎見えた 大麻・苧麻を使い分け”. 朝日新聞: p. 滋賀朝刊23面. (2007年7月12日)
近江上布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 02:50 UTC 版)
滋賀県湖東地方で生産される。かつて近江商人によって日本各地に流通した。古くは高宮布とか高宮細美(たかみやさいみ)と呼ばれた。近江晒(野洲晒)は古くは白搗きによって行われたが、後に薬品による晒に代わった。明治時代には産業構造が激動し高宮布の生産も途絶えることになっていったが、愛知県神崎郡(現・愛荘や東近江)に移行し、技術革新なども経て(昭和30年代には)近江上布として発展した。近江上布では仕上げの工程に、鈴鹿山脈からの豊富な湧水が使われる。
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