国鉄スハ43系客車とは? わかりやすく解説

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国鉄スハ43系客車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 09:55 UTC 版)

国鉄スハ43系客車(こくてつスハ43けいきゃくしゃ)とは、日本国有鉄道(国鉄)が1951年昭和26年)から製造した客車の形式群である。


注釈

  1. ^ 本形式に限らず、10系以前の客車は三等車(普通車)に関してはデッキを有するクロスシートで製造され、独立した便所と洗面所も備える。戦災復旧車とオハニ63形(のちのオハニ36形)以外の鋼体化改造車を除いて長距離優等列車への投入が優先されていた。
  2. ^ 買い出し列車ラッシュアワーのすし詰め状態となる通勤電車(TR23系台車は電車の付随車にも使用された)を除けば、平常ではあり得ない過大荷重である。
  3. ^ 社内呼称FS-1、のちのDT14。
  4. ^ 板ばね同士が重なる箇所の摩擦(板間摩擦)を減らすことで、微小荷重域からばねがよく動くようになり、乗り心地が改善する。
  5. ^ 旧形客車改造の軽量寝台車オハネ17形制作時には、乗り心地改善のために大量に捻出転用され(この結果、新形式のオハ47形・オハフ46形が出現した)、さらに、はるか後年のオリエント急行日本運行1988年)に際しては、搭載車の自重が「マ」級以上となることからばね定数の変更を実施し、オリエント急行用客車の日本国内運行用台車に流用された。
  6. ^ 1960年代以降、近代化改造工事に併せて20 Wの環形蛍光灯に交換されている。
  7. ^ 現代の車両では乳白色のものが採用されている。
  8. ^ 4両すべてが保存・再利用されている。
  9. ^ スハフ42の初期ロットであるスハフ42 18をスハ42→オハ36と同等のメニューで改造したオハフ33 630は存在する。
  10. ^ スロ51 - 54などの優等車形式は台枠の井桁構造(特に中梁部分)が戦前型に近い高さ250 mm形鋼で構成されるのに対し、スハ43など三等車グループでは車端衝撃に対する強度引き上げのため高さ200 mm形鋼の中梁の上に100 mm高の横梁を載せる形に変わっている。結果台枠の全体高さは50 mm増の300 mmとなるが、客車の床面高さは同じため、心皿面を50 mm引き下げている。
  11. ^ サンタ・マチルジ工業製の一部車両は木造客車の鋼体化により誕生している。このほかにもブラジルにおいては木造客車の鋼体化が多く行われ、意図したものではないものの、その多くは日本国鉄の43系や60系客車と類似した外観となった。
  12. ^ 日本国鉄の「並ロ」に類似した仕様である。
  13. ^ ほぼ時を同じくして同様の車両がヨーロッパ数か国のメーカにも発注されており、二等車と三等車については日本製車両とほぼ同じ仕様を持つが、新製一等車の発注はそちらにのみ行われた。

出典

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  3. ^ 寺本光照『さよなら急行列車』JTBパブリッシングキャンブックス〉、2016年2月、88頁。ISBN 978-4-533-10882-2 
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  17. ^ a b 岡田誠一「スハ43系客車のあゆみ(前編)」『鉄道ピクトリアル』2002年6月号、p.12
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  42. ^ a b c d 岡田誠一「スハ43系客車のあゆみ(後編)」『鉄道ピクトリアル』2002年7月号、p.21
  43. ^ 岡田誠一「スハ43系客車のあゆみ(後編)」『鉄道ピクトリアル』2002年7月号、p.22
  44. ^ 「スハ43系客車 形式集(後編)」『鉄道ピクトリアル』2002年7月号、p.39
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  76. ^ 『鉄道ファン』、交友社、2012年7月、[要ページ番号] 
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