あぶら【油/脂/×膏】
読み方:あぶら
1 水に溶けず、水よりも軽い可燃性物質の総称。動物性・植物性・鉱物性があり、食用・灯火用・燃料用・化学工業の原料など用途が広い。
㋐動物の肉についている脂肪分。脂身(あぶらみ)。「—の多い切り身」
㋒植物の種子などからとれる液体。菜種油・ごま油など。「—で揚げる」
㋓植物の花や葉などからとれる、芳香のある揮発性の液体。薄荷(はっか)油など。精油。
2 活力のみなもと。特に酒をさすことが多い。「疲れたから—を補給しよう」
3 《火に油を注ぐとよく燃えるところから》おせじ。へつらい。うれしがらせ。
「えらい—言ひなます」〈滑・膝栗毛・八〉
[補説] 一般に、常温で液体のもの(主に植物・鉱物性)を「油」、固体のもの(主に動物性)または皮膚から分泌されるものを「脂」、肉のあぶらを「膏」と書き分ける。
[下接語] 揚げ油・荏(え)の油・牡蠣(かき)油・固(かた)油・樺(かば)の油・蝦蟇(がま)の膏(あぶら)・髪油・榧(かや)の油・機械油・木の実油・桐(きり)油・胡桃(くるみ)油・黒油・芥子(けし)油・漉(こ)し油・胡麻(ごま)油・米油・差し油・白油・梳(す)き油・種油・椿(つばき)油・灯(とぼし)油・菜種(なたね)油・匂(にお)い油・鯡(にしん)油・糠(ぬか)油・鼻脂(はなあぶら)・鬢(びん)付け油・松脂(まつやに)油・豆油・水油・密陀(みつだ)の油・綿油
ゆ【油】
ゆう【由/▽油】
読み方:ゆう
〈由〉⇒ゆ
〈油〉⇒ゆ
あぶら 【油】
油
油
油
油
油
- 門戸ヲ開キ屋内ニ忍入ラント欲シ、其音響ヲ防グガタメ戸車ナドノ箇所ニ尿ヲ注グノ所為。〔第三類 犯罪行為〕
- 戸障子を開き屋内に忍入らんとする場合、其音響を防ぐために戸車などの箇所に尿を注ぐことをいふ。〔犯罪語〕
- 〔犯〕忍込盗の方法。音を立てぬ様に戸や障子に油を引いて忍び込むもの。
- 戸障子を明けて忍び入らうとする時音を消す為に敷居や戸車へ小便をする事をいふ。
- 門戸を開き屋内に忍び入らんとして音響を妨ぐ為に茲に尿を注ぐ所為を云ふ。
- 屋内に侵入するとき、敷居に小便をすること。用例「あてる前に油を流す」(犯行前に、あぶらをする)。〔香具師・不良〕
- 盗犯が侵入の際建具が音のしない様に敷居に小便すること。すべりのよいところから連想して。〔盗〕
油
油
姓 | 読み方 |
---|---|
油 | あぶら |
油 | ゆさき |
油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/20 01:36 UTC 版)

油(あぶら、ゆ、oil)とは、動物や植物、鉱物などから採れる水と相分離する疎水性の化学物質で、通常は多数の化合物からなる混合物である。生体内では主に細胞膜の主要構成物質(脂質)として存在している。一般に可燃性であり、比重が小さく水に浮く。狭義には油脂を指すが、広義では炭化水素を主成分とする石油や、テルペノイドなどを主成分とする精油など油脂以外のものも油と呼ばれる。油脂については、常温で液体のものを油(または脂肪油)、固体のものを脂(または脂肪)と区別する[1]。高級一価アルコールと高級脂肪酸とのエステルは蝋と呼ばれる。
用途は食用、燃料用、産業用などに多岐にわたる。
構造と性質
常温で液体である植物油や魚油などには不飽和脂肪酸が多く含まれ、常温で固体である肉の脂などには飽和脂肪酸が多く含まれている。両者をまとめて油脂と呼ぶ。普通の油脂は脂肪酸とグリセリンの化合物であり、一般にトリグリセリド(トリ-O-アシルグリセリン)の形態を取る(例外: エコナ等)。
不飽和脂肪酸とは脂肪酸を構成する炭素鎖に二重結合もしくは三重結合を持つもののことで、α-リノレン酸、ドコサヘキサエン酸 (DHA)、エイコサペンタエン酸 (EPA) に代表されるオメガ3(n-3系)、リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸に代表されるオメガ6(n-6系)、オレイン酸に代表されるオメガ9(n-9系)がある。飽和脂肪酸とは炭素鎖に二重結合もしくは三重結合を持たないもののことで、パルミチン酸、ステアリン酸等がある。普通、二重結合が多いほど融点は低いが、酸化によって固まりやすく、そのようなものを乾性油とよぶ。この性質は油絵具・塗料などに利用される。
多くの油は引火点と発火点を持ち、消防法における危険物第四類に分類される。また、発火点が沸点より低いので酸化雰囲気では沸騰しない。
用途
食用
- 料理用
- 調味料
- 保存
化粧
- 揮発し特有の香りのする油は、精油として抽出され香水などの形で利用される
- 髪型を整えたり、艶を出したりなどの目的で整髪料として使われるものは髪油と呼ばれる。 ポマードや椿油などが代表的である。
- 基礎化粧品のコールドクリームに使われる。
- 石鹸の原料にされる。
燃料
熱した際に可燃性ガスを発生させるため燃料として利用される。蝋燭のように、燃やす以外に明かりとして利用もされる。
工業
- 潤滑剤として、潤滑油やグリース、冷凍機油が利用される。
- 鉄などと空気中などの水分との接触を減らすことから、腐食防止(防錆)などに利用される。
- 切削油
- 有用資源を溶かしたり、汚れを溶かす溶媒
- 基本的に高分子は絶縁性を持つことから電気機器の絶縁油
- 塗装や印刷の油性塗料や油性インク
- 蝋を用いたロストワックス鋳造
- ブレーキやハイドロフォームなどの圧力伝達
- プラスチックの原料として
波対策
鎮波用として海に撒き波を鎮めるのに使用された。波飛沫を抑え、表面張力と粘性で波の勢力を打ち消す効果がある。そのため粘性に富む動物油、特に魚油・海獣油などが効果が高く、石油は効果がほとんどない。アリストテレス時代には既に知られていた。昭和七年においては、海が荒れた時に船側から麻袋に油を入れたものを海中に沈め、徐々に浸出させることが行われた。また海中作業者が口に油を含み、浮上時に海面の波を鎮めるために吐き出す技もある[2]。
生体内での代謝
代表的な油
脚注
- ^ 『飲食事典』本山荻舟 平凡社 p11 昭和33年12月25日発行
- ^ 丸川久俊 「海洋学」 昭和七年十月十四日発行 p.150(Googlebook)
関連項目
外部リンク
- 日本油化学会
- 全国油脂販売業者連合会
- 公益財団法人日本油脂検査協会
- 野口宇宙飛行士の宇宙暮らし 014: 水で遊ぼう - 国際宇宙ステーション(ISS)での水の振る舞いなどを紹介する動画。8:48以降において、無重量状態下で水に油を入れようとした場合の現象が映されている。
- 『油と正しく付き合うために』 - 油に関して幅広くわかりやすく解説している教育映像作品。制作・著作は東京書籍。『科学映像館』より
油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 02:43 UTC 版)
「ONE PIECE グラバト! RUSH」の記事における「油」の解説
油を浴びると足がすべり思い通りに動かせなくなる。また、この状態で火に触れると大きく炎上する。
※この「油」の解説は、「ONE PIECE グラバト! RUSH」の解説の一部です。
「油」を含む「ONE PIECE グラバト! RUSH」の記事については、「ONE PIECE グラバト! RUSH」の概要を参照ください。
油
油
「油」の例文・使い方・用例・文例
- 石油の豊富な供給
- 油断なくあたりを見回す
- その画家は油絵の具をカンバスに塗った
- 彼は石油価格が上がるだろうと想定した
- 石油王
- 石油1バレル
- 油と水は混ざり合わない
- 多くの人が石油の見つかった土地の所有権は自分にあると主張した
- 石油価格の暴落
- この絵は油絵の具で描かれている
- 石油化学コンビナート
- 石油採掘権
- 暖房設備の石油からガスへの転換
- このパイプラインは中東から石油を運ぶ
- 原油
- 原油の埋蔵量
- 石油を求めて掘る
- 彼は石油帝国を受け継いだ
- 2隻の石油タンカーが衝突した
- 彼らは今南極地方で石油採掘の調査をしている
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