じゅん‐かつ〔‐クワツ〕【潤滑】
潤滑
摩擦力を減らすとともに、焼き付きを発生させないように固体間に流体を介在させるものと、二硫化モリブデンやカーボンなどのように、それ自体が滑りをよくするものとがある。前者を流体潤滑、後者を固体潤滑という。
潤滑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 15:42 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2012年12月)
|
潤滑(じゅんかつ、英: lubrication)とは、摩擦のある物体間に、潤滑油やグリースなどといった潤滑剤を供給したり、トライボケミカル反応によりそういった物質を合成することで、摩擦力や摩耗を低減させる方法をいう。
摩擦と潤滑
物体が互いに接触して、相互運動している状態を摩擦と呼ぶ。回転や運動する機械類は、たくさんの部位で摩擦が起こっており、摩擦による悪影響を低減するために適切な潤滑が必要である。
摩擦面の潤滑状況は下記のように分類される。
- 乾燥摩擦
- 潤滑剤がなく二つの固体表面が直接接触して運動している状態。金属機器でこの状態になると金属同士のミクロな凝着が生起し、激しい磨耗やトラブルの原因となる。
- 境界摩擦
- 物体の表面に吸着した潤滑成分分子により表面が一応保護されている状態。機械の起動・停止時にはこの状態になる。
- 流体摩擦
- 潤滑剤(液体)により相対運動する物体が完全に隔てられる状態。この状態での摩擦抵抗は液体の粘性抵抗に一致する。
- 混合潤滑
- 流体摩擦と境界摩擦の中間段階
技術論的には、これらの状態を説明するものとしてストライベック曲線という縦軸に摩擦係数、横軸にゾンマーフェルト数という無次元パラメータを用いた図が知られている。
それぞれの摩擦係数は、境界摩擦において > 0.1程度、混合摩擦において0.1~0.01、流体摩擦において < 0.01程度となることが知られている。ストライベック曲線の横軸の大きいほうでは、流体潤滑状態での摩擦係数が次第に大きくなっていくが、これは流体のせん断抵抗が大きくなるためである。
潤滑剤
潤滑を良くするためには、潤滑油やグリースなどの潤滑剤が用いられる。
弾性流体潤滑
潤滑状態の種類として新しく知られるようになったものに、弾性流体潤滑(elastohydrodynamic lubrication; EHL)がある。これは玉軸受の潤滑状態が旧来の潤滑理論では説明がつかない事から見出された理論である。
ラジアル軸受(スラスト軸受の対になる言葉で、軸と垂直の方向に荷重を受ける軸受を言う)の潤滑では、軸の回転によりオイルが軸受隙間に引き込まれることによって、圧力が発生し(油膜圧力)、軸と軸受との接触を防止し(流体潤滑状態)、軸・軸受の磨耗を大幅に減少させることができる。
このラジアル軸受において、油膜圧力が大きくなると、硬い軸受け鋼の表面も弾性変形して窪みをつくって油膜を保持しやすくなり、油膜面積が広がって面圧を下げることにより良好な潤滑状態を保つというものである。この効果を生み出す運動としては、相対運動をする面が傾いていることによる「くさび膜効果」、面同士が急激に近づくことによる「絞り膜効果」が知られている。もちろん、これらの組み合わせもありえる。柔らかい軟骨を介して運動する生体関節における潤滑や、雨の日に長靴がマンホールの上では滑りやすいこと、自動車用タイヤでのハイドロプレーニング現象[1]などがその具体例と言える。
脚注
- ^ 小石正隆(横浜ゴム株式会社) (2003年4月). “7/21ページ タイヤのハイドロプレーニング現象と計算力学 3.タイヤのハイドロプレーニング現象” (PDF). 日本機械学会計算力学部門. 2021年5月24日閲覧。
関連項目
外部リンク
潤滑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/05 03:11 UTC 版)
機械装置内の接触面の動作を油の皮膜によって摩擦を抑えることでギア等の消耗を防ぎ、動きをスムーズにする。
※この「潤滑」の解説は、「機械油」の解説の一部です。
「潤滑」を含む「機械油」の記事については、「機械油」の概要を参照ください。
「潤滑」の例文・使い方・用例・文例
- チェーンに少し潤滑油を差す
- エンジンオイルはエンジン内部を潤滑したり、不純物を取り込んで内部を保護する役目があります。
- お茶は仕事をスムーズに運ばせるための潤滑油のようなもの。
- 作動温度が高いと、潤滑剤の寿命は短くなる。
- また、温度が高いと、潤滑剤を頻繁に交換する必要がある。
- ユーモアは日常生活をなごやかにする潤滑油の働きをすることが多い.
- 潤滑剤の塗布によって滑らかに滑りやすくする
- 何かに潤滑油を差すこと
- グリースで潤滑する
- 潤滑油をつける
- 潤滑油が不足しているエンジンに特有の雑音を立てる
- 内燃エンジンを潤滑にする方法でポンプが強制的にエンジンにオイルを指すもの
- まぶたを潤滑にする長い皮脂腺
- 授乳の間胸を潤滑化する乳輪の上の皮脂腺の1つ
- 関節や腱鞘などの内側を覆う膜によって分泌される粘着性の潤滑流体
- 潤滑粘液を分泌する2つの後方の前庭分泌腺のどちらか
- 相対運動における表面の相互作用を扱う工学の分科(ベアリングやギヤのように):それらの設計、摩擦、摩耗、および潤滑
- 彼の好きな偽悪語法は、バターが欲しいときに、車軸の潤滑油を求めることだった
- 菜種から採る明るい黄色から褐色の食用油で、潤滑油や照明用にも使われる
- 潤滑剤の塗布で滑らかであるか滑りやすくしたという条件
潤滑と同じ種類の言葉
- >> 「潤滑」を含む用語の索引
- 潤滑のページへのリンク