経糸と緯糸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 21:03 UTC 版)
織物は経糸と緯糸から構成される。経糸とは、長さを揃えて織機に張る糸であり(この作業を「整経」という)、緯糸は経糸と90度の角度をなしてからんでいく糸である。織機にはさまざまな種類と構造があるが、基本的には経糸を巻き付けておく「千切」(ちきり)、織り上がった布を巻き取る「千巻」(ちまき)、経糸を上下させる「綜絖」(そうこう)、上下の経糸の間に緯糸を通す「杼」(ひ)、経糸を揃え、緯糸を打ち込む「筬」(おさ)などの部品からなる。緯糸は「よこいと」とも読むが、古くから「ぬきいと」と読まれてきた。『万葉集』の歌に「み吉野の青根が峰の苔むしろ誰か織るらむ縦緯(たてぬき)なくに」(1120番歌、作者未詳)とあり、『古今和歌集』の冬歌に「龍田川錦をりかく神な月しぐれの雨をたてぬきにして」(よみ人しらず)とあるのがその例示となる。
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