第壱中学校
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「新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画 (漫画)」の記事における「第壱中学校」の解説
原作(テレビアニメ版)との相違点を中心に解説する。 碇シンジ 主人公。基本的には原作と同じような優柔不断で気の弱いキャラクターだが、原作の重要な要素だった「破綻した親子関係」がないため、屈託のない明るい少年になっている。成績は中の上程度であり、運動神経も並だが、料理の腕は抜群(ユイ曰く自分よりもレパートリーが多い)で家事もこなす。 女性に優しく面倒見の良い性格だが、女心に関してはかなり鈍感なようであり、シンジ本人はアスカとレイを気にかけつつも、彼女たち(のみならずカヲルやマナ)から寄せられる恋心にはあまり気付いていない様子。またデリカシーに欠ける一面もあり、時に無神経な発言でアスカを怒らせてしまうことがある。原作よりも思春期な面が強くなっており、アスカの下着をいやらしい顔で覗き込んでいたり、トウジ・ケンスケと成人向けの本を回し読みするなど、一般的な中学生程度の性に対する好奇心を見せている。どういうわけか偶然に女性の身体に頭や手を突っ込む「事故」が多く、その度にアスカに鉄拳制裁を受ける。 小説を書くのが趣味となっており、たまに授業中にも書いている。また、小学生の時に嗜んだことがあるらしく、原作同様チェロを弾くことができる。それとは別に、過去に少しだけだが、ピアノも習っていた事があり、学園祭で組んだバンドでキーボードを演奏している。 女装をさせられた事があるが、意外にその姿は美少女っぽく、周囲の評判も良い。 パワーはないがとても器用らしく、どんな型をも抜いてしまう「型抜きのシンジ」の異名を持ち、型屋から出入り禁止を食らっている。また、ボールのコントロールも抜群にうまく、1巻の夏祭りではボールを使った的当て勝負で二枚抜きを達成。9巻ではバグの集合体に作戦通り見事弱点の部位にカラーボールを当てこれを撃破した。使用した武器のモデルはM16A2。 綾波レイ テレビ版最終話の「学園エヴァ」のような賑やかなキャラクターではなく、基本的には原作通りの人付き合いが苦手で、控えめなおとなしい性格。碇家の遠い親戚で、シンジの両親の研究を手伝うために第3新東京市に引っ越してきた転校生。頭脳明晰、体力抜群の完璧な美少女優等生。幼少時は周囲から疎まれ孤独な時期を過ごしたようであり、シンクロテストに失敗した際に一時的に自分の殻に閉じ篭ってしまうが、シンジによって救われる。それから徐々にシンジに想いを寄せていき、アスカからライバル視される。 当初は他者への無関心・無表情といった原作のレイに近い性格として描かれていたが、前述の一件でシンジとの仲が進展して以降、嫉妬の表情を見せたりギャグ要員として砕けた顔を見せたりと、本編独自の性格に変化してくる。シンジがいない時(アスカと一対一の時など)には原作のようにそっけない態度をとっていることもあるが、ことシンジ絡みとなると負けず嫌いな面を見せており、ときには眼力だけでカヲルやマナを退けるほどの威圧感を見せることもある。 本作では原作と異なり、「チルドレン」の設定が存在しないため、アスカなどからも「ファースト」ではなく、名前で呼ばれている。 歌、料理、スケートなど、未経験ゆえに苦手意識をもつ分野も多々あるが、そのうちのいくつかはシンジに教わるなどして上達をみせる。特に料理に関しては、当初は全く出来ず、お粥やたまごサンドですら失敗してしまうほどだったが、努力の結果かなりの向上を見せている。原作同様に肉が好みではないらしく、ラーメン屋のシーンではニンニクラーメンチャーシュー抜きを注文しているが、28話でユイの作った鳥の唐揚げを食べて「おいしい」と発言しているため、肉が食べられない訳ではない模様。味付けに関しては薄味が好み。 ひな人形を見たことがない、肝試しで何をするのか知らないなど、世間知らずな面もあるが、その一方で間接キスの意味を知っていたり、恋愛成就のまじないを実行するなど、恋愛方面に関しては人並みの知識を有している。 スレンダーなスタイルをしているが「シンジは巨乳好き」という情報を聞いて以降、自分の胸にコンプレックスを抱くようになっている。特に入浴シーンでそれが強調されるが、一緒に入浴しているのがミサトやユイといった大人勢であったり、年不相応に発達しているアスカとであったりするためであり、レイ自身は年齢相応には発達している模様。13巻でヒカリ・マナらと入浴した際には彼女らの体型を見て安心を覚えている。 シンジ、ゲンドウに次いで転倒する頻度が高い。 戦闘では、3人の中では一番冷静沈着で、大量のバグが襲って来た時やバグの集合体が出現する予想外のハプニングにもそれほど動じず、冷静に相手を観察して有効な手段や作戦を考えた。使用した武器のモデルはアンチマテリアルライフル(東京マルイオリジナルモデル)。格闘の腕も、3人の中でもっとも早くに訓練に入っていたこともあり、トップクラスの腕前を持つ。その一方で持久力は低く、何かと休憩をとっている場面が多い。 原作ではアスカとの仲は良くなかったが、今作ではシンジを巡って三角関係で対立する事はあるものの、原作より関係は好良である。 惣流・アスカ・ラングレー TV版最終話の「学園エヴァ」に準拠した、シンジの幼馴染というポジション設定で登場。プライドが高く気が強い性格と、その反面寂しがり屋な性格など、原作に忠実な設定もある程度存在する。シンジのことは「バカシンジ」と呼びながらも密かな想いを寄せているが、自分の気持ちに素直になれない。そのため、レイやカヲル、マナと一緒にいる時には、かなりヤキモチを焼いている。また、頭は良いが単純なところがあり、トウジやケンスケがからかうとそれを本気で受け取ってしまう。レイが転校してくるまでは学校一の美少女ならびに優等生だった。 スタイルの良さも特徴で、アスカ本人もそれを自慢に思っている。特に胸に関しては、レイよりも大きいことに優越感をもつ場面も多い。しかしあくまでも「中学生にしては大きい」といったレベルであり、ユイやミサト、キョウコといった大人組の巨乳キャラとの比較時にはげんなりとすることもある。 幼少時は弱虫で泣いてばかりのシンジを叱咤激励していた。それだけに、レイやマナなど他の女子がシンジと仲良くするとすぐに嫉妬してしまう。 レイに関しては当初は「綾波さん」と呼ぶが、後に「レイ」と呼んでいる。原作のように「ファースト」や「あの女」と呼ぶことも対立することもなく、三角関係ではあるが良好な関係を保っている。 好きな料理はハンバーグで、幼少期に親が留守にしていたとき幼いシンジが家まで材料を運び込んで作ってくれたことがきっかけになっている。自分で料理を作るのは苦手で、唯一カレーは得意でこのときだけは張り切る。もっとも、じゃがいもの皮をむくように指示されて皮むき器の存在に考えが及ばず、包丁を大上段に振り上げて一刀両断したり、ごはんを炊くときの米と水の比率が決まっていることを知らなかったりと、格別得意というわけでもない。味付けに関しては濃い目が好み。 4巻でシンジとファーストキスを交わした。 器用さが取り柄であるシンジに対し、アスカは力勝負な面があり、的当てでは力任せにボールを投げていた。バグ戦においても、銃が弾切れになった際、飛来するバグ(この時はてんとう虫)を拳銃で殴り落していた。また、野球大会ではピッチャーを務め、その速球で日向・青葉先生やケンスケから易々とストライクを奪った。 戦闘において、9巻では3人の中では一番の戦果を挙げシンジ達に指示したりとその才能は遺憾なく発揮されている。バグの集合体を打破する作戦を考える時には自分がカラーボールで目標を倒すとは考えずに3人の中でコントロールが一番あるシンジにまかせるといった堅実な人選を考える事ができ、一人よがりで動くのではなくチームとして適材適所な場面を見極める事が出来ている。使用した武器のモデルはベレッタM92F。 下着はいくつかバリエーションがあるが、ボーダー柄の下着(いわゆる縞パン)を着用していることが多い(なお、本作以外のアスカも、貞本コミック版の扉ページや新劇場版などで縞パンを着用している場面がみられる)。 シンジの『事故』の一番の被害者だが、自爆してしまうことも多い(その際も、シンジが殴られる結末に変わりはないが)。 霧島マナ 第2新東京市から第壱中学校にやってきた転校生。シンジに対していきなり「運命の出会い」と発言したり、人前でも抱きついたりするなど積極的にアプローチし、シンジをめぐる恋模様の中へ参入、レイやアスカにヤキモチを妬かせている。性格は明るく、自分の感情に素直。 実はリツコとカヲルを監視してゼーレの動向を探るためにゲンドウやユイが送り込んだスパイで、鍵を破るなどの特殊な技能を持ち、さらには銃の知識にも長けていてケンスケがモデルガンの雑誌を見ている時に「オートマチックよりリボルバーの方が弾詰まりが無く、いざという時の信頼感が違う。」と発言した。そのほか、歌、ドラム、料理、スケートなど特技は多岐にわたる。過去にシンジと出会った事があるという(もしくは5巻にて、シンジの生徒手帳を拾ったことを指している可能性もある)が、シンジは覚えていない。シンジらとバンドを結成した際にはドラムを担当し、この時自身が歌唱力が高いことからボーカルを兼任しようとしていたが、本番当日に風邪をひいたことで辞退している。 渚カヲル シンジになれなれしく接する転校生。転校初日から、隣の席になったシンジに同性愛に近いような接し方をしてきた。温厚で口調も丁寧だがどこか人を見下している一面もある。アスカはこれを良く思っていない。また、ゼーレから派遣されたという設定は本編と同じだが、こちらの彼はシンジの両親の研究の邪魔をするために派遣されたという設定になっている。カヲルは自らの任務に関して「シンジ君をボクのものにすればいいんだろう?」と発言しており、シンジはカヲルの積極的なアプローチに赤面することが多く、アスカに大いにヤキモチを妬かせている。 また、美形であるため脇役の女子生徒からの人気が高く、バレンタインデーにはチョコレートを山のように貰っている。レイやアスカとは立場上対立する関係にあるが、シンジを巡る女性関係は一歩引いた立場から楽しそうに観察している節がある。 同じゼーレのスパイということで、リツコと二人でいることが多い。 鈴原トウジ シンジの親友。原作では最初はシンジを嫌っており、後に和解して親友になったが、こちらでは最初から仲の良い友人と言う設定である。原作と同じく関西弁で喋り、性格などは原作とさほど変わらない。シンジとアスカの口論を見ては、仲の良い夫婦だと茶化している。原作同様妹がいる。 野球大会ではピッチャーとして先発出場。マナ、レイ、アスカを三者凡退に抑えるなど研究所チームを0点に抑える好ピッチングを見せた。しかし、ミサトがわざとはだけさせた胸元に釘付けになってしまい、レイ、アスカに連続して出塁を許している。 ヒカリとは原作通りの「問題児と優等生」な間柄だが、実は付き合っており、本人たちはその事を秘密にしているつもりだがクラスメイト達には感づかれている様子。ヒカリに作ってもらった弁当をよく食べているが、本人は「残飯処理」と言い張っている。 相田ケンスケ シンジ・トウジの親友。トウジと同じく、性格や立ち位置などは原作とさほど変わらない。ミリタリーヲタクである点、カメラ好きである点も健在である。雑誌を見てどのモデルガンを買おうか迷っていた際、横から話しかけてきたマナに対し「僕の趣味を理解してくれる女の子がいるなんて・・・」と頬を赤らめていたが、マナが自分ではなくシンジの方へ行ってしまった為、女子に恵まれないことを嘆いていた。また、アスカに対しても好意を抱いていると見受けられる描写もあった。バレンタインデーには主要男子キャラの中で唯一チョコを貰えなかった。マナのリボルバーに信頼を寄せている旨の発言を受けて、サバイバルゲームを企画したときはマナにはリボルバー型のエアガンを手渡す、シンジとレイの掃除の手伝いをあえて拒むことで、シンジとレイが2人きりになれるよう計らうなど、細かな気配りができる。 洞木ヒカリ シンジたちのクラスの学級委員長。原作よりかなり出番が増えている。 アスカの親友で、彼女の相談相手(その内容のほとんどがシンジ絡みだが)となっている。シンジが他の女性やカヲルに誘惑された際「アスカのことはどうするの!?」と発言するなど、アスカがシンジと上手くいくよう願っている様子。 トウジとは「優等生と問題児」な間柄だが、実は交際している。学校に居る時は付き合っている様な素振りは見せないが、バレンタインデーにひそかにチョコレートを渡していたり、二人きりのデートを行っている。クラスメイトたちからはトウジとの関係を冷やかされており、ヒカリ本人は否定しているものの、クラスでは公認のカップルと思われている(まだ本人たちに照れが強いらしく、行事ごとの際にはいろいろな理由をつけて遠まわしにトウジを誘い入れようとしてアスカに突っ込まれている)。 葛城ミサト シンジたちの担任。明るく豪快で生徒に人気がある。中学校の教師であるが様々な教科を教えている。本編と同じく性格は適当で、冷蔵庫はビールとおつまみぐらいしか入っておらず、シンジがそれを見た際に嘆いている場面がある。人工進化研究所との関係は父親が設立時に関係していたとの事で知己がある。当初は研究所で何を研究しているかは知らなかったが、ゲンドウやユイの思惑とは知らずに召集され、シンジの育成に関わる立場にいる。また料理は本編と同じくまったくできない。 ゲンドウとユイが研究所詰めに入って以降、保護者という立場でシンジと同居を始めた。程なくして、同じく一人でいることが多かったアスカも招きいれ、原作同様の三人暮らしになっている。シンジの前で簡単に下着姿になるなど無防備な面が見られるが、野球勝負の際にトウジの意識をそらすためにわざと胸元を開くなどしているため、単にシンジを男性として意識していないだけと思われる。 当初はシンジやアスカから「ミサト先生」と呼ばれていたが、両者とも後に原作と同じ呼び方(シンジは「ミサトさん」、アスカは飛び捨て)に変わっている。レイからは一貫して「葛城先生」と呼ばれる。 毎回シンクロ率を上げるハチャメチャな案を出しては、効果を出すのだが、完全に成功した例は少なく、シンジたちからは、ミサトの努力って何か効果あったっけ?等と言われている。また、アスカやレイとシンジの恋の行方を面白がっている一面もある。 加持リョウジから頻繁に借金をしており、クラス対抗の運動会や町内会の野球大会などで勝負を吹っ掛け、借金の帳消しを試みている。最初に賭けた体育祭では勝利したが、それ以降はミサトが全敗している。 本編ではセカンドインパクトの時に負った大きな傷が体にあったが、その設定自体が無いので体に傷は無い。また、巨乳が強調される描写が目立つ。 赤木リツコ 第壱中学校の養護教諭。その一方でゼーレとつながっており、ゲンドウとユイの研究を妨害するようにシンジに探りを入れたりカヲルに指示を出すなどしている。シンジが風邪気味で保健室に来た際にはグラマラスな魅力でシンジをドキドキさせている。原作と同様、葛城ミサトとは大学時代からの付き合いだが、ミサト曰く「ただの腐れ縁」のため、原作程親しくない模様。 ゲンドウの邪魔をする立場でありながら、ゲンドウには密かな恋心を抱いている様子で、ゲンドウの前に出ると頬を赤らめたり、他の女性陣があきれてしまうような彼の言動に対しても「かっこいい」と心中でドギマギしている。そのゲンドウから、不慮の事故で意図せず服を脱がされたり、股間や胸に顔を埋められてしまったりと散々な目にあうが、これに対しても嫌がるよりもむしろ喜んでいるようなそぶりを見せている。 ゲンドウらの組織と無関係であるのみならず、ゼーレのスパイという原作とはまったく異なった立ち位置にある。原作で彼女が勤めていたコンピューター関連のエキスパートというポジションは本作ではユイに置き換えられている。6巻で乗っている愛車は光岡・オロチ ストーリー終盤では改心して人工進化研究所側に寝返り、原作とほぼ同様のポジションとなる。 加持リョウジ シンジたちの隣のクラスである2年B組の担任。担当教科は体育で、2年A組の体育もリョウジの担当。体育教師というだけあって運動能力は高く、野球大会では途中からマウンドへ上がり、剛速球でミサトから三振を奪った。 ミサトやリツコとは学生時代からの付き合いで、ミサトとはほとんど腐れ縁の様な関係。今でも一緒に食事に行くなど仲は良いが、ミサトに色々と振り回されており、ミサトと外出した先でシンジらと出会うと決まって憔悴し切っている。 実は人工進化研究所のエージェントらしく、ゼーレの動向を調査しゲンドウやユイへ報告している。しかし、人工進化研究所との関連性は原作よりも薄い。 喫煙者であり、シンジが受動喫煙の被害に遭うのではないかと心配したゲンドウに注意されている。 日向マコト・青葉シゲル 第壱中学校の教師。3年生の受け持ちで、面識の薄いシンジは誰だか気づかなかった。夏祭りや文化祭などの場面では台詞付きで登場していたが、他はほとんど背景に近い登場。番外編では登場の少なさから来る鬱憤を酒で紛らわせている。 なお、シゲルは音楽に見識があり、バンドを結成したシンジたちに演奏法を教えていた。ギターとベースを所持している。 原作とは異なり、研究所とは無関係である。 伊吹マヤ 第壱中学校の新任の国語教師。まとまりの無いクラスに頭を抱える様子が描かれた。原作と同じくリツコの後輩で、潔癖症は健在。遅刻しがちなミサトに代わって2年A組の朝のHRを担当していることも多い。町内会ではアイドル的存在で、町内会主催の運動会や野球大会ではアナウンス係を依頼されている。 日向や青葉と同じく、今作では研究所とは無関係である。
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