メーラとは? わかりやすく解説

メーラ

名前 Mehra

電子メールクライアント

(メーラ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/15 23:45 UTC 版)

電子メールクライアント(でんしメールクライアント、: mail user agentMUAメールユーザエージェント)とは、電子メールを送受信し管理するためのアプリケーションソフトウェア。一般的には(電子メールソフトなどと言う。メーラーと言うこともあるが、その場合には、メール転送エージェント(MTA)を指す場合もある。

電子メールの送受信には、メールサーバで動いているメール転送エージェントにアクセスする。送信のための通信プロトコルとしてSMTP[注釈 1]が、受信のためにはPOP3IMAPが用いられる。

機能

概要

電子メールクライアントの基本的な機能は、電子メールの作成・送信・受信、受信した電子メールの管理と閲覧などである。ソフトウェアにより、これらの機能は統合されている場合もあれば、一部の機能を別のソフトウェア(例えば内容文の作成に別のテキストエディタなどを使う、HTML形式のメールの閲覧に外部のウェブブラウザを呼び出すなど)で実行したり、単機能のソフトウェアを組み合わせて使用する場合もある[1]

メールユーザーエージェントとしての電子メールクライアントは通常、受信サーバ、送信サーバのホスト名FQDN)とアカウントメールアドレスやログインIDパスワード)、使用する通信プロトコルなどをあらかじめ設定しておく。

電子メールを扱う機能のほか、ネットニュースニュースグループ)の閲覧・投稿を行うニュースリーダ機能、RSSなどを閲覧するフィードリーダー機能、スケジュール管理機能などが統合された電子メールクライアントソフトウェアもある。

電子メールの受信

受信メールサーバ上のユーザーのメールボックスまで届いた受信メールが、最後にそこから電子メールクライアントまで転送される方式は、プッシュ型とプル型に分類される。

プッシュ型
プッシュ型電子メール(プッシュメール、プッシュ型メール)とは、受信メールサーバが能動的に電子メールクライアントへ、即時に転送する方式を指す。
電源が入った状態では常に無線でネットワーク接続される携帯機器は、プッシュ型が有効である。日本では、1999年から iモードメールといった携帯電話の電子メールにプッシュ型を使っている。
プル型
電子メールクライアントが受信メールサーバにログイン時とその後一定間隔でポーリングし、新たな受信メールがあるかどうかを調べ、あればそれをユーザーのコンピュータ上のメールボックスにダウンロードしたりする。
電子メールクライアントがネットワークに常時接続でない場合、ネットワークアドレスが頻繁に変更されるため、プッシュ型は適さず、通常はポーリングを行う。例えば、Wi-Fi接続するノートパソコンは DHCPサーバから1回きりのアドレスを付与され、ネットワーク名も一定しない。したがって受信メールサーバに新たな電子メールが到着しても、その転送先となるクライアントのその時点のアドレスは不明である。
普及している受信プロトコルには、Post Office Protocol(POP3)と、Internet Message Access Protocol(IMAP)がある。一般的に、POP3を用いた場合は、受信メールをローカルにダウンロードして保存し、サーバからは削除する。IMAPを用いた場合は、受信メールをサーバ上に保存したまま電子メールクライアントで管理、表示する。

電子メールの送信

作成した電子メールはSMTPを用いて、メール転送エージェントに送信される[注釈 1]

電子メールの表示

ヘッダで指定されたエンコーディング指定に基づいてメール本文を表示したり、添付ファイルの処理を行う。返信されたメールの本文のうち、行頭に引用を表す記号(一般的に">")が付加された部分の表示色を変更して表示する機能をもつものもある。元来、SMTPの制約により7bitの文字しか使用できなかった(RFC821)電子メールでは、バイナリデータを添付する場合はMIME規格に基づき符号化されるが、電子メールクライアントはこれを復号し、元のデータに復元する。

複数電子メールの管理と閲覧

メールのファイル保存形式には、mboxeml形式等がある。電子メールクライアントによっては、異なる形式とのインポートエクスポート機能があり、移行に対応している。

電子メールクライアントには、受信した電子メールの一覧を作成し並べかえて表示するソート機能がある。ローカルのメールボックスを複数作成して電子メールをまとまりごとに管理するほか、表示色を変更したり、フラグの概念を用いてメールを分類して保存することもよく行われる。電子メールのヘッダにある情報に基づき、返信したメールをスレッド表示する機能をもつ電子メールクライアントもある。メールヘッダや本文などに含まれている特定の文字列に応じ自動的に分類を行ったり、ベイジアンフィルタなどを用いてスパム(いわゆる迷惑メール)を抽出する機能をもつものもある。

電子メールの作成

電子メールを作成する場合、SMTP(RFC 5321)に沿ったフォーマットで作成しなければならない。通常、電子メールは7ビット文字のみを用いたテキストファイルとして作成される。バイナリファイルを添付するためには、電子メールクライアントにより符号化が行われる。送信先(ToCcBcc)や、題名(Subject)をはじめとしたヘッダを付加するのも電子メールクライアントの機能である。返信したメールの引用部分への引用記号の付加や、アドレスリスト、署名の管理、テンプレートの適用などの機能を持つものもある[2]

脚注

注釈

  1. ^ a b SMTP( RFC 5322)では、RFC4409のサブミッション・プロトコルを推奨している。サブミッション・プロトコルの既定のポート番号は、587番である。

出典

関連項目

外部リンク


メーラ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 04:20 UTC 版)

語源

英語 mailer (メーラー) からの借用語

名詞

メ ー ラ(メーラ)

  1. (まれ) メーラーに同じ。メールクライアント

類義語


「メーラ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「メーラ」の関連用語

メーラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



メーラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの電子メールクライアント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryのメーラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS