生物の呼吸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 09:04 UTC 版)
酸素を利用するに当たっては、動物の場合全身の細胞にくまなく酸素を行き渡らせるため、血液によって酸素を運搬する必要がある。節足動物・軟体動物などではヘモシアニン、脊椎動物では、赤血球中のヘモグロビンがこの役割を担う。 血中への酸素取り込みは、植物の場合葉などの気孔と樹皮の皮目で、魚類・水棲甲殻類はエラ呼吸で、陸上の昆虫は気門の呼吸、両生類は幼生時にはエラ呼吸、成体時には肺呼吸、爬虫類、鳥類、哺乳類は肺呼吸で行う。エラ呼吸は水流の一定の流れを利用するが、肺は出口がひとつしかないため吸気、呼気を繰り返すことで定期的に肺内の空気を交換しなければならない。このために行う胸郭運動を呼吸運動と呼び、これをやめることはできない。呼吸運動は随意運動であると同時に、脳幹の呼吸中枢(ヒトでは延髄にある)によって自動的に制御される。そのため睡眠中も不随意な呼吸運動が保たれる。この中枢機構に問題があり、睡眠時に呼吸不全に陥る疾患が先天性中枢性肺胞低換気症候群である。
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