ブチャラティチーム
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チーム全員が美形キャラクターである点について、荒木は「SMAPやジャニーズなどを意識していたのだと思う」と回想して語っている。初期メンバーの5人に新入りのジョルノが加わった6人のチームであり、後に護衛対象のトリッシュが加わる。 ジョルノ・ジョバァーナ 声 - 朴璐美 / 浪川大輔 / 小野賢章(少年時代 - 藤原夏海) 第5部のGIOGIO(JOJO)。父親はジョースター家の宿敵・DIO。 街を浄化するために、ギャングスターになる決意を抱いてギャング組織「パッショーネ」に入団する。目的は、組織のボスを倒して地位を奪い取ることである。任務で出会ったボスの娘、トリッシュをめぐる組織の内部抗争が勃発し、己の目的に繋がる戦いに身を投じることとなる。中盤において、ボスに反旗を翻し、仲間と共に組織に追われる身となる。 スタンドは物体に生命を与える能力を持つ「ゴールド・エクスペリエンス」。スタンド名は北米版では"Golden Wind"(ゴールデン・ウィンド)と改名されている。 詳細は「ジョルノ・ジョバァーナ」を参照 ブローノ・ブチャラティ 声 - 櫻井孝宏 / 杉山紀彰 / 中村悠一(少年時代 - 石上静香) ギャング組織「パッショーネ」のチームリーダーの一人で、ポルポの部下。20歳。身長178センチメートル・血液型A型。おかっぱのように切り揃えた髪に、白地に点が入り多数のジッパーが付いたスーツを着用している。 組織に忠実で、チーム内でも厳しく徹しているが実際は強い正義感の持ち主。ギャングの恐ろしさを知るがゆえにカタギの人間が組織に関わることを非常に嫌っているが、その優しさから周囲の人間からは厚い信頼を得ている。 7歳の頃に両親が離婚し、漁師の父親とともに暮らしていたが、ブチャラティが12歳の時に父が麻薬を巡るトラブルに巻き込まれてしまい、ギャングを殺害する。報復から逃れるために、少年の身でありながら街を裏で牛耳る組織に忠誠を誓うことになるが、その組織が彼の嫌悪する麻薬の密売に手を染めていたことを知り、葛藤を抱くようになる。初登場時はジョルノに対して組織が送り込んだ刺客として出逢ったが、彼の「パッショーネのボスを倒し、組織を乗っ取る」という夢に賛同しチームに引き入れた。 ポルポの死後、彼が遺した隠し財産を組織に納め、ポルポのナワバリを引き継ぐ形で幹部へと昇進する。 物語中盤、組織を裏切り、ボスに直接対決を挑むが敗北して致命傷を負う。その後、ジョルノが与えた生命力によって奇跡的に死体のまま行動し続け、最期はボスの手から「矢」を守り、ジョルノに全てを託して天へと昇って行った。エピローグでは、ジョルノと出会う直前の行動が描かれており、その頃からすでにブチャラティの死は運命として決定づけられていたことが明かされている。 拳によるラッシュ攻撃時の掛け声と決め台詞は「アリアリアリアリ……アリーヴェデルチ(さよならだ / Arrivederci)」。 綴りは "Bruno Bucciarati" であるが、北米展開時の初期には "Bruno Buccellati" (ブローノ・ブチェラッティ)と表記されていたことがある。スティッキィ・フィンガーズ 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - E(2m)(アニメ版ではC) / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 - D】 ブチャラティのスーツと同じジッパーが体に付いた人型のスタンド。殴った物体にジッパーを取り付け、物体を切断・接着したり、開いたジッパーの中に空間を作ることができる。他人の体にジッパーを付けて内部に隠れる、肉体にジッパーを取り付けて止血や縫合を行ったりパンチの飛距離を伸ばしたりできるほか、ジッパーの開閉を利用して高速で移動したりするなど多数の応用技を見せた。 スタンド名の由来はローリング・ストーンズのアルバム「スティッキー・フィンガーズ」。このアルバムのオリジナルLP版には、開閉できる本物のジッパーが付いているという変形ジャケットで、これが能力のモチーフになっている。 スタンド名は北米版では"Zipper Man"(ジッパー・マン)と改名されている。 レオーネ・アバッキオ 声 - 稲田徹 / 楠大典 / 諏訪部順一 ブチャラティの部下。21歳。身長188センチメートル・血液型A型。銀色の長髪で唇に薄紫色のルージュを引いている。人をあまり信用しない性格だが、一度認めた人間にはとことん忠義を尽くす。腕っ節はチーム内で1番強いとのこと。 元は正義感溢れる警察官だったが、腐敗した社会に失望し、自らも収賄などの悪事に手を染めるようになるが、後に自身の悪事の発覚を恐れて犯人の逮捕を躊躇した結果、アバッキオを庇った同僚を死なせてしまう。この件で汚職が発覚し、何より同僚を死なせてしまった罪悪感から身も心も暗黒に落ち「巨大で絶対的なものの命令」に従うだけのギャングとなった。 物語中盤、サルディニア島でボスの正体を探っていた時に、ドッピオの姿で近づいて来たボスの一撃によって致命傷を負う。最期の力でボスの姿を再生したムーディー・ブルースの顔と指紋を石碑に刻み、走馬灯の中で再会した同僚から認められたことでようやく魂が赦され、共に旅立っていった。 テレビアニメ版では過去エピソードの披露が前倒しされる。新たなシーンも追加され、ブチャラティに出会うまでの様子も描かれる。ムーディー・ブルース 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - A(再生中に限る) / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】 人型のスタンド。額にデジタル表示のタイマーがついている。過去の時間を指定することで、そこにいた人間やスタンドに姿を変えて行動をビデオ映像のように再生(リプレイ)できる。通常時は本体譲りの肉弾戦を得意とするが、再生中はそれ以外の行動ができなくなるため、攻撃に対して無防備状態になる。また、スタンドに対しては特殊能力まではコピーできず、再生が困難になった場合は追跡が途絶え、タイマーがフリーズする。 アニメ版では電話の発信音のような音を発しながら行動する。 デザインはビニールを頭からかぶっているイメージ。 スタンド名は北米版では"Moody Jazz"(ムーディー・ジャズ)と改名されている。 グイード・ミスタ 声 - 伊藤健太郎 / 赤羽根健治 / 鳥海浩輔 ブチャラティの部下でチームのムードメーカー。18歳。身長179センチメートル・体重68キログラム・血液型B型。ファッションは網模様の服と縞のズボン、網と丸点模様の帽子。 「単純に生きる」を信条にしており、あるとき暴行されていた女性を助けようとしてチンピラを射殺してしまい投獄されそうになるが、ミスタの正当防衛と銃の才能を見抜いたブチャラティによって助けられ、組織に入団した。性格は常に快活で直情的だが、数字の「4」を不吉と信じて極度に嫌っており「4」が絡むと途端に弱気になる一面も持つ。 撃鉄を覆った六連発式のリボルバー式拳銃(M49ボディガード五連発拳銃に似た六連発拳銃)を愛用しており、帽子や袖などいたるところに予備の弾丸を隠し持っている。なお、使用している銃自体はスタンド能力ではなくただの道具である。 ジョルノがアバッキオの新人いびりを上手くかわして以来、彼のことを気に入っており、ブチャラティを除けばチーム内で一番早くジョルノのカリスマ性に気づき、協力する姿勢を見せた。 最終決戦では「ピストルズ」でジョルノたちを援護し、最後まで生き残る。ジョルノがボスとなったシーンでは側近として控えている。セックス・ピストルズ 声 - 伊藤健太郎 / 今井麻美 / 鳥海浩輔 【破壊力 - E / スピード - C / 射程距離 - 弾丸の届く距離まで(アニメ版ではBに設定されている) / 持続力 - A / 精密動作性 - A / 成長性 - B】 頭が尖っている小人のような群体型スタンドで、空中を飛び回りながら弾丸の操作を行う。発射された弾丸に取り付いて軌道を制御したり、弾丸を弾き飛ばして反射や拡散したりすることも可能となっているが、スタンド自体のパワーは非常に弱く、弾丸よりも重いものを動かすのは苦手。 「ピストルズ」は6人で1チームとなっており普段は弾倉内で待機しているが、スタンドながら食事や睡眠を行うなど人間臭い個性を持っている。No.1はリーダー格、No.2は明るいお調子者、No.3は短気な暴れん坊、No.5は気弱な泣き虫、No.6はクールで冷静、No.7はサブリーダー(指揮をとったのはNo.1の不在時のみ)。ミスタ自身のジンクスから「No.4」はいない。 本体であるミスタとの緻密な連携プレーや、ミスタから離れても自主行動でジョルノたちの援護に回るなどの活躍を見せている。 連載時の企画において、読者からの「ミスタの持っている銃でないとスタンドを使用できないのか?」という質問に対し、荒木は「ミスタが撃った銃弾であればどんな銃でもスタンドを使用できるが、ミスタは一発撃てば絶対に命中させられるので、機関銃の類は必要ない」と回答している。Part5終了時点の全スタンド88種中、登場回数1位。「意外な1位」とコメントされている。 スタンド名は「シックス・ピストルズ」という語呂合わせから来ている。 スタンド名は北米版では"Six Bullets"(シックス・バレッツ)と改名されている。 ナランチャ・ギルガ 声 - 瀧本富士子 / 三瓶由布子 / 山下大輝 ブチャラティの部下。17歳。身長164センチメートル・血液型AB型。小柄な少年で、ヘアバンドのような髪留めを使って髪型を簡易に作っている。 幼い頃に母親が病死し、父親には疎まれて育ったため、町の不良仲間とともに日々を過ごしていたが、14歳の頃に友人に罪を擦り付けられて少年院へ収監される。出所後は社会に孤立し浮浪者となっていたが、フーゴとブチャラティによって助けられ、その恩に報いるため密かに「試験」を受け組織に入団した。 無邪気で子供っぽい性格だが、満足な教育を受けていないことに劣等感を持っており、教養・知識の無いことを馬鹿にされると、キレてナイフを振り回す。ジョルノより二つ年上で先輩風を吹かすことがあるが、内心ジョルノの才能を認めている。 ローマの最終決戦では、レクイエムの影響を受けて、魂がジョルノの肉体に入る。戦いが終わったらネアポリスに帰って学校へ行くという決意を話した直後、ボスの「キング・クリムゾン」で隙を突かれ、鉄柵に串刺しにされて殺害された。 ラッシュ攻撃時の掛け声と決め台詞は「ボラボラボラボラ……ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな / Volare Via)」。 テレビアニメによると、母の名はメーラ。 『JORGE JOESTAR』では主役の相棒を務める重要人物。パラレルワールドのそっくりさんという位置づけで、スタンドは潜水艦隊になっている。エアロスミス 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - 数10m(アニメ版ではB) / 持続力 - C / 精密動作性 - E / 成長性 - C】 ラジコンサイズのプロペラ戦闘機型のスタンド。ナランチャの横に伸ばした両腕を滑走路に見立てて出し入れする。 実在の戦闘機をそのまま小型化したような能力を持ち、プロペラによる飛行や、機銃や爆弾による攻撃、二酸化炭素を探知するレーダーによる索敵など幅広い運用が可能。搭載されている兵器は殺傷力が高く、二酸化炭素のレーダーは生物の呼吸にも反応するため広範囲での戦闘や警戒も可能となっているが、スタンド自体の精密動作性が低く、レーダーがとらえた反応は単なる光点でしか示されないため、正確な射撃や分析は苦手としている。 スタンドの戦闘機にはパイロットが搭乗しており、名前は「スミス」とされている。 スタンド名は北米版では"Li'l Bomber"(リル・ボマー)と改名されている。 パンナコッタ・フーゴ 声 - 三浦祥朗 / 小田久史 / 榎木淳弥 ブチャラティの部下でチームのブレーン。1985年生まれの16歳。血液型O型。無数の大穴の空いた服と、イチゴ柄のネクタイを着用している。 裕福な家に生まれIQ152相当の頭脳を持っており、13歳で大学に行っていたが、大学教授に対する暴行事件をきっかけに道を外れ、ギャングとなる。チーム内では古株。普段は紳士的だが恐ろしく短気で、些細なことで激昂する暴力的な一面も持つ。ナランチャがチームに入るきっかけを作り、チームでは仕事の傍ら彼の教育係をしている。 物語の中盤、組織を裏切ったブチャラティに他のチームメンバーが付いていく中、「理想だけでこの世界を生き抜くことはできない」と主張し、一人チームを離脱した。 派生して、『ゴールデンハート/ゴールデンリング』(2001年)、『恥知らずのパープルヘイズ』(2011年)、テレビアニメ(2018年)があるが、彼の掘り下げられたバックボーンがすべて異なる。原作では過去に起こした暴行事件を起こした理由の詳細は説明されていないが、小説『恥知らずのパープルヘイズ』では教授から亡くなった祖母を罵倒されたことに激怒し、暴行したことになっている。 テレビアニメ版ではイルーゾォ戦で彼の過去について詳細に掘り下げられている。名門のフーゴ家に生まれ、傍目から見れば何不自由ない生活を送っていたが、幼少期から両親の虐待じみた過剰な期待を受け続けたことで、次第に暴力的な感情を溜め込んでいくようになる。大学で師事していた教授が男色家だった上、テスト問題をリークしてやるなどと言いながら性的関係を迫ったため、自分の努力や才覚を否定されたと感じたフーゴは逆上し持っていた辞書で教授を暴行してしまう。一族を勘当されてストリートチルドレンとなってからブチャラティと出会い、ちょうど自分のチームを作りたいと思っていた彼に誘われる。フーゴは自分の性格や境遇を話したうえで固辞したが、それらすべてを受け入れてくれたブチャラティの人柄に感銘を受け、パッショーネへと入団した。離脱のシーンについては「正しい馬鹿にはなれない」と、ブチャラティの行動は正しいと理解しながらも組織に忠誠を誓うことを決断。自身の判断を悔やみながらに仲間を見送るという内容に変更された。パープル・ヘイズ 声 - なし / 江川央生 / 榎木淳弥 【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - E / 精密動作性 - E / 成長性 - B】 人型のスタンド。ローマの甲冑を着ており、半透明のバイザーで顔を覆い、口は糸で縫われ常に涎を垂らしている。拳に搭載された数個のカプセルから「殺人ウイルス」を周囲にばら撒く。このウイルスに感染するとあらゆる生物はおよそ30秒ほどで全身が腐り死んでしまう。本体であるフーゴでさえもウイルスに感染すれば死亡し、解除することもできない。ウイルスは光に弱く、夜でもライトの光程度の強さで数十秒ほどの照射で殺菌される。解説によればウイルスは成長もする。 アバッキオからは「本体の凶暴さを具現化したような能力」と評される。スタンド自身も自我を持ち、知性は低く凶暴性が高いが、体についた自分の涎を拭き取るなど綺麗好きな一面もある。本体であるフーゴ自身にも制御しきれないため、作中で登場したのはイルーゾォの「マン・イン・ザ・ミラー」戦の一度きりである。 スタンド名は北米版では"Purple Smoke"(パープル・スモーク)と改名されている。 トリッシュ・ウナ 声 - 夏樹リオ / 東山奈央 / 千本木彩花 パッショーネのボスの娘。1986年4月19日生まれ。15歳。身長163センチメートル・血液型A型。四則演算の記号がプリントされたパレオのような服を着ている。ボスが組織に君臨する以前に出来た子供で、ボス自身も存在を知らなかった。母と2人で暮らしていたが、母が病死する前に父親(ボス)探しを組織に依頼したことでボスにその存在を知られることとなる。ボスに不満を持っていた者からは謎の多いボスを倒すための鍵と認識され、組織内の抗争に巻き込まれたがボスの指示でペリーコロに保護され、ブチャラティチームに護衛されることとなる。 最初は父親がギャングのボスで、知らず知らずのうちに抗争に巻き込まれたことと、初めて知ったスタンドの存在と自身にもそれが見えることに強気な態度を見せながらも内心怯えていたが、子を思わない父親はいないとブチャラティの言葉を受け、会うことを決意する。しかし父親であるボスは己の保身のため、ボス自身に繋がる情報をすべて抹消するために自分を殺害しようとしていることを知り、ショックを受ける。一方でブチャラティが身を呈して救ってくれたことにより、共に父親を打倒することを決意、両親の馴れ初めの地であるサルディニア島の情報を伝え、旅に同行する。 初めは潔癖症で高飛車だったが、ブチャラティ一行との関わりが彼女を成長させ、もともと強かった芯がより強くなり、性格も丸くなった。ナランチャと近い境遇なのもあり、彼と会話をする機会が多い。 名前の由来はスーパーモデルのトリッシュ・ゴフ。本誌および単行本では、一部トリッシュ・ウノと誤記されているページも存在した。スパイス・ガール 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - D / 成長性 - C】 どんな物質も柔らかくできる女性型スタンド。ボスのキング・クリムゾンと似た模様が体表にある。柔らかくできる範囲は弾性のあるゴム状から不定形に近いレベルまで自在で、柔らかくなった物はスパイスガール以外決して切断や破壊をする事ができない。曰く「柔らかいという事はダイヤモンドよりも壊れない」。 自我のあるタイプのスタンドで、本体であるトリッシュとは対等の友人のような関係である。生まれつきスタンドの才能があったトリッシュは他のスタンドが見え、スパイスガールもずっと存在していたが、精神的に未熟だったため発現しておらず、トリッシュが刺客たちとの戦いを通して成長したことによってスタンドとして現れた。普段は敬語で喋るが、戦闘になるとガラが悪くなり、本体譲りの激しい気性が露呈してくる。拳でのラッシュ攻撃時は「WAANNABEEEEE(ワァァナビィィィー)」と叫ぶ。 デザインには猫と四則演算が取り入れられている。 スタンド名は北米版では"Spicy Lady"(スパイシー・レディ)と改名されている。
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