ボスの親衛隊
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スクアーロ 声 - 木内秀信 / 森訓久 / 前野智昭 パッショーネの「ボス」の親衛隊の一人。ティッツァーノと共にヴェネツィア市内でブチャラティチームを襲撃する。二人組で攻撃役を担当。やや感情的な性格で冷静さを失いやすく、その度にティッツァーノに諭される。敵の言動や戦況から油断や動揺をする場面が多く描かれていたが同時に粘り強くもあり、エアロスミスの攻撃によってかなりのダメージを負いながらも最期までブチャラティチームの始末を諦めなかった。 「トーキング・ヘッド」に取り憑かれたナランチャを利用して、他のメンバーを順次始末しようと計画するが、ナランチャに正体を見破られる。クラッシュが攻撃できるようにティッツァーノが身を挺してエアロスミスの機銃を受けて死んだことに激昂、ボスではなくティッツァーノのためにブチャラティチームを壊滅させることを決意する。しかしそれでも怯まなかったナランチャのエアロスミスのラッシュを受け敗北、ブチャラティチームの精神力の強さを理解できないまま死亡した。クラッシュ 【破壊力 - D / スピード - A / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - A / 成長性 - C】 魚類の姿をした遠隔操作のスタンド。鋭い歯を持ち、水から水へ瞬間移動して相手を攻撃する。水以外でもスープや血液などの液体であれば移動が可能。サイズとパワーは可変で、転移先の水の量に相関して縮小拡大する。劇中では最小で涙、最大でヴェネツィアの運河に移動していた。密閉された水へは移動できず一回で移動できる距離も数メートル程度なのが弱点で、近くに水がない場所では一気に不利になる。 作中では「サメのような」と称されているが、デザインのイメージは古代の甲冑魚であるという。 スタンド名は北米版では綴りが"Clash"から"Crush"に変更されている。 ティッツァーノ 声 - 石野竜三 / なし / 津田健次郎 親衛隊の一人。スクアーロと共にヴェネツィア市内でブチャラティチームを襲撃する。二人組で支援役を担当。冷静沈着な頭脳派で、感情的なスクアーロのブレーキ役も担う。 ナランチャにスタンドを取り付かせてブチャラティチームを攪乱するが、自分の舌を切り落としたナランチャを見て動揺したせいで正体を見破られ、エアロスミスの弾丸からスクアーロを庇って死亡する。スクアーロを庇ったのは、自分の返り血をナランチャに浴びせることで、スクアーロのスタンドが瞬間移動してナランチャを殺せるようにするという覚悟の行動であった。トーキング・ヘッド 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】 対象の舌に取り付き、その者が発しようとするあらゆる言葉の正反対のことを表現させるスタンド。能力は口述だけでなく記述にも及ぶが、この場合は正反対ではなく意味不明なものに変換されていた。スタンドを一時的に解除して言動を正常に戻すことも可能で、これを巧みに織り交ぜながら相手を撹乱する。また、対象の舌を操って物を掴んだりすることも可能。 完全な非戦闘型のスタンドであり自由に移動させることもできないため、これを相手の舌に貼り付けることができて、かつ攻撃に特化したスタンドと組むことが前提の能力である。 デザインのイメージはタコの吸盤とエイリアンの幼生。 スタンド名は北米版では"Talking Mouth"(トーキング・マウス)に改名されている。 カルネ 声 - 阪口大助 ボス親衛隊の一人。不気味な風貌の太った男で、作中ではセリフを発していない。サルディニア島に向かおうと空港を訪れたブチャラティたちの前に正面切って現れるもミスタにあっけなく射殺される。その後、自身のスタンド「ノトーリアス・B・I・G」が死に際の恨みのエネルギーによって無敵の怨霊と化し、サルディニア島行きの飛行機内でミスタ、ナランチャ、ジョルノを次々に襲って戦闘不能にした。スタンド能力に目覚めたトリッシュの機転で飛行機の墜落に巻き込まれた後、ティレニア海に投棄されたことで、その後は、永遠に海面の波飛沫や通りかかった船を攻撃するだけの存在となった。ノトーリアス・B・I・G 【破壊力 - A / スピード - ∞ / 射程距離 - ∞ / 持続力 - ∞ / 精密動作性 - E / 成長性 - A】 近くにあるもののうち「最も速く」動いているものを、それを上回る速さで優先的に追尾し攻撃する自動追尾型スタンド。人間やスタンド、飛行機の燃料など様々なエネルギーを吸収し、肥大化する。また、既に本体が存在しないために、航行中の飛行機にさえ追いつくほどの無限大のスピードと射程距離を持つ。 「最も速く」動いているものよりも遅い速度で攻撃することでダメージを与えることは可能だが、動いているものを恐ろしい勢いで次々取り込むこのスタンド相手にその条件を満たすのが難しいうえに、僅かな欠片とエネルギーがあれば即座に再生するため、完全に消滅させることは極めて困難。また止まっているものに当たった場合もダメージを負う。 このスタンドは、本体であるカルネ自身が死亡したことで発動したと説明されているが、カルネはミスタに射殺される直前に人型のノトーリアス・B・I・Gを出しかけており、生前にスタンドが使えたのかについてははっきりしていない。 スタンドと同名のアメリカのラッパー「ノトーリアス・B.I.G.」も本作連載中の1997年にカルネと同じく射殺されており、作者が『週刊少年ジャンプ』巻末のコメント欄でそのことについて触れている。 スタンド名は北米版では"Notorious Chase"(ノトーリアス・チェイス)に改名されている。 チョコラータ 声 - 石野竜三 / 内田直哉 / 宮内敦士 ディアボロの切り札の一人。34歳で元医者。菌類を思わせる形状をした緑色の髪と、不気味なメイクを施した顔が特徴。暴走しがちな能力と本人の性格とが危険視されて、行動を制限されていた。 本編の2年前に医療ミスで患者を死なせ病院を解雇になった所を組織に拾われたが、実態は人の死や痛みを観察するのを楽しみとする好奇心旺盛で猟奇的な殺人鬼であり、患者も意図的に死に追いやっていた極悪非道そのものの男。医者を志したのも合法かつ効率的に死や痛みを観察できるからに過ぎず、人としての良識や倫理・道徳が完全に欠落している。その人体実験での経験はジョルノとの戦いで活用され、医療器具と薬物とスタンド能力を駆使して自身の身体を解体・分離して攻撃に用いている。 歪んだ性格は少年時代からの生来のものであり、表向きは頭脳明晰な優等生として老人介護のボランティアに参加するなどしていたが、その裏で寝たきりの老人たちを人体実験に利用した挙句心身共に虐待して自殺に追い込んでおり、愉悦のために医者になることを決めた。 基本的に他者を全く信用しておらず、唯一セッコだけに多大な信頼を寄せている。自らボスに成り代わる野心もある。アバッキオによって顔を暴かれたボスが、ハイリスクを承知しつつ解き放つ(用済みになれば抹殺するつもりだった模様)。ローマにて無差別の被害を出しつつ、ブチャラティチームを抹殺しようとする。しかし、ピストルズNo.5の活躍とジョルノの機転により敗北、怒りのジョルノによって7ページ半(雑誌掲載時では、掲載ページによる影響で5ページ半のみの掲載だった)に渡る「無駄無駄」ラッシュを打ち込まれ、ゴミ収集車の中まで吹き飛ばされ死亡した。 この時のシーンが、類例のPart3での空条承太郎などと共に、テレビアニメ版Part1のオープニング「ジョジョ〜その血の運命〜」の映像に盛り込まれている。 テレビアニメ版ではシルエットだけ先行登場しており、ソルベとジェラート処刑の実行犯が彼だということが示唆されている。また彼の過去についても詳細に描かれ、麻酔を弱くして手術中に目覚めた患者の体から腸を取り出して見せつけたり、自殺した老人の姿を邪悪な笑みを浮かべながらビデオで撮影していた。 またテレビアニメ版31話で描かれた最後の「無駄無駄」ラッシュのシーンは、上記の承太郎が放った約20秒のオラオララッシュを上回る約30秒に渡る描写となったが、「無駄無駄原画」とクレジットされた原画担当者6名を配して制作された(6名とも、31話全体の原画担当としてもクレジットされている)。総作画監督の石本峻一によれば、31話の制作に入る前に、アクションを得意とするアニメーターを配したほうがよいという流れで配置が決まったという。グリーン・ディ 【破壊力 - A / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - A】 サボテンのような姿をした人型のスタンド。頭部や頚部に無数のパイプのようなものがあり、そこからスタンドカビを散布する。このカビには、現在の位置より少しでも低い所に降りると急激に繁殖して肉を腐らせる性質がある。現在の位置から高い所へ移動し続けることで繁殖を食い止めることはできるが、カビ自体が生きているためゴールド・エクスペリエンスによる治療も難しく、根絶するには本体のチョコラータを叩くしかない。スタンド自体の属性は近距離パワー型であり、ゴールド・エクスペリエンスを圧倒するなど接近戦にも強い。また医師としての技量とカビを駆使し、自らの体をバラバラにし、傷口をカビで覆い止血・保護することで物陰に隠れ、攻撃することもできる。ただでさえ、カビは散布範囲を無差別に攻撃するうえに、犠牲者の死体を媒体として無制限に攻撃範囲が広がって行くという、チョコラータの一点の良心も持たない残忍非道な性格が反映されている。カビは生物であれば何でも朽ちさせることができるが、死んでいるものにはカビは生えず、カビに侵された生物も死亡した時点で侵食が止まる。そのため、既に死体になっていたブチャラティにはカビは生えなかった。 原作中ではスタンドの上半身しか映るシーンがなかったが、PlayStation 2用のゲーム『黄金の旋風』での登場に際して、原作者が下半身部分を描き下ろしており、キノコの傘を上下逆にしたような形状で這って移動する。アニメではアイキャッチのスタンド紹介で、人間と同じ2本の足が描かれた。 スタンド名は北米版では"Green Tea"(グリーン・ティ)と改名されている。 セッコ 声 - うすいたかやす / 下野紘 / KENN ディアボロの切り札の一人。チョコラータの元患者ということ以外の素性は一切不明。ディアボロ曰く「考えの読めない男」で、チョコラータ共々にゲス呼ばわりされている。 チョコラータの言うことしか聞かず、彼の投げた角砂糖を口でキャッチし、留守録の声にすら泣いて喜ぶなど、ペットのように振舞っているが、実は饒舌で計算高い性格の持ち主。チョコラータに従っていたのは彼の下につけば安心できるという思惑からであり、彼が敗れたことを知ると掌を返して罵倒を始めた。 チョコラータの遺言からブチャラティたちの目標の「コロッセオにいる男」(ポルナレフ)の存在を知り、彼から秘密(矢の力。後にレクイエムと判明する)を奪い、ボスを倒してトップになりかわろうと暴走する。地下を泳げる能力と優れた聴力をブチャラティに逆利用されて大ダメージを受け、さらにジッパーで自らの手とノドとを繋がれ、自分のノドを液状化して自滅。チョコラータと共にゴミ収集車送りとなった。 テレビアニメ版ではシルエットだけ先行登場する。ソルベがチョコラータに輪切りにされていく様子をビデオカメラで撮影していた。オアシス 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】 身に纏う形のスタンド。周囲のあらゆるものを泥化させる。これを利用して地中にダイブし、自身の進行上の全ての物を液状化した地面に飲み込む。敵や物質を液状化した地中に引きずり込んだり、液状化させて破壊することもできる、また、ある程度距離が離れれば、液状化した物も再び固体化するため、液状化した石を口に含み雨のように吹き付けることで即興の遠距離攻撃も可能である。セッコ自身の「原始的な才能」がそのまま発現したものであるとされ、セッコ自身の恐ろしく鋭い聴力がソナーとなって、地中でも方向を誤ることがない。ヒジで地面を打ってドロ化し、その反動を利用してパンチを繰り出すことで、ブチャラティの「スティッキィ・フィンガーズ」をもしのぐパワーとスピードでラッシュを繰り出すこともできる。真価はチョコラータ自身の能力との組み合わせによって発揮される。 スタンド名は北米版では"Sanctuary"(サンクチュアリ)と改名されている。
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