経糸おもり織機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 01:53 UTC 版)
人類最初の織機はおそらく垂直織機(竪機)で、二本の立ち木の間に水平に渡した棒からたくさん経糸を垂らし、それぞれの経糸(または経糸の束ごと)に石などの重りをくくりつけて地面まで届くように張った「経糸おもり機(Warp-weighted loom)」である。布は現在の竪機とは違い上から下に向かって織られていた。緯糸は手指で経糸の間に縫われて入れられていたが、後には木切れを使って通すようになり、この木切れが杼(ひ、または梭/おさ、シャトル、緯糸を織り込むための器具)となった。 初期のおもり機では、一本の緯糸を通すのに経糸を一本ずつ持ち上げたり押したりして糸の通る隙間を作る必要があり、非常に時間と手間がかかった。やがて、経糸をぴんと張らせるための水平の丸棒(開口棒、ロッド、rod)を使って経糸を開口させて緯糸が通るための隙間(杼口、shed)を作るための工夫が生まれた。一本のロッドが奇数番目の経糸を持ち上げ、その下方にある別のロッドが偶数番目の経糸を押し下げることで、緯糸やシャトルが一気に通るための隙間を作れるようになった。さらに改良が進んだ古代ギリシャの機では、織り終わった布を巻き取るためのビームが作られるようになり、長い布が織れるようになった。
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