試験車
試験車
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マヤ10形 - 1968年 (2001)日本車輌で製造された車両性能試験用の試験車。この種の試験車にはマヤ38形(0番台)があったが車両の内外とも老朽化が激しく、また新しい技術を導入し速度や牽引性能を高めた車両には対応できなくなったことから製造された。 外観は、10系客車をベースとして12系に準じた軽量構造の広幅車体が採用され、電化区間以外へも回送での運転等を考慮し入線線区を広げるため第1縮小限界で設計されており、屋根は、交直流関連機器を載せるため、1/3が低屋根構造になっている。低屋根部分には電源用パンタグラフ、避雷器、交直流切り替え器、遮断器等各種交直流機器が搭載されて交直流いずれも集電が可能な構造となっている。パンタグラフからの電気で車内電源の40 kVA電動発電機を駆動し、屋根上に搭載されたAU12S形ユニットクーラー4基といった冷暖房機器には直接給電、照明や計測機器の電源としては静止インバータや予備の蓄電池を介して供給されている。測定装置はF級機関車の牽引・粘着試験に常時使用されるものを主体に装備しており、車端部には被測定車輌に設置した各種計測機器からのケーブルを接続するための端子が多数用意されている。ブレーキは中継弁付電磁自動空気ブレーキとし、台車も架線検測車たる495系電車に使用されたDT-37Xの付随車版といえる軸ばり式高速台車TR206を採用しており、これによって最高速度は120 km/hに抑えられているものの、その一方で一般形客車や20系客車の他、国鉄において汎用の一般貨車、コキ10000系やレサ10000系といった高速貨車との連結運転が可能となっている。車体塗色は、青15号に黄1号の側帯を窓上と窓下に1本ずつ巻いていた。 完成後は1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正前に行われた20系客車および10000系貨車の牽引試験、EF66形、EF81形、ED78形、EF71形の性能試験に始まり、その後も電気機関車のブレーキ性能や誘導障害といった各種試験に供されたが、1980年に新製されたEF64形1000番台の性能試験後は使用されることも減り、1986年9月に奥羽本線で行われたED79形の試運転を最後に運用を離脱し、翌1987年に廃車された。 >製造データ スヤ11形 - 1970年 (2001)マヤ10形に続き日本車輌で製造された電気機関車・ディーゼル機関車・客車・貨車の強度振動試験用試験車。列車の高速化により営業用車両に直接機器を積んで行う性能試験は運転上の制限が増え、計測機器の準備にも問題があったことから専用の試験車として開発された。 外観は12系客車を元にしているが車体幅は狭く、側面にはマヤ34形と類似する観測用の出窓、また機器の積み下ろし用扉が設けられた。計測機器は車両各部の応力や荷重、振動加速度に変位、車輪への横圧、輪重に脱線係数の測定を主体とし、ひずみ計や温度記録計を備えるほか、速度や走行距離を計測するためのパルス発生装置、台車や車輪の状態を観測するテレビカメラに各種データ処理用のコンピュータを搭載、車端部には被測定車からのケーブルを接続するための端子が設けられた。これらの計測機器の電源としては床下にディーゼル発電機が備えられ、屋根上のAU13A形ユニットクーラー(5基)といった冷暖房設備の電源も兼ねている。台車は高速性能を高めるため新幹線0系電車に使用されたDT-200を元にしたIS式軸箱支持、ディスクブレーキ使用の高速台車TR221を採用しており、これによって設計上の最高速度は150 km/hとしている。なお、本車の車輪は車輪横圧・輪重測定のため1位軸と4位軸が特殊断面のスポーク車輪となっていた。 完成後は1970年4月・5月に車両試験台を用いて最高170 km/hまで定置状態での速度試験を行い、6月には本線上で110 km/h運転試験・曲線通過試験を実施し走行性能を確認、同年に新製されたDE50形の性能試験から強度振動試験車としての運用を開始した。その後は車両性能試験以外にも狩勝実験線で脱線現象の研究に利用され、1987年に廃車された。 >製造データ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 21:22 UTC 版)
試作車の詳細については新幹線1000形電車を参照 計画当初の付番規則に基づき「1000形」の名が与えられた試作車は2編成が作られた。試験という目的から、車輛ごとに異なった特色を持ったものとされた。製造元についても編成内でも分けられ、車輛メーカー5社の分担となった。設計は国鉄・臨時車両設計事務所に技研とメーカー5社が協力する形で進められた。A編成2両とB編成4両、2種類の編成で、連結して6両で試験走行する場合もあった。装備や機器類、台車は、数種のものを車両別に取り付け、テスト走行の結果をもとに量産車に用いる形式を決定した。形状や塗色といったスタイリングについても、A編成とB編成で異なるものとされ、量産型(0系)は窓部分を青いラインに塗り分けたB編成に近いものとなった(塗り分けの先端部への接近の度合いなどが微妙に異なる)。 1962年(昭和37年)6月よりモデル線でさまざまなテスト走行を繰り返し、1963年(昭和38年)3月30日の速度向上試験ではB編成がモデル線で256km/hを達成した。 試作車(新幹線1000形電車)A編成2両:1001、1002(後の941形電気試験車(→救援車)) B編成4両:1003、1004、1005、1006(後の922形電気試験車T1編成) (A・B連結6両編成 1001 - 1006 での試験も行われた) 後に0系の量産先行車となる編成C編成6両:1011、1012、1013、1014、1015、1016(後の21-1、26-1、35-2、16-1、25-2、22-1。後に中間車を追加しN1編成となる) 軌道試験車:4000形4001号(後の921-1) C編成は1964年(昭和39年)2月に搬入、3月からA・B編成とともに試験運転に入った。4001は1962年にモデル線に登場。 量産型の新幹線0系電車。窓まわりの塗色などは試作車B編成の外観に近い。列車番号表示用の小窓は無くなり、静電アンテナはスピード感のある形状となった。正面窓は平面の組み合わせとなった。
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マヤ39900形(マヤ37形)0番台車両性能試験用の試験車。書類上では新製扱いとされているが、実際には瀬田川事故で大破し廃車となったマイネフ37200形(マイネフ37200)を修理の上で改造した車両である。形態的には、天地方向の寸法が小さい側窓や魚腹台枠、TR71台車などにマイネフ37200形の特徴を残していたが、丸屋根で、半式ガーランドベンチレーターが取付けられ、妻面に監視窓があり、出入台下の3か所には階段が設けられるなどの改造が施されていた。試験車としての性格上、その搭載機器は技術の進歩にあわせて順次変化しており、塗装の変化も多かったため、時期によってその印象は大きく異なったものとなった。 1941年の車両称号規程の改正でマヤ37形、1953年の形式称号改正でマヤ38形(2代)に改称され、1975年(昭和50年)に廃車となった。 ぶどう色1号時代(1936 - 1959年)計測機器の多くは1915年にアメリカで製造・輸入され1937年に廃車となったオヤ6650(旧形式オケン5020)のものを改造して再利用した。牽引力の測定には連結器と直結した油圧式のダイナモメーターを用い、車内の測定室には速度や牽引力、各部圧力や温度、電圧など試験対象となる機関車の運転状況を計測し分析する設備が備えられた。床下には台車横に測定用の補助車輪が取付けられたが、これは試験中のみ線路上に下げて、列車の速度などの測定に使用された。 ぶどう色2号時代(1959 - 1965年)電気機関車やディーゼル機関車が増える一方で蒸気機関車が減少、計測機器が旧式化したことから引張力測定装置以外の機器を撤去し、広い測定台が設けられ、外部より必要な測定機器を持ち込んで試験を行う方式に改められた。車体外部に備えられた電気機関車用の配線設備も元のものを撤去、側面下部に被測定車からの配線を引き込むための電線キセが設けられ、計測用電源を確保するため床下の補助車輪を撤去してディーゼル発電機が取り付けられるなど、形態も大きく変化した。 1962年頃までは主にクヤ99000(←クヤ9020)と併結して交流電気機関車の試験に使用された。その後は単独で交流電気機関車、ディーゼル機関車の試験に用いられることが多かった。 青15号、黄5号帯時代(1965 - 1975年)床下は魚腹台枠で大型機器の取り付けができないため、窓にRD-15ユニットクーラーが5か所に取り付けられた。この塗色変更と冷房改造が同時か、別の時期に行われたのかは不明である。 他に50番台が存在したがスハ32系に属する。
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マヤ38形(初代)1950年にマハ47 163を改造した診療車(保健車)。国鉄職員の健康診断を行うための巡回車両。1953年の形式称号改正でマヤ29 1に改番された。1972年(昭和47年)に廃車された。 コヤ90形1961年に国鉄大船工場でオロ31 104を改造した新幹線車両輸送限界測定用の試験車。 東海道新幹線の開業を控え、在来線を使用して車両メーカー各社から車両基地まで新幹線車両を輸送する際に、輸送経路上の各線の地上施設が在来線より最大長、最大幅共に大きい新幹線規格の車体の輸送に支障がないか事前に調査するために用意された車両である。 外観は車体が撤去されているため種車の面影はほとんどない。台枠は中央部分で延長され、台車心皿間の長さは新幹線車両に合わせてあった。 矢羽根は車両中央部および両端に設置され、その動きは添乗員が直接目視して確認した。また両端の矢羽根は連結器より外側に設置されているため、実際の使用に際しては前後に長物車を控車として連結する必要があった。 ブレーキ管の引き通しはあったが、ブレーキ装置の搭載は省略されていた。車体塗色は黄1号。東日本旅客鉄道(JR東日本)が継承したが、1990年(平成2年)に廃車となった。
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電気試験車および電気軌道総合試験車(ドクターイエロー)は、T(Test)編成となっている。 試験車 編成記号一覧記号形式編成番号所属事業者両数最高時速運用状況備考T922形T1国鉄 4 200 1964年 - 1975年 1000形B編成から改造。 T2国鉄・JR東海 7 210 1974年 - 2001年 10番台。0系大窓車ベース。921形軌道検測車組込 T3国鉄・JR西日本 7 210 1979年 - 2005年 20番台。0系小窓車(1000番台)ベース。921形軌道検測車組込 923形T4JR東海 7 270 2000年 - 700系ベース T5JR西日本 7 270 2005年 - 3000番台。700系ベース A955形A0JR東海 6 443 1995年 - 2002年 300X。700系開発のベースとなった車両
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試験車
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試験車 編成記号一覧記号編成番号所属事業者形式両数最高時速運用状況備考SS1国鉄・JR東日本 925形 7 210 1979年 - 2002年 921形軌道検測車組込。ドクターイエロー S2国鉄・JR東日本 925形 7 210 1983年 - 2002年 10番台。921形軌道検測車組込。ドクターイエロー。962形改造 S3国鉄・JR東日本 961形 6 319 1978年 - 1990年 S4JR東日本 400系 6 240 1990年 - 1992年 L編成に編入(L1) S5JR東日本 952形・953形 4+5 425 1992年 - 1998年 STAR21 S6JR東日本 E2系 8 260 1995年 - 1996年 N編成に編入(N1) S7JR東日本 E2系 8 275 1995年 - 1996年 J編成に編入(J1)。後にN編成に編入(N21) S8JR東日本 E3系 5 275 1995年 - 1997年 R編成に編入(R1) S9JR東日本 E954形 8 405 2005年 - 2009年 Fastech 360 S。E5系開発のベースとなった車両 S10JR東日本 E955形 6 360 2006年 - 2008年 Fastech 360 Z。E6系開発のベースとなった車両 S11JR東日本 E5系 10 320 2009年 - 2013年 U編成に編入(U1)。 S12JR東日本 E6系 7 320 2010年 - 2014年 Z編成に編入(Z1)。 S13JR東日本 E956形 10 360(予定) 2019年 - ALFA-X S51JR東日本 E926形 6 275 2001年 - East i。E3系ベース なお、編成記号「S(Shiken)」は系列に関係なく非営業用車両全般(試験中の先行試作車も該当する)に用いられる。
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